親を買う話⇒子を捨てる話。
~表視点「親を買う話」~
~裏視点「子を捨てる話」~
ヤバい、最近観たどの映画より面白い!!
でも、知名度が全然ありませんよね?
たぶん、子どもとかが見ても、描かれていない「裏視点」が交錯していることが読み取れないのかも……。
- 日本昔話『かちかち山』
- 日本昔話『さるかに合戦』
- 日本昔話『やまんばと牛かた』
本作は、上記の有名昔話&復讐劇と並べても遜色ない、一線級の復讐劇です。
というわけで本記事では、復讐大好き人間が『親を買う話』の簡単なあらすじや面白さを解説します。
では以下目次です。
日本昔話『親を買う話』の簡単なあらすじ
~日本昔話『親を買う話』のあらすじ~
~村人の反応~
~交渉成立~
~1週間後~
~遺産争い~
~屋敷の主人~
~親孝行~
~養子縁組~
~親不孝~
~「子を捨てる話」~
~二世帯住宅~
以上が、日本昔話『親を買う話』のあらすじです。
アニメ『まんが日本昔ばなし』をベースにまとめました。
大昔の民間伝承であるため、厳密な意味での作者や出典や元ネタは不明です。
なぜ面白い?「子を捨てる話」も楽しめる
- タイトルのシンプルさ
- 若者夫婦の異常な思想
- 勧善懲悪のストーリー
順番に解説します。
まず①、
たった5文字であらすじを説明しきっており、なおかつインパクトがすごい。
大昔の奴隷から現代のパパ活まで、人間が人間を買うときは、大人(親)が若者(子ども)を買うのが常識です。
そんな人類の常識に反して、「親を買う」という謎ワード、こんなの興味をそそられるに決まってるよ!!
「親を買う」という謎のストーリーが可能になっている理由は、若者夫婦の頭がおかしいからです。
どう考えても、単なる「優しい人」とか、「善人」とかに収まる能力を超えています。
だって、心優しい常識人のみなさん、考えてみてください……、
それが答えです。
作中では、親売りに対してボロクソいう村人が悪者みたいに描かれていますが、普通に村人のほうが正常でしょう。
若者夫婦は、親を買う契約を結んだあと、冷静になって考えます。
~人身売買~
↑口では「気の毒」といいながら、金の力で他人の家族を奪う悪魔の所業。
完全に異常者でしょう、これ。
たぶん子どもを買っている大人だって、風俗嬢を抱いているおっさんだって、同じようなセリフ吐いてるよ?
若者夫婦は、(親購入で全財産を使い果たしたので)自分たちの着物や布団を解体して親の着物に作り直すという、善の神としかいえない行動を取っています。
でもそのせいで、特に夫のほうは、冬なのにずっとフンドシ一丁で過ごすはめになっていますが……。露出狂の神では?
タイトルで釣られて、こんな魅力的なキャラクターまで見せられたら、そりゃ最後まで観ちゃうよ!!
さて本作は、善良な若者夫婦が、「親を買う話」です。
しかし、「親を買う話」が始まる以前から、別の場所で別の物語が進行していました。
その物語について、若者夫婦は「親を売るほうの気持ち」と思いを馳せていましたが、考えるべきは別の思いでした。
豪華な屋敷に住むおじいさんとおばあさんは、自分たち亡きあとの遺産にしか興味がない子どもたちに、心底うんざりしていました。
子どもたちは、だれも親のことを想っていないし、頭にあるのは屋敷や蔵や財産のことばかり。
そして親族で集まれば、遺産相続を巡って、醜い喧嘩を始める……。
老夫婦は、実の子を捨てるという、鬼の心を持った親になってしまいました。
なにも多くは求めていません……継ぎ接ぎだらけのボロっちい着物でも、プレゼントされれば喜ぶような、温厚なおじいさんとおばあさんなのに……。
そんな心優しいおじいさんとおばあさんが鬼になるまでに、いったいどれだけの失望と苦悩と葛藤があったのでしょうか?
そして結末としては、鬼の復讐は完了し、親不孝な子どもたちは追放されます。
善良な若者夫婦は、親孝行が報われて、莫大な財産と子宝に恵まれます。
教訓は?自分の親を大切に!後悔する前に
まあ一口に「親」といっても、何不自由なく子どもを育て上げる親もいれば……。
どうしようもないカルト宗教にハマって、一家を崩壊させて子どもを追い詰めて、カルト宗教の広告塔だった安倍元首相暗殺事件の引き金になるような毒親もいるわけですが。
そういう個別のケースは一旦置いておくとして、人間の生殖行動として、
~人身売買~
- 親
- 子
①②「実の親子」という枠で考えると、①「親」は最初の親を亡くしてしまえば、それっきりです。
でも②「子」は、仮に第一子を十分愛する前に亡くしてしまったとしても、第二子や第三子を生んで愛情を注ぐチャンスがあります。
そういう意味で、
現代の日本では、「親を買う」なんて行為は非現実的です(というか、昔でも非現実的だったと思いますが)。
だいたい、介護報酬や遺産目当て以外で、「親孝行のために親を買う」なんて愛情自体が非現実的です。
しかしそこで、若者夫婦のストーリーに則って教訓を語るなら、
どこの世界に、自分の財産や衣服や寝床まで犠牲にして、他人の親を買って親孝行をする人間がいるのか?(まあ昔話の世界ですけど)
一方で、老夫婦側のストーリーは、現実世界にもたくさん例がありますよね?
すなわち、現実的な教訓はこれです↓
なお、ここでいう「自分の親」には、育ての親も含みます。
実の親は血で繋がっているし、育ての親は時間で繋がっていると考えれば、自分と直接繋がりのない「他人の親」ではないですよね。
そして、そういう繋がりのある親子関係のうち、子が親を愛するほうがチャンスは少ないのです。
まとめ:親孝行の家系か親不孝の家系か?
- 日本昔話『親を買う話』は、ある若者夫婦が、親孝行のために他人の親を買う話
- 日本昔話『親を買う話』は、ある老夫婦が、縁切りのために我が子らを捨てる話
- 日本昔話『親を買う話』は、親孝行者は幸せになり、親不孝者は不幸せになる話
以上です。
私は本記事で、『親を買う話』の若者夫婦に対して、「異常」とか「非現実的」とか連呼していますが、
という、完全にファンタジーとはいいきれない感じが上手いお話でした。
しかし仮に、昔はこのレベルのぶっ飛んだ人間がいたとして、はたして現代まで生き残れているでしょうか?
遺伝的な話をすれば、この優しすぎる若者夫婦に揃って両親がいないのって、
優しすぎる親は、優しすぎるがゆえに、親孝行を拒否したのかもしれませんし……。
優しすぎる子は、優しすぎるがゆえに、他人の親を買ってでも親孝行を果たしたのかもしれません。
でもそんな優しすぎる家系は、悪者に騙されたり食い物にされたりして、あんまり子孫繁栄できそうにありません。
一方で、子が親の財産を狙っているような家系、そしてそんな子どもを親が平気で切り捨てるような、
この親にしてこの子あり……そもそも、子どもたちが遺産争いに明け暮れるようなクズに育ったのは、親が鬼だったからなのかもしれません。
さて、私たちがどちらの子孫なのかは、世の中を見渡してみればわかります。
以上、日本昔話『親を買う話』の解説でした!
くよくよ悩んでいる暇があったら「行動」あるのみ!安田尊@答えを謳うブログ。こんにちは、前回の記事や前々回の記事で、【幸福】幸せな自殺は矛盾か?幸せに生き続ける人生は幸せか?【矛盾】悩みがないのが悩み?あらゆる悩みが存在しな[…]