海外のバカクレーマーにありがちなんですが、とりあえず、
持ちだせばクレームが通りそうみたいな風潮、ほんとゴミ。
だいたいそんな軽々しく「ナチス」とか「ヒトラー」とか「ハーケンクロイツ」とか名前出して他者を攻撃する武器にしてぶん回しているほうが不謹慎だし失礼。
ということを、最近バカクレーマーのターゲットにされた漫画「僕のヒーローアカデミア」に絡めて書きます。
ではさっそく、事の発端から。
「ヒロアカ」が人体実験をネタにした?
事の発端は2020年2月、週刊少年ジャンプで連載中の漫画「僕のヒーローアカデミア」、通称「ヒロアカ」において、新しく登場したキャラクターです。
そのキャラクターの名前が、
でした。
この「志賀丸太」というキャラクターは、作中において病院を設立、経営し、慈善事業にも励むみんなから尊敬されている医師です。
しかし裏では人体実験を繰り返し、主人公側(ヒーロー)の敵である「脳無(人造人間)」を生みだしている悪魔の手先でした。
さて、ではなにが物議を醸し、問題視されたのかというと、
です。
「丸太」も「人体実験」も、それぞれ単体では問題ありません。
しかしふたつ合わさったとき、旧日本軍の「731部隊」が行なっていたとされる「人体実験」、および人体実験の被験者に与えられた隠語「マルタ」を想起させるとして、批判される運びとなりました。
なお「731部隊」が実験体にしていたとされるのは主に外国人です。
したがって「志賀丸太」への批判を行なったのも、主に外国人です。
特に私が確認した範囲で目立っていたのは、
そして上記の批判を受けて、週刊少年ジャンプを発行する集英社と「ヒロアカ」作者である堀越耕平氏が「お詫び」を発表しました。
またキャラクター名の変更も告知しました。
ソース1:【お知らせ】週刊少年ジャンプ10号(2月3日発売)『僕のヒーローアカデミア』について – 集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト – 2020年2月29日(土)閲覧。
ソース2:【お知らせ】『僕のヒーローアカデミア』第259話 登場人物名の変更について – 集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト – 2020年2月29日(土)閲覧。
ソース3:「週刊少年ジャンプ」2020年10号『僕のヒーローアカデミア』における表現についてのお詫び(日本語・English・简体中文・繁体中文・한국어) – 集英社 – 2020年2月29日(土)閲覧。
さて、上記謝罪文(特にソース3のpdf)では、
- 命名に際して、歴史的背景と重ね合わせる意図はなかった
- しかし結果として、過去の悲惨な記憶を想起させてしまう
- したがってお詫びし、反省とキャラクター名を変更する旨
が日本語、英語、中国語、韓国語で記載されています。
ここまでは、まあわからなくもありません。
「ヒロアカ」の登場人物たちは、明らかに不自然な、「キャラクター」的な意味合いを付与された名前を持っていることが多いです。
例を挙げるとこんな感じです。
「爆豪勝己」は、「爆破」という特殊能力を持っています。
「轟焦凍」は、「半冷半燃」という特殊能力を持っています。
「上鳴電気」は、「帯電」という特殊能力を持っています。
つまり明らかに、「能力」や「キャラクター」ありきの名前です。
そんな暗示的な命名方法を多く採用しているヒロアカで、
が登場するのは、たしかに「731部隊」が行なったとされる「人体実験」における「マルタ」が元ネタだと邪推され、指摘されるのもわからなくはありません。
とはいえ週刊少年ジャンプには、
と免責事項も記載されているのですが、百歩譲ってここまでの批判はわからなくもないとしましょう。
「731部隊の人体実験」が史実なのかどうかについても、不問とします(断っておきますが、私は日本が加害者とされる歴史も被害者とされる歴史も、というか基本的に日本史も世界史も興味がありません)。
すでに週刊少年ジャンプと「ヒロアカ」作者である堀越耕平氏が謝罪されているとおりです。
しかしここから先は違います。
お詫びを受けて調子に乗ったバカクレーマーが、「ヒトラー」を武器に「ヒロアカ」へと殴りかかります。
爆豪勝己がヒトラーと同じとは?
一つ前の項目でもご紹介しましたが、漫画「僕のヒーローアカデミア」には「爆豪勝己」というキャラクターが登場します。
大雑把に説明すると、爆豪勝己は主人公のライバルポジションであり、
- 悟空に対するベジータ、
- ナルトに対するサスケ、
- ゴンに対するキルア等
です。
つまり主要キャラクターです。
さて、そんな爆豪勝己に、「ヒトラー成分」が検出されたとバカクレーマーが指摘します。
ソース:ヒロアカにまたも批判?キャラの誕生日が「ヒトラーと同じ」と指摘 – ライブドアニュース – 2020年2月29日(土)閲覧。
……うん、バカかな?
というかバカだろ。
私は先月「数字のコントロール」をネタにしたクソ記事を書いていますが、やっていることはこれと同じです。
日付は数字です。安田尊@日付を謳うブログ2020年、みなさんはもう今年の目標を立てましたか?安田尊@目標を謳うブログまだの方は、是非目標を立てましょう。安田尊@説法を謳うブログなぜなら、2020[…]
一言でいえば、数字なんていくらでも操作できるし、こじつけられるという話です。
爆豪勝己は「英雄」である
たとえば4月20日は、「花沢英雄」という元プロ野球選手の誕生日でもあります。
ソース:花沢 英雄(大映ユニオンズ) – NPB.jp 日本野球機構 – 2020年2月29日(土)閲覧。
はい、ご覧のとおり、
という字が入っていますね。
では「僕のヒーローアカデミア」の「ヒーロー」を漢字で訳すと?
ですよね。
いうまでもなく、「僕のヒーローアカデミア」は「英雄」をテーマにした漫画であり、「爆豪勝己」は作中で「雄英高校ヒーロー科」に通うキャラクターです。
つまり爆豪勝己の誕生日が4月20日なのは、
- 花沢英雄氏の誕生によって「4月20日」と「英雄」が関連づけられた
- 花沢英雄氏がプロ野球選手になったことで、上記の関連が周知された
- その英雄性にあやかり、ヒーロー漫画でキャラの誕生日に採用された
という経緯があると、勘繰ることもできます。
その証拠に、爆豪勝己のイメージを一文字で表現するととどうなりますか?
名前の先頭が「爆」であり、さらには個性(特殊能力)も「爆」破です。
したがって、どう考えても「爆」が爆豪勝己を表す一文字です。
ではその「爆」、読み方にならって数字に変換するとどうなりますか?
「89」ではありませんか?
「89」は「爆」とも読めますが、「野球」とも読めます。
もうこれは完璧に、元プロ野球選手である花沢英雄選手の名前を意識している証拠でしょう。
……と、主張することもできます。
このように、数字によるこじつけなんてどうとでもできます。
まとめ:4月生まれは全員ヒトラーか?
なのに、誕生日がヒトラーと同じだからなんなのか?
頭悪すぎませんかバカクレーマー?
だいたいヒトラーの誕生した日を西暦で正確に記すなら、
です。
「1889年」←ここ端折っていいの?
なんで?
生年月日のうち「年」だけ端折っていい理由はなに?
だって端折らなかったら「1889」の後半「89」が爆豪勝己の「爆」に対応しているという批判もできるのに、端折るなんてとんでもない(ちなみに「1889」の前半「18」は「2+10+6」なので「ニトロ」、爆薬の一種とも読めますね。うわあ……)。
でもきっと爆豪勝己は1889年生まれではないので、その不整合を隠すために「年」を端折ってもいいとするなら、「月」も端折っちゃっていいのでは?
そうすれば、
と、より広範囲に向けて批判を展開することができます。
でもそんなことをすれば、まさか自分が批判している娯楽作品を楽しむわけにもいかないでしょうし、4月生まれのキャラクターが登場するあらゆる創作物を楽しめなくなりますが……仕方がありませんよね。
そうして娯楽作品を楽しめなくなった人間の末路が「ナチス」や「ヒトラー」を玩具にしてクレーム遊びをする人生だとすれば、悲しすぎて泣けてきます。
もちろん悲しいのは、そんなバカに軽々しく扱われる歴史やその被害者を想ってのことです。
これは問題を重く捉えているように見せかけて、じつはカジュアルに攻撃の再生産を繰り返すだけの愚行ですからね。
そうして「歴史」がバカクレーマーの玩具に成り下がることを、歓迎する関係者っているんでしょうか?
まあいるならいるで、そいつの首が絞まるだけなので私には関係ありませんが。
私もわりと自覚的なバカではありますが、バカクレーマーよりはマシなので、思想上の理由で読めない漫画は一冊もありません。
だから今週も週刊少年ジャンプで「僕のヒーローアカデミア」が読めてめちゃくちゃ幸せです。
ちなみに私が「ヒロアカ」で一番好きなヒーローは現在序列二位の「ホークス」です。
ネタバレになるので詳細は差し控えますが、ホークスが従事しているような活動が大好きです。
新型コロナウイルスが騒がれている昨今、健全な思想と健全な身体を守りたい方は、おうちでゆっくり「ヒロアカ」でも読みましょうね。
以上。
THIS IS THE ANSWER.