少ないの反対は「多い」です。
～これまでのあらすじ～
～修正前～
- 過少申告
- 過大申告
- 過多申告
修正前、私は自然と②「過大申告」を使用しましたが、なんだかキモい違和感に襲われました。
そうだ、その前に①「過少申告」⇒「少ない」を使用しているんだから、対になるのは「多い」⇒③「過多申告」なんだ！
しかし、いざ「過多申告」と入力してみると、見慣れない＆聞き慣れないワードに戸惑いました。
ソース：「過少申告」の反対語は？ – Yahoo!ファイナンス – 2022年10月8日閲覧。
もはやソースページを開くまでもなく、検索結果の画面にベストアンサー「過大申告ですよ。」が抜粋されて表示されていました。
う～～ん……でもさ～～～～、「少ない」の対義語が「多い」なのに、
私はGoogleに負けない！
日本人の誇りにかけて、日本語ではアメリカの企業なんかには負けない！！
では以下目次です。
「過少」と「過小」の違いは？少ないか小さいか？
か‐しょう〔クワセウ〕【過少】 の解説
ソース：過少（かしょう）の意味 – goo国語辞書 – 2022年10月8日閲覧
［形動］［文］［ナリ］少なすぎるさま。「人口が―な地域」⇔過多。
出典：デジタル大辞泉（小学館）
か‐しょう〔クワセウ〕【過小】 の解説
ソース：過小（かしょう）の意味 – goo国語辞書 – 2022年10月8日閲覧。
［形動］［文］［ナリ］小さすぎるさま。小さすぎて実際と合わないさま。「―な予算」⇔過大。
出典：デジタル大辞泉（小学館）
かしょう
ソース：岩波 国語辞典 第七版 新版 – 株式会社岩波書店
①【過小】
〘名ノナ〙小さすぎること。 ↔過大。「―評価」
［派生］
―さ
②【過少】
〘名ノナ〙少なすぎること。 ↔過多。
［派生］
―さ
まとめると、
- 過少……少なすぎる
- 過多……多すぎる
- 過小……小さすぎる
- 過大……大きすぎる
「過少」と「過小」の使い分けは、対象が「数」か「形」かで考えれば簡単です（万能ではありませんが）。
たとえば、対象が「友だちの人数」なら、
「友だちが小さい」と書くのは、友だちが小児とか小学生とか小人である場合……つまり「形」です。
数を計るなら「多い・少ない」、形を測るなら「大きい・小さい」。
したがって、「友だちの人数を少なめに申告する」は、「過少申告」です。
「過多申告」と「過大申告」はどっちが使われる？
- “過少申告”のヒット数……約 207,000 件
- “過小申告”のヒット数……約 158,000 件
Google的には、”過少申告”のほうが圧倒的に多く使用されているようです。
その証拠に、”過小申告”の検索結果には、「もしかして：”過少申告”」とまで表示されました。
つまり論理的に考えて、”過少申告”とセットで使用されやすい”過多申告”の使用例も多いはずです。
- “過多申告”のヒット数……約 461 件
- “過大申告”のヒット数……約 14,700 件
……”過多申告”、約30倍の差で”過大申告”に負けているんですが……なぜ？
これGoogleが終わってるの？
日本人が終わってるの？
- 過少申告……約 207,000 件
- 過多申告……約 461 件
世間的には、①「数を少なめに申告する事例」だけが、極めて多くて……。
②「数を多めに申告する事例」は、極めて少ない…ってコト！？
それなら、①②「過少申告＆過多申告」がセットで使用されないのも納得ですが……、
どう考えても、「過多申告」が使用されるべき場面で、「過多申告」が使用されていないとしか思えません。
私は、「過多申告」の検索結果一覧をざっと眺めていきました。
すると、
- ゴルフのスコアは、打数で計算＆申告
- 打数なら、申告ミスは多いか少ないか
- 実数より多い申告なら、「過多申告」
私は心が折れかけ、もう世界に迎合して、「過少申告」とセットで「過大申告」使っちゃおうかな……という気分になりかけていました。
でも紳士たちに励まされ、正しい道をいくことに決めました。
いくら言葉の意味や用法が、時代や使用者とともに変化するといったって、
「過小評価」と「過多評価」が並んでいて許せる？
「評価」とは、価値判断です。
したがって、認められた価値が大きすぎれば、「過大評価」。
認められた価値が小さすぎれば、「過小評価」。
Amazonなどの通販サイトで、サクラ（業者）の自作自演レビューまみれになっている商品などは、「過多評価」だといえそうです。
しかし、レビュー全体の評価や平均点などを分析して、総評としての高すぎる評価や低すぎる評価を語る際には「過大評価」と「過小評価」を使います。
そこで、
でもこれが、紳士淑女のいなくなった世界なのです。
このような背筋がムズムズして発狂しそうになる評論を目にしたくなければ、私たちは紳士淑女であるべきです。
「過小評価」は、「過大評価」と比較するべきだし、
まとめ：メディアはゴルフの誤申告をどう報じた？
- 「少ない」の反対は「多い」、「過少」の反対は「過多」、「過少申告」の反対は「過多申告」
- 「過多申告」を正しく使用する文化があるのは、ゴルファーやゴルフ界隈ぐらい（Google調べ）
- じゃあ「過小評価」と「過多評価」や、「紳士」と「熟女」を並べてもいいのか？（ブチギレ）
以上です。
さて、ゴルフ文化に感動した私は、しかし同時に裏切り者を発見しました。
ソース1：コロナ対策が裏目…『過多申告』の香妻「自分の確認ミス」密避けるため記録員立ち会わず【男子ゴルフ】 – 中日スポーツ・東京中日スポーツ – 2022年10月8日閲覧。
ソース2：香妻陣一朗がまさかの過多申告 同組マーカー勘違い６９が７０に – デイリースポーツ online – 2022年10月8日閲覧。
ソース3：香妻が珍し過多申告で１打損 マーカーのパー誤記を見逃す「しょうがない」 – 日刊スポーツ – 2022年10月8日閲覧。
ソース4：９番 パーパットを沈めガッツポーズを見せる香妻陣一…｜香妻陣一朗がスコアを過多申告…… – SANSPO.COM（サンスポ） – 2022年10月8日閲覧。
ソース5：香妻まさかのスコア“過大申告” 1打損も「失格じゃなかったので良かった」 – スポニチ Sponichi Annex – 2022年10月8日閲覧。
- 東京中日スポーツ……過多申告
- デイリースポーツ……過多申告
- 日刊スポーツ……過多申告
- サンスポ……過多申告
- スポニチ……過大申告
もしかして、スポニチの記事本文では「過小申告」が使用されていて、「過大申告」と対比されているのかも……？
と、私は一縷の望みを抱いてチェックしてみましたが、普通に「過少申告」を使用していました（「過少申告の場合は失格となるが、多い場合は申告した数字が成績となる」）。
スポニチは、紳士を降りてしまったようです。
ソース：【ゴルフのちょっとラフな話】過少申告は失格だが、過大申告はおとがめ無し – Yahoo!ニュース – 2022年10月8日閲覧。
『読売旅行』という、読売新聞系列の月刊誌からの抜粋です（2022年6月号）。
こちらはもう、思いっきり記事タイトルで、「過少申告」と「過大申告」が併用されています。
残念ながら、ゴルフ界隈も一枚岩ではないようです。
もちろん私も別に、「小さい数字」や「大きい数字」みたいな数の捉え方まで批判しようとは思いません（それは私も普通に使います）。
ただ、それならそれで、
私が「過多申告」を選んだ決め手も、ちょうど「片思い」の話題だったからカタカタ合わせただけだし……。
皆様におかれましては、皆様の感性で、違和感のないほうをお使いください。
以上、「過少申告」の対義語は、「過多申告」の記事でした！
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