バッド・ディシジョン 終わりなき悪夢のはじまり(原題:『Bad Samaritan』、2018年のアメリカ映画、日本語吹替版)を観ました。
安田尊@『バッド・ディシジョン』を謳うブログ。です。
っていうのは表向きのストーリーで、本当は、
安田尊@隣人愛を謳うブログ。
安田尊@主人公ショーンを謳うブログ。です。
したがって、本作の評価は、以下の2点をクリアできるか否かによって大きく左右されます。
- 本作の提示する「善き隣人」像を読み取れるか?
- 読み取ったメイン・メッセージに共感できるか?
安田尊@スタンディングオベーションを謳うブログ。ただし開幕だけ少し取っつきにくいというか、いきなり少年が馬を虐待して射殺するし、ダメそうなカップルがポルノを作成しだすしでどうなることかと思いました。
でもちゃんと伏線を回収していって、終盤にピークを持ってきて終わってくれたので、終わり良ければすべて良し!!
というわけで本記事では、映画『バッド・ディシジョン 終わりなき悪夢のはじまり』のあらすじや要約や感想を述べます。
では以下目次です。
映画『バッド・ディシジョン』の簡単なあらすじと要約
安田尊@『バッド・ディシジョン』を謳うブログ。本作の主人公はショーン・ファルコ、アメリカで暮らす20代の移民男性、カメラマン志望。
この主人公ショーンは、芸術分野に興味があり、商業カメラマンを嫌悪しているせいで貧乏暮らしです。
たとえば恋人ライリー・シーブルックや、仕事の話を持ってきた義父とはこんな感じで話します。
主人公ショーンのイメージ
主人公ショーンのイメージそれでカメラでは食っていけない主人公ショーンは、レストランで駐車係(バレーパーキング。ホテルやレストランの前でお客の車を預かって入出庫の代行運転をするサービス)のアルバイトをしています。
その一方で、バイト仲間で同じく移民のデレクと共犯で、
安田尊@カーナビを謳うブログ。
安田尊@空き巣を謳うブログ。
安田尊@監禁女性ケイティを謳うブログ。しかし監禁女性ケイティは、全身を革の拘束具や鍵付きの鎖で椅子と床に繋がれており、救出は困難でした。
さらに監禁部屋には遠隔操作ができる監視カメラがあり、バイト仲間デレクからは、クソ野郎ケイルの食事が終わったと連絡があります。
安田尊@ボルトカッターを謳うブログ。しかしそれでも監禁部屋に戻ると、部屋の明かりが点灯している……遠隔操作を受けて監視カメラが作動している……。
時間切れを悟った主人公ショーンは、クソ野郎ケイルの愛車に乗ってレストランに引き返しますが、そのとき持ってきてしまっていたボルトカッターを車内に隠します。
そしてクソ野郎ケイルに愛車を返すと、
安田尊@通報を謳うブログ。するも、クソ野郎ケイルは、自宅に帰るなり目ざとく侵入者の存在に気がつきます。
それからクソ野郎ケイルは、万が一に備えて知人女性を自宅に呼び寄せ、警察のパトロールをかわすことに成功。
安田尊@警察署を謳うブログ。
安田尊@刑事を謳うブログ。
安田尊@手応えを謳うブログ。一方、クソ野郎ケイルは、自宅周辺を映す監視カメラの映像から主人公ショーンを特定すると、
- 主人公ショーンの車両にGPS装置を仕掛けて自宅住所を特定
- 主人公ショーンの自宅からノートPCとカメラのデータを窃盗
- レストランの店長を脅迫してバイト仲間デレクを解雇させる
- 主人公ショーンのFacebook系SNSアカウントに不正ログイン
- 恋人ライリーのアカウントへ誹謗中傷を送ったあと関係解除
- 恋人ライリーのポルノ画像を知人友人アカウントへ一斉送信
- 主人公ショーンの義父を備品窃盗容疑の濡れ衣で解雇させる
- 主人公ショーンの母親を児童虐待容疑の濡れ衣で停職させる
- 恋人ライリーを襲撃して階段の下まで叩き落として病院送り
- バイト仲間デレクを襲撃してバットで叩きのめして銃で射殺
- バイト仲間デレクの家族も殺害して一家3人無理心中に偽装
といった報復行動に出ます。
安田尊@カーナビを謳うブログ。
安田尊@隠れ家を謳うブログ。
安田尊@ケイティを謳うブログ。
安田尊@シャベルを謳うブログ。それからクソ野郎ケイルは、監禁女性ケイティを外へ連れ出し、埋葬用の穴の前に立たせて銃を構えます。
そして気絶していた主人公ショーンを目覚めさせると、目の前で監禁女性ケイティを銃で撃って埋葬用の穴へと葬りました。
安田尊@山小屋を謳うブログ。
安田尊@FBIを謳うブログ。クソ野郎ケイルは、勝ち誇った表情で、主人公ショーンを次の「遊び相手」(監禁&調教対象)に選びました。
でもクソ野郎ケイルが、主人公ショーンにぺちゃくちゃぺちゃくちゃ犯行を自供したりマウントを取ったりしている間に、じつは撃たれただけで生きていた監禁女性ケイティが穴をよじ登って脱出。
安田尊@シャベルを謳うブログ。
監禁女性ケイティのイメージ監禁女性ケイティは、主人公ショーンを怒鳴りつけると、ショーンの拘束を解きます。
すべてが終わったあと、FBIが山に入ってくると、主人公ショーンは呟きます。
ショーンのイメージFBIが隠れ家に突入すると、そこにはボコボコにされたクソ野郎ケイルが、革の拘束具や鎖で椅子に固定されて猿ぐつわを噛みしめているのでした。
主題「人を助けにきたんならこのくらいしなさいよ!」
安田尊@終わりを謳うブログ。
安田尊@「終わりなき悪夢のはじまり」を謳うブログ。たしかに主人公ショーンは、監禁女性ケイティを救出したし、クソ野郎ケイルに復讐を果たしました。
「目には目を、歯には歯を」(ハンムラビ法典、旧約聖書、新約聖書)……シャベルにはシャベルを、監禁には監禁を、最後には見事やり返しました。
安田尊@Questionを謳うブログ。
安田尊@Answerを謳うブログ。
安田尊@バッドエンドを謳うブログ。本作のタイトルは、
- 邦題『バッド・ディシジョン』(Bad Decision)⇒「悪い判断」
- 原題『Bad Samaritan』⇒「悪しき隣人」
と、翻訳できます。
あるいは、
監禁女性ケイティのイメージと、翻訳できます。
どうせクソみたいな邦題を付けるなら、もうこの一言をタイトルに据えたほうがいいぐらい、これが本作のメイン・メッセージです。
この一言を強調したかったがために、1時間40分も費やしたといってもいいでしょう。
つまり、わざわざ助けてあげた監禁女性ケイティに、
監禁女性ケイティのイメージと叫ばれた主人公ショーンこそが、「悪い判断」をした「悪しき隣人」です。
さてしかし、この「悪しき隣人(Bad Samaritan)」を理解するためには、予備知識として「善きサマリア人(Good Samaritan)を知る必要があるため、以下で軽く解説しましょう。
原題『Bad Samaritan』とは「善きサマリア人のたとえ」
律法学者のイメージ
イエス・キリストのイメージ
律法学者のイメージ
イエス・キリストのイメージ
律法学者のイメージ
イエス・キリストのイメージ
律法学者のイメージ
イエス・キリストのイメージ上記は、『善きサマリア人のたとえ』と呼ばれる、キリスト教の教え(新約聖書、ルカによる福音書)を簡略化したものです。
この『善きサマリア人のたとえ』は、善きサマリア人を「隣人愛」のお手本として説いています。
安田尊@Questionを謳うブログ。
安田尊@Questionを謳うブログ。
安田尊@Answerを謳うブログ。そして、「善きサマリア人のたとえ」は、英語で「Parable of the Good Samaritan」です。
したがって、「Good Samaritan」⇒「善き隣人」。
ということは、「Bad Samaritan」⇒「悪しき隣人」ですよね。
安田尊@主人公ショーンを謳うブログ。そして「Samaritan(サマリア人)」というときには、怪我人を助けるか見捨てるかが、善悪の判断基準でした。
「善き隣人」は、怪我人を見つけたとき、怪我人を見捨てないで助ける人間。
「悪しき隣人」は、その逆……怪我人を見つけたとき、怪我人を見捨てる人間。
安田尊@Questionを謳うブログ。
安田尊@Answerを謳うブログ。主人公が「悪しき隣人(Bad Samaritan)」である理由
安田尊@主人公ショーンを謳うブログ。
安田尊@通報を謳うブログ。
安田尊@Questionを謳うブログ。ってことです。
ダメですよね。
つまり見捨てているんです。
監禁女性ケイティのイメージという、「このくらい」⇒「人助けに必要なレベル」に、全然達していないんです。
具体的に言い換えるなら、
監禁女性ケイティのイメージ
安田尊@監禁女性ケイティを謳うブログ。
安田尊@監禁女性ケイティを謳うブログ。ってことを、この映画はいっています。
本当にそうだよね。
マジでそのとおり。
ほんとそれ。
安田尊@主人公ショーンを謳うブログ。
安田尊@ボルトカッターを謳うブログ。そのために主人公ショーンは、神(創作者)の手によって、ボルトカッターを車内に持ち込んでいました。
そのボルトカッターは、表向きは監禁女性ケイティの拘束具を切断するための工具で、だけど時間切れで使えなくて車内に持ち込んでしまった……というふうに描かれますが、じつは違います。
安田尊@Questionを謳うブログ。という意味で描かれています。
そこでボルトカッターを使ってクソ野郎ケイルをぶん殴っていれば、だれにも邪魔されずに監禁女性ケイティを救助できたでしょ?
でもそうしなかったから、ボルトカッターの出番は終盤までお預けになった(そしてクソ野郎ケイルを倒すときでさえ、ボルトカッターが使われなかったのは、もう使いどころを逃してしまったから)。
安田尊@通報を謳うブログ。やがて警察が到着して、クソ野郎ケイルの家を訪問すると、ケイルとケイルが呼んだセフレ女が出てきて対応する。
警察はクソ野郎ケイルとセフレ女の言い分を信じて、家の中に入りもせずに帰る。
主人公ショーンは、警察が帰る様子を察知すると、こう叫ぶ。
安田尊@主人公ショーンを謳うブログ。↑おまえだよ……おまえが最初にクソ野郎ケイルを見逃したからこうなってんだよ、アホなバッドサマリタン。
そのあと主人公ショーンは、バイト仲間デレクに「女に電話を渡せばよかった……」といわれて発狂して、
安田尊@主人公ショーンを謳うブログ。と言い訳をしますが、監禁女性ケイティに電話を渡しても確実ではなく、結局は(主人公ショーンがそう疑われたように)イタズラ電話として処理された挙げ句クソ野郎ケイルに見つかって取り上げられて終わっていた可能性も高い。
安田尊@メイン・メッセージを謳うブログ。次善策としては、警察官が帰りそうになった瞬間に出て行って、
- 監禁女性がいることを必死で訴えたり、
- ガレージへ凸って殺人道具を暴いたり、
行動するべきだった。
クソ野郎ケイルが証拠隠滅に使えた時間は、帰宅直後に呼んだ警察対策のセフレ女が到着するまでのわずかな時間(あるいはセフレ女が共犯だと仮定しても、主人公ショーンが通報してから警察到着までのわずかな時間)で、
- 監禁女性を隠す時間、
- 拘束道具を隠す時間、
- 殺人道具を隠す時間、
その他あらゆる物的証拠を完璧に隠す時間はなかったはずです。
それなのに、主人公ショーンは警察が帰るところを間近で観察しながら、
安田尊@主人公ショーンを謳うブログ。と、車内で独り言を叫んで警察官をお見送り。
マジでおまえがなにやってんの……? スポーツ観戦でもしてるの??
安田尊@メイン・メッセージを謳うブログ。まとめ:「善き隣人(Good Samaritan)」の勇気と覚悟
安田尊@まとめを謳うブログ。- 映画『バッド・ディシジョン』は、小悪党が犯罪中、別の巨悪に遭遇して正義に目覚める話
- というのは表向きで、じつは「悪しき隣人」を描くことで、本当の善や正義を問いかける話
- 本当に善人なら、恐怖や評判や財産よりも、善行を優先する。あなたに同じ勇気はあるか?
以上です。
以下総評!
安田尊@スタンディングオベーションを謳うブログ。評価: 5.0映画『バッド・ディシジョン 終わりなき悪夢のはじまり』は、原題『Bad Samaritan』⇒「悪しき隣人」を描いた作品でした。
以上、人助けランキング世界最下位(CAF:World Giving Index 2021)の日本人がお送りした、映画『バッド・ディシジョン 終わりなき悪夢のはじまり』の感想でした!

