パージ:アナーキー(原題:『The Purge: Anarchy』、2014年のアメリカ映画、日本語吹替版)を観ました。
~前作『パージ』のあらすじ~
パージ(原題:『The Purge』、2013年のアメリカ映画、日本語吹替版)を観ました。~映画『パージ』のあらすじ~安田尊@『パージ』を謳うブログ。犯罪が激増し、刑務所は犯罪者であふれかえるアメリカ。政府は対策として年に1[…]
↑「パージ」の基本設定は、前作の感想記事で取り上げているため、そちらをご参照ください。
さて、前作ではパージ世界のごく一部、サンディン一家を襲った喜劇悲劇しか描かれていませんでした。
今作では視点が拡張され、舞台は家から街へ。
まあ、前作からわりとジャンルを無視する程度には無秩序だった気もしますが……。
はたして、今作は真面目にホラーをやっているのでしょうか?
では以下目次です。
映画『パージ:アナーキー』の簡単なあらすじとネタバレ
~映画『パージ:アナーキー』のあらすじ~
本作の舞台は2023年3月21日のアメリカ、前作の1年後です。
本作の主人公は、レオ・バーンズ、白人の訳あり独身男性(40代ぐらい)。
および、訳ありの黒人貧困母子と、訳ありの白人若者夫婦を中心に物語は進行します。
- レオ……主人公。白人男性。独身、離婚歴あり。一人息子を亡くしている
- エヴァ……黒人女性。シングルマザー。貧困家庭
- キャリ……エヴァの娘。反抗期
- シェーン……白人男性。若者夫婦の夫。妻のリズとは別れたくないが……
- リズ……白人女性。若者夫婦の妻。夫のシェーンとは離婚したがっている
「パージ」の日、主人公レオは、銃器の手入れをしています。
シングルマザーのエヴァは、勤務先で賃上げ交渉に失敗し、祖父の薬代が払えないと嘆いています。
若者夫婦シェーン&リズは、パージャー(パージ参加者)の攻撃を受け、ダウンタウンの街中で車が故障……。
~2023年3月21日19時~
夜の街には、バットや斧で武装した下級パージャーが解き放たれます。
トラックの荷台にガトリングガンを積み、下級パージャーに乱射している上級パージャーもいます。
街の至るところで銃声、悲鳴、車が炎上する音や光が拡散するなか、
若者夫婦シェーン&リズは、車持ちの友人やタクシーを捕まえられず、徒歩で逃走しています。
母子家庭エヴァ&キャリのアパートでは、祖父が置き手紙を残して失踪し、大金と引き換えに金持ち連中の生け贄となったことが判明します。
さらにエヴァ&キャリは、隣人の変態親父に襲撃され、その変態親父をぶち殺しながら乱入してきた謎の特殊部隊パージャーにも襲撃されて生け捕りにされます。
自分の目的or人助けか、レオは迷ったのち、車を降りて助けることにします。
一方、シェーン&リズは、レオの車を発見すると勝手に乗り込んで隠れます。
レオは特殊部隊パージャーに奇襲を仕掛け、エヴァ&キャリを救出、一緒にレオの車へ……。
しかしとりあえず、パージャーから逃げるため、レオは全員を車に乗せて発進させます。
が、特殊部隊パージャーのトラック荷台ガトリングマンに銃撃され、レオの車は故障。
エヴァは、自分たちを友人女性の家へ送り届けてくれれば車を渡すと提案し、レオはその話に乗ります。
~エヴァの友人宅~
しかもエヴァの友人は、妹へデブいじり&妹をビッチ呼ばわり&妹の夫と不倫しており、ブチギレた妹にパージ(いきなり射殺)されます。
エヴァの友人宅は一気に大混乱に陥り、主人公グループは脱出。
そこを特殊部隊パージャーと人身売買パージャーに挟み撃ちにされ、人身売買パージャーに全員捕まります。
レオたちは金持ちに買われ、無防備の主人公グループVS暗視ゴーグル&銃&刀で武装した金持ちグループの暗闇サバイバルゲームがスタート。
しかしレオ、なんの説明も受けずに一瞬で状況を把握、素手で金持ち狩りをスタート。
レオが奪った装備を活用し、主人公グループは金持ちグループを撃退しますが、
謎の黒人とその仲間は、アンチNFFA&アンチパージ団体でした。
NFFAは、『New Founding Fathers of America(新しいアメリカ建国の父たち)』、パージ法を制定した与党です。
アンチNFFA団体は、パージ狩りのためにレオを助け、
レオの一人息子は、1年前に飲酒運転の車に轢き殺され、しかも運転手の男は無罪になっていました。
レオは復讐相手の家に乗り込み、寝込みを襲って息子を殺した男に銃を突きつけます。
男の悲鳴が鳴り響き、レオが復讐相手の家を出ると、特殊部隊パージャーの生き残りに銃撃され倒れます。
特殊部隊パージャーがレオにトドメを刺そうとした瞬間、パージャーは銃で額を撃ち抜かれて死亡。
撃ったのは、レオの復讐相手でした。
そこへエヴァ&キャリと特殊部隊パージャーも駆けつけますが、午前7時、サイレンが鳴り、
~「パージ」終了~
前作『パージ』は家が舞台!今作は街が舞台の正当進化!
~映画『パージ:アナーキー』の感想~
ただホラー要素も薄まっていて、サイコスリラーやサスペンス方面でレベルアップしていました。
設定がコメディ寄りなのは、もうしょうがないです。
私は冒頭の語りで、今作もコメディかと覚悟しました。
と思って。
たった一夜、年に12時間の犯罪を合法にしただけで、それ以外の犯罪ほぼゼロになっちゃったの……??
そんなチートみたいな政策、採用しない政治家いないでしょ。
ゲームでいえば、GTA(『Grand Theft Auto』)シリーズっぽい雰囲気。
前作は、ナチュラルにイカれているやつらが目立っていましたが……。
今作は、ちゃんとイカれているやつらにも論理があり、「パージ」に則ってイカれています。
~おじいちゃんの置き手紙~
~神の僕(しもべ)おばさん~
~磔にされ晒されている死体~
↑みたいな、クレイジーなミニイベントが多発しており、終末世界の構築に貢献しています。
本当にGTAみたいなオープンワールドゲームにしたら、めちゃくちゃ楽しそう。
12時間しか行動できないのがネックですが、本作みたいに複数主人公で群像劇っぽくすれば絶対に面白い!
レオが復讐しなかった理由!感情よりも事実を重視した!
~映画『パージ:アナーキー』のラスト~
この選択は、レオの執念をずっと見せられていた側としては、不完全燃焼感があります。
復讐のために「パージ」の夜に外出し、復讐のためにエヴァ&キャリを見捨てかけ、復讐のために車を求め続けたレオ……。
レオは復讐相手について、こう語っています。
これはもう、パージするしかないでしょう。
が、それはレオの感情的な視点の話です。
客観的な視点と、加害者の視点はどうかといえば、
~レオが収集していた新聞記事の切り抜き~
~加害者の態度~
「法の穴を突いて、無罪」というと、なんだかすごいドクズが、悪徳弁護士と組んで無罪を勝ち取ったイメージですが……。
実際は、「検察のミス」。
そして、加害者が飲酒運転をしたクズであることに変わりはありませんが、本気で後悔&反省をしている様子でした。
もしもこれが、加害者がガチのクズで、なのにエヴァ&キャリの説得で復讐を思いとどまった……。
みたいな綺麗事バンザイのクソ展開だったら、私は最低評価を下していました。
まあでも、今作の展開なら、筋が通っているので納得できます。
復讐相手が、必死に泣きながら謝り倒していたのは演技ではなく、本当に後悔&反省していたことが証明されます。
でなければ、レオを救うために、だれがどう見てもヤバい特殊部隊パージャーを銃撃するリスクは犯せません。
そしてレオは車に乗せられ、まさにその車で息子の命を奪った男の運転で、病院へ……。
まとめ:レオたちを助けた黒人は?前作の謎ホームレス!
- 映画『パージ:アナーキー』は、前作から1年後、舞台を街に移したシリーズ第2作目
- 前作『パージ』と比較して、舞台もストーリーも完成度が高く、正当進化だといえる
まあでも、レオは不殺主人公じゃないし、さくっと復讐パージしてもよかったと思う
以上です。
以下総評!
評価: 5.0映画『パージ:アナーキー』は、『パージ』シリーズの第2作目です。
以上、映画『パージ:アナーキー』の感想でした!
続編『パージ:大統領令』と全作視聴のまとめ記事はこちら↓
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