スーサイド・スクワッド(原題:『Suicide Squad』、2016年のアメリカ映画、日本語吹替版)を見終わる直前、
私は基本的に、映画のエンドロールはスキップします(映画は自宅で観ることが多いので。友人の家や映画館だったら一緒に観ている人に合わせます)。
でも『スーサイド・スクワッド』は、私にエンドロールを全部観させるポテンシャルを秘めていました。
私はもう、エンドロールを全部観る心の準備ができていたんです。
それなのに、
というわけで本記事では、映画『スーサイド・スクワッド』のエンディングを例に、エンドロールがスキップされる理由を解説します。
では以下目次です。
映画『スーサイド・スクワッド』の完璧なエンドクレジット
ソース:Queen – Bohemian Rhapsody (Official Video Remastered) – YouTube – 2021年11月26日閲覧。
「スーサイド・スクワッド(決死部隊)」のほかのメンバーも、それぞれ自分の独房でくつろいでいる。
ハーレイ・クインは立ち上がって、エスプレッソをお代わりするために、エスプレッソマシーンを操作し始める。
『Bohemian Rhapsody』はサビに突入して、
特殊部隊は、銃を乱射して警備を一掃すると、電動カッターでハーレイ・クインを閉じ込めている檻を切断する。
特殊部隊のうちのひとりが、ハーレイ・クインの独房に侵入して、フルフェイスの特殊部隊用ヘルメットを外す。
死んだと思われていたジョーカー(ハーレイ・クインの恋人、バットマンの宿敵、サイコパスの王)の顔が露わになり、ハーレイ・クインは歓喜に沸く。
ソース:twenty one pilots: Heathens (from Suicide Squad: The Album) [OFFICIAL VIDEO] – YouTube – 2021年11月26日閲覧。
完璧すぎませんか……?
この流れ……この終わり方。
私が近年観たどの恋愛ドラマ・恋愛映画よりも、完璧にドラマチックでラブロマンスなハッピーエンド。
だからこのまま最後までエンドロールを流してくれたら、全部観たのに……(『Heathens』の尺が足りなかったら、それこそ途中からインストでループさせてくれればよかったのに……)。
映画『スーサイド・スクワッド』の蛇足すぎるエンディング
としか思わなかったこのシーンは、映画『スーサイド・スクワッド』単体で観れば、100人中111人が、
と答えるレベルで、映画の余韻をぶち壊している。
それで調べたら、
- 映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
- 映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』
とかいう続編が、ちゃんと今年2020年と2021年に公開されていた(後者はリメイクっぽいけど)。
そもそも『スーサイド・スクワッド』自体、「DCエクステンデッド・ユニバース」とかいうDCコミックス原作のシェアード・ワールド(DCコミックスのヒーローが共演する世界)におけるスピンオフらしい。
そういえば映画冒頭で、
別に続編やりたいならやっていいよ、でも『スーサイド・スクワッド』自体は単体で完結しているわけじゃん?
実際、DCなんちゃらなんちゃらみたいなのを全然観ていない私でも、最初から最後までストーリーを理解しながら鑑賞できたわけだし。
- 映画『バーフバリ 伝説誕生』(『バーフバリ』シリーズの1作目)
- 映画『マトリックス リローデッド』(『マトリックス』シリーズの2作目)
- 映画『ジョン・ウィック:パラベラム』(『ジョン・ウィック』シリーズの3作目)
みたいに、明らかに、
って感じの作品じゃないわけじゃん?
じゃあ匂わせなくてもよかったじゃん。
どうせDCなんちゃらなんちゃらでシリーズ化しているんだから、ファンは続編があるかも……ってわかっているんだから。
映画『スーサイド・スクワッド』の飛ばしたいエンドロール
『Sucker for Pain』自体は豪華ラッパーが共演したラップ・ソングだけど、もうエンドロールを引っ張っていく力はない。
だってこっちはエンドロールの直前に、ハーレイ・クインとジョーカーのラブロマンスをMV(ミュージック・ビデオ)にしたも同然の、
を聴かされているんだよ?
もう1回貼ろうか?
はい(ちなみに『Sucker for Pain』は貼らないけど、YouTubeにあるよ)。
そんで『Sucker for Pain』も途中で尺が足りなくなって、別のインストゥルメンタルが流れ始める。
もはやなんの曲か知らないし、曲名を調べる気も起きない。
もう1回いうけど、こっちはエンドロールの直前に、ハーレイ・クインとジョーカーのラブロマンスをMVにした、
を聴かされているんだよ?
もう1回貼ろうか?(さすがにもう貼らないけど)
これ聴いたあとに、ただ黒いだけの背景にボーカル抜き音楽を垂れ流されても、
でしょ。
どんなに美味しいブランド米を提供されたって、そりゃ物足りないって。
だいたい映画のエンドロールでインストゥルメンタル使う文化なんなん?
別に『Bohemian Rhapsody』や『Heathens』がなくたって、たとえば映画『スーサイド・スクワッド』には、
- The White Stripes『Seven Nation Army』
- Eminem『Without Me』
みたいな曲だって格好良く流れてるんだよ?
映画ってそういうもんじゃん、『スーサイド・スクワッド』に限らず。
本編で楽曲使いまくり&盛り上げまくりでしょ?
それなのに、よりにもよってそんな刺激的な本編のあとに、エンドロールで一番地味な背景になんの関連性も見出せないインストゥルメンタルを持ってこられても困る。
まとめ:オマケがないエンドロールはスキップしてもいい!
- 映画『スーサイド・スクワッド』は、2段構えのエンディングで、1段目は最高で2段目はサイアク
- 本編で色鮮やかな映像と音楽のシナジーを体験後、真っ黒背景ボーカル抜きエンドロールは退屈
- 本編同様の派手な演出や過激な効果が盛りつけられていないエンドロールは、スキップしてもOK
以上です。
よく、「遠足は家に帰るまでが遠足」みたいに、
みたいな意見あるじゃないですか?
でも、だったらこう思いますよね。
って。
1秒たりとも無駄なシーンがあってはならない(と、少なくともプロのクリエイターなら全員自負しているはずの)映画において、
私にはわかりません。
『スーサイド・スクワッド』の1段目のエンドクレジットみたいに、CGでもなんでも使って派手にやればいいじゃん。
視認性なんてどうでもいいよ(見やすい黒背景に白い切り抜き文字のエンドロールにしたところで、あのスタッフたちの名前を全員分チェックしている一般視聴者はいない。関係者だって、自分の名前や知っている人の名前が派手な演出で盛りつけられていたほうが楽しい)。
だから、
付加価値があるからです。
ちゃんと観客を楽しませる工夫をしている映画はエンドロールも観てもらえるし、そうじゃなければ席を立たれたりスキップされたりする(ちなみに最後の最後に1シーンだけオマケがあるエンドロール、おまえはスキップしてそこだけ見てやるからな! あんまり人間の知恵をナメるなよ!!)。
これが創意工夫です。
以上、私が映画のエンドロールをスキップする理由と、スキップされないエンドロールの解説でした!