syamu_gameといえば伝説的なネットのおもちゃ大物YouTuberとして人気を博し、ニコニコ動画を中心にMAD動画(第三者によって狂った加工、編集がなされた二次創作動画)が量産されていることでも知られています。
さて、本記事ではそんなsyamu_game系MAD動画のなかでも私が一番好きな、
についてご紹介します。
この「LOSEr」は米津玄師「LOSER」のパロディでもあるため、米津玄師の「LOSER」もついでにご紹介します。
では参りましょう。
原曲は米津玄師の「LOSER」
米津玄師 MV「LOSER」
さて、米津玄師といえば日本で音楽鑑賞を趣味とする人間であればまず知らない人間はいないレベルの有名アーティストです。
そんな超大物トップアーティストが「LOSER」とは何事か?
と考えてみたんですが、いつまで経っても「よねづ・げんし」と呼ばれるあたりは「LOSER」かもしれません(2020年になってもいまだにそう呼ばれているのを耳にしました)。
正確には、
です。
間違えて覚えている方はこの機会に是非覚えてあげてくださいね。
ちなみにもうひとつの勘違いポイントとして、「米津玄師」は芸名ではありません。
なんだか「元帥」っぽい浮世離れした響きのある名前なので勘違いしがちですが、「米津玄師」は本名です。
芸名としてはニコニコ動画活動時代から名乗っている「ハチ」があります。
たとえば米津玄師のツイッターの名前は現在(2020年2月)、
となっており、ユーザー名(@スクリーンネーム)も「hachi_08」ですね。
まあでも、ニコ動時代を知らず、米津玄師のツイッターアカウントを初めて見た方が、
などと思ったとしても、無理はありません。
紛らわしい名前を並べている負け犬が悪いのです。
さて、米津玄師の名前だけではなく、「LOSER」の歌詞についても少しは触れておきたいところですが……。
正直、私は米津玄師が歌う「LOSER」の歌詞、あんまり面白くはないんですよね……。
というのも、私は「負け犬の歌」が大好きです。
しかし米津玄師の「LOSER」は、じつのところ「負け犬への応援歌」です。
ですから随所に勝者の理論が散りばめられています。
たとえば、
歌詞ソース:米津玄師 LOSER 歌詞&動画視聴 – 歌ネット – 2020年3月27日(金)閲覧。
ね?
私は成功哲学が聴きたかったらレペゼン地球か聖飢魔IIの楽曲を聴くので、負け犬の歌を聴くときは純然たる負け犬の歌を所望します。
レペゼン地球といえば、「頭のおかしな奴らの帝王」DJ社長が率いる音楽グループですが、彼らが成功しているのはひとえにDJ社長の手腕がすべてといっても過言ではありません。DJ社長頭がおかしいとはいえ、そこは帝王。DJ社[…]
というわけで、とっとと純度100%の負け犬、syamu_gameの「LOSEr」へと移行しましょう。
syamu_gameのMAD「LOSEr」
syamu_gameはネット上のユーザー投稿型動画配信サービス黎明期から活動していた大物YouTuberです。
しかしsyamu_gameが特に人気を博したのは米津玄師と同じ、ニコニコ動画(にYouTube動画が転載されたのがきっかけ)でした。
しかもsyamu_gameと米津玄師の共通点はこれだけではありません。
米津玄師はマルチクリエイターです。
たとえば、
- DTMやVOCALOIDなどを用いた作詞作曲
- 自身でボーカルを務める楽曲の制作
- ミュージックビデオの制作
- イラストの制作
など、その活動は多岐に渡ります。
一方でsyamu_gameも、
と本人が語っているとおりです。
上記の「曲も作れちゃう」にはもちろん、米津玄師と同じDTMやボカロP(ボーカロイド・プロデューサー)としての活動も含まれています(syamu_gameがDTMやボカロ関連の資材に、そのへんで働くサラリーマンの月収分ぐらいの金額を投資したことは有名です)。
したがって、もはや米津玄師のイラストレーター要素を小説家要素に置き換えればsyamu_gameになるといっても過言ではないでしょう。
しかし2020年2月現在、米津玄師は紅白歌合戦に2年連続で出演を果たしています。
一方でsyamu_gameは、表舞台からは姿を消しています。
なんやかんやあって消えました。
そのなんやかんやを端的に表現しているのがこのMAD動画、
です。
ご不便をかけて申し訳ありませんが、リンク先は負け犬プラットフォームのニコニコ動画であるため、ブログに埋め込むことができませんでした。
YouTubeなら埋め込めるんですが、そのへんも本当に負け犬っぽくて素晴らしいですね。
さらに素晴らしいことに、この「LOSEr」は米津玄師やsyamu_gameの共通点であるVOCALOIDで制作されています。
しかしなによりも素晴らしいのは、やはり歌詞でしょう。
一部をピックアップします。
ほんとこれ(感嘆)。
負け犬の歌はこうでなくっちゃ!!
ちなみにsyamu_gameの「LOSEr」には原曲である米津玄師の「LOSER」と同じ歌詞、
もそのまま採用されていますが、syamu_game(35歳童貞)のセリフとして聴くと重みが違います。
もちろんsyamu_game(ネカマとネット恋愛して晒された経験だけは人並み以上)が本当にいいそうなセリフなのでそのまま採用されたのでしょう。
そしてsyamu_game(無職実家暮らし)の心情を最高にドストレートに表現しているフレーズ、
素晴らしい!!
スタンディングオベーション!!
これは高齢者(主に80代)の親が子ども(主に50代)の面倒を見ている状態の「8050問題」関係者や、いずれそうなりそうな家庭すべてにぶっ刺さるのではないでしょうか。
しかも「8050問題」の場合、親が要介護となった場合などが問題として取り沙汰されますが、
最期まで介護する気ゼロの姿勢、たまらないです。
まあこのMAD動画、MAD動画ということはsyamu_game本人は作詞にまったく関与していないんですが、もうそういうところもひっくるめて全部好き。
なおこのsyamu_game版「LOSEr」、まったく希望がないわけではなく、
という歌詞も原曲である米津玄師の「LOSER」をそのまま踏襲しています。
「ロスタイムのそのまた奥」……意味深ですよね。
上の歌詞レビューでも、「8050問題」紹介した……と思うけど、まあ紹介しました。
自分のなかでは紹介しました、上の歌詞レビューで。
この「ロスタイム」と多分違う「8050問題」だと思います。
かもしくは同じ「8050問題」か。
どっちかでスゥゥゥゥ。
「ロスタイム」もね、いろんな種類がありますからね。
まとめ:「負け犬の歌」が聴ける奇蹟
さて、syamu_game「LOSEr」の紹介でしたが、私はsyamu_gameはもちろん、米津玄師やMAD職人さんにも感謝を捧げたいです。
本物の負け犬は、負け犬であるがゆえに、その「負け犬っぷり」を十全に表現することができません。
だって米津玄師がいくら負け犬の気持ちを歌詞にして、
とか歌ったって、おまえ負け犬ちゃうやんってなるでしょう。
いえ、わかります。
いくら米津玄師が国内有数のトップアーティストで、何億円稼いでいて、紅白に何度出演していようが、主観的には自分の人生を負け犬だと感じている部分はあるでしょう。
でも私はそれでは納得できません。
でもここで矛盾が生じます。
syamu_gameは負け犬であるがゆえに、自主的に「LOSEr」のような楽曲やミュージックビデオを制作したり発信したりすることができません。
同じく世界にはsyamu_game以外にも純然たる負け犬がいくらでもいて、今日も「負け犬の歌」を歌っているでしょうが、彼らは負け犬であるがために、私たちのところまでその歌を届けることができません。
しかしそこで上記の矛盾を解消したのが、奇蹟の負け犬syamu_gameと米津玄師とMAD職人さんのコラボです。
- syamu_gameが素材となり、
- 米津玄師が楽曲を提供し、
- MAD職人さんがその化学反応をMAD動画に仕上げてくれました。
その結果、私たちは極めて完成度の高い「負け犬の歌」を鑑賞することが可能になったのです。
ありがとうsyamu_game、ありがとう米津玄師、ありがとうMAD職人さん、ありがとうYouTube、ありがとうニコニコ動画、ありがとうその他syamu_gameを押し上げてくれたすべての人たち。
日本は今日も平和です。
THIS IS THE ANSWER.