いうほど同じか?
「昨日人を殺した!だから後は何人殺しても同じだ!」とは?
とは、史上最凶のヘヴィーメタルバンド、聖飢魔IIのセリフです。
聖飢魔IIがどれぐらい最凶かというと、上記のセリフで十分説明されていますが、このセリフに関連してあの世界的な凶悪犯、
を操っていたのが聖飢魔IIだったことが示唆されているぐらい凶悪です。
その証拠として、以下に聖飢魔IIが歌う「JACK THE RIPPER」ではお馴染みとなっている前口上を2パターン引用しましょう。
まずはパターン1、ICBM TOKYO(ライブ)版です。
ソース1:JACK THE RIPPER 聖飢魔Ⅱ ICBM – YouTube – 2020年4月15日(水)閲覧。
上記でおわかりのとおり、ロンドンの街中を震撼させた謎の男=JACK THE RIPPER(切り裂きジャック)は悪魔に操られていたと説明されています。
そして聖飢魔IIは悪魔の集団です。
つまり……もうこれって自白ですよね?
まあそれはそれでいいとして、それより問題はパターン2、オール悪魔総進撃(ライブ)版の自白です。
ソース2:JACK THE RIPPER 聖飢魔Ⅱ オール悪魔総進撃 HD – YouTube – 2020年4月15日(水)閲覧。
本記事では上記の唐突な自白について考えたいと思います。
ちなみに念のために記しておきますが、「昨日人を殺した! だから後は何人殺しても同じだ!」というセリフは、その他数多くのライブで披露されている聖飢魔IIの定番ネタのひとつです。
もちろん聖飢魔IIとその信者がミサ(ライブ)をどんどん信仰(進行)していくにあたって、まだまだノリが欠けているやつらを、
するのもネタなので、ご安心を。
しかしライブでは可能な限りノったほうが楽しいので、殺される心配がなくてもみんなと一緒に「殺せー!」しておくことをオススメします。
「昨日人を殺した!だから後は何人殺しても同じだ!」の意味
さて、では本題です。
私は聖飢魔IIのことが大好きなので、いままで看過していましたがもう我慢できません。
私が聖飢魔IIの「JACK THE RIPPER」で(CD化されているなかで)ベストだと思っているのは、ICBM OSAKA版です。
そのICBM OSAKA版「JACK THE RIPPER」にももちろん、
との自白は収録されています。
だから私は何度もこの唐突で意味不明な自白を聴かされているわけですが……。
どう考えても1人殺すのと2人殺すのとでは意味が違うし、ましてや1人と10人では絶対違うよね?
日本の法律でいえば、1人殺しただけなら死刑は免れる可能性がそこそこあるけど、10人殺したらほぼ死刑だよね?
それこそ「悪魔に操られ」とかいって心神喪失を主張して責任能力を否認しないと死刑回避できないよね?
でも仮にそれで死刑回避できたとしても、やっぱり1人殺した精神病患者と10人殺した精神病患者とではその後の措置に差が出てくると思うんだけど……。
ってことは、「昨日人を殺した! だから後は何人殺しても同じだ!」というセリフは、法治国家における事後処理のことをいっているんじゃないことになる。
でも人を殺した経験がある人やこれから経験予定の人はあんまりいないはずだから、みんなもわからないはずなんだけど……。
それでもわかるとしたら、なにかに例えた場合?
って思ったからいまから身近な例で3パターン用意してみますね。
昨日人と結婚した!だから後は何回結婚しても同じだ!
同じか?
昨日人と結婚したのに……また何回も結婚したら、社会的にまずいのでは?
だってその人、何回も離婚しているか、何重にも重婚しているわけだよね……。
もし離婚パターンなら、バツ10とかついているわけだよね……。
重婚なら、(その人が男だとして)第10夫人とかがいる……。
怖すぎる……。
一方で、初婚ならそんな心配はいらない。
結婚は1度だけならたいていは祝福されて、社会的ステータスも上がる。
でもそのあと何回も結婚を繰り返せば、間違いなく評判はガタ落ちだ。
つまり昨日人と結婚したからって、あとは何回結婚しても同じではない。
う~ん、例えが悪かったのかな?
じゃあ次の例にいってみよう。
昨日ペットを飼った!だから後は何匹飼っても同じだ!
命をなんだと思っているの?
たしかに昨日ペットを飼ったら、そのペットのために蓄えた知識やエサや居住環境が使い回せるわけだし、2匹目以降を飼うハードルはかなり下がる。
でもペットを飼うということは、かけがえのない命を預かるということにほかならない。
ペットには1匹1匹、唯一無二の大切な命が宿っていることはいうまでもない。
ペットは増やせば増やすほど、必ずその命に対する責任も増すのだ。
したがって、昨日ペットを飼ったからといってあとは何匹飼っても同じだとはいえない。
ふむ……またまた例えが悪かったかな?
じゃあ三度目の正直で、最後の例はこれ。
昨日新型コロナウイルスに感染した!だから後は何回感染しても同じだ!
免疫機能は?
基本的にウイルスって、一度感染したら免疫を獲得して、二度と感染しないはずなんだけど……(例外はHIVみたいな免疫を破壊してエイズを発症させるウイルス)。
ソース:新型コロナ、回復者は免疫得て再感染しないのか-現実はもっと複雑 – Bloomberg – 2020年4月15日(水)閲覧。
だから昨日新型コロナウイルスに感染して、その後も何回も新型コロナウイルスに感染したらエイズレベルの大問題だよね。
しかも新型コロナウイルスって、少し重症化すれば、
- 「あの痛みと苦しみは、交通事故に遭ったみたいな感じ」
- 「まるで溺れてるみたいな感じでした」
- 「何日かは夜が……なかなか眠れなくて」
- 「とてつもなく喉が痛くて」
- 「まるで喉にガラスが刺さっているみたいで」
- 「何日かは何も食べることも飲むこともできなくて」
- 「高熱や体のあらゆる部分に拷問を加えるような痛み」
- 「死ぬんじゃないかというくらいにせき込んだ」
- 「地獄のドアをノックしていると思った」
ソース1:新型コロナウイルスは、あなたが何歳であろうと感染する。そして「大切な人を死なせる」危険性がある – WIRED.jp – 2020年4月15日(水)閲覧。
ソース2:「喉にガラスが刺さっているよう」 新型ウイルスから回復の英保健相 – BBCニュース – 2020年4月15日(水)閲覧。
ソース3:「地獄のドア」たたく-新型肺炎、死も覚悟した武漢市の21歳男性 – Bloomberg – 2020年4月15日(水)閲覧。
とかって証言されているんだけど、二度とごめんじゃない?
って感じじゃない?
なのにそこで、
とかって無敵モードに入れるやつ、いるの?
少なくとも人間には無理です。
というわけでまとめに入りましょう。
まとめ:昨日人を殺したからって後は何人殺しても同じではない
とは、いうまでもなく、もう後戻りできない不可逆性の「状態」を指しています。
一度人を殺めてしまえば、そいつはもう「人殺し」であり、「殺人犯」であり、「殺人鬼」です。
あとは何人殺そうが、殺すまいが、殺人鬼であることに変わりはありません。
必殺仕事人風に言い換えるなら、
です。
したがって、昨日人を殺したらあとは何人殺しても同じです。
しかし、「殺人鬼」という大きなカテゴリーでは同じですが、細かく分類するならそこに違いは生まれます。
たとえば3パターンほど挙げてみましょう。
- 昨日人を殺したからと開き直り、その後も殺し続けた人間
- 昨日人を殺したが、反省して二度と殺しはしなかった人間
- 昨日悪人を殺したし、一生涯悪人だけを暗殺し続けた人間
すべて違いますよね。
そしてもちろん、聖飢魔IIが歌う①のパターンは悪手です。
たしかに昨日人を殺した以上、もう「殺人鬼」から「人」には戻れません。
それでも明日も人を殺せば、今日より悪化することは請け合いです。
もう過ぎてしまった昨日のことは仕方がありません。
が、今日以降をどうするかによって、確実に違いは生じます。
人生に底はありません。
今日底辺だと思っていても、明日以降も落ち続ければもっと下に落ちます。
落ち続けないために這い上がるタイミングは、いつだって今日が最良です。
今日から変わりましょう。
「JACK THE RIPPER」なんかの二の舞を演じるのはやめましょう。
というわけで、結論!
終わり!
THIS IS THE ANSWER.