イエスノー枕とは、
枕カバーの表に「YES」、
枕カバーの裏に「NO」と書かれたジョークグッズのことで、
主に夫婦間や恋人間でセックスの意思表示に使用される枕。
つまり、
- イエス……今晩ヤれる
- ノー……今晩ヤれない
同居している夫婦や同棲している恋人は、この「イエスノー枕」を一家に2つ置いておけば、夜の生活が一段と楽しくなるって寸法。
だって枕を裏返したり、裏返さなかったりするだけで、ヤれたりヤれないことがわかったりするわけだからそれは楽しい。
パートナーにいちいち恥ずかしいことを確認したり、直接拒否られたりして気まずい思いをしたくないカップルにオススメ。
さてしかし、私の友だちで恥ずかしがり屋のAちゃんは、「イエスノー枕」を購入してほかの枕は全部棄てるという暴挙思い切った行動に出た。
その結果、
「夫が毎日「イエス」なんだけど……どうしたらいいと思う?」
という相談を私に持ちかけてきて、私は世の中の不満や愚痴がみんなこれぐらい面白そうだったらいいのにと思った。
ちなみに結論は、「処分する」。
1
「夫が毎日「イエス」なんだけど……どうしたらいいと思う?」
「どうしたらって……ヤりたいならヤればいいんじゃないの?」
最初、私は身も蓋もない答え方をした。
だって「イエスノー枕」で「毎日イエス」ってことは、「毎日ヤりたい」ってことでしょ?
それでAちゃんがヤりたくない日は、Aちゃんの「イエスノー枕」は「ノー」にしておけばいい。
「でも、毎日イエスなんだよ? 毎日毎晩ヤりたいとか、そんなことある?」
「うん」
私はAちゃんの夫とはAちゃんを介して数回会っただけだけど、まあ一般論として。
Aちゃんは20代女性、Aちゃんの夫も20代男性、そして子どもはひとりもいない。
子どものいない20代夫婦なら、どちらかが毎日毎晩子作り(の欲求解消)を求めたとしても不思議ではない。
私は、精通後の男は毎日ヤることしか考えていない性欲モンスターがほとんどなので、毎日ヤれる相手がいるなら毎日ヤりたくても仕方がないということを(今度はさすがに)オブラートに包んで話した。
「いや、わたしの夫はそういうんじゃないし」
みんなそういうんだよ。
「付き合いたてでも毎日はシてなかったんだよ?」
「じゃあ多いときで週何回ぐらい?」
「えっ……」
Aちゃんは言葉に詰まって、言い訳を考えるように斜め上に視線をさまよわせたあと、5秒ぐらい沈黙した。
週7回、少なくとも5回だな……と私は思って、心のなかでAちゃんを励ました。
大丈夫だよAちゃん、週5回ぐらいならみんなヤってるよ!! それに週7回でも、1週間チャレンジぐらいならだいたいみんな1回はヤったことあるか、ヤろうと思ったことがあるから恥ずかしくないよ!!
「覚えてないけど。でも1ヶ月も毎日は絶対ない」
「ああ、1ヶ月以上『イエス』なの?」
「うん」
「イエスノー枕を買ったのは?」
「2ヶ月ぐらい前」
「最初の頃はイエスノー枕は機能してた?」
「夫は最初からずっとイエス」
「夫はイエスノー枕の意味を理解してる?
「説明する前から知ってた」
「イエスノー枕の使い方は合意した?」
「したと思う」
私はアキネーターみたいに質問しまくって完璧に理解した。
Aちゃんの相談は「男ってそんなに毎日毎晩ヤりたい生き物なの?」ではなくて、
「イエスノー枕の選択を自分にばっかり押しつけてくる夫ってゴミじゃない?」
だ。
夫がずっと「イエス」なら、実質的な「イエスorノー」の選択は妻がさせられるから。
それは同意というよりは、「おまえがヤりたいならヤってもいい」的な、共同作業とは程遠い投げやりな態度に思える。
しかし夫がガチの性欲モンスターで、本当に毎日ヤれるだけという可能性も捨てきれないけど……と思って私は一応訊いた。
2
「じゃあ夫に本当に毎日ヤれるのか訊いてみたら?」
「無理」
だよね
それを直接訊ける人間は、そもそも「イエスノー枕」みたいなジョークグッズを、マジメに運用しようとしたりしないのだ。
しかし、そこを問い詰められないなら、イエスノー枕を正しく機能させることもできない。
「愛」と同じだ。
「愛」は、最初に「愛してる」と伝えてハイ終わり、ではなくて、定期的に、
「本当に愛してる?」
「愛してる」
と確かめ合うことができなければ、機能不全を起こす。
「イエスノー枕」も、最初に機能を説明してハイ終わり、ではなくて、定期的に、
「本当にヤれる?」
「ヤれる」
と確認できなければ、機能不全を起こす。
でも恥ずかしがり屋さんは、
「本当に愛してる?」
「本当にヤれる?」
みたいな相手の気持ちを確かめたり、同時に自分の気持ちもさらけ出すような質問ができない。
では自分で質問できないならどうすればいいのか?
- 手紙やスマホなどを使って間接的に質問する
- 自分以外のだれかを使って間接的に質問する
- 「イエスノー枕」を諦める
私はシンプルに3つの選択肢を提示した。
Aちゃんは全部拒否した。
①、そもそも「イエスノー枕」が間接的な意思確認なのに、「イエスノー枕」についてさらに間接的に意思確認するなんてコミュ障すぎて恥ずかしすぎるよ!!(却下)
②、しかも夫婦間の夜の営みについて、他人と夫と話してもらうなんて、死んだほうがマシなぐらい生き恥だよ!!(却下)
③、この「イエスノー枕」、2つで5000円もしたのに諦めるとかある!?(反語)
ちなみに「イエスノー枕」、地味に高いな……と思ってAmazonとかで調べてみたら実際地味に高かった。
「じゃあ自分で訊くしかないんじゃない?」
「うん」
Aちゃんは素直にうなずいた。
なんだ、それうなずけるんだったらなんの問題もないじゃん……私がちょっと背中を押せばいいんでしょ? いいよ、いくらでも押してあげるよ、この成功哲学をバリバリに修めた私がモチベーターになって……と思ったけどAちゃんはそれ以上を要求してくる。
「自分で訊くから、一緒にいてきっかけを作って」
「え、嫌」
背中は押してあげるけど、物理的に背中を押せる距離で手伝うのはさすがに無理。
だってスポーツ選手のメンタルコーチとかでも、試合中に選手の背中を物理的に押せる距離にはいない。
それで私は反射的に断ったものの、結局Aちゃんに協力することになる。
3
後日、私はAちゃん夫婦宅にお邪魔して美味しいケーキとワイン風カクテルをご馳走になって映画『ジョーカー』を観ていた。
美味しい洋菓子と洋酒、そして少し気になってはいたけど自分でレンタルして観るほどではなかった洋画に釣られた私は、Aちゃんに協力することにした。
Aちゃん夫婦は、『ジョーカー』みたいな気持ちがバッドに入りそうな映画は苦手で、ひとりではもちろん夫婦で観ることもほとんどないらしい。
でもAちゃんが夫に、
「映画『ジョーカー』はすごい話題になっていたし社会的なテーマが描かれていて評価も高いし社会人の教養として観ておくべき」
みたいなことを言い張り、鑑賞に同意させた。
これは元々私の『ジョーカー』が気になっていた理由を、Aちゃんの夫向けに改変したものだ。
Aちゃん曰く、夫は社会人の男らしくプライドが高くて、「社会人の教養」とかに弱い。
「え、あなたは現代社会人の教養『ジョーカー』を観ていないのですか??」
とかいわれるとプライドが傷つく脆い生き物、それがAちゃんの夫らしかった。
しかしダウナー系の映画は夫婦ともに免疫がないため、ふたりだけでは心許ない。
そこでAちゃんは、ダウナー系の映画が得意な友だち(←私。最近『ヘレディタリー 継承』とか『ミッドサマー』とかを観た)も呼んで、鑑賞会を開こうという話に持っていった。
かくして私は、Aちゃんの家で『ジョーカー』を見終わる。
私は途中からずっとニヤつきながら観ていたので、Aちゃんの夫に「やべーやつ」だと思われたかもしれなくて憂鬱。
でも直接言い訳はできないからここで言い訳をしておくと、私は『ジョーカー』の内容にニヤついていたのではない。
「やらかした……笑」
と思ってニヤついていたのだ。
だってあまりにも救いのない、陰鬱な映画だったから。
私は『ジョーカー』って、主人公の弱者男性が早々に変身して、派手に大暴れしながらあのバットマンと対峙する「ジョーカー」に成り上がっていく犯罪アクション映画だと思っていた。
でも実際は、「ジョーカー」に変身するのは物語の最後で、ほとんどの時間は貧困や母親の介護や精神疾患やワナビー(何者かになりたい願望)に苦しむ孤独な中年男性を描いたドラマだった。
つまり絶対に、友だち夫婦とホームパーティで観るような映画ではない。
それなのに私は、Aちゃんのためとはいえ私の提案で、Aちゃん夫婦とAちゃん夫婦宅で『ジョーカー』を観ていた。
そして、
主人公アーサーが入院中の母親ペニーから枕を奪い取って、そのまま枕を母親ペニーの顔面に押しつけて窒息死させるシーン
で、私は「ふふっ」と笑い声を漏らして完璧に白い歯を見せて笑ってしまった。
どう見てもイカれた異常者で後悔している。
でもしょうがなかった。
だって私は、主人公アーサーが母親ペニーの顔面に枕を押しつけて窒息死させるシーンを起点に、「イエスノー枕」の話題に繋げるのが仕事だったから。
え、私こんな陰鬱な映画のこんな最悪なシーンから、「イエスノー枕」の話題に繋げるの?????
って思ったらおかしくて笑うしかなかった。
いや、そういうシーンがあることは知っていたし、だから私は『ジョーカー』の鑑賞会を提案したんだけど……。
私の誤算は、思ったより『ジョーカー』が陰鬱すぎたことで、それ以外は悪くなかったと思う。
4
「そういえば、枕を使って人を殺すシーンって海外の映画とかドラマでよく見かけるけど、定番なのかな?」
私はこの質問をするために、Aちゃん夫婦宅で『ジョーカー』を鑑賞した。
つまり自然に「枕」を話題にするための『ジョーカー』鑑賞会だった。
まあ『ジョーカー』から「枕」の話題に繋げるのが自然かどうかはともかく(実際不自然になってしまった)、それ以前に検討した案よりは自然だった。
たとえばAちゃん夫婦宅に遊びにいった私がいきなり「枕が欲しい」とかの話題を振って、Aちゃんが便乗して「イエスノー枕」の話題に繋げるなんて、どう考えてもあからさますぎて私がAちゃん夫婦宅に呼ばれた理由がバレバレだ。
だから私やAちゃんから「枕」の話題を振るのはNGにした。
ではだれに「枕」の話題を振ってもらうのかと考えたとき、テレビが目に入った。
私とAちゃん夫婦で一緒にテレビを観て、テレビ番組から「枕」の話題が出たときに便乗すればわりかし自然では?
私が提案すると、Aちゃんは新聞紙のテレビ欄に飛びついた。
でもAちゃん、そんなに文字びっしりの番組一覧表から「枕」を見つけるのは至難の業だよ!! だいたいあるかどうかもわからないのに……と私が考えた5秒の間に、
「あった!!」
とAちゃんがいって、私はウソでしょ…と思った。
ちょうど番組一覧表に「枕」があるだけでもすごいのに、マジで5秒足らずで見つけてくるなんて検索能力高すぎない?
「ほらここ、「体の負担を軽減する枕」
といってAちゃんが指し示した番組は、しかしKBS京都の『お買い物プラス』というテレビ通販番組だった。
「Aちゃん……家に友だち(私)呼んで、旦那と3人でテレビショッピング見る……?」
「嗚呼……」
Aちゃんの無駄に高い検索力は無駄に終わった(それと今日の新聞紙で今日のテレビ欄をチェックしても、実行日は今日じゃないから意味がないんだけど、このときは私もAちゃんもアホだったから気づかなかった)。
でも「テレビ番組」という着眼点は悪くなくて、私は「枕」が登場するドラマを思い浮かべた。
すると海外ドラマでよく見るシーン、枕を人の顔面に押しつけて窒息死させる殺害方法が思い浮かんだ。
具体的な番組名を思いだすと、それは『プリズン・ブレイク』だったり、『ウォーキング・デッド』だったりした。
でもシーズン1の第1話とかならともかく、どっちもめちゃくちゃシーズン後半だった気がするし海外ドラマはダメだ。
となると、映画だ。
具体的な作品名は思いだせないけど、枕を相手の顔面に押しつけたり、枕の上から銃をぶっ放したりして殺害する映画が何本もあるはずだ……!!
と、Aちゃんと話し合うけど、ふたりとも映画には疎くて具体的な作品名は出せなかった(いまなら1本出せる。『ジョン・ウィック』では殺し屋が相手の顔面に枕をかぶせて銃をぶっ放すシーンがある)。
そこで私が「映画 枕 押しつけ」でググると、『ジョーカー (映画) – Wikipedia』のページがヒットした。
ペニーの病室に佇み、悲劇だと思っていた自分の人生が実は喜劇だと気付いたと語ると、アーサーはペニーの顔に枕を押し付け窒息死させていた。
ソース:ジョーカー (映画) – Wikipedia – 2021年7月31日閲覧。
私はこのとき『ジョーカー』は未鑑賞で、ネタバレ防止のためにそれ以上の情報は見なかった。
そして思った。
「Aちゃんの家で「イエスノー枕」の話題を出すついでに、『ジョーカー』も観れば一石二鳥じゃん」
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映画『ジョーカー』は、Aちゃん夫婦だけで観ていたら途中で観るのをやめていたらしいけど、私が一緒にいたので最後まで完走して申し訳なかった(一応「私のおかげで完走できた」という体で感謝はされたけど)。
全体的な感想は、主人公アーサーが「ジョーカー」に変身したあとの鮮烈なピエロ姿と華麗なダンスシーンだけ好評で、ストーリーとオチは不評だった。
「そういえば、枕を使って人を殺すシーンって海外の映画とかドラマでよく見かけるけど、定番なのかな?」
と、私は仕事を始めた。
質問内容は、「映画 枕 押しつけ」でググったときにヒットしたYahoo!知恵袋のページを参考にした。
ソース1:顔に枕をおしつけて、ほんとうに窒息死するものでしょうか? – Yahoo!知恵袋 – 2021年7月31日閲覧。
ソース2:映画なんかで、枕クッションを顔に押し付けて殺すって描写がたびたび… – Yahoo!知恵袋 – 2021年7月31日閲覧。
それで最初の質問内容だけ事前に決めておいて、あとは流れでなんとかするってAちゃんと示し合わせていた。
「実際、枕で人って殺せると思う? いま枕ある?」
「ん? あるけど、試さないよ」
「なんで?」
この私の「なんで?」は、Aちゃんの夫からすると相当イカれていたと思う。
だって私こそなんで、他人の家の枕で人が殺せるかどうか実験したがっているんだ……。
しかも私はこのとき、Aちゃんの夫に話題を邪魔されないようにわりと早口で喋っていたから、客観的にいって食い気味で殺人の実験をしたがっているヤバい人間だった。
でもそのおかげで、Aちゃんの夫は私たちの会話に口を挟めなかった。
そもそも私とAちゃんの夫は友好的ではあっても友だちではないので、直接的な会話がほとんどなくて、Aちゃんを介する形でのぎこちない会話が多い。
そこでAちゃんが完全に私のほうを向いて私と喋ってしまえば、Aちゃんの夫には為す術がないのだ。
そしてAちゃんも即座に、
「うちの枕、『イエスノー枕』だから、見せるの恥ずかしいし……」
と、答える。
私はまるで初めて現実世界でその単語の組み合わせを聞いたみたいに、一瞬聞き取れなかった演技をする。
「いえすのーまくら? ……え、YES/NO枕?」
「そう」
「イエスノー枕で寝てるの? え、ふふ、ふたりとも?」
私はここでにこやかに笑いながら、Aちゃんの夫に目を向けて、「あなたも他人事ではないので会話に入る準備をしておきましょう」とアピールした。
「うん」
「イエスノー枕ってあれでしょ? 本気で? イエスの日はイエスにして寝てるの?」
「いや……っていうか夫がずっとイエスで」
「夫がずっとイエス!?!?!?」
私はイエス・キリストが復活したという話を聞いた異教徒のような驚きの目でAちゃんの夫を見た。
お酒が入っていたのもあって、思ったよりクソデカ声で叫んでしまった。
だから当然、
まさか、信じられない、あなた、めちゃくちゃな性欲モンスターじゃないですか……
という思いも予想以上に込められていたと思う。
そんな私の思いが伝わったのか、
「いやいやいや……」
Aちゃんの夫は新卒の営業スマイル的な引きつった苦笑いでごまかしながら立ち上がってその場で一周歩き回りながら「ぃぅなょ……」と呟いて両手で前髪をかき上げてなぜか七三分けに整える動作をしたほど動揺していた。
それからAちゃんに向き直って、
「違うって、ずっとイエス……じゃないけど、気持ちはずっとイエスというか……」
「?」
「?」
私は酔っていたし、Aちゃんの夫もかなり赤面していて、ピエロの鼻になれそうなぐらい真っ赤だ……と思うことに私の集中力は使い果たされてAちゃんの夫がなにをいっているのかは理解不能だった。
「だから……」
Aちゃんの夫は悶々とした表情で私のほうをチラ見して言い淀んだ。
私の残り少ない理解力でもこれは理解できた。
『だから、「ヤれる」と「ヤりたい」は違うんだって!! 俺はずっと「ヤれる」、そっちは拒否られたら恥ずかしいだろうし、こっちも据え膳食わぬは男の恥だから。でもずっと「ヤりたい」わけではない。けど「イエスorノー」だと「ヤれる」も「ヤりたい」も「イエス」だから、ずっとイエスにするしかない。つまりイエスノー枕が雑なのが悪いんだよ!!』
というセリフを私は聞いていない、その前に空気を読んで退散したから。
だって妻の友だち(⇒私)の前でそんな話、普通できないし。
でもあとでAちゃんに教えてもらった話を要約すると、上のセリフのような感じだった。
だから特に「据え膳食わぬは男の恥」の部分は私の要約で、リアルにはいっていない。
リアルで妻に対して「据え膳」なんて口走れる男だったら、イエスノー枕の犠牲になんかなっていないのだ。
結局はAちゃんもAちゃんの夫も、似たもの同士くっついているんだなあ、と私は思った。
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結論。「イエスノー枕」が雑なのが悪い。
だからAちゃん夫婦はイエスノー枕を処分することになった。
でもイエスノー枕が完全に無駄だったのかというと、無駄ではなかった。
Aちゃんの夫は、「イエスノー枕が雑なのが悪い」とか「英語が雑なのが悪い」とはいっても、イエスノー枕を買ってきたAちゃんのことは悪くいわなかったし、責めなかった。
そのことに気を良くしたAちゃんは、気持ち良くイエスノー枕を捨てて、夫とは以前よりも気持ちの良いコミュニケーションが取れるようになったと喜んでノロケ話を始めたけど、私はそういうのにはあんまり興味がないのでカット。
終わり!