お金で買えないものはあるか? と質問したときに、
と思った経験はありませんか?
私は最近ありました。
別に幸福も友情も愛情も時間も経験も信用も身長も品格もセンスも健康も命も、買えるときは買えますからね。
M社のハンバーガー、ぶっちゃけ大麻が入っているんじゃないかって疑うくらいめちゃくちゃ美味しくて幸せになれますよね。
しかしこういうことをいうと、
みたいなことをいう本当警察が現れますが、「本当の」ってだれが(まさかおまえが? なんで? どうやって?)公明正大に判定するんだよ、という感じですよね。
こうして反論されるのは、「ヌルい答え」には具体性が欠けているからです。
ちなみに、
- 2021年度の日本の国家予算(一般会計予算+特別会計予算)……約350兆円
- 2021年度のアメリカの国家予算……約500兆円
- 2021年時点のGAFA(Google+Amazon+Facebook+Apple)の合計時価総額……約500兆円
5000兆円はこれら各金額の10倍以上にあたり、5000兆円で買えなければお金で買うことは諦めたほうがいいでしょう。
では以下、そんな5000兆円では買えないものを10個並べた目次です。
お金で買えないものその1、予算より大きい金額のお金
つまり「予算より大きい金額のお金」です。
でももしかしたら物好きな大富豪だったら、どうせ手元に5000兆円は残るんだし、5000兆円と引き換えに10000兆円を売り払うことだってあるかもしれません。
が、それならより金額を大きくしていけば、
- 5,000,000,000,000,000円(5000兆円)
- 10,000,000,000,000,000円(1京円)
- 100,000,000,000,000,000,000 円(1垓円)
- 1,000,000,000,000,000,000,000,000円(1秭円)
- 10,000,000,000,000,000,000,000,000,000円(1穣円)
- 100,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000円(1溝円)
- 1,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000円(1澗円)
- 10,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000円(1正円)
- 100,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000円(1載円)
- 1,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000円(1極円)
- 10,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000円(1恒河沙円)
- 100,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000円(1阿僧祇円)
- 1,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000円(1那由他円)
- 10,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000円(1不可思議円)
- 100,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000円(1無量大数円)
到底、5000兆円では買えなくなります。
「1無量大数円」などという巨万の富は現実の市場には流通したことがないため、売り手も存在しないからです。
これは金額に限らず、量的に増やせるものなら、食料から寿命に至るまで同じ手法が使えます。
具体的には、次の項目に送りましょう。
お金で買えないものその2、不老不死
「不老不死」は具体例のひとつであり、抽象化すれば「無限のもの」です。
したがって、
- 「生物が寿命を無限に引き延ばした状態」
- 「永久の時間」
- 「永遠」
と言い換えてもいいでしょう。
そもそも私たちには、「無限」の存在さえ確認することができません。
おそらく理論的には存在しているっぽいけど、では「無限」を数え切った人間がいるのかといえば、いません。
ということは、「無限」はもしかしたら限りなく遠いどこかの地点で急に別の地点にワープしたり途切れたりするようになっているのかもしれませんし、あるいは別にワープしたり途切れたりすることはないのかもしれません。
そんなことはだれにもわかりません。
仮に「不老不死を授ける秘薬」が販売されていて購入して服薬したとしても、「永久保証」が立証できない以上、「不老不死を買った」とはいえないのです。
では「無限」は手詰まりとして、「有限」の方向に舵を戻せば、もうひとつ具体例が出せそうですね。
お金で買えないものその3、今日地球上で抜け落ちる髪の毛全部
「1無量大数円」は、有限だけど実在しない概念でした。
「不老不死」は、無限だし存在も不確かな概念でした。
しかし、
この「今日地球上で抜け落ちる髪の毛全部」の画期的なところは、その実在性です。
これまで非実在っぽい概念しか取り扱ってこなかったのに、なんと私たちの住む地球や、私たちの抜け毛は実在しているのです!!
でも、買えません!!
予算5000兆円あっても、「今日地球上で抜け落ちる髪の毛全部」は買い占められないし買い集められません! 残念!!
あれ? でも本当にそうでしょうか……?
もしかして、5000兆円を上手く使いこなせば、全部買えちゃうかも……?
なんだか不安になってきました。
でも大丈夫、「量的に増やす」と「実在する物質」を組み合わせれば、
- 今日地球上で抜け落ちるムダ毛全部
- 今日地球上で抜け落ちる猫の毛全部
- 今日地球上で抜け落ちる入れ歯全部
と、実在する物質でありながら、限りなく無限に近い量まで増大させることができます。
さて、これらを全部買い集めることができるでしょうか?
と、おばあちゃんの口から急に飛び出した入れ歯にビックリした飼い猫が部屋を飛び出したときに抜けた毛がおじいちゃんの鼻の穴に入っておじいちゃんが盛大にくしゃみをしたときに飛び出した鼻毛と耳毛と猫の毛を、見逃さず回収することができるでしょうか?
しかもおばあちゃんは、入れ歯は落としても乙女心と恥じらいは落としていないので、2秒後には抜け落ちた入れ歯は元通り入れ直されて、
が暗黙の了解になります。
そもそもおばあちゃんは若干ボケていて、本当に入れ歯のことを瞬時にド忘れしたのかもしれません。
いくら5000兆円を注ぎ込んでも、さすがに無理と判断せざるをえません。
しかしこれらはひとつひとつは買おうと思えば買えるのに、集合体にして難易度を上げているとの批判を受けそうです。
が、それをいえばパソコンや自動車や飛行機も世界中から集めた貴重なパーツの集合体であり、たとえば飛行機の部品数は数百万個にも上ります。
そんなパソコンや自動車や飛行機は認めるのに、「毛の集まり」を認めないのは甘えですよね。
抜け毛もムダ毛も猫の毛も、筆とかウィッグとかにすると想定すれば製品化も可能です。
入れ歯の集合体だって、奇才が放つ前衛アート作品の造形に必要なのかもしれません。
さて、量的に増やす方向は飽きてきたので、次は別の方向からアプローチしましょう。
お金で買えないものその4、過去に絶滅した生き物
「過去に絶滅した生き物」といえば、たとえば「恐竜」です。
- ティラノサウルス
- トリケラトプス
- プテラノドン
といった恐竜は、もうどれだけ大枚をはたいても、買うことはできません。
また恐竜以外の動物でいえば、
- マンモス
- サーベルタイガー
- ニホンオオカミ
なども、もう買えません。
抽象化すれば、
というわけです。
もちろん、5000兆円あれば絶滅種族でも復元ぐらいはできるのかもしれませんが、クローンやコピーやレプリカはオリジナルではありません。
全然別の具体例を挟むと、童貞も処女も1度失えば、たとえ粘膜や処女膜の再生に成功したとしてももう戻ってはきません。
また逆に、童貞や処女が大人になってから女子高生や男子高生を買い漁っても、失われた青春時代はもう戻ってはきません。
もちろん、犯罪者が金の力で過去の犯罪歴を抹消したとしても、「清廉潔白な自分」はもう失われているので戻ってはきません。
ちなみに、ここまで具体例を挙げられるのに絶滅動物を見出しに選んだ理由は、
みたいなダジャレがいいたかっただけです。
それでは「オリジナル」に着目して、もうひとつ具体例を挙げましょう。
お金で買えないものその5、私がいま食べたお菓子
私はチョコレート菓子のなかでは、『GODIVA』よりも『ブラックサンダー』よりも、『スニッカーズ』が大好きです。
どれぐらい『スニッカーズ』が好きかというと、
それでいま、私はこの記事を執筆しながらスニッカーズを1本食べました。
さて、それでは、
同じ材料で、同じ製法で、同じ商品として再現された『スニッカーズ』なら買えるかもしれません。
でも、オリジナルの、
そしてその残り1本だった「私がいま食べたスニッカーズ」は、私がいま食べたのでもうありません。
絶滅動物との違いは、種族としての『スニッカーズ』は絶滅していない点です。
でも「私がいま食べたスニッカーズ」は、絶滅しました。
抽象化すれば、「過去に失われた」+「特定のもの」という手法です。
こうすれば、別に絶滅種族でなくとも、「私が飼っていて(特定のもの)、もう亡くなったペット(失われたもの)は買えない」といった応用もできます。
ちなみにここでスニッカーズを選んだのは、本当にいまたまたまスニッカーズを食べていたからです。
お金で買えないものその6、未来の技術や製品
さて、過去の話はもう済んだことなので、未来に目を向けましょう。
といっても、未来の話を具体的にするには、過去の話で補完する必要があるわけですが……。
ということです。
まあスニッカーズでもいいんですが、私はiPhoneも大好きなんです。
当然、江戸時代に5000兆円を持っていたとしても、iPhoneは買えません。
なぜなら当時は開発されていない技術だし、発売されていない製品だから。
だから江戸時代の人間は、iPhoneを買うどころか、iPhoneの存在を知ることすらできませんでした。
私たち現代人が、
などと言い合えるのは、江戸時代よりあと、スティーブ・ジョブズ誕生後の世界に生きているからです。
そして私たちが生まれたあとも、未来は続いていきます。
私たちの寿命が100年なら、私たちより200年あとや300年あとに生まれた『未来の製品』を、私たちは買うことができません。
きっと将来、
みたいな感じで、私と同じような話をする未来人が出てくるでしょう。
でも江戸時代の人間が『iPhone』を知らないように、私がここでその『未来の製品』の名称を書くことはできないし、当てずっぽうで書いたとしても有効な注文書を作成することはできません。
たとえ5000兆円をもってしても、未来の市場は不可侵だし、未発見の技術には手が出せないのです。
お金で買えないものその7、現在売られる商品
さて、過去、未来、とくれば、現在です。
なぜか、「お金で買えないもの」を考えるときに、「過去」と「未来」は思い浮かぶのに、「現在」に思い至らない人がいますよね。
まあ私も、できることなら頭の疲れることは考えたくありませんが、考えましょう。
たとえば現在、どこかのコンビニなどで商品が品出し・陳列されるとして、
では私たちが買えるのは、
- 現在に品出し・陳列される商品
- 過去に品出し・陳列された商品
どちらでしょうか?
私たちがコンビニやスーパーで見かける商品は、すべて過去に品出し・陳列されたもの。
私たちがAmazonとかメルカリとかで見かける商品も、すべて過去に出品されたもの。
もちろん現在未発売の予約商品だって、「予約商品」として「過去に予約販売が開始されたもの」です。
店員さんが品出しをする直前に商品を奪い取って買い取るとしても、その商品は買い取るまでに、
- 奪い取った
- 手に取った
- カートに入れた
- レジに持っていった
このいずれかの過程で、「品出しされた」と考えられます。
だって「品出しされていない商品」を奪い取ったとなると、それって窃盗だし、警察沙汰になりますよね。
あとで代金を支払えば窃盗が免責されて購入したことになるのかというと、なりません。
商品を奪ったのに窃盗犯として通報されないのであれば、それは実質「品出しをした」と見なされているからでしょう。
それはともかくとして、品出し中の店員さんから商品を強奪するのは迷惑行為すぎるので絶対にやめましょう、特に惣菜とかに値引きシールを貼っている店員さんに張り付いて半額シールとかが貼られた瞬間に強奪する「妖怪半額シール」とでもいうべき都市伝説がありますが、実在するなら人間として終わっているし、「妖怪半額シール」みたいなあだ名を付けられるのも致し方ないと思います。
しかしある意味、「妖怪半額シール」みたいな称号こそ、5000兆円もあれば逆に買えない代物なのかもしれませんね。
お金で買えないものその8、矛盾
さて、疲れた脳みそを癒すには「好きなもの」が効果的ですが、じつは私には『スニッカーズ』や『iPhone』並みに好きな言葉があります。
『矛盾』は、2000年以上前の中国に生きた「韓非子」と呼ばれる人物が創作しました。
この『矛盾』を3行で説明すると、
- なんでも貫く最強の矛と、
- なんでも防ぐ最強の盾を、
- ぶつけたらどうなるの?
という物語です。
もちろん、どうなるのかはだれにもわかりません。
なぜなら、
- なんでも貫く最強の矛
- なんでも防ぐ最強の盾
は物理的には同時に存在できないため、地球上に実在したことがないからです。
したがって、もし現実に存在することを売り文句にしている商人や政治家などがいれば、ただの嘘つきや詐欺師です。
その嘘つきや詐欺師の「辻褄が合わない嘘」をたった2文字で表現したのが、
です(嗚呼、韓非子はマジで偉人だなあ……)。
というわけで、歴史上実在したことがない、
- なんでも貫く最強の矛
- なんでも防ぐ最強の盾
のセットは5000兆円払っても買えません。
しかしここで勘違いしてほしくないのは、『魔法』や『魔法の武器』は買えないといっているのではありません。
『矛盾』は、現実に存在するものでも発生させることができます。
次の項目で具体例を示しましょう。
お金で買えないものその⑨、無料のもの
「無料のものを買う」は矛盾しています。
だからたとえば、私が大好きなマクドナルドのサービス、「スマイル0円」などは買えません。
その証拠に、「買う」を辞書で引いてみましょう。
か・う〔かふ〕【買う】 の解説
ソース:買う(かう)の意味 – goo国語辞書 – 2021年6月30日閲覧。
[動ワ五(ハ四)]
スペース
1 代金を払って自分の所有とする。「欲しい物を―・う」「権利を―・う」⇔売る。
か‐う かふ【買う】
ソース:岩波 国語辞典 第七版 新版 – 株式会社岩波書店
〘五他〙
①金銭を払って品物や権利を自分のものにする。 ↔売る。「家を―」
ね?
「買う」という行為には、「代金を払って」とか「金銭を払って」という過程が必要不可欠です。
でも無料のものには、代金や金銭を支払うことができません。
ここで、サービスに少額の謝礼金を支払う「チップ」という文化を思いだしますが、
- 絶対に無料のサービスをする店員
- 絶対にチップを支払うお客
が対決したら、まさに「矛盾」が発生して、どちらかが嘘つきになります。
しかしいずれにしても、「無料のものを買った」という結果にだけはなりません。
つまり店員がチップの受け取り拒否に成功すれば、「無料のサービス」は買われなかったことが確定します。
逆にお客がチップを支払うことに成功すれば、その時点で「無料のサービス」は嘘で、「有料のサービス」だったことが確定します。
そして「無料のものが買えない」となると、ようやく定番のあれを持ち出すときがきました。
お金で買えないものその10、無償の愛
お金で買えないものその⑩、無償の愛は買えない。
じつのところ、「愛」はお金で買えます。
「愛人」なんて、その最たるものでしょう。
愛人ではない、普通に玉の輿に乗れた妻にしても、「私はたまたま好きになった人がお金持ちだっただけで、彼の内面の魅力に惹かれただけ!!」と、勝手に愛くるしい言い訳を考えてくれますよね。
これが金の力です。
しかし、たった一言、「無償の」とつけるだけで途端にお金では買えなくなります。
「無料のものは買えない理論」と同じです。
友だちだって、お金をばらまけばいくらでも買えます。「お金贈り」と称してお金をばらまいている元ZOZO社長、前澤友作氏のTwitterフォロワー数みたいに。
でも友情も愛情も、無償のものは買えません。
学歴も仕事も収入も知識も人脈も所持金もIQもなんにもないしょうもないゴミみたいなブサイク男が、しかし女に養われるような「愛」は、お金では決して手に入りません。
家族愛も同様です。
「金の切れ目が縁の切れ目」的な緊張関係にある家族愛でよければ、「お金で買える」といえます。
しかし、貧乏でも一家離散とは無縁な「無償の家族愛」は、お金では買えません。
というわけで、「無償の愛」を注いでくれる人間がいたら、お金よりも大切にしたほうがいいかもしれません。
あと私は普段ならここから本記事の要点を3点にまとめたあといらすとやさんのイラストを20種類挿入しながら推敲するところですが、残念ながら5000兆円を積まれても無償の愛を注がれても今月中には無理です、だって締め切りまで残り10分しかないから!!