タダ(無料)より怖いものはない。
~これまでのあらすじ~
納豆ご飯専門店『令和納豆』が大炎上しました(2020年5月)。~『令和納豆』が炎上した理由~安田尊@『Google のクチコミ』を謳うブログ。購入型のクラウドファンディングで、「1万円の支援」と引き換えに「納豆定食(税抜60[…]
本記事は、上記『令和納豆』炎上事件を参考にした続編記事です。
無料券の具体的な内容や事例、各ニュースソースなどは前回の記事にあるため、そちらをご参照ください。
では以下目次です。
なぜ一生無料のサービスを販売してはいけないのか?
~小学生レベルの計算~
10000円/600円=16.67回。
つまりお食事券の保持者は、17回(1日1回なので、最短17日)のお食事で1万円分は回収できます。
17回目以降は、1回につき約600円のプラスが一生続きます。
しかも、『令和納豆』のような小規模の飲食店なら、「カウンター6席、テーブル18席(最大30席)」ぐらいです(「株式会社納豆のプレスリリース」より)。
1席⇒1人だとすると、同時に捌ける客は最大で36人。
一方で、お食事券持ちの利用客は最大で1100人。
最悪、一生お食事券持ちに全席占領されて、普通の客が入れないパターンも考えられます。
成功哲学的には、「できない理由はいらない」みたいなこともよくいわれますが……。
冷静に考えれば、お食事券持ち1100人が全員ご近所さんなわけないし、毎日欠かさずに納豆を食べにくる納豆狂人もそんなに多くはないでしょうが……。
そんなに多くはないといっても、わざわざ納豆専門店の永久パスを購入するなんて、絶対にご近所さんや健康オタクや節約オタクがまぎれています。
そいつら納豆狂人が、全体の5%だとしましょう。
たった5%の納豆狂人が毎日来店するだけで、
バイトの時給1000円にすら泣き叫んでいる飲食店経営者に、この数字どう思うのか訊いてみたい。
しか~し!!
宮下社長はいいました、
~株式会社納豆の宮下裕任(ひろただ)代表取締役社長に話を聞いた~
- 100年続ける徹底的なコスト分析
- 無料パスは1日1回まで使用可能
- 無料パスは本人のみが使用可能
↑宮下社長のインタビューや、永久パスの利用規約を見る限り、①②③「仕組み」とやらはこんな感じでしょうか?
う~ん……でもいくら①「コスト分析」したところで、一生無料で食われるだけなんだからここは赤字確定だし……。
①②「利用制限」を考えるなら、そもそも1100枚も売るなよって話だし……。
いや、私だけじゃないから、謎の利用規約追加や無料パスポートの強制剥奪があったんだと思いますが。
小規模な実店舗における、一生無料券の大量バラマキは、明らかに黒字経営と矛盾しています。
そしてそこまで考えた上で、自分が無料パス利用者だったら、と考えてみましょう。
タダ飯は美味いか?自分が貧乏神や乞食になる罪悪感
~無料利用は気まずい~
厳密にいえば、事前に1万円は支払っていますが、損益分岐点を超えた時点で無料っていうかプラスです。
そしてお店側はマイナスになるってことを、自覚できない客はいないでしょう。
自分が無料券を使用すればするほど、お店側には損失を与えることになります。
お客様のなかに、自分が貧乏神であるとわかっていながら、お店に通い続ける最強メンタルをお持ちの方はおられますか?
罪悪感だけならまだしも、「乞食」として扱われる状態に、「恥」の文化を持つ日本人は耐えられるでしょうか?
お店側の視点に立てば、当然無料券を使用しまくる客にはこう思っていますよ。
よく、「気持ちの良い買い物」とか「気持ち良くお金を支払う」みたいな体験がありますよね。
でも無料券では買い物も支払いもないので、そうした体験とは無縁の味気なさ、真逆の居心地の悪さだけが残ります。
まさに気まずさの極致であり、全然気持ち良く食事ができません。
そう考えると、無料パスの没収なんて、むしろ優しいとすら感じてきました。
突然事故って消えればいいのにとか、納豆が喉に詰まって窒息すればいいのにとか思われながら食事を摂るより、全然マシじゃないですか?
いや、そうした針のむしろすらまだマシで、
いやさすがにそれはありえないって、自信を持っていえるでしょうか?
だって世の中には、初回1万円のみの買い切りで、納豆定食(税抜600円)が一生無料になるありえないサービスだってありえているんですよ?
そんな常識では考えられない、非常識極まりないお店、なにをしてくるかわかりませんよね?(※本例は特定のお店を指すものではありません。特に、毒ではなく無料券の無効化で対処すると考えられるようなお店は、本例には該当しません)
非常識な飲食店や、非常識な店員が、過去にそうした事例を引き起こしているのは事実です。
「貧すれば鈍する」、貧困層が多い地域は治安も悪い。
となれば、無料券を使われまくって採算が取れていなさそうな飲食店で、
まとめ:タダより怖いものはない!ご利用は計画的に
- 令和納豆が、1万円で「納豆ご飯セット一生涯無料パスポート」を販売後、無効化して炎上した
- しかし、仮に無効化されなかったとしても、一生無料のお食事券なんて気まずくてリピート無理
- 客が勝ち続けてお店が負け続ける、そんなWin-Loseの構造を持つサービスは、結局長続きしない
以上です。
本記事は、『令和納豆』炎上事件を下敷きにしましたが、私が伝えたかったのはつまりこういうことです。
無料券や無料サービスに限らず、
Win-Winじゃないと気持ち悪いし、Win-Lose(客-店)ならそんなサービスは早々に潰れて終了するだけです。
となれば、サービスを提供し続けたかった企業も負け。
サービスを享受し続けたかった顧客も負け。
世の中には、自分さえ勝てばいいと考えている企業や顧客は無数に存在しますが、結局自分の首を絞めるだけです。
そういう人間同士がかち合えば、両方負けるようになっています。
自分たちの利益しか考えていない上級国民と、浅ましい考えしか持たない下級国民で占められた国が、必ず衰退するように。
でも一生無料の情報を聞きつけた希望者が殺到し、『令和納豆』側ももっといけると踏んだのでしょう、1000人も追加されてしまいました。
その結果、今回の炎上が引き起こされました。
このことから得られる教訓は、
それは嘘かもしれないし、詐欺かもしれないし、本当だったとしても恨みを買うはめになるかもしれません。
実際、『令和納豆』の無料パスを購入した方々は、期待通りの結果を得られたでしょうか?
無料パスを販売した『令和納豆』は、いまどうなっていますか?
- 当ブログ……元々一生無料
- 令和納豆……納豆定食(税抜600円)が一生無料
無料のなかでも、特に②「本来は有料のものを無料と謳っているケース」はヤバいです。
あと、「有料級」みたいな売り文句も、詐欺師が好んで使うので気をつけてください。
以上、『令和納豆』炎上事件で考えた、「無料」の怖さでした!
納豆ご飯専門店『令和納豆』が大炎上しました(2020年5月)。~『令和納豆』が炎上した理由~安田尊@『Google のクチコミ』を謳うブログ。購入型のクラウドファンディングで、「1万円の支援」と引き換えに「納豆定食(税抜60[…]
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