パージ(原題:『The Purge』、2013年)~フォーエバー・パージ(原題:『The Forever Purge』、2021年)を観ました。
映画『パージ』シリーズ全5作を視聴したため、感想をまとめます(2023年4月時点)。
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↑詳細な感想記事は上記リンクをご参照ください(上から映画公開順)。
本記事では、各作品の簡単な特徴やレビューをまとめます。
ちなみに、すべての作品が単体でも理解できる作りにはなっていますが、普通に公開順で観るのがオススメです(制作陣は、前作を踏まえて制作していると考えられるため)。
面白さを判断するポイントは、第2作『パージ:アナーキー』。
- 第1作『パージ』……家が舞台
- 第2作『パージ:アナーキー』……街が舞台
上記2作品を視聴し、面白くなければ残りは切り捨ててOK(1作品しか観たくない場合、第2作『パージ:アナーキー』を推奨)。
第1作『パージ』と第5作『フォーエバー・パージ』はちょっとアレなので、この2作品だけで判断するのはオススメしません。
では以下目次です。
本記事は、映画『パージ』シリーズのネタバレを含みます。予めご注意ください。
映画『パージ』の簡単なあらすじとレビュー
~映画『パージ』のあらすじ~
「犯罪が激増し、刑務所は犯罪者であふれかえるアメリカ。政府は対策として年に1度、12時間だけ殺人を含むいかなる犯罪も認めることにする」シチュエーション・コメディ映画です。
映画『パージ』の簡単な特徴と感想
安田尊@映画感想を謳うブログ。
評価: 3.0第1作『パージ』の特徴は、「家が舞台」だという点です。
主人公ジェームズ・サンディンを始めとするサンディン家は、最新のセキュリティシステムで家をロックダウン(完全封鎖)。
安心安全な自宅に引きこもり、魔の12時間をやり過ごそうとします。
が、なぜか次々と侵入者が現れ、家は大パニックに……!
まあほとんど全部自業自得です。
本作は、第1作ということもあり、「パージ」の設定や雰囲気を掴むのに最適です。
第2作以降は、さまざまな視点が交錯しますが、本作は主人公一家の視点のみ。
舞台も主人公の家で完結するため、シンプルかつわかりやすいです。
ただ、第1作なだけあって、まだ設定や世界観の詰めが甘い部分も散見されます。
本来のホラージャンルではなく、コメディだと思って……。
あるいは、「パージ」のチュートリアルだと思って、肩の力を抜いて視聴することをオススメします。
自動車免許の取得時とかに見せられる、謎の交通事故ドラマムービーに似ている。
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映画『パージ:アナーキー』の簡単なあらすじとレビュー
~映画『パージ:アナーキー』のあらすじ~
「パージ」の夜、訳あり男と訳あり母子家庭と訳あり夫婦の運命が交錯する、サスペンス・ドラマ映画です。
映画『パージ:アナーキー』の簡単な特徴と感想
安田尊@映画感想を謳うブログ。
評価: 5.0第2作『パージ:アナーキー』の特徴は、「街が舞台」だという点です。
主人公レオ・バーンズを始め、黒人の母娘や白人の若者夫婦が、「パージ」の夜に街で出会います。
主人公レオは、なぜ「パージ」の夜に外出していたのか?
黒人の母娘は、なぜトラックに詰め込まれそうになっていたのか?
白人の若者夫婦は、なぜレオの車に乗り込んだのか?
まあ若者夫婦は、パージャー(パージ参加者)に車を故障させられ、帰宅に失敗しただけですが……。
本作は、前作『パージ』の正当進化版です(コメディ要素は除外)。
また、個人的には全作品で一番完成度が高く、パージ世界ツアーが楽しめる作品になっています。
メインストーリーのみならず、チラ見せされるサブストーリーが面白い!
・おじいちゃんの置き手紙
・神の僕(しもべ)おばさん
・磔にされ晒されている死体
↑こういう終末世界、ほんと大好き!
もちろん、メインストーリーの出来もシリーズ屈指です。
前作と本作で楽しめなければ、『パージ』シリーズが楽しめることはないと考えていいでしょう。
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映画『パージ:大統領令』の簡単なあらすじとレビュー
~映画『パージ:大統領令』のあらすじ~
「パージ」の夜、お互いの政敵をパージ(暗殺)し合う血みどろの勢力争いと、巻き込まれたボディガードを描く無双アクション映画です。
映画『パージ:大統領令』の簡単な特徴と感想
安田尊@映画感想を謳うブログ。
評価: 4.0第3作『パージ:大統領令』の特徴は、「アメリカ大統領選が舞台」だという点です。
主人公チャーリー・ローン上院議員は、絶対的なパージ反対派にして、次期大統領の有力候補。
チャーリー議員は、公約に「パージ法撤廃」を掲げています。
もちろん、パージ法を制定した与党『NFFA(新しい建国の父)』は面白くありません。
そこでNFFAは、パージ法を改定。
・旧パージ法……政府要人は、パージの対象外
・新パージ法……政府要人も、パージの対象
NFFAの傭兵部隊が、チャーリー議員をパージ(暗殺)するために動きます。
そして、前作の主人公レオ・バーンズが引き続き参戦。
レオは、チャーリー議員のボディガードとして、NFFAの部隊とバトルします。
というわけで、本作は大統領選が舞台ですが、政治はあくまでギミック。
中身は、バトル+アクション=無双です。
第1作『パージ』にあったホラー要素は、本作ではほとんど消し飛んでいます。
一方、コメディ要素はちょっと復活しています。
視聴のおつまみには、チョコバーがオススメ!
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映画『パージ:エクスペリメント』の簡単なあらすじとレビュー
~映画『パージ:エクスペリメント』のあらすじ~
ある島での社会実験(エクスペリメント)を巡る、政府の陰謀と地元民の抵抗を描いた、サスペンス・アクション映画です。
映画『パージ:エクスペリメント』の簡単な特徴と感想
安田尊@映画感想を謳うブログ。
評価: 3.5第4作『パージ:エクスペリメント』の特徴は、「パージの社会実験が舞台」だという点です。
原題は『The First Purge』、つまり「最初のパージ」。
パージ世界の時系列では、本作がファーストです。
主人公は、社会実験の舞台に選ばれた、ニューヨーク・スタテン島の住民たち。
特に、黒人ギャングのディミトリが無双します。
本作もホラー要素は少なく、NFFA政権VS地元ギャング、というバトルの構図。
NFFAは、パージ法を制定させるため、社会実験を成功させたい。
地元ギャングは、NFFAの陰謀に気づき、地元を守るために戦う。
しかし、メイン視点がスタテン島の住民たちなので、視聴した感じはこれまでの作品とあまり変わりません。
せっかくの「ファースト」なんだから、NFFA視点で観たかった……!!
なお数少ない収穫としては、本作における「パージ」の語源が判明。
イカれた黒人スケルターが放った言葉「パージ」が由来でした。
それにしても、NFFAの傭兵部隊が弱すぎた……(武闘派ギャングにやられるだけならまだしも、ただのヤク中でしかないスケルターにまでやられるってどうなの……?)。
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映画『フォーエバー・パージ』の簡単なあらすじとレビュー
~映画『フォーエバー・パージ』のあらすじ~
これはフォーエバー・パージ。「終わらないパージ」だ。
映画『フォーエバー・パージ』の簡単な特徴と感想
安田尊@映画感想を謳うブログ。
評価: 2.0第5作『フォーエバー・パージ』の特徴は、「ただの戦争・紛争・内戦が舞台」だという点です。
主人公フアン&アデラ夫婦は、常に無法地帯みたいなメキシコから、アメリカに不法入国。
そして初めての「パージ」で、アメリカでも1夜限りの無法地帯を体験……。
かと思いきや、アメリカ人が「フォーエバー・パージだ!」とか言い出して、永遠の無法地帯へ。
「フォーエバー」は「永遠」、つまり「終わらないパージ」です。
しかし、『パージ』シリーズとしては終わりました。
「年に12時間だけ犯罪が合法」というルールを無視し、ただただ暴れ回る民衆……。
『パージ』の面白さは、その「年に12時間だけ」というルールにあります。
ルールがなければ、それはもうただの社会の崩壊。
反社会的勢力が政府軍と互角にやり合うなら、それはもうただの戦争・紛争・内戦です。
フアン&アデラ夫婦は、内戦状態に突入したアメリカから、メキシコへの出戻りを開始。
旅のお供は、「フォーエバー・パージ」前は険悪な仲だったアメリカ人、タッカー一族。
それでなんやかんやあって、メキシコ人とアメリカ人が友情を育む……みたいなわりとどうでもいい話に続きます。
みなさん、『パージ』シリーズにこれを求めていますか?
私は求めていません、以上!
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まとめ:テレビドラマ版『パージ』に続く!
それではおさらいも兼ねて、映画『パージ』シリーズの全評価は、以下のとおりです。
タイトル | 一言感想 | 評価 |
第1作『パージ』 | 正直、シチュエーションコメディ(第1作なのでしょうがない)。 | 3.0 |
第2作『パージ:アナーキー』 | シリーズ最高傑作。 | 5.0 |
第3作「パージ:大統領令」 | 普通に面白いが、主人公組が強すぎるのでホラーとしては不成立。 | 4.0 |
第4作「パージ:エクスペリメント」 | 前作に引き続き、アクションバトル路線へ……。 | 3.5 |
第5作「フォーエバー・パージ」 | 「パージ」の名を騙るなにか。 | 2.0 |
以上です。
ちなみに、本記事を執筆している時点で、ドラマ版『パージ season1』の第1話&2話を視聴したんですが、
ドラマ版『パージ』、クッソ面白い予感(特に第2話、ヤバい)。
あれもしかして、こっちが本編……?
ドラマ版も、一応感想を書きながら視聴しているので、ブログにアップできたらします!
以上、こちらは映画版『パージ』シリーズの感想まとめ記事でした!
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