マガディーラ 勇者転生(原題『Magadheera』、2009年のインド映画、日本語吹替板)を観ました。
です。
視聴済みの方はご存知でしょうが、『バーフバリ』もある意味、「勇者転生」といえる内容でした。
「勇者転生」はS.S.ラージャマウリ監督の得意なテーマなのかもしれません。
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となれば、『バーフバリ』が面白かった以上、『マガディーラ 勇者転生』も観るしかありませんよね。
というわけで『マガディーラ 勇者転生』の簡単なあらすじと感想です。
ちなみに感想を一言でいえば、
です。
では以下目次です。
『マガディーラ 勇者転生』の簡単なあらすじとネタバレ
西暦1609年、ウダイガル王国アーラーヴァリ山脈の断崖絶壁、シヴァ神を奉るバイラヴァコーナにて、
ひとりはウダイガル王国の姫、ミトラヴィンダです。
もうひとりは1度の戦いで100人斬りを達成した最強の戦士、バイラヴァです。
ふたりは愛し合っていましたが、お互いに瀕死の重傷を負っていました。
そして最期は手を取り合うことも叶わず、ミトラヴィンダは崖から転落。
直後、バイラヴァも後を追って崖を飛び降ります。
バイラヴァは最後の最後まで手を伸ばし続けましたが、その手がミトラヴィンダに届くことはありませんでした……。
それから400年後の2009年。
は、偶然手が触れた女性、インドゥにビビっときます。
この「ビビっ」というのは、400年前の記憶とともにフラッシュバックした電撃的な恋心でした。
そう、400年前、ハルシャは伝説の戦士、バイラヴァでした。
そしてインドゥは、ウダイガル王国の姫、ミトラヴィンダでした。
さらにインドゥの親戚には、残虐な男、ラグヴィールがいました。
このラグヴィールこそ、400年前、ミトラヴィンダを巡ってバイラヴァと争い、最後にはふたりを道連れに死んだ王族ラナデーヴの生まれ変わりです。
ハルシャ(ウダイガル王国の戦士バイラヴァ)は、インドゥの前世の記憶を呼び覚ましたい。
ラグヴィール(ウダイガル王国の王族ラナデーヴ)は、インドゥの前世の記憶とともにハルシャを葬り去りたい。
インドゥ(ウダイガル王国の姫ミトラヴィンダ)は、前世の記憶がないままにハルシャとラグヴィールの再戦に巻き込まれ、混乱している……。
まあなんやかんやあってできるんですが、以上が映画『マガディーラ 勇者転生』の簡単なあらすじです。
Magadheera(マガディーラ)の意味は「勇猛な戦士」
ところで、本作のタイトルになっている「Magadheera(マガディーラ)」の意味は、「勇猛な戦士」です。
本作で現代編の主人公ハルシャが、バイクに乗って爆裂しながら登場するシーンで、
という歌が流れ、歌詞とルビが表示されます。
したがって、「マガディーラ」とは、
- 「勇猛な戦士」
- 略して「勇士」
- 類語の「勇者」
といった理解でいいはずです。
ちなみにこの事実は、本記事を執筆するために再視聴していたときに発見しました。
初見時にここを見逃すと、私のように、
みたいなマヌケな疑問を抱えながら観るはめになるので、ご注意ください。
インド映画特有のダンスシーンが日本人には長く感じる
さて、そんな『マガディーラ 勇者転生』ですが、
です。
本当に。
舞台が現代に移って、主人公のハルシャが登場して、バイク版棒高跳びみたいな競技の賭け事に参加するところまでは、まあなんか、
と思う程度で、観るのをやめようとは思いませんでした。
しかし、ハルシャが賭け金を持ち逃げされて、持ち逃げした女を追いかけるところで、
が始まります。
そう、インド映画の定番、謎ダンスシーンです。
ここがマジで長いです。
マジで一生踊っていると思うぐらい、ずっと踊ります。
やっと終わったと思ったら、女の実の親ではないほうのパパみたいなおじさんとの謎ダンスバトルが始まったりします。
いまざっくりカウントすると、合計で約9分ぐらい踊っています。
こうして数字にしてみると、せいぜい10分未満ですし、そんなに長くは感じないかもしれません。
だって本作冒頭からカウントして、映画製作会社とか製作関係者とかタイトルのクレジットがあって、本編が始まって古代編の主人公バイラヴァとミトラヴィンダが来世に駆け落ちして、現代編に移るまでが、約6分40秒ですよ。
クレジット部分を除けば、開幕約4分で古代編の主人公とヒロインが命を落として輪廻転生を祈願されているテンポの良さがあったんですよ。
いくら開幕で主人公とヒロインを殺したからって、ダンスに9分耐えられるほど心を掴んだと思われては困ります。
たかがMV2本分だといっても、いつ終わるのかもわからない状況で、ずっとダンスを見せられたときの体感時間は本当に長かったです。
これがヒロインとか、『バーフバリ』でいうカッタッパみたいな名脇役の紹介も兼ねたダンスだったらまだわかるじゃないですか?
でもマジでダンスシーンごと全部カットしても、「勇者転生」の本筋には微塵も影響しない。
その証拠に、ダンスシーンが終わった時点で残り再生時間が2時間もある。
それでも私はこうしてブログでネタにできるため見続けることができました。
しかしそうでなければ、ここで視聴をやめていた可能性はかなり高いです。
本記事のこの項目が長いと感じた方は、耐えられない可能性が高いので注意してください。
インド人レベルでダンスが好きな方以外が『マガディーラ 勇者転生』を観る場合、序盤は乗り越える必要があることを覚悟しましょう。
日本語吹替版は日本のテレビCMのパロディが少し邪魔
ただし、日本語吹替版に関しては、翻訳さんと声優さんのおふざけがちょっと引っかかります。
たとえば現代編の主人公ハルシャとインドゥが手を触れたとき、ハルシャは「ビビっ」ときます。
この電撃的なエフェクトが流れる「ビビっ」なんですが、
んですよね。
ヒューマンビートボックスとか、そういう技巧的なものではなく、普通に。
たとえるなら、ボクサーがシャドーボクシングをしながら、口で「シュッシュッ」いっているように。
毎回ハルシャの声優さんが口で、
と述べています。
バックではなんか壮大っぽい音楽が流れていて、古代の重厚な記憶がフラッシュバックするのに。
って少し混乱します。
ひとつの作品にシリアス要素とコメディ要素があるのはいいんですが、同時にやるのはやめてほしいですよね。
実際、本作には主人公ハルシャが馬に乗りながらインドゥのストールを顔面に巻いて走るという変態的なコメディシーンもありますが、そこについては絶妙にメリハリが利いていたため特に気にはなりませんでした。
ではほかに気になったシーンはというと、現代編の途中で、インドの祈祷師みたいな老人が登場するんですが、
とかですね。
まあこれは、私が日本人なので、ちょっと過剰に反応しているのかもしれません。
でもまだあります。
舞台は古代編です。
は、次に侵略するウダイガル王国の戦士についての情報を聞かされていました。
ウダイガル王国には、代々「100人を斬るまで絶命しない」といわれる伝説の戦士の一族がいるといいます。
その伝説をほら話だと思ったシェール・カーンは、怒号を上げます。
これ、明らかに不自然な言い回しなので、イナバ物置のテレビCM「やっぱりイナバ、100人乗っても大丈夫」のパロディだと思うんですけど、もう一度いいます。
ひとつの作品でシリアス要素とコメディ要素があるのはいいんですが、同時にやるのはやめてほしいですよね。
ちなみに上記のセリフがパロディだと確信したのは、本作の終盤です。
本作のクライマックスで、ハルシャは崖っぷちに追い詰められていました。
敵のヘリコプターが機体を傾けながら飛行し、回転するプロペラでハルシャをズタズタに切り裂こうと迫っているところです。
そこにシェール・カーンの生まれ変わり、漁師のソロモンがトラックをかっ飛ばしながら現れ、
と叫びながらトラックをヘリにぶつけてハルシャを救出します。
この「インド人もびっくり!!」は、S&B エスビー食品によるカレールウのテレビCMで使用されていた超有名なフレーズです。
ということは、イナバ物置の件と併せて、そういうことですよね。
なお字幕版を確認したんですが、字幕版にはこうしたおふざけはありませんでした。
- 声優さんが口で効果音を喋って雰囲気を壊したり、
- 声優さんの過剰な演技によって雰囲気が壊れたり、
- 日本のテレビCMのパロディで雰囲気が壊されたり、
するのは、日本語吹替版だけの要素です。
一応フォローしておくと、翻訳の質や声優さんの演技は、全体的にはレベルが高いと思います。
字幕版より、日本語吹替版を十分オススメできるレベルです。
なのに、どうして肝心なところでふざけてしまったのか……。
そこが少し残念です。
本作『マガディーラ 勇者転生』をシリアス寄りに観たい方は、日本語吹替版よりも字幕版の視聴をオススメします。
まとめ:序盤のテンポの悪さを乗り越えたあとは面白い
- 映画『マガディーラ 勇者転生』は、『バーフバリ』の監督による転生モノ
- しかし『バーフバリ』以前の作品であるため、あまり洗練はされていない
- しかも日本語吹替版はちょっとふざけているため、字幕版がオススメかも
です。
あとこれは私だけでしょうが、本作の役者さんがほかの作品の役者さんたちに似ていて、ちょっと集中力が削がれました。
一応書き出しておくと、
- 本作の主人公は、海外ドラマ『プリズン・ブレイク』のフェルナンド・スクレ役の人(アマウリー・ノラスコ)に少し似ています。
- 本作のヒロインは、海外ドラマ『レバレッジ ~詐欺師たちの流儀』のソフィー・デヴェロー役の人(ジーナ・ベルマン)に少し似ています。
- 本作の敵役は、日本のドラマ反町隆史版『GTO』の、坊主の生徒役で有名な池内博之に少し似ています。
このなかで私はジーナ・ベルマンがずっと思いだせなくて、1時間以上悩んで視聴中断を挟んだりしながら観るはめになったので特筆しておきます。
検索用:映画『マガディーラ 勇者転生』のミトラヴィンダとインドゥ役のカージャル・アグルワール(Kajal Aggarwal)は、ジーナ・ベルマン(Gina Bellman)に似ています!!
というわけで総評!
評価: 5.0本作『マガディーラ 勇者転生』は、上映当時はテルグ語映画の興行収入ランキングで第1位を記録している大ヒット映画です(2020年時点では『バーフバリ 王の凱旋』が第1位)。
以上、映画『マガディーラ 勇者転生』の感想でした。
THIS IS THE ANSWER.