恋愛とは、「例外を認めること」です。
~「例外」の例~
つまり自分の「好きなタイプ」なんて考えたところで意味がないし、他人の「好きなタイプ」を聞き出すことにも意味がありません。
だって、考えに考え抜いたその「好きなタイプ」に全く該当しない相手を、「特別に」好きになるかもしれませんよね?
では以下目次です。
好きなタイプは?正解は「好きになった人」
~私の考えた理想の恋人~
- 国籍……日本人
- 性別……女性
- 年齢……25歳
- 身長……160cm
- 体重……50kg
- スリーサイズ……B85-W60-H85
- 髪型……無造作な黒髪ショート
- 目元……大きくて知的でクール
- 口元……やや分厚めでセクシー
- 職業……病院勤務・医療従事者
- 性格……優しい。病院は、ほかの職場と比べて格段に「優しさ」が要求される環境である。弱った患者への優しさ、夜勤を嫌がらない優しさ、激務の医者を支える優しさ。それら優しさの主力は、伝統的に女性の看護師である。つまり優しさの負担に加えて、女社会特有の陰湿な厳しさ、経血のようなどろどろした人間関係も渦巻いていてストレスがヤバい。だから病院勤務の彼女は、優しさエネルギーを充電するために、帰宅した瞬間に優しさスイッチをオフにする。そして同棲する私をストレスの捌け口にするとき、私は彼女の優しさを本当に感じられる。彼女が家でストレスを発散できるのは、病院でストレスを溜め込んでいる証拠であり、患者や同僚に優しく接している証明だからだ。彼女は、外では決して見せない顔を私に見せる。医者の不養生という言葉があるが、看護師だって病院勤めなのに病んでいる。病院では怪我人を手当てしている手で、だれかを傷つけたいときもある。そしてストレス発散が終わると、泣きながら謝って優しくしてくれたりもする。「優しい人間」なんてこの世にはいない。すべての人間には、優しい一面と暴力的な一面があるだけだ。そして私は、彼女のDV気質な一面も含めて優しいと思うし、そもそもドMだからもうマジでたまらん
さて、こうして私の「好きなタイプ」が「白衣の天使」だと判明したとします。
さらに、メンヘラでドSが好きなこともわかりました。
が、現実に私が好きになる人間は、むしろ病院に通院している男性かもしれません。
- 国籍……日本人
- 性別……男性
- 年齢……40歳
- 身長……175cm
- 体重……75kg
- スリーサイズ……C100-W75-H100
- 髪型……マンバン(サムライヘアー)
- 目元……日本刀のような切れ長
- 口元……口ヒゲとか生えている
- 職業……役者・舞台俳優
- 性格……自由人。昔、売れない役者時代に時代劇で武士の役を演じてから、役にドハマりして私生活でも武士のようになってしまった。なってしまった……と人は彼を変人扱いするが、しかしなにかを演じることが変わり者だというなら、人はみな変わり者である。なぜなら、「親」も「サラリーマン」も「白衣の天使」も、みんな役割を演じているにすぎない。みんな生まれたときは赤ちゃんだったのに、いつしか「少年」や「少女」、そして「大人」を演じるようになるというだけだ。その証拠に、年齢的にはいい歳をした大人でも、「幼稚」を演じている人間も珍しくない。それなら、どうせなにかを演じる人生なら、自分の好きなものを演じれば良い。「YouTuber」でも「無職」でも「サムライ」でもいい。人生は演劇だ。かのウィリアム・シェイクスピアも、喜劇『お気に召すまま』で、こんなセリフを残している。「この世は舞台、男も女も役者、人はいろいろな役を演じては消えていく……」もちろん、男や女以外のものを演じても良い。見た目は男で心は女とか、見た目は女で心は男とか、見た目は子どもで頭脳は大人とか。世の中、いろいろなキャラクターがいたほうが見ていて面白い。そして私はというと、どうやら「白衣の天使が好きだと思っていたけど、サムライを好きになってしまった人間」の役らしい
要点をまとめると、私は「女性が好きだ」と思っていたら、「男性を好きになっていた」。
なにをいっているのかわからないと思いますが、私にはわかります。
私の元々の恋愛観が、異性愛だったにしろ、同性愛(レズビアン)だったにしろ、
私たちが、どれだけ真剣に詳細に綿密に「好きなタイプ」を設定したところで、現実はそう甘くありません。
私たちの計画や予想は、予想外の出来事に裏切られるのが世の常です。
みなさんにもそういう経験があるはずです。
~予想外の出来事~
この「例外を認める」恋愛システムが発動してしまうと、それまでの設定や想定や基本ルールは無視されます。
食事にたとえれば、別腹です。
もうお腹いっぱい、食べられない~、
もしも寿司のネタ部分だけ食ってシャリを残していたり、天ぷらの衣部分を剥がして中身だけ食っていたりするバカがこんなことをほざいていれば、だれしもがぶっ飛ばしたくなるでしょう。
しかし落ち着いてください、これが例外パワーの為せる業です。
そして例外パワーは、恋愛においてこそ本領を発揮します。
人間(生物)の基本目標は繁殖ですが、繁殖に必要なのは穴に入れて出すことであって、恋愛感情は不要です。
したがって、私たちは基本的に、だれとも恋愛をしません。
が、「例外」においては恋愛をしても良いと思っているし、
人間は基本的に恋愛も結婚もしない生き物
~「例外」の恋愛模様~
↑いずれもよく見かける感じの恋愛シチュエーションですが、つまり人間は基本的に、恋愛も結婚も不倫もしません。
だってめんどくさいでしょ?
恋愛といえば束縛、結婚といえば束縛、人間は「文化」という束縛を生み出しましたが、
自然界には、恋人がいないと惨めだとか、童貞処女は恥ずかしいなんて価値観はありません。
男は家族を養って一人前だとか、女は結婚できなきゃ負け犬だとかいうルールもありません。
そうした人間界特有の縛りがなければ、親や社会からの圧力がなければ、
若者の恋愛・結婚離れが言われるようになって久しいですが、リクルート(本社:東京都千代田区)が運営する「リクルートブライダル総研」が発表した「恋愛・結婚調査2023」でも、この傾向が加速していることがわかりました。「(いずれは)結婚したい」と答えた女性も減り続け、ついに5割を切りました。
ソース:未婚男女の7割「恋人いない」、結婚したい女性は5割切る – 読売新聞 – 2024年4月14日閲覧。
上記は2023年の調査結果ですが、若者の恋愛離れ・結婚離れが進んでいる要因のひとつは、昭和や平成の呪縛から解き放たれたからでしょう。
人間は、自由になればなるほど、恋愛からも結婚からも遠ざかる。
わざわざ自分のお金や時間を使って、デートプランを考えたり他人の人生を背負ったり、バレないように浮気したり不倫したりするのはめんどくさいし、
独身者に「セックス体験」(性交経験)の有無を聞いたのが図表3のグラフだ。これをみると、男女とも2002年~2010年ごろをピークに性交経験が減っており、30歳代男性で36.4%、30歳代女性で44.4%が「未経験」であることがわかる。
ソース:衝撃の政府調査「一生結婚しない若者急増」「30代独身の性未体験者4~5割」「マッチングアプリで結婚」「セックスレス夫婦6割」…に共感の渦 – J-CAST – 2024年4月14日閲覧。
人間(生物)の基本目標が繁殖といっても、もう地球上には約80億人ぐらいの人間が存在するし。
自分が繁殖しなくても人類は存続するし、そもそも冷静に考えれば人類の存続とかどうでもいい。
気持ち良くなりたいだけなら、オナニーでいいんだから、
私は「どこでも寝られる」と自慢をする人間は何人か見たことがありますが、「だれとでも寝られる」と自慢している人間は見たことがありません。
売春婦だって、お金を払わない人間とは寝ません。
つまり言い換えれば、売春婦も基本的にはだれとも寝ませんが、お金を払ってくれる人とは特別な一夜を過ごすのであり、
売春婦ではないならなおさら、基本的にはだれとも寝ませんが、特別な相手とは寝る……そうですよね?
そして、「特別」と「例外」は同じ意味です。
私たちが、基本的には「永遠の愛」なんて嘘っぽいセリフを信じていないのに、「永遠の愛」を誓ってしまうのも、
こうして、相手を特別視する「例外」が発生すれば、それ以前に考えていた「好きなタイプ」などは無効化されます。
それどころか、「嫌いなタイプ」でさえ、「好きなタイプ」へと変貌することがあります。
恋愛ストーリーの王道を思い浮かべてみてください、
↑まさに恋愛ストーリーの王道ですが、しかしなぜ喧嘩していた男女が、恋へと発展してしまうのか?
普通に考えれば、戦争へと発展しそうなものですが。
でも、ここまで読まれた方なら、もうおわかりですよね。
それでも特別な相手とは恋愛も結婚もする
~恋愛の可能性~
それもこれもあれもそれもこれも、「例外」の為せる業です。
人々の恋愛模様は、まさに例外の博物館・美術館・展覧会。
にもかかわらず、そんな恋愛の可能性を狭めるような、
そんな質問をしてくる人は、もしかしたら「好きなタイプ」を訊き出して、条件に合った知り合いを紹介してくれようとしているのかもしれません。
が、「恋愛」⇒「例外」なら、条件に合う合わないはどうでもいいことです。
恋愛を成就させるために必要な手順はただひとつ、
そうすれば、自分が思いもしなかった相手を「例外的に」好きになる可能性が生まれます。
あるいは自分が、相手にとっての「例外」として好かれる可能性が生まれます。
世の中には、自分のことなんてだれも好きにならない……と悲観的になっている人もいますが、
だって例外だから。
そりゃあ現在、地球上には約80億人……若い日本人に限定しても数千人万人はいるんだから、だれかひとりぐらいは好きになってくれる人がいるはずです。
そこで問題があるとすれば、その特別な人に出会えるかどうかだけなんだから、
まとめ:出会いに必要なのは異常な行動力
- 「恋愛」とは、「例外を認めること」であり、特別な相手と特別な関係を結ぶこと
- したがって、「好きなタイプ」を考えても「例外」に打ち消されるので意味がない
- 恋愛を楽しみたいなら、知人の情報を全部漁って、ひとりでも多く会うほうが良い
以上です。
いま「いじょうです」を漢字に変換しようとしたら1発目に「異常です」と出ましたが、要はそういうことです。
昔は……昭和とか平成の時代は、恋愛経験ゼロとか、いい歳をして独身となれば異常者扱いされましたが、
~令和の時代~
冷静になって考えてみてくださいよ、血も繋がっていない他人と一つ屋根の下、同棲とか同居とか異常でしょ?
そりゃあ恋愛も結婚も減るし、離婚する夫婦が珍しくないのもうなずけます。
それでも日常に飽き飽きして、非日常を楽しみたいというなら、
そうすれば、出会った相手の数だけ話すネタができるし、想像で「好きなタイプ」なんて語っているよりよっぽど楽しい。
そして「例外」を見つけることができれば、恋愛話にも花が咲くでしょう。
以上、ちなみに私の好きなタイプは、腹筋が割れている人です。