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【映画感想】『ノンストップ・バディ』は殆どドイツの実写版GTA!

ノンストップ・バディ 俺たちには今日もない(原題:『Nicht mein Tag』、2014年のドイツ映画、日本語字幕版)を観ました。


ノンストップ・バディ安田尊@『ノンストップ・バディ』を謳うブログ。
ほとんどドイツ映画版&実写版のGTA

です。

「GTA」がゲーム『Grand Theft Auto』だとわかった方、GTAファンの方(特にコメディ寄りのイカれた登場人物やストーリー、「不審者と変質者ミッション」などが好きな方)は楽しめると思います。

一方で、特殊部隊が出動してくるようなド派手な銃撃戦や爆発やアクションはないので、戦闘狂の方からすると少し物足りないかもしれません。

私はストーリー&キャラクター重視なので、楽しめました。

なんといっても本作は、


不審者と変質者安田尊@不審者と変質者を謳うブログ。
主人公が不審者と変質者

です(じつはGTAの主人公たちもそうですよね)。

というわけで本記事では、『ノンストップ・バディ』のどのへんがGTAっぽいのかを解説します。

本記事は、映画『ノンストップ・バディ』の詳細なネタバレを含みます。ご注意ください。

映画『ノンストップ・バディ』の簡単なあらすじと要約


あらすじと要約安田尊@あらすじと要約を謳うブログ。
映画『ノンストップ・バディ』の要約は、ほとんどドイツ映画版&実写版のGTAです。

本作は日本語版タイトルにあるとおり、2人の男性主人公、

  1. ティル・ライナース……銀行マン。仕事や夫婦生活に不満はあるが、家族を養うために頑張っている
  2. ナッポ……犯罪者。刑務所に3年服役後、ティルに融資を拒否されて、銀行強盗&ティルを誘拐する

によるバディものです。


Question安田尊@Questionを謳うブログ。
なぜ銀行マンと銀行強盗がバディを……?
Answer安田尊@Answerを謳うブログ。
ストックホルム症候群

「ストックホルム症候群」とは、犯罪被害者が、犯罪加害者に同情したり共感したり協力したりする心理状態のことです。

まさに本作の序盤では、この「ストックホルム症候群」的な友情が築かれます。

最初、2人の関係性は最悪でした。


ナッポ安田尊@ナッポを謳うブログ。
まず銀行に利用客として来店したナッポは、名車「68年式のマスタング・ファストバッグ」の購入資金や、彼女との旅行費用に必要な融資2万ユーロ(約200万円)を申し込みます。
ティル安田尊@ティルを謳うブログ。
が、融資審査担当者、ティルの答えは「NO」。
覆面強盗安田尊@覆面強盗を謳うブログ。
それで翌日、ナッポは覆面強盗となって舞い戻ります。

ナッポに襲われたティルは、銃を突きつけられて車を運転させられて、逃走の手助けをするはめになりました。

さらに途中からティルは、車のトランクに押し込まれ、ナッポの運転で隠れ家へ。

しかしギターが、ティルをトランクから救出します。

ナッポは隠れ家での暇潰しに困り、ギターを持ち出してきて車のトランクを開けると、


ナッポナッポのイメージ
弾けるか? とティルに訊ねます。
ティル安田尊@ティルを謳うブログ。
なんと、「冴えない男」ティルは、ギターが弾けました。
ティル安田尊@ティルを謳うブログ。
しかも、「ロック」が弾けました。

それでティルは、ロックバンド「DONAR」(ドナー)の楽曲、『Sweet Dark Angel』(麗しき漆黒の天使)を弾きます。

ティルとナッポは、ギターに合わせて一緒に歌ったり、ナッポが自分のあだ名は「ニッポン」由来であると語ったり、お互いに家族のことを話したり、ウサギを仕留めて料理したり、


キャンプファイヤー安田尊@キャンプファイヤーを謳うブログ。
キャンプファイヤーを囲むなどして、隠れ家で一夜をともに過ごします。

翌朝、徐々に狂ってきた慣れてきたティルは、ナッポへの反抗的な態度と、同時にナッポへの協力姿勢……反社会的な態度も示すようになります。

たとえばティルは、新しく逃走車が必要になったとき、ノリノリで他人の車を荒らして鍵のかかっていない車を発見したりします。

でもトランクに監禁されることは拒否したり、銃を突きつけられているのに街中で車のクラクションを連打したり、車窓から顔を出して、


ティルティルのイメージ
妻に電話させろおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!

と、発狂したみたいに叫んだりもします。

これでティルは要求を通すことに成功し、妻ミリアムに電話をかけますが、ミリアムの反応は鈍いものでした。

さらに隣で通話を聞いていたナッポからは、


ナッポナッポのイメージ
浮気されてんだ

と指摘されて、心中穏やかではありません。

そんなティルを連れて、ナッポは「68年式のマスタング・ファストバッグ」を手に入れるため、


クルツ&ラング安田尊@クルツ&ラングを謳うブログ。
「中古車販売 クルツ&ラング」へ。

しかし、「クルツ&ラング」は、カタギの中古車ディーラーではありませんでした。

ナッポはぼったくられそうになり、銃撃戦5秒前。

そこでティルが機転を利かせて、銀行マンの手腕で相手を黙らせ、その場を穏便に治めて「68年式のマスタング・ファストバッグ」を手に入れます。


友情安田尊@友情を謳うブログ。
ここでティルとナッポの友情は決定的となります。

もはやティルは、解放されるのを惜しむまでになりますが、家族の元へと帰るためにナッポと別れます。

時を同じくして、


イナとパートナー安田尊@イナとパートナーを謳うブログ。
ティルの家には妻ミリアムの女友達イナと、イナのパートナーの男がお使いにきていました。

しかし妻ミリアムの女友達イナは、「背徳感」に興奮するタイプの変態で、ほとんど盛りのついたメス犬でした。


セックス安田尊@セックスを謳うブログ。
それでイナは、ティルとミリアムの寝室に欲情すると、パートナーの男とセックスをおっぱじめます。

それだけでは飽き足らず、イナはミリアムの「大人のおもちゃ」を発見すると、勝手に使ってオナニーまで始めます。

事後、イナがシャワーを浴びて、パートナーの男が寝室でパンツを穿いていると、


ティル安田尊@ティルを謳うブログ。
ティルが帰宅して、寝室へ。

すると自分の妻ミリアムのベッドで、見知らぬ全裸の男が、いままさにパンツを穿こうとしている!!

もちろん妻の浮気現場を目撃したと思ったティルはブチギレ、イナのパートナーをボコボコにして、


ティルティルのイメージ
ミリアム!

と呼びかけながらシャワールームへと向かいます。

でもシャワールームにいるのは、妻の女友達イナです。

イナは全裸だし、使用済みの「大人のおもちゃ」もまだ洗っていないし、パニック状態でシャワールームと自分の口に鍵をかけて「大人のおもちゃ」を洗うしかありません。

だからティルは、自分の誤解に気づかないまま、ドアをバンバン叩いて不倫妻ミリアムに向けて怒鳴ります。


ティルティルのイメージ
ミリアム ここを開けろ!
ティルティルのイメージ
君が好きにできるよう 必死で働いてきた!
ティルティルのイメージ
やりたいことも我慢して!
ティルティルのイメージ
君のために音楽も諦めたんだぞ!

そう、ティルがロック・ギターを弾けたのは、元々ロッカーだったからでした。

でもティルは、妻ミリアムとの将来のために音楽は諦め、「普通の仕事」や「住宅ローン」を選び、「冴えない男」になりました。


ティルティルのイメージ
なのに あんな男と浮気を!?

ティルは、ひとしきり怒りをぶちまけたあと、自暴自棄になって家を出ます。

そこには愛車に乗るナッポがいて、ティルが「クルツ&ラング」で見せた腕を買って、仕事の話を持ちかけます。

ティルは仕事を請け負い、ナッポとその彼女ナディンとも合流します。


ティル安田尊@ティルを謳うブログ。
それからティルたち一行は、アルバニア人マフィアと取引をするために、オランダへとドライブを開始します。

そして道中、ティルは「自分の人生を生きる」ために、

  • 結婚式で酔って暴れて警察沙汰になって以来、断酒していたお酒をコンビニでダース買いして飲酒解禁
  • 誘拐報道を知る客に救助されかけ、別の迷惑客のことを誘拐犯だと教えてボコボコに殴らせた隙に逃走
  • アルバニア人との取引成立後、乾杯の席で酔って喧嘩を売って大暴れして、こっそり金まで盗んで逃走

といった暴走を始めます。


ナッポ安田尊@ナッポを謳うブログ。
これにはナッポもうんざりで、ティルとの友情は砕け散り、厄介払いをするようにバディは解散します。

が、ティルは駅のホームで「She’s my sweet dark angel!」(彼女は僕の漆黒の麗しき天使!)と歌う一行を発見、オランダで「ドナー」のライブがあることを知ります。

そして車に戻っていたナッポが、恋人ナディンと今後の予定で揉めていると、


ティルティルのイメージ
ヘイ! ヘイ!! ドナーがここでライブする!!!

と、完全にクレイジーな顔をしたティルがかっ飛んできて車窓に張り付いてきて、ナッポたちのロマンス(痴話喧嘩)を邪魔します。

しかしナディンがティルに便乗したため、ナッポも仕方なく同伴。

それからティルたちは、


ナイトクラブ安田尊@ナイトクラブを謳うブログ。
盗んだ金でナイトクラブ、ストリップクラブ、ライブハウスで豪遊! 酒! 女! ドラッグ! 放火!
ティル安田尊@ティルを謳うブログ。
と、派手に金を使い切りますが、
ナッポ安田尊@ナッポを謳うブログ。
ナッポはここで初めて、その金がアルバニア人マフィアの金だと知って真っ青になります。
アルバニアン・マフィア安田尊@アルバニアン・マフィアを謳うブログ。
そしてアルバニア人マフィアの逆襲が始まり、ティルの妻ミリアムが人質にされ、ティルは呼び出しを食らいます。

ここにきてようやく酔いが覚めるティルですが、ナッポからは愛想を尽かされ、見放されます。

ナッポはティルに、餞別代わりの銃だけ手渡すと、さっさと愛車で走り去りました。


ナッポナッポのイメージ
自業自得さ

ナッポは車内で、恋人ナディンに言い訳をします。

しかし助手席のナディンは、


ナディンナディンのイメージ
彼を巻き込んだのは あなたよ
ナディンナディンのイメージ
臆病者ね

ナディンナディンのイメージ
ただの腰抜けよ

と、そもそもの発端がナッポの銀行強盗にあると指摘し、ボロクソにディスってナッポをUターンさせます。

一方でティルは、酔いこそ覚めたものの、今度は別の意味で正気を失っており、


ティルティルのイメージ
盗んだ自転車で現金輸送車を追いかけ、銀行に到着すると、そのまま銀行強盗を実行します。
パトカー安田尊@パトカーを謳うブログ。
しかし通報を許してしまい、ティルは現金を受け取ると同時に、警察に包囲されてしまいます。
ナッポ安田尊@ナッポ
を謳うブログ。
そこへナッポが駆けつけ、人質のふりをしながら解放され、現金を外に持ち出してアルバニア人マフィアの元へ。

ナッポが話をつけ、ティルの妻ミリアムは無事に解放され、ティルがいる銀行へ。

しかし、ミリアムが銀行に駆けつけたところで、ティルは銃撃を受けて倒れます。

その後、ティルは一命を取り留めたものの、逮捕・起訴・有罪・実刑で刑務所へ。

ティルの刑期は、ナッポの証言により情状酌量(大幅に免除)され、3ヶ月間に。

そして3ヶ月後。

出所したティルは家族に出迎えられ、ティルのことを「強盗さん」と呼びながらも待っていてくれた家族の存在こそが、なによりも大切なのだと気づきます。


ティルティルのイメージ
何より大切なのは――どんな時も 僕を待っててくれる人

一方で、ナッポは恋人ナディンとの高飛びに成功しており、そこにはいませんでした。

しかし、スペインから差出人不明の贈り物やビデオメッセージがティルに届いており、


ナッポナッポのイメージ
ティル いつでも歓迎する 居場所も知らせるよ

と、ナッポもまた、ティルを待っていることを告げて友情を示すのでした。

映画『ノンストップ・バディ』のGrand Theft Auto要素


GTA安田尊@GTAを謳うブログ。
以上が映画『ノンストップ・バディ』のあらすじですが、どのへんがGTAなのかといわれると、全体的な雰囲気です。
銀行強盗安田尊@銀行強盗を謳うブログ。
まず主人公の1人、ナッポが銀行強盗をするところからGTAの「強盗ミッション」を思いださせるし、
アメ車安田尊@アメ車を謳うブログ。
銀行強盗をした理由がアメ車(アメリカ車)。

GTAといえば車です。

ナッポは車好きで、フォード「68年式のマスタング・ファストバッグ」を愛車にします。

このマスタングは、いわゆる「マッスルカー」タイプの旧車で、GTAの世界でもお馴染みのモデルです(日本の街中で見かけることはほぼありません)。

そして「68年式のマスタング・ファストバッグ」を売るお店!!


クルツ&ラング安田尊@クルツ&ラングを謳うブログ。
「中古車販売 クルツ&ラング」

もうこの名前が最高で、このまんまGTAのマップに表示されてもなんの違和感もない。

しかも「クルツ&ラング」は僻地にあって、廃車だらけのスクラップ工場みたいな敷地内に、いかにも「イベント用なのでレアカラーです」みたいな「68年式のマスタング・ファストバッグ」がぽつんと駐車されている。

もちろん一般人は近寄りがたい雰囲気で、事務所にはアメ車が好きそうなタトゥーを入れた所ジョージみたいなオーナーが座っている。

そして「ノッポ」と呼ばれる共同経営者はラッパーみたいなファッションをしていて、登場シーンではイーストコースト系のHIPHOPミュージック(The Beatnuts『Junkyard-Theme』feat. Juju)が流れる。

こういうゲーム的なバカっぽいキャラはほかにもいて、


イナとパートナー安田尊@イナとパートナーを謳うブログ。
たとえばおバカなカップルが登場して、友人夫婦の寝室で発情してセックスをおっぱじめる。
ナディン安田尊@ナディンを謳うブログ。
ナッポの彼女ナディンも気が強くて、ナッポに言いたい放題だからいっつも喧嘩しているけど、だいたいセックスして仲直りする。

このイナとナディンは2人とも現実では見かけないタイプの女性で、イナは困惑するパートナーにビンタまでして強引にセックスへと持ち込む。

ナディンは本記事の「あらすじ」でも述べたとおり、ティルを見捨てようとしたナッポ(銀行強盗までやるギャング崩れの犯罪者)相手に、


ナディンナディンのイメージ
彼を巻き込んだのは あなたよ
ナディンナディンのイメージ
臆病者ね

ナディンナディンのイメージ
ただの腰抜けよ

と、一歩も引かない姿勢で口論を吹っかけて、ティルとの友情を復活させる役目を負う。

GTAの「不審者と変質者」ミッションみたいにこうしたクレイジーなキャラがそこら中にいて、ティルたちがドライブ中に寄ったパーキングエリアでは、迷惑客と正義のヒーローになりたいおじさんが激突する。

でも正義おじが暴走したのは半分ティルのせいで、


ティル安田尊@ティルを謳うブログ。
ティル自身、アルバニア人マフィアに喧嘩を売って、消火器を噴射したり金を盗んだりする。

マフィアに喧嘩を売るのはGTAでは当たり前だし、消火器だって武器として登場している。

それでティルが盗んだ金でなにをやるのかといえば、まずは身だしなみを整える。


サングラス安田尊@サングラスを謳うブログ。
服を買って髪を切ってサングラスをかけて、
タトゥー安田尊@タトゥーを謳うブログ。
タトゥーショップでタトゥーまで入れる。
ナイトクラブ安田尊@ナイトクラブを謳うブログ。
それから「コーヒーショップ(オランダの合法的大麻カフェ)」でマリファナを吸ったり、ナイトクラブでコカインっぽいものまで吸引して、視界が幻想的になる。
ストリップクラブ安田尊@ストリップクラブを謳うブログ。
ストリップクラブでは、ストリップダンサーの丸出しおっぱいを拝んだり、ポールダンスのステージに乗り込んでポールダンサーと一緒に踊ったりもする。
パトカー安田尊@パトカーを謳うブログ。
それから『Grand Theft Auto』⇒「自動車窃盗罪」みたいなところといえば、やっぱりパトカーを盗んで暴走して事故ったり、別のパトカーとカーチェイスをしたりするところ。
現金輸送車安田尊@現金輸送車を謳うブログ。
本作では主人公たちが自動車から自転車まで盗むし、盗んだ自転車で走り出して現金輸送車を襲撃しようとしたりもする。
銀行強盗安田尊@銀行強盗を謳うブログ。
そしてもちろん、始まりと終わりにある銀行強盗から刑務所訪問まで、全部GTAでやることばっかり!!

こんなに共通点があるのに、GTAを連想するなというほうが無理でしょう。

というわけで本作『ノンストップ・バディ』は、ドイツの実写版GTAです。

ド派手なアクションや一点突破型の強い売りはないかもしれませんが、GTAのサブミッションをノンストップでクリアしていくような感覚を味わえる良作でした。

まとめ:序盤中盤終盤に隙がない優しめの犯罪コメディ


まとめ安田尊@まとめを謳うブログ。
それではおさらいも兼ねて、ここまでの要点を3点でまとめます。

  1. 映画『ノンストップ・バディ』の印象は、ほとんどゲーム『Grand Theft Auto』
  2. キャラクターから小道具から世界観まで、全体的な雰囲気がいちいちGTAっぽい
  3. ストーリーもGTAのサブミッションを集めた感じで、全体的な調和に優れた良作

以上です。

以下総評!

映画『ノンストップ・バディ』のここが面白い!
スタンディングオベーション安田尊@スタンディングオベーションを謳うブログ。

評価: 5.0本作『ノンストップ・バディ』は、『Grand Theft Auto』的なクライム・コメディが売りの映画です。

特に見所は、平凡な銀行員だった主人公ティルが、銀行強盗を受けて変質していく姿にあります。
だからこそ、序盤はサラリーマンの平凡さが丁寧に描かれており、やや退屈かもしれません。
といっても、私は序盤で「この作り手は信頼できそう」というやりとりが描かれていたため、普通に待てました。
そのやりとりとは、もう1人の主人公ナッポが、銀行でティルに融資を断られるシーンです。
怒ったナッポは、銀行内の壁に貼られた「夢を生きよう」がキャッチコピーのポスター(夫婦と子どもの3人家族が、夢のマイホームと自家用車を背景に笑顔で撮った写真、というコンセプト)を指さしていいます。
ナッポ「“夢を生きよう” ってまさに俺のことだ」
ナッポ「でも この写真はいただけない」
ナッポ「俺とは大違いだ」
ナッポ「あんなババアを選ぶかよ」
ナッポ「車のエンブレムも消えてる
ティル「それには理由が…」
おそらく権利関係に問題があるのでしょう、だから他社のエンブレムは使えなかった。
でもティルが答える前に、ナッポはさらに踏み込んだ鋭い指摘を入れます。
ナッポ「何だ?」
ナッポ「代わりに言ってやる 何もかもウソだからだ
ナッポ「俺は自力でカネを手に入れる」
ナッポ「せいぜい人をダマして 稼いでりゃいいさ」
素晴らしくないですか?
作り物のポスター、作り物の家族、借り物の家と車を「ウソ」だと指摘して、銀行員を詐欺師だと糾弾する。
まあそれをいうならこの映画自体も「ウソ」ではあるんですが、当然それは作り手も自覚しているでしょう。
つまりこういう創作に批判的な描写をするということは、自分たちの作品もそのレベルの批判を受ける覚悟を持って挑んでいる可能性が高く、個人的には好感度が高まります。
私は序盤にこういう切れ味鋭い小ネタを見せてもらえると、しばらく安心して見ていられます。
またコメディ面でもちゃんと笑えるシーンがあって、たとえばナッポが銀行強盗&ティルを誘拐して車で逃走中、検問を突破するために覆面を脱いだあとのこと。
ティルがナッポの顔を見てしまったことについて、
ティル「ブラッド・ピットの顔ですら 映画が終わると すぐに忘れちゃうんだ」
みたいなイカれた言い訳をして、ナッポにブチギレられて即謝罪に追い込まれるシーン。
全盛期のブラッド・ピットは、ガチで世界最高のイケメンなので(映画『ファイト・クラブ』などを参照)、そりゃ逃走中の緊張している強盗犯にこんなふざけたこといったらブチギレられるよな……って感じで笑えます。
そして中盤の見所は、ティルが徐々に変身していって、ついにはオランダ・アムステルダムで完全にぶっ飛んだ顔でナッポたちの車窓に張り付いてくるところ。
はっきりいって、映画『ジョーカー』の変身よりも見事な狂気で笑えます(映画『シャイニング』の顔芸的な狂気)。
それからティルの一人称視点になって、酒やドラッグや女のおっぱいに手を出して豪遊するシーンは、スピード感が素晴らしい。
ちゃんと視覚効果(ヴィジュアル・エフェクト)がかかっていて、クスリがキマってくる感じや酔いが回ってくる感じ、爽快感が演出されています。
そして終盤、ティルが銃弾に倒れるシーン。
ティル「よく死後のことを想像してた」
ティル「すべて終わるのか」
ティル「辺りは真っ暗闇か それとも白く光ってるのか」
ティル「それとも天使に名前を 呼ばれるのかって」
ティル「それが分かるのは まだ先だ」
この独白と一緒に流れ出すMobyの楽曲『A Case for Shame』がめちゃくちゃイイ!!
Mobyは、マット・デイモン主演の映画『ボーン・アイデンティティー』シリーズのメインテーマ曲『Extreme Ways』も手がけていたりして、すごく映画に合う曲を作る。
『A Case for Shame』も、ティルが撃たれて天使に召されそうなシーンで流れるから、すごく決まっている。
こんな感じで、映画『ジョン・ウィック』のようなアクションこそないものの、序盤中盤終盤に隙がありません。
脚本も演技も音楽も、静かに心地良いクオリティでまとまっているのが『ノンストップ・バディ』です。
見終わったあと、「いい映画だったな……」と一息つけるような良作でした。

以上、映画『ノンストップ・バディ 俺たちには今日もない』の感想でした!

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