恋愛沼とはその名のとおり、恋愛にドハマりさせるための沼です。
いわゆる絶食系男子、女子など、恋愛に興味がない人間を好きになってしまった場合、苦労すると思いますが、恋愛沼に沈めれば自分のモノにできるかもしれません。
恋愛に興味がない理由
まず恋愛に興味がない人間の説明ですが、なぜ恋愛に興味がないのかといえば、恋愛感情を知らず、恋愛の味を知る由もないからです。
たとえばラーメンの汁があるとして、その汁を飲んだことがなく、どんな色で、どんな香りがして、どんな味がして、飲むことでどんな効果が期待できるのか、それを知らなければ、得体の知れない汁など開拓精神あふれる命知らずのバカ以外は飲みたがりません。
実物を見せればそれが情報の塊となり、欲求を刺激して興味を喚起させることができます。
しかしご存知のとおり、恋愛に実物や実体は存在しません。
恋愛感情は見えませんし、恋愛に色はありませんし、まあある意味では恋愛そのものが色であり、「色恋」とかいうこともありますが、
と訊かれても、
としか答えられません。
それに恋愛感情には匂いもありませんし、醤油味も塩味も味噌味もついていませんし、まあ豚骨が最強なんですが、婚活のように目的もはっきりしておらず、ラーメンの汁であれば最悪、相手にぶっかけて口に入る可能性に賭けることもできますが、恋愛感情に関してはそのような奥の手も存在しません。
そしてそんな存在感ゼロの無味無臭の恋愛感情は、恋愛に興味がない人間にとっては無視するまでもなく視界に入らないものであり、それでなんら不都合がないというわけです。
恋愛沼の作り方
さて、実体を持たない恋愛感情が、いかにラーメンの汁よりも無力であるかは説明したとおりです。
ではどうやって恋愛沼を作りだせばいいのか?
簡単です。
恋愛に実体がないということは、なんにでも混ぜられるということです。
つまり、相手が恋愛に興味を抱いていないとして、しかし恋愛以外の沼、たとえばラーメンの汁などには興味があり、意欲があり、関心があるのなら、
相手がハマっている沼に恋愛感情を流し込み、汚染し、恋愛沼に作り替えるわけです。
そのためにすべきことは、もちろん沼に恋愛感情を流し込むのはこちらなので、相手がラーメンの汁にハマっているのであれば、こちらもラーメンの汁にどっぷり浸かる必要があります。
まずは一旦、恋愛のことは忘れて、ラーメンの汁に集中しましょう。
特に下心ありきと見抜かれたが最後、二度とチャンスは訪れないのでそのつもりで。
それから、客の立場でも店員の立場でも、意中の相手とはできるだけ会わないほうが得策です。
相手からすれば、行きつけのお店で知り合いと会う、ましてや知り合いが働きだすことほどウザいことはないかもしれません。
繰り返しますが、あくまで恋愛のことは忘れて、ラーメンの汁に集中しましょう。
そしてラーメン漬けの日々を送り、身も心もすっかりチャーシューのようになってから、
といった感じで突如として恋愛感情を思いだし、意中の相手に接近します。
そしてさりげなくラーメンの話題を振り、相手が食いついてきたら汁談義に一花咲かせ、自分が最近汁まみれになっていることを話し、
などと、とっておきのあるあるネタや自虐ネタをぶっこみ、
と自然な流れで自分の匂いを嗅ぐように促し、フェロモンで誘惑しましょう。
大丈夫、本当にラーメンの汁っぽい体臭になっていたとしても、相手はラーメンの汁が大好きなので、もはやラーメンの汁が大好きなのか、こちらの汁が大好きなのか、わからなくなります。
もっとも、最初からそこまで上手くはいかないかもしれませんが、それでも少なくとも、一緒にラーメンの汁を飲む約束ぐらいは取りつけられるでしょう。
なぜなら先ほどはさらっと書きましたが、「汁談義に一花咲かせ」たことが効いてきます。
沼地に咲いた花は、沼に魅入られた者を興奮させます。
その興奮は恋愛感情ではないかもしれませんが、色を帯びるには十分な興奮です。
そうして花の根を通して、ラーメンの汁で満たされていた沼は、徐々に恋愛模様へと染まっていくことでしょう。
まとめ
ところで、「吊り橋効果」という理論があります。
が、今回ご紹介した恋愛沼のレシピも似たようなものです。
恋愛以外の沼と、恋愛沼とを混同させるテクニック、それが恋愛沼のレシピです。
というわけで以上、恋愛沼のレシピでした。
THIS IS THE ANSWER.