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【和訳・歌詞解釈】アラン・ウォーカー『Darkside』(盲目的な側面)

俺は君を食べるし、食べたし、今も食べてるよ(舞城王太郎『淵の王』)


~これまでのあらすじ~

盲目的な側面 安田尊@「盲目的な側面」を謳うブログ。
こんにちは、前回の記事で、宇多田ヒカル『光』の歌詞を解釈しましたが、
【歌詞解釈】宇多田ヒカル『光』は運命を照らす「認識の光」!
アラン・ウォーカー『Darkside』の歌詞解釈は『』を踏まえて行います


  1. ソース1:Alan Walker – Darkside (feat. Au/Ra and Tomine Harket) – YouTube(Alan Walker公式) – 2024年12月30日閲覧。
  2. ソース2:Alan Walker – Darkside Lyrics – Genius Lyrics – 2024年12月30日閲覧。

つまり今回は原語が英語なので、『光』を踏まえて意訳をしつつ、翻訳の意図を説明するスタイルで進めます。

前回同様、作者の意図は無視します。

では以下目次です。

「Darkside」を「盲目的な側面」と訳す理由


~アラン・ウォーカー『Darkside』の歌詞~

Darkside アラン・ウォーカー『Darkside』のイメージ
We’re not in love(私たちは愛し合わない
We share no stories(私たちは結ばれない
Just somethin’ in your eyes(あなたの目に映る影を
Don’t be afraid(怖がらないで
The shadows know me(影たちは私を知っている
Let’s leave the world behind(世界なんてどうでもいい

さて、宇多田ヒカル『光』同様に、今回も恋愛や結婚や婚約を匂わせる歌詞が展開されていますがそれらは見せかけです。

宇多田ヒカル『光』においては、運命に盲目的だった「私」が運命と結ばれる、運命に目覚める物語でした。

アラン・ウォーカー『Darkside』は、逆に運命に盲目的な人生を歩む物語なので、


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私たちは愛し合わない」⇒「私たちは運命と愛し合わない

宇多田ヒカル風にいえば、「私(盲目的な人生)」は「君という光(運命への認識)」と愛し合わないし、「物語を共有しない(We share no stories)」⇒「運命と結ばれない」。

だから宇多田ヒカル『光』においては、認識の光に目覚めたあと、「暗闇に光を撃て」ますが……。

アラン・ウォーカー『Darkside』においては、目に映る「なにか(something)」を怖がってはならず、


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「なにか」とは、「暗闇」であり「影たち」です

光あるところに影あり。

「私」が光(運命に自覚的な視点)に照らされるとき、影たち(運命に盲目的な視点を代表とする、運命を放棄する視点たち)もまた「私」を見つけています。

そして「私」は、影たちに誘われるまま、世界も運命も放棄することを選び、


~アラン・ウォーカー『Darkside』の歌詞~

Darkside アラン・ウォーカー『Darkside』のイメージ
Take me through the night(私を真夜中に連れ出して
Fall into the dark side(盲目的に生きよう
We don’t need the light(私たちに光はいらない
We’ll live on the dark side(私たちは盲目的に生きる
I see it, let’s feel it(わかるでしょ、そう感じるでしょ
While we’re still young and fearless(まだ幼くて怖い物知らずなうちに
Let go of the light(光を捨てよう
Fall into the dark side(盲目的に生きよう

光(運命)を捨てて闇(盲目)へ、人生の「盲目的な側面(dark side)」へと堕ちていきます。

貴重なものを捨てられるのは怖い物知らずだからで、怖い物知らずなのは若さゆえの過ち。

だから宇多田ヒカルが、表面上は『光』を恋愛や結婚に見立てて歌っているのは、「幼さからの脱却」を意味し(一般的に婚約は成人がするもの)、


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『Darkside』では、恋愛や結婚(成熟)が否定される(not in love)。

私は大人にならない。

私は成長したくない。

私は幼稚でいいから、


~アラン・ウォーカー『Darkside』の歌詞~

Darkside アラン・ウォーカー『Darkside』のイメージ
Fall into the dark side(盲目的に生きて
Give in to the dark side(盲目的に死のう
Let go of the light(光を捨てよう
Fall into the dark side(盲目的に生きよう

というわけで、直訳すれば「Fall into the dark side」は、「闇の側面に落ちる」とか「暗黒面に落ちる」ですが……。

同じく直訳すれば、「Give in to the dark side」は、「闇の側面に屈する」とか「暗黒面に屈する」ですが……。

本記事では「Dark」⇒「運命に盲目的」であり、「落ちる」⇒「堕落した人生」、「屈する」⇒「野垂れ死ぬ」という感じで訳しています。

「真実」や「運命」を盲信していませんか?


~アラン・ウォーカー『Darkside』の歌詞~

Darkside アラン・ウォーカー『Darkside』のイメージ
Beneath the sky(空の下は
As black as diamonds(ダイヤモンドのように暗い
We’re runnin’ out of time(私たちには未来がない
Don’t wait for truth(運命を信じないで
To come and blind us(運命こそ盲目的だから
Let’s just believe their lies(影たちの嘘を信じよう

さて、空の下やダイヤモンドが暗いのは「光」が失われているからであり、私たちの認識が盲目的な視点の支配下にあることを意味します。

盲目的な視点には「現在」しか必要ないので、「もう時間切れ(runnin’ out of time)」⇒「未来がない」。

そして盲目的な視点は、「運命」を否定してこう謳います、


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真実」だからって、無条件で信じるほうが「盲目的」でしょ?

たしかに……私たちは「真実」を無条件で信じがちで、それは真実が真実だからですが、「真実だから真実だ」はA=Aのトートロジーでなんの証明にもなっていません。

真実=真実で、私たちは真実を語っているだなんて、そんなことはそのへんのカルト宗教信者でも陰謀論者でも全員が主張していることでしょう。

盲目的というなら、だから「目が覚めた」という連中も、「真実を知った」とか「運命を悟った」とかいう連中も同じであり、


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本当にその「認識」、「盲信」しちゃっていいの?

それって独断と偏見じゃないの?

なんで光が正しくて影が間違っているってわかるの?

「真実」を鵜呑みにするべきではないように、「嘘」を無闇に疑うべきでもないんだし、「嘘から出た実(まこと)」だってあるんだから嘘を信じたっていいんじゃない?


~アラン・ウォーカー『Darkside』の歌詞~

Darkside アラン・ウォーカー『Darkside』のイメージ
Believe it, I see it(信じて、わかるでしょ
I know that you can feel it(あなたも感じているでしょ
No secrets worth keepin’(素直な気持ちを隠さないで
So fool me like I’m dreamin’(私は騙されたい、夢を見ているみたいに

直訳すれば、「No secrets worth keepin’」⇒「守る価値のある秘密はない」です。

みんな本音をいえば、優しい嘘を信じたいし楽なほうに騙されたいくせに、バカにされると思って必死になって隠しているよね?

でも、そんなふうに本心を隠して、仮面をかぶって生きることになんの価値があるの?


~宇多田ヒカル『光』の歌詞~

光 宇多田ヒカル『光』のイメージ
運命の仮面をとれ

と、宇多田ヒカル『光』においてもささやかれているように、素顔を晒せばいいのです。

それが運命に盲目的な「私」の声です。

ほら大丈夫、だれだって夢を見ているときにはそれが現実だって信じているでしょ、「夢と現実」も「嘘と真実」も「素の自分と演技している自分」も区別はつけられないでしょ、


盲目的な側面 安田尊@「盲目的な側面」を謳うブログ。
運命に自覚的でも盲目的」でも、どっちでも「運命的」だよ

盲目的に生きて盲目的に死んでなにが悪い?


~アラン・ウォーカー『Darkside』の歌詞~

Darkside アラン・ウォーカー『Darkside』のイメージ
Take me through the night(私を真夜中に連れていって
Fall into the dark side(盲目的に生きよう
We don’t need the light(私たちに光はいらない
We’ll live on the dark side(私たちは盲目的に生きる
I see it, let’s feel it(わかるでしょ、そう感じるでしょ
While we’re still young and fearless(まだ幼くて怖い物知らずなうちに
Let go of the light(光を捨てよう
Fall into the dark side(盲目的に生きよう

Darkside アラン・ウォーカー『Darkside』のイメージ
Fall into the dark side(盲目的に生きて
Give in to the dark side(盲目的に死のう
Let go of the light(光を捨てよう
Fall into the dark side(盲目的に生きよう

Darkside アラン・ウォーカー『Darkside』のイメージ
Dark side(盲目的
Dark side(盲信的
Dark side(無目的

Darkside アラン・ウォーカー『Darkside』のイメージ
Take me through the night(私を真夜中に連れていって
Fall into the dark side(盲目的に生きよう
We don’t need the light(私たちに光はいらない
We’ll live on the dark side(私たちは盲目的に生きる
I see it, let’s feel it(わかるでしょ、そう感じるでしょ
While we’re still young and fearless(まだ幼くて怖い物知らずなうちに
Let go of the light(光を捨てよう
Fall into the dark side(盲目的に生きよう

まとめ:闇に溶け込むか?光と調和するか?


安田尊 安田尊@まとめを謳うブログ。
それではおさらいも兼ねて、ここまでの要点を3点でまとめます。

  1. アラン・ウォーカー『Darkside』は、人生の「盲目的な側面」へと堕落していく歌
  2. 人生には「運命的な側面」もあるらしいけど、「運命」を信じる根拠もないでしょ
  3. 光か闇か、運命か盲目か、そんなのはどうだっていいってみんな思って生きてるよ

以上です。

というわけで、アラン・ウォーカー『Darkside』は、認識の光が敗北した場合の人生を歌っています。

しかしこのままでは、アラン・ウォーカーが盲目的な人生の賛美者だと勘違いされかねないので、


~アラン・ウォーカー『Unity』の歌詞~

Unity アラン・ウォーカー『Unity』のイメージ
You are my symphony(あなたは私の交響曲
By your side, we are unity(あなたの側で、私たちはひとつになる
You are my energy(あなたは私の力
My guiding light, we are unity(私を導く光、私たちはひとつ
(We are, we are) We are unity(私たちは調和する
(We are, we are) We are unity(私たちは完成する


  1. ソース1:Alan x Walkers feat. SAPPHIRE – Unity – YouTube(Alan Walker公式) – 2024年12月30日閲覧。
  2. ソース2:The Walkers & Alan Walker – Unity Lyrics – Genius Lyrics – 2024年12月30日閲覧。

宇多田ヒカル『光』でいうところの、「完成」を歌っているアラン・ウォーカーも見てみましょう。

次回は、アラン・ウォーカー『Unity』の歌詞解釈です。

以上、本記事はアラン・ウォーカー『Darkside』の歌詞解釈でした!

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