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【映画感想】『パージ:アナーキー』完成度高すぎ!ゲーム化希望!

パージ:アナーキー(原題:『The Purge: Anarchy』、2014年のアメリカ映画、日本語吹替版)を観ました


~前作『パージ』のあらすじ~

パージ 安田尊@『パージ』を謳うブログ。
犯罪が激増し、刑務所は犯罪者であふれかえるアメリカ。政府は対策として年に1度、12時間だけ殺人を含むいかなる犯罪も認めることにする(by Amazonプライムビデオ)

安田尊 安田尊@『パージ』シリーズを謳うブログ。
本作は、『パージ』シリーズの第2作目です。

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↑「パージ」の基本設定は、前作の感想記事で取り上げているため、そちらをご参照ください。

さて、前作ではパージ世界のごく一部、サンディン一家を襲った喜劇悲劇しか描かれていませんでした。

今作では視点が拡張され、舞台は家から街へ。


電子辞書 安田尊@電子辞書を謳うブログ。
アナーキー」の意味は、「無秩序

まあ、前作からわりとジャンルを無視する程度には無秩序だった気もしますが……。

はたして、今作は真面目にホラーをやっているのでしょうか?

では以下目次です。

本記事は、映画『パージ:アナーキー』のネタバレを含みます。予めご注意ください。

映画『パージ:アナーキー』の簡単なあらすじとネタバレ


~映画『パージ:アナーキー』のあらすじ~

パージ:アナーキー 安田尊@『パージ:アナーキー』を謳うブログ。
パージ」の夜、訳あり男と訳あり母子家庭と訳あり夫婦の運命が交錯する、サスペンス・ドラマ映画です

本作の舞台は2023年3月21日のアメリカ、前作の1年後です。

本作の主人公は、レオ・バーンズ、白人の訳あり独身男性(40代ぐらい)。

および、訳ありの黒人貧困母子と、訳ありの白人若者夫婦を中心に物語は進行します。


レオ 安田尊@レオを謳うブログ。
訳ありだらけの主人公グループは、以下のとおりです。

  • レオ……主人公。白人男性。独身、離婚歴あり。一人息子を亡くしている
  • エヴァ……黒人女性。シングルマザー。貧困家庭
  • キャリ……エヴァの娘。反抗期
  • シェーン……白人男性。若者夫婦の夫。妻のリズとは別れたくないが……
  • リズ……白人女性。若者夫婦の妻。夫のシェーンとは離婚したがっている

「パージ」の日、主人公レオは、銃器の手入れをしています。

シングルマザーのエヴァは、勤務先で賃上げ交渉に失敗し、祖父の薬代が払えないと嘆いています。

若者夫婦シェーン&リズは、パージャー(パージ参加者)の攻撃を受け、ダウンタウンの街中で車が故障……。


~2023年3月21日19時~

緊急放送 安田尊@緊急放送を謳うブログ。
パージ開始の緊急放送が流れ、サイレンが鳴ります。

夜の街には、バットや斧で武装した下級パージャーが解き放たれます。

トラックの荷台にガトリングガンを積み、下級パージャーに乱射している上級パージャーもいます。

街の至るところで銃声、悲鳴、車が炎上する音や光が拡散するなか、


レオ 安田尊@レオを謳うブログ。
主人公レオは、ダウンタウンへ車を走らせます。

若者夫婦シェーン&リズは、車持ちの友人やタクシーを捕まえられず、徒歩で逃走しています。

母子家庭エヴァ&キャリのアパートでは、祖父が置き手紙を残して失踪し、大金と引き換えに金持ち連中の生け贄となったことが判明します。

さらにエヴァ&キャリは、隣人の変態親父に襲撃され、その変態親父をぶち殺しながら乱入してきた謎の特殊部隊パージャーにも襲撃されて生け捕りにされます。


レオ 安田尊@レオを謳うブログ。
レオは、エヴァ&キャリが乱暴にトラックに詰め込まれる現場に遭遇。

自分の目的or人助けか、レオは迷ったのち、車を降りて助けることにします。

一方、シェーン&リズは、レオの車を発見すると勝手に乗り込んで隠れます。

レオは特殊部隊パージャーに奇襲を仕掛け、エヴァ&キャリを救出、一緒にレオの車へ……。


レオ 安田尊@レオを謳うブログ。
主人公グループ、大パニックになりながら初顔合わせ。

しかしとりあえず、パージャーから逃げるため、レオは全員を車に乗せて発進させます。

が、特殊部隊パージャーのトラック荷台ガトリングマンに銃撃され、レオの車は故障。

エヴァは、自分たちを友人女性の家へ送り届けてくれれば車を渡すと提案し、レオはその話に乗ります。


~エヴァの友人宅~

レオ 安田尊@レオを謳うブログ。
レオは無事にみんなを送り届けますが、エヴァの友人は車を所有しておらず、騙されたレオは無駄足に。

しかもエヴァの友人は、妹へデブいじり&妹をビッチ呼ばわり&妹の夫と不倫しており、ブチギレた妹にパージ(いきなり射殺)されます。

エヴァの友人宅は一気に大混乱に陥り、主人公グループは脱出。

そこを特殊部隊パージャーと人身売買パージャーに挟み撃ちにされ、人身売買パージャーに全員捕まります。


パージパーティ 安田尊@パージパーティを謳うブログ。
主人公グループが売られた先は、富裕層のオークション会場でした。

レオたちは金持ちに買われ、無防備の主人公グループVS暗視ゴーグル&銃&刀で武装した金持ちグループの暗闇サバイバルゲームがスタート。

しかしレオ、なんの説明も受けずに一瞬で状況を把握、素手で金持ち狩りをスタート。

レオが奪った装備を活用し、主人公グループは金持ちグループを撃退しますが、


シェーン 安田尊@シェーンを謳うブログ。
オークション側が応援部隊を投入し、若者夫婦の夫、シェーンが銃撃され死亡。

謎の黒人 安田尊@謎の黒人を謳うブログ。
そこへ謎の黒人が乱入し、仲間と一緒にオークション部隊を殲滅。

謎の黒人とその仲間は、アンチNFFA&アンチパージ団体でした。

NFFAは、『New Founding Fathers of America(新しいアメリカ建国の父たち)』、パージ法を制定した与党です。

アンチNFFA団体は、パージ狩りのためにレオを助け、


レオ 安田尊@レオを謳うブログ。
レオは金持ちの車を奪い、本来の目的へ。

レオの一人息子は、1年前に飲酒運転の車に轢き殺され、しかも運転手の男は無罪になっていました。

レオは復讐相手の家に乗り込み、寝込みを襲って息子を殺した男に銃を突きつけます。

男の悲鳴が鳴り響き、レオが復讐相手の家を出ると、特殊部隊パージャーの生き残りに銃撃され倒れます。


NFFA隊員 NFFA隊員のイメージ
車を見つけたよ巡査。ナンバーでおまえがだれかわかった。すると目的地もすぐにわかった……俺でも同じことをしただろうな。だが「パージ」には暗黙の掟があるんだ
NFFA隊員 NFFA隊員のイメージ
人の命を救うな」。命を奪うのが「パージ」だ。それで世の中をコントロールしてる。残念だが市民の殺しじゃ数が足りない。その不足分を補って、世の中のバランスを保つ
NFFA隊員 NFFA隊員のイメージ
建国の父』の素晴らしい政策だ。だからだれにも邪魔はさせない。ヒーローはいらないんだ。わかるか巡査。ヒーローは、いらない。魂はもう「浄化」されただろ。生まれ変わった国アメリカに、神の祝福あれ

特殊部隊パージャーがレオにトドメを刺そうとした瞬間、パージャーは銃で額を撃ち抜かれて死亡。

撃ったのは、レオの復讐相手でした。

そこへエヴァ&キャリと特殊部隊パージャーも駆けつけますが、午前7時、サイレンが鳴り、


~「パージ」終了~

レオ 安田尊@レオを謳うブログ。
レオは、エヴァ&キャリに介抱され、復讐相手の車で病院に運ばれるのでした。

前作『パージ』は家が舞台!今作は街が舞台の正当進化!


~映画『パージ:アナーキー』の感想~

安田尊 安田尊@感想を謳うブログ。
以上が映画『パージ:アナーキー』のあらすじですが、前作にあったコメディ要素が、ほぼ消えている……!!

ただホラー要素も薄まっていて、サイコスリラーやサスペンス方面でレベルアップしていました。

設定がコメディ寄りなのは、もうしょうがないです。

私は冒頭の語りで、今作もコメディかと覚悟しました。


アメリカ 『パージ:アナーキー』のイメージ
アメリカ、2023年。失業率は5%以下。犯罪発生件数はほぼないに等しく、貧困層は毎年減っていた。その効果を生み出したのは……」からのタイトル『THE PURGE』……!!

安田尊 安田尊@感想を謳うブログ。
いや、「パージ」すごすぎない?

と思って。

たった一夜、年に12時間の犯罪を合法にしただけで、それ以外の犯罪ほぼゼロになっちゃったの……??

そんなチートみたいな政策、採用しない政治家いないでしょ。


安田尊 安田尊@感想を謳うブログ。
ともあれ、その舞台設定さえ受け入れれば、本作はかなり楽しめます。

ゲームでいえば、GTA(『Grand Theft Auto』)シリーズっぽい雰囲気。

前作は、ナチュラルにイカれているやつらが目立っていましたが……。

今作は、ちゃんとイカれているやつらにも論理があり、「パージ」に則ってイカれています。


~おじいちゃんの置き手紙~

祖父の置き手紙 祖父の置き手紙のイメージ
愛しいエヴァとキャリ。俺の最大の悩みは、愛する娘と孫が苦しんで生きてることだ。俺はもう死ぬ。わかってるだろ。俺は今夜、金持ち連中に殺される。やつらに大金をもらった。10万ドルって大金が、おまえらたちの口座に振り込まれるはずだ。金を受け取り、この夜を生き延びて、この先も無事でいてくれ。愛してる

~神の僕(しもべ)おばさん~
神の僕おばさん 神の僕おばさんのイメージ
私は神の僕! 神は地震を起こしたり、ウイルスで……(銃乱射)地球上の人口が増えすぎないようにコントロールしてる……! 私は今夜、ウイルスになる! 私は今夜、致死率100%の伝染病のウイルスだ!(銃乱射) 私は永遠、私は聖なる三位一体だ! 父と子の精霊の御名においておまえらを始末する! 私に殺されに出てこい……!(銃乱射) 我が聖なるMP9! 弾はシルバーチップ・オートマグナム! 私は自由社会の右手で、神の左手だ!(銃乱射) フアァァ……! 私は燃えさかる炎……! 神に逆らう不届き者たちの首をはねてやる!

~磔にされ晒されている死体~
公開処刑 安田尊@公開処刑を謳うブログ。
死体は株屋のデヴィッド・ニュースターダーである。我々の年金を盗んだ罪だ

↑みたいな、クレイジーなミニイベントが多発しており、終末世界の構築に貢献しています。

本当にGTAみたいなオープンワールドゲームにしたら、めちゃくちゃ楽しそう。

12時間しか行動できないのがネックですが、本作みたいに複数主人公で群像劇っぽくすれば絶対に面白い!


安田尊 安田尊@感想を謳うブログ。
なお、結末は評価が分かれそうですが、復讐マニアの私は納得しています。

レオが復讐しなかった理由!感情よりも事実を重視した!


~映画『パージ:アナーキー』のラスト~

レオ 安田尊@レオを謳うブログ。
復讐者レオは、復讐を思いとどまり、復讐相手を生かしたまま現場を立ち去ります

この選択は、レオの執念をずっと見せられていた側としては、不完全燃焼感があります。

復讐のために「パージ」の夜に外出し、復讐のためにエヴァ&キャリを見捨てかけ、復讐のために車を求め続けたレオ……。

レオは復讐相手について、こう語っています。


レオ 安田尊@レオを謳うブログ。
ニコラス(息子)は……学校から帰る途中、車に突っ込まれて死んだ……
レオ 安田尊@レオを謳うブログ。
運転手の血中アルコール濃度は規定の3倍あったが、法の穴を突いて、無罪になった、だから……ヤツと妻とふたりの子どもがここに住んでる。ずっと幸せにな

これはもう、パージするしかないでしょう。

が、それはレオの感情的な視点の話です。

客観的な視点と、加害者の視点はどうかといえば、


~レオが収集していた新聞記事の切り抜き~

NEWS 安田尊@NEWSを謳うブログ。
“検察のミスで無実”

~加害者の態度~
加害者 安田尊@加害者を謳うブログ。
レオに襲撃され、必死に泣きながら謝り倒す

「法の穴を突いて、無罪」というと、なんだかすごいドクズが、悪徳弁護士と組んで無罪を勝ち取ったイメージですが……。

実際は、「検察のミス」。

そして、加害者が飲酒運転をしたクズであることに変わりはありませんが、本気で後悔&反省をしている様子でした。


レオ 安田尊@レオを謳うブログ。
だからレオも、最後の最後で復讐を思いとどまった。

もしもこれが、加害者がガチのクズで、なのにエヴァ&キャリの説得で復讐を思いとどまった……。

みたいな綺麗事バンザイのクソ展開だったら、私は最低評価を下していました。

まあでも、今作の展開なら、筋が通っているので納得できます。


レオ 安田尊@レオを謳うブログ。
その結果、レオは復讐相手に命を救われます。

復讐相手が、必死に泣きながら謝り倒していたのは演技ではなく、本当に後悔&反省していたことが証明されます。

でなければ、レオを救うために、だれがどう見てもヤバい特殊部隊パージャーを銃撃するリスクは犯せません。

そしてレオは車に乗せられ、まさにその車で息子の命を奪った男の運転で、病院へ……。


安田尊 安田尊@感想を謳うブログ。
う~ん、完成度が高い!!

まとめ:レオたちを助けた黒人は?前作の謎ホームレス!


安田尊 安田尊@まとめを謳うブログ。
それではおさらいも兼ねて、ここまでの要点を3点でまとめます。

  1. 映画『パージ:アナーキー』は、前作から1年後、舞台を街に移したシリーズ第2作目
  2. 前作『パージ』と比較して、舞台もストーリーも完成度が高く、正当進化だといえる
  3. まあでも、レオは不殺主人公じゃないし、さくっと復讐パージしてもよかったと思う

以上です。

以下総評!

真の「アナーキー」はだれだ!?
映画感想 安田尊@映画感想を謳うブログ。

評価: 5.0映画『パージ:アナーキー』は、『パージ』シリーズの第2作目です

前作『パージ』には、主人公一家に助けられたり殺されかけたりした、謎の黒人ホームレスがいました。
今作では、その元黒人ホームレスが、主人公グループを助けました。
いや、いまもホームレスは続けているのかもしれませんが、アンチNFFA&アンチパージ集団の一員として活動中です。
これぞシリーズ物の醍醐味!
それでこそ、前作のすべての元凶天使チャーリーと、死んでしまったジェームズも報われるというものです。
徐々に設定が固まっていくのも素晴らしい。
NFFA(新しい建国の父)が政権を奪取したのが、今作2023年の9年前(2014年)。
NFFAがパージ法を制定し、今作で6回目のパージ(毎年1回の場合、初回は2018年)。
前作含め、たった5~6年でこんなにアナーキー(無秩序)な世界になっちゃうんだ……。
とはいえ、パージを除けば、「犯罪発生件数はほぼないに等しく、貧困層は毎年減」らしいですが……。
つまり、ほとんどの犯罪的行為は「パージ」の夜に起き、「パージ」の日だけがアナーキー。
だとすれば、私だったら絶対、その魔の12時間は寝ないでパージに備えます。
レオの復讐相手は、のんきにぐっすり寝ていましたが……ある意味、アナーキーです。
ある意味では、チャーリーもアナーキーだし、ホームレスもアナーキーな生き方をしています。
逆に、アナーキーから一番遠いのは政治家で、「ランク10までの政府要人は、パージの対象外とされ、攻撃は違法」……。
パージ世界のアメリカ政府への評価が気になります。
前作の主人公、ジェームズ・サンディンは、肯定的でしたが……(でもパージされました)。
政府要人側の視点も観てみたいですよね。
NFFAのパージ政策は、功利主義的には非の打ち所がない、最良の結果を出しています。
が、軍隊を動員して特殊部隊パージャーを組織している疑惑があり、自作自演っぽい雰囲気も漂っています。
自分たちだけは「パージ」の対象外としている点といい、とんでもねぇドクズ集団の気配が……。
民衆は、やっぱ政治家ってクソだわ、とならないのでしょうか?
アメリカ人なら、真っ先に政治家をパージしにいき、本当のアナーキーを見せてくれそうですが。
まあでも、それなら別に、わざわざ「パージ」でやる必要もないか……。
日本が誇る真のアナーキー、YAMAGAMIのようにやればいい。
「パージ」のどさくさに紛れるか、「犯罪発生件数はほぼない」日常に紛れるか、暗殺の成功率が高いのはどちらでしょう?
やっぱりこの映画は、思考実験が面白い!

以上、映画『パージ:アナーキー』の感想でした!

続編『パージ:大統領令』と全作視聴のまとめ記事はこちら↓

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