矛盾していたとしても問題ない(無敵)。
~これまでのあらすじ~
~素朴な疑問~
私は、反出生主義者の人に訊けばいいと思いました。
でも私には、反出生主義者の友人知人がいませんでした……(少なくとも、公言していないという意味で)。
というわけで、なりきり反出生主義者2日目を始めます!
では以下目次です。
反出生主義とは?生き地獄を回避する思想
~反出生主義者のおさらい~
- 人間は必ず死ぬ
- 私は人間である
- 私は必ず死ぬ!
- 私が人間として生まれなければ、私は死なずに済んだのに!!
生者必滅(生あるものは必ず死ぬ)といいますが、逆にいえば、「生」がなければ「死」もありません。
自分の死が怖いなら、それは自分がこの世に生まれてきたから怖いんだし……。
愛する人の死が怖いなら、それは愛する人がこの世に生まれてきたから怖い。
- 人間が生まれたから⇒戦争が生まれた
- 人間が生まれたから⇒病気が生まれた
- 人間が生まれたから⇒事故が生まれた
喜怒哀楽でいえば、この世は明らかに、「怒」や「哀」のほうが大きい……(と、感じると主張する人が少なからず存在します)。
たとえば、憎悪や嫉妬や承認欲求などの醜い感情は、自分とともに生まれました。
そして、あらゆる欲望や感情を満たしたところで、死んで全部失う無意味な人生。
ペットの犬や猫を、「家族」としてカウントする人は多いですよね。
つまり犬や猫などのペットは、ある家に迎え入れられた瞬間、その家の「家族」として「誕生」するといえます。
そして「誕生」させてしまったがために、その「家族」はさまざまな幸不幸を体験したあと、必ず死別という悲しい結末を迎えます。
これが反出生主義です。
たぶんそのあと、「だから自分は子どもを産まない(自己完結・個人主義)」とか、「親になる人間は全員無責任(責任追及・全体主義)」みたいなバリエーションに派生していくと思いますが……。
いずれにしても、すべての反出生主義者の共通認識は、
なら死ねば?生きて明日の自分を生むなよ
~反出生主義者への疑問(という名の攻撃)~
なんというシンプルかつ最速最短距離の解決策でしょう、やっぱりみんなそう思いますよね?
そうです、そんなにこの世が恐怖と苦痛と不幸まみれなら、逃げればいいじゃん。
「生き地獄」なら、生きなければ解放されるんだし、
人間の1日を人生にたとえるという、まあありがちなやつで申し訳ないんですが。
しかしこの考え方は、ありがちなぐらい一理あります。
反出生主義者は、「生まれたことが問題であって、生きることは問題ではない」みたいな言い訳をするかもしれませんが、
生きることに問題(たとえば苦痛)がないなら、仮に生まれたことに問題があったとしても、生まれた⇒生きることになった瞬間に問題は雲散霧消します。
でも実際には、生きる上で問題が解消されていないから、わざわざその原因である出生まで遡って問題視しています。
でも本当に自分がいま生きている起源まで遡るなら、自分の出生←自分の親の出生←自分の親の親の出生←自分の親の親の親の出生←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←、
手遅れにも程があるでしょう。
だから反出生主義者は、宇宙の出生に反対したりしない。
直近で自分を生んでいるものに反対するべきだし、それはほかならぬ自分だし、たとえば今日の自分を生んだのは昨日の自分なんだし、
- 明日以降の自分を生じさせることによって、
- 明日以降の自分が恐怖や苦痛を感じるなら、
- 明日以降の自分を生じさせるべきではない。
反出生主義の論理なら、この計算が成り立つはずです。
反出生主義者は、よくいいますよね?
また明日の朝……かどうかは知りませんが、生活がぶっ壊れていて昼か夜かもしれませんが、また目が覚めて「また今日も生まれてしまった……」とまた絶望する自分の気持ちを考えたことがあるんでしょうか?
そして「今日」、またまた不幸を感じちゃっているのって、自分に生を授けちゃってる自分のせいじゃない?
だからみんないうんだよ、
反出生主義者を論破しても意味がない理由
~反出生主義者の回答(予想)~
ここまで考えて、反出生主義者の無敵論法がわかりました。
反出生主義者は、なにがあっても、どんなことがあっても、
- 自分が論破されるのは⇒自分が生まれてきたから
- 自分が被害者ぶるのは⇒自分が生まれてきたから
- 自分が生き続けるのは⇒自分が生まれてきたから
つまり、仮に反出生主義者をボコボコに完全論破して叩き潰したとしても、「完全論破された惨めな人生、これは自分が生まれてきたからだ!」という呪文によって復活を遂げます。
「被害者ぶるな」と批判されれば、「被害者ぶる憎たらしい人生、これは自分が生まれてきたからだ!」という被害者アピールによって、また立ち上がります。
「なんでまだ生きているの?」と質問のふりをした刃を突き立てられれば、「なんでまだ生きているのかわからない人生、これは自分が生まれてきたからだ!」という答えによって、また生まれ変わります。
反出生主義のくせに、何度も何度も生まれ立ち上がるなといいたい。
しかし、なにをいったところで、この自己防衛システムによってすべて無効化されます。
反出生主義者が、どんなにメチャクチャな主張をしても、どんなに矛盾していて不合理で非論理的な人生を送っていても、
こうして反出生主義者は、不死身のゾンビアタックを繰り返しながら生きていけます。
自分でも死ねばいいじゃんとか、てか死にたいとか思っていても、でも死ねないし死なないのも……。
睡眠と起床の無責任さは、妊娠と出産の無責任さと同じじゃんとかいわれても……。
~質問と回答~
まとめ:反出生主義者には関わったら負け
- 反出生主義者とは、この世の地獄を回避するために、この世の出生を否定する思想
- 反出生主義者は、出生と生存を区別するが、結局生存本能の奴隷だと思われている
- 反出生主義者は、しかしあらゆる批判を、「自分の出生批判」へとすり替えが可能
以上です。
というわけで、反出生主義者は、この世の自分のあらゆる行いを「自分を生んだ行い」に還元できます。
「製造者責任」とか「任命責任」とかいうのと同じで、「出生責任」があるのです。
反出生主義者が死にたいのも、死ねないのも、この世を呪っているのも……すべては、生まれてきたから。
そして、世間一般の考えで攻撃しても、
反出生主義者を攻撃すれば攻撃するほど、「反出生主義」が強化されるバグ……。
私は思いました、
以上、まあ反出生主義者は繁殖によっては増えないので、放置していればそのうち消滅するでしょう……。
でも手を出せば、ゾンビアタックで反撃を食らって「たしかにこんなやつら、生まれてこないほうがよかった……そして、こんなやつらと同レベルで争っている自分も、生まれてこないほうがよかった……」などと感染してしまえば、これであなたもゾンビの仲間入り。
反出生主義者は、そういう通常攻撃無効、特殊攻撃でしか倒せないキャラなのです……たぶん。
少子化でSDGsに貢献している日本人は偉い!安田尊@サスティナブル・ファッションを謳うブログ。こんにちは、今月の初めに投稿した記事で、【SDGs】白い服はアンチSDGs!黒い服を着るべき理由!棚上げした問題と向き合いたいと思い[…]
自殺は「自分を殺す」と書くけど、どの段階の自分がどの段階の自分を殺したいと思ってどの段階の自分を殺すの?安田尊@答えを謳うブログ。こんにちは、前回の記事で、【反出生主義】なぜ自殺しないの?生きるのは矛盾してない?謎の理論を提唱[…]