バーフバリ 伝説誕生(原題:『Baahubali: The Beginning』、2015年のインド映画、日本語吹替版)を観ました。
です。
と、説明すると少し陰気で硬派な印象を与えてしまうかもしれません。
実際私も、初見のときはそういう映画だと思って適当に見始めました(【(30日間の無料体験あり)Amazonプライム会員】で見放題だったので)。
しかし、本作『バーフバリ 伝説誕生』は、いうほど陰気でも硬派でもありません。
ちなみにここでいう「変態」とは2種類の意味があり、
- 純粋に変態
- スポーツなどでよくいわれる変態的なフィジカル(身体能力)やプレー
を指します。
というわけで本記事では、映画『バーフバリ 伝説誕生』の主人公、シヴドゥの変態プレーに焦点を当てて感想を述べます。
それと少し主人公シヴドゥの背景がややこしいため、軽くあらすじも述べます。
では以下目次です。
『バーフバリ 伝説誕生』の簡単なあらすじとネタバレ
本作『バーフバリ 伝説誕生』は、一言でいえば、
です。
ここで登場する2つの名詞、
- シヴドゥ
- バーフバリ
は、どちらも主人公の名前です。
ではなぜ主人公の名前が2つあるのかというと、
です。
順を追って説明しましょう。
- 『バーフバリ 伝説誕生』の主人公は、マヒシュマティ王国の王族「マヘンドラ・バーフバリ」として誕生する
- しかし「バーフバリ」親子は王国の権力闘争に敗れ、父「アマレンドラ・バーフバリ」は死亡する
- 主人公「マヘンドラ・バーフバリ」も生誕直後に命を狙われ、王国の外に逃がされる
- 主人公「マヘンドラ・バーフバリ」は、なにも事情を知らない村で「シヴドゥ」として育てられる
- マヒシュマティ王国の偉大なる勇者、「アマレンドラ・バーフバリ」
- 「バーフバリ」の息子であり生き写し、「マヘンドラ・バーフバリ」
です。
そして『バーフバリ 伝説誕生』は、②の息子「バーフバリ」が、①の父「バーフバリ」の名誉を挽回する物語です。
1度は滅ぼされたはずの「バーフバリ」が、再誕する物語です。
したがって物語の前半においては、バーフバリはまだ「シヴドゥ」として生きています。
本記事では、このシヴドゥが「バーフバリ」に目覚める前の変態的な所業をピックアップするという趣旨です。
というわけでさっそく参りましょう。
シヴドゥは素手で滝登りをするフィジカルモンスター
まずは『バーフバリ 伝説誕生』の主人公、シヴドゥがどれぐらいフィジカルお化けなのかをご紹介します。
です。
このフィジカルモンスターっぷりを序盤で見せつけられ、
と、私は気づきました。
普通に考えて、絶え間なく大量の水が流れ落ちる急斜面の岩肌に向かってジャンプして、岩肌を両手で掴んだ時点で200%滑り落ちますからね(右手100%、左手100%で合計200%の意)。
でも滑り落ちないシヴドゥは、指が岩肌に突き刺さるレベルの圧力をかけて登っているとしか考えられません。
つまり普通ではありません。
しかしそんなシヴドゥも、最初から余裕で滝を登りきれたわけではありません。
あるきっかけがあって登れるようになりました。
そのきっかけとは、
です。
シヴドゥは仮面に欲情して天女の幻覚を見る出会い厨
マジでなんの変哲もない、性別すらも不明の、木造りの仮面です。
しかしシヴドゥは、その木の仮面に興味津々でいつも眺めていました。
そんなある日のこと、シヴドゥは木の仮面を地面に置きます。
そして木の仮面を拾うと、仮面の下にあった土が仮面の形に固められていました。
仮面に固められた土は、人間の顔の形をしていました。
その土でかたどられた人間の顔を見たシヴドゥは、いきなり興奮して女性の髪やアイメイクなどを書き足します。
そうして完成した美女の顔を見てさらに興奮を高めたシヴドゥは、滝を見上げます。
- 仮面の持ち主は絶世の美女だ
- 仮面は滝の上から落ちてきた
- つまり滝の上で美女に会える
シヴドゥはこの仮説を実証するために滝を登り始めます。
そしてそれまでの自己ベスト地点までたどり着くと、
を見ます。
天女はシヴドゥに語りかけます。
これにはシヴドゥも有頂天になり、自己ベストを塗り替えると、そのまま滝の頂上まで登りきってしまうのでした……。
想像力がすごい。
マジでなんの変哲もない木の仮面を手がかりに天女の幻覚を見て、しかもその妄想天女に、
とか歌わせた挙げ句、雲の上まである滝を登りきるのは出会い厨を極めすぎている。
しかし出会い厨も、ここまでくれば英雄と呼ばれるのでしょう。
出会いがない、と嘆いているすべての男性は、シヴドゥの勇姿と行動力を少しは見習うべきなのかもしれません……。
シヴドゥはストーカーした女性にタトゥーを彫る変態
さて、滝を登り切ったシヴドゥですが、想像上の天女に、
と告白させたはいいものの、天女に手を触れようとしてしまったせいで天女が消え去り、ふと我に返ります。
自分はいったいひとりでなにをやっているんだ……という感じで周囲を見渡したあと、滝の上の世界を散策します。
すると女の悲鳴が聞こえ、シヴドゥは声の発生源まで駆けつけます。
そこには、追っ手を待ち伏せて返り討ちにしながら、
がいました。
たぶんそんな女を初めて見たシヴドゥは興奮したのでしょう、アヴァンティカの後をつけます。
そしてなんやかんやあって、シヴドゥはアヴァンティカこそが木の仮面の持ち主であると確信します。
そんな折、アヴァンティカはひとりで湖のそばに寝そべり、手傷を癒やし始めました。
湖に浸されたアヴァンティカの手には、ドクターフィッシュ的な魚が集まり、アヴァンティカの手をつついていました。
そこにシヴドゥも潜水しながら登場し、
しかしアヴァンティカは彫り物の贈り物に気づかず、そのまま戦士長的な上司と会ってしまい、現代社会にたとえるなら営業職が会社に無断で手の甲に刺青を入れたとき並みに戦士失格認定を受けかけて半泣きになります。
しかしアヴァンティカはくじけず、むしろ復讐に燃え、望まない贈り物をしたシヴドゥに罠を仕掛けます。
罠の概要はこうです。
- アヴァンティカの身代わりを囮にして、湖のそばへと寝そべらせる
- アヴァンティカは大木の上で弓を構え、不審者を見つけ次第、射殺
実際これは完璧な作戦でした。
つまりどうやったのかは知りませんが、
- アヴァンティカが大木を登り、ちょうどいい枝の上まで待機する
- シヴドゥも同じ大木を登り、アヴァンティカの頭上まで移動する
シヴドゥは、これをアヴァンティカに気づかれずにやってのけたわけです。
ああ、なんということでしょう、シヴドゥは滝登りだけではなく、木登りも一流でした。
シヴドゥは出会い厨を極めるだけに飽き足らず、ストーカー気質も極めていました。
そうして行動力と隠密スキルを兼ね備えたシヴドゥは、スネークを放ってアヴァンティカの気を逸らした隙に、またもやアヴァンティカの肌(肩)にタトゥーを彫って逃げます。
驚きなのはシヴドゥが、この一連の異常なストーカー&傷害行為を、
ことです。
もちろんアヴァンティカは恐怖に打ち震えます。
1度ならず2度までも、自分の知らないうちに自分の身体に消えない落書きをされているわけですから、戦慄して当然です。
それでも戦士であるアヴァンティカは感情を怒りに転換できましたが、普通の女性であれば心が折れていたことでしょう。
歪んだ愛情には気をつけよう……シヴドゥを少ししか見習ってはいけない理由がこれです。
シヴドゥは戦闘中の女戦士をモデルに変身させる変人
それはシヴドゥがアヴァンティカに落書きをして逃げたあと、たき火をしながらアヴァンティカの仮面に話しかけていたときのことです。
シヴドゥは相変わらずアヴァンティカの仮面に欲情していました。
木の仮面に対してこのいいよう、完全に異常者です。
しかし見方を変えれば、シヴドゥはアヴァンティカと直接話すことができない、シャイボーイ(死語)(内気な男性)なのかもしれません。
矢を放ったのは、執念で追跡してきたアヴァンティカでした。
アヴァンティカはガンガン矢を射ます。
これにはさすがのシャイボーイ・シヴドゥもビビってアヴァンティカに直接告白するしかありません。
再確認しておきますが、アヴァンティカにはまったく思い当たる節がありません。
なぜなら、シヴドゥが欲情して話しかけていたのは、アヴァンティカの仮面だからです。
アヴァンティカからすれば、
- 見知らぬ男に自分が落とした私物を拾われていて、
- 男は拾った私物に欲情して妄想を爆発させていて、
- 男はとうとう自分の前に現れて告白してきた……。
という最悪な状況です。
というわけで、アヴァンティカはシヴドゥに斬りかかります。
そしてアヴァンティカの振るう剣を素手でいなしながら、
- アヴァンティカの軽鎧を剥ぎ取り、
- アヴァンティカが結わえていた髪を手櫛でほどき、
- アヴァンティカの顔面から身体に滝の水を浴びせて汚れを落とし、
- アヴァンティカの顔に紫の木の実と赤い木の実を握りしめて搾った果汁でアイラインと口紅を施し、
- アヴァンティカの剣をわざと自分の手のひらに受けた血飛沫で、アヴァンティカの額に赤い印(ヒンディ)をつけ、
- アヴァンティカの緑色のドレス的な衣装を裏返して裏地の赤色を表にし、
気がつけばアヴァンティカは、泥臭い地味な女戦士から、
に変身を遂げます。
そう、シヴドゥは出会い厨とストーカーのほかに、もうひとつの顔を持っていました。
現代にたとえるなら、田舎から上京してきたばかりの垢抜けない女子の素質を見抜いて、脱がせたりオシャレを覚えさせたりしながら自分好みの派手な女に育てる系おじさんでもあったのです。
その証拠に、アヴァンティカは水を浴びせられただけなのに、マジで人種が変わっているレベルで色白になりました。
アヴァンティカ自身、水面に映る自分の姿に惚れ惚れするほどです。
そしてアヴァンティカは、若いパパ活女子がそうするように、パパシヴドゥと青春を共にすることを決めるのでした……。
まとめ:続編『バーフバリ 王の凱旋』も要チェック!
- 映画『バーフバリ 伝説誕生』は、主人公のシヴドゥがバーフバリになる物語である
- でもバーフバリになる前のシヴドゥは、ただの身体能力を持て余した変質者である
- 物語後半から続編『バーフバリ 王の凱旋』にかけて、バーフバリは覚醒していく!
以上です。
③について補足します。
じつは、
です。
- 第1部『バーフバリ 伝説誕生』
- 第2部『バーフバリ 王の凱旋』
で構成されています。
私も初めて観たときはビビりました、だって予備知識なしで観ていて、
と不安になっていたら、普通にめちゃくちゃ気になるところで終わるんですからね。
しかも【(30日間の無料体験あり)Amazonプライム会員】で見放題なのは第1部だけで、第2部は普通に有料でした。
と思い知らされました。
といってもたかだか数百円なので、第2部『バーフバリ 王の凱旋』もレンタルして観ましたが。
初見の場合、第1部『バーフバリ 伝説誕生』の終わり方は絶対に続きが気になります。
2回目の場合でも気になります。
したがって、まだ未視聴の方も2回目の方も、第2部『バーフバリ 王の凱旋』の視聴を前提として、予算と時間を確保しましょう。
次回の記事では、第2部『バーフバリ 王の凱旋』の感想と総評をアップします。
THIS IS THE ANSWER.