負けない事・投げ出さない事・逃げ出さない事・信じ抜く事、駄目になりそうな時、それが一番大事~♪
ソース1:それが大事~完全版~ / 大事MANブラザーズオーケストラ – YouTube – 2022年12月22日閲覧。
ソース2:それが大事 大事MANブラザーズバンド 歌詞情報 – うたまっぷ – 2022年12月22日閲覧。
↑私が最近FIFAワールドカップカタール2022を観ていると、この曲を採用したCMがバンバン流れていて、歌詞を覚えました。
それで思ったんですが、「それが一番大事」とかいいながら4つも条件出すなよだし、
というわけで、4つのうちどれが「一番大事」なのか、検証することにしました。
では以下目次です。
負けない事?負けないなら苦労しない
~どれが一番大事? 候補その①~
たとえば、私がこの曲を聴かされていたFIFAワールドカップは、グループリーグ+決勝トーナメント方式です。
決勝トーナメントでは、対戦した両チームが、必ず勝敗を決します(引き分け⇒延長戦⇒PK戦)。
PK戦までいけば、公式記録では「引き分け」扱いになりますが、もちろん「敗退」して泣いている選手たちにそんな慰めは意味がありません。
~ワールドカップBEST16~
そこで、駄目になりそうな日本代表が、「負けない事が一番大事」と歌うとします。
そして、駄目になりそうなクロアチア代表も、「負けない事が一番大事」と歌います。
「それが一番大事」なら、各国代表が国歌斉唱のときみたいに歌うのは当然です。
~サッカー日本代表~
~クロアチア代表~
~ワールドカップ~
- 負けない事
- 投げ出さない事
- 逃げ出さない事
- 信じ抜く事
本記事で扱う①②③④「大事」において、この①「負けない事」だけは、勝負事で片方にしか許されません。
勝負をすれば、必ずどちらかは「負け」⇒「駄目」になるのです。
それなのに、一番大事っぽい一番目に①「負けない事」と歌って退路を断つ鬼の所業、
「負けない事」といわれて負けないなら、だれも苦労しません。
「駄目にならない事」といわれて駄目にならないなら、だれも駄目になんかなりません。
こんなのは大事でもなんでもない、
投げ出さない事?諦めるのも大事な例
~どれが一番大事? 候補その②~
たとえば、少年サッカーのチームで、ゴールキーパーからキャリアをスタートさせた少年がいたとします。
ではこの少年は、もう一生「ゴールキーパー」を投げ出すべきではないのでしょうか?
どれだけ身長が伸びなくても、どれだけ足下の技術が上手くても、どれだけメッシ2世っぽくても、
子どものときからずっと頑張ってきたんだから、もうちょっと頑張ってみようよ……!
大丈夫、背が小っちゃくても、活躍したゴールキーパーはいるよ……!(超レアケース)
いまやめちゃったら、これまでかけてきた時間やお金や努力も、全部無駄になっちゃうよ……!?
~サンクコスト効果(コンコルド効果)~
取材の待ち合わせ場所にやってきたのは、日焼けした70代の男性だった。
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)で40年以上、信仰にもとづいて献金を続けてきたという。
「人生を否定するのが怖くて、後悔しているとは言えません」
ソース:「左翼と戦うには統一教会しかない」と信じた 今も献金を続ける男性 – 朝日新聞デジタル – 2022年12月22日閲覧。
↑これなんかは、典型的なサンクコストの例です。
いまカルト宗教を脱会すれば、約40年間1億円の献金をしてきた自分の人生が無駄だったと認めることになる!
だからもう、カルト信者をやめることはできないんだー!!
それまでどれだけ時間やお金や労力を注ぎ込んでいようが、投げ出したほうが良いなら投げ出したほうが良いに決まっています。
「無駄」というのは、続けることが無駄だとわかっているのに続けることをいいます。
無駄なだけならまだしも、「駄目になりそう」なぐらい損失やマイナス面が大きいなら、
「投げ出さない事」は、人を縛り付ける呪いの言葉です。
あなたはずっと不幸でいなさい、あなたはずっとツラいままでいなさい、あなたはずっと駄目になりそうでいなさい……。
いや、地縛霊じゃあるまいし、
逃げ出さない事?逃げる選択肢も大事
~どれが一番大事? 候補その③~
たとえば、サッカーワールドカップ2022のアルゼンチンVSメキシコ……。
それはもう、マフィア仕込みのひどい戦争サッカーでした。
もしも自分がサッカー選手で、メキシコのチームと対戦するとして、肘打ち・足裏スライディング・顔面キックも飛び出すラフプレーを前にして、
むしろ、上手に逃げて受け身を取らなければ、ぶっ壊されて駄目になります。
だいたい人間は、世の中のほとんどのことから逃げています。
サッカー選手になることから逃げているし、メキシコに住むことから逃げているし、メキシコマフィアと戦うことから逃げているし、
ソース1:行方不明10万人 「麻薬戦争」続くメキシコで「秘密墓地」を掘る家族ら – 毎日新聞 – 2022年12月22日閲覧。
ソース2:メキシコ南西部の町で町長ら18人殺害 武装集団が役場を襲撃 – BBCニュース – 2022年12月22日閲覧。
ソース2:武装集団が闘鶏場を襲撃、20人死亡 メキシコで犯罪組織抗争か – 産経ニュース – 2022年12月22日閲覧。
↑すべて今年のニュースですが、メキシコは現在サッカー以外でも戦争中で、役場から闘鶏場まで襲撃されまくっている地獄です(2022年)。
あるいは、ロシアVSウクライナのリアル軍事戦争を引き合いに出してもかまいませんが、
結局のところ、「逃げ出さない事」なんていえるのは、逃げ出さなくてもいい程度の壁にしかぶち当たっていないだけです。
駄目になりそうな人は、それぞれが、己のなかに戦争や地獄みたいな葛藤を抱えています。
逃げなければ駄目になるという意味では、麻薬戦争や核戦争と同じだし、
あのポケモンバトルぐらいしかやることがない野蛮なゲーム、『ポケットモンスター』にさえ、「にげる」という選択肢はあります。
もちろん、「にげる」に失敗したり、相手次第では逃げられないこともあります。
でもそれって、つまり本当に逃げてはいけない場面では、逃げようとしても逃げられないってことなんだし、
信じ抜く事?勝手に期待しているだけ
~どれが一番大事? 候補その④~
↑ワールドカップ2022グループリーグ、日本が格下コスタリカに負けた直後の解説・本田圭佑さんのコメントです。
このとき、日本は格上のドイツに勝利しており、あとは格下のコスタリカをぱぱっとやっつけて勝ち点6(グループリーグ突破はほぼ確実)みたいな雰囲気でした。
しかし、コスタリカに負けたことで、一気にグループリーグ敗退の危機でした。
「信じ抜く事」といえば、なにかカッコイイ高尚なことをやっていそうですが、ただ期待しているだけ。
神様に期待、仏様に期待、サッカー日本代表に期待……。
現実は、そんな信仰とは関係なく進行していくし、
同様に、「自分は駄目にならない」と信じようが信じまいが、駄目になるやつは駄目になります。
むしろ、信じたり期待したりするから、理想通りにいかなかったときに駄目になります。
日本代表がコスタリカに負けたあとのサッカーファンの態度は、それはもう駄目駄目でした。
ソース:SNSにあふれるサッカー日本代表への誹謗中傷 本田圭佑氏「安易な批判はやめるべき」 – 産経ニュース – 2022年12月22日閲覧。
では、自分を信じて駄目だったら、どうなるのか?
もちろん、駄目押しで自分を誹謗中傷しまくって、さらに駄目駄目になるでしょう。
↑最初から信じなければ、そんなふうに思うこともなかったのに。
でも1度信じてしまったものは仕方がないので、切り替えるしかありません。
今日からなにも信じず、なにも期待せず、あらゆる物事を疑っていきましょう。
まとめ:『それが一番大事』は応援?
- 「負けない事」というからには、勝負をしていますが、勝負をすれば必ず負けます
- 「投げ出さない事」といいますが、駄目なことは投げ出さないと、駄目になります
- 「逃げ出さない事」は、相手のメンタルをぶっ壊したいときの常套句でもあります
- 「信じ抜く事」なんて、ただ期待しているだけだし、駄目になることとは関係ない
以上です。
というわけで、「第1回! どれが一番大事なのか選手権」の優勝は……、
私は、こんなとんでもねぇ精神論を聴かされながら育つ、未来のアスリートたちが心配です。
そもそも、原曲の歌詞を見れば、スポーツの応援ソングじゃないと思うんですが……。
サビの部分だけ切り抜かれて、いいように利用されていますよね?
もちろん本記事も、とんでもねぇ精神論は批判しますが、ワールドカップ2022のクロアチア代表が見せたようなド根性や精神力までは否定していません。
以上、大事MANブラザーズバンド『それが一番大事』の歌詞解釈、ではなく……。
謎の応援ソング『それが一番大事』を信じてはいけない理由でした!