負け御玉杓子とは、
です。
発明者は、「F国(= フランス)に住む日本人の爺さん」を自称する、
です。
「日本語習得途上」にある私は、このありそうでなかった新しい罵倒表現の誕生を祝福し、意味や語源や用法を掘り下げます。
では以下目次です。
「負け御玉杓子」の語源は?F爺VSひろゆきのレスバトル(論争)
事の発端は、ともにフランス代表でFCバルセロナに所属するサッカー選手、
- ウスマン・デンベレ選手
- アントワーヌ・グリーズマン選手
の会話でした。
このうち、特にデンベレ選手が日本人スタッフへ向けて発したフランス語、
などが、差別発言ではないか、と世界的に大炎上しました(なお、ここではあえて日本語訳は記載しません)。
具体的な炎上内容は、
- 日本やフランスを始め、世界各国のメディアが多数報道
- デンベレ選手のBLM活動が「ダブルスタンダード」認定
- コナミがグリーズマン選手とのアンバサダー契約を解除
- FCバルセロナの胸スポンサー、楽天の三木谷社長が抗議
- FCバルセロナやデンベレ&グリーズマンの両選手が謝罪
などです(※BLM⇒Black Lives Matter、黒人差別反対運動。したがって厳密には、黒人への差別にだけ反対しているなら、アジア人を差別してもダブスタにはなりません。差別主義者にはなりますが)。
さてしかし、上記のフランス語を差別発言とすることに意を唱える、
によるレスバトル(ネット上で見られるエンタメ寄りの論争)が勃発します。
このふたりのレスバトル中、F爺氏がひろゆき氏に発した侮蔑表現こそ、
です。
以下に原文を引用(文字装飾も可能な限り再現)しましょう。
「ひろゆき」は、そういう虚報ツイートを発信して、F爺を貶め、挑発したつもりになっているのでしょう。でも、F爺には、
足の生え始めた段階で成長の止まった御玉杓子(←慎み深い振りをするために慌てて取消し)「ひろゆき」のような卑怯で邪悪な嘘吐きと議論をすることで時間と労力を無駄にする気はありません。「ひろゆき」は、今後もあらゆる機会に詭弁を弄し続けることでしょう。その矛先の一部はF爺に向かうかもしれません。しかし、まともな人間は、「ひろゆき」が誰かの悪口を言ったら
【悪いのは嘘吐きの「ひろゆき」のほうに決まっている】
と直ちに理解するのです。挑発しても誰にも相手にしてもらえなくなった負け御玉杓子(*)が片隅で口先だけの惨めな「勝利宣言」とやらをして無い面子を保とうと無駄な努力をするのなら、優しく放っておいてあげましょう。(*) 日本語習得途上の読者のための注。「負け御玉杓子(おたまじゃくし)」は、「負け犬」という表現をもじったものです。「まだ蛙(かえる)にもなっていない」という含みですから、侮蔑の度合いは想像が付きますよね。
ソース:歪曲引用犯「ひろゆき」の反論まがい – F爺・小島剛一のブログ – 2021年7月31日閲覧。
なかなかお茶目ですね(慎み深い振りをするために「足の生え始めた段階で成長の止まった御玉杓子」と取消したり、その直後に何事もなかったかのように「負け御玉杓子」と言い換えたり、注釈まで加えたりするオーバーキル具合が)。
したがって「負け御玉杓子」は、F爺氏がレスバトル中にいきなり閃いた造語という扱いです(少なくとも、外部からはそう見えます)。
仮に今回のレスバトル以前に使用例があるとしても、世間一般(ネット上)に普及させた最初の人物は、今回のF爺氏であると考えられます。
ちなみにF爺氏とひろゆき氏のレスバトルを最初から読みたい方は、下記ソースが始まりです(今回問題となったフランス語、「putain」と「sales gueules」のF爺氏による解説も読めます。ついでに辻仁成氏もディスられています)。
ソース:日本人・極東人差別者デンベレとグリズマンを擁護する不可解な日本人 – F爺・小島剛一のブログ – 2021年7月31日閲覧。
「負け御玉杓子」の意味は?「はいおまえの負け雑魚乙~!w」
しかし「御玉杓子」は少し大人びた表現なので、ここからは少し精神年齢を落として理解を深めましょう。
まず「御玉杓子(オタマジャクシ)」は、蛙(カエル)が成体になる前の幼生なので、
- 「稚魚」
- 「雑魚」
- 「幼稚」
- 「小者」
- 「未熟者」
- 「青二才」
- 「半人前」
- 「ド素人」
- 「クソガキ」
- 「ひよっこ」
といったニュアンスが強く出ています。
上記で挙げた類例のなかでは、「雑魚」が一般的に使用率の高い罵倒語でしょう。
そこに「負け」を冠するわけですから、「負け御玉杓子」を小学生風に言い換えると、
となります(「乙」は「お疲れ」、「w」は「嘲笑」の意)。
あまりにも精神年齢が低すぎてビックリしますね(ビックリしなかった方は……)。
では精神年齢を戻しましょう。
ただし、子どもじみた残酷さは残しましょう。
すると、
になります。
このように、
という容赦のなさ、残酷な指摘こそが、「負け御玉杓子」の真髄です。
単なる敗北者を指す「負け犬」よりも圧倒的に強い表現なので、「負け犬」では物足りないときに使いましょう。
それでも、どうしても犬を使いたい場合は、
などは、「負け御玉杓子」に匹敵する可愛さと侮蔑が表現できるかもしれません。
が、個人的に「負けチワワ」は、可愛さのほうが勝ってしまっているためネタ枠です。
やはり本気で罵倒したいときは、
を使用すると良いでしょう。
それでは次の項目で、「負け御玉杓子」の使用例や漢字の開き方を解説します。
「負け御玉杓子」の表記は?「負けオタマジャクシ」がオススメ
ここでいう表記とは、漢字の開き方(「漢字を開く」とは、漢字表記をひらがな表記やカタカナ表記に変換すること)です。
本記事では、ここまでF爺氏による、
を正確に引用してきましたが、少し読みにくいですよね。
尤も、「読み易さ」には個人差が有る為、極力漢字表記を敷き詰める方が読み易いと云う方も沢山居られるでしょうが。
しかしそもそも、「負け御玉杓子」がふさわしい相手なら、
です。
せっかくのオシャレ悪口も、相手やオーディエンスに伝わらなければ意味がありません。
そこで、「負け御玉杓子」は、
と書くのがオススメです。
カタカナを使用する理由は、「負けおたまじゃくし」だと、こんどはぎゃくにひらがながおおすぎてよみにくいからです。
それでもカタカナを使いたくない場合は、
がオススメです。
漢字を1文字ひらがなに変換するだけで、ぐっと読みやすくなります。
ただし、F爺氏の発言を前提にする用法や、F爺氏をリスペクトする原作厨(原作原理主義者)の方は、
を使っていきましょう。
私も原作厨寄りなところがあるので、その気持ちはよくわかります。
結局は「読みやすさ」とか「わかりやすさ」なんて、御玉杓子向けの幼稚な基準でしかありません。
が、現実はオタマジャクシだらけなのもまた事実なので(だから「サルでもわかる」とか「小学生でもわかるように」が氾濫している)、
- 「負けオタマジャクシ」
- 「負けお玉杓子」
- 「負け御玉杓子」
- 「敗北的御玉杓子」(中国語風)
以上をその時々の状況に応じて使い分けましょう。
では次に、「負け御玉杓子」の使用例です。
「負け御玉杓子」の使用例!「独身」と「失敗者」と「低学歴」
まずオリジナルの「負け御玉杓子」使用例が、上記F爺氏によるものです。
注目ポイントは、単なる「負け犬」や「敗北者」、「LOSER」という意味以外にも、
が、うかがえる点です。
「負け御玉杓子」を使用する際には、このように相手の「負け犬っぽさ」+「幼稚さ」が必要不可欠です。
そこで「負け犬っぽさ」+「幼稚さ」を踏まえた上で、使用例を3つ考えました。
- いい歳して独身で実家暮らしや子供部屋暮らしなんて、負け御玉杓子だよ
- 失敗は成功の母だが、反省や改善なしでは負け御玉杓子になるのがオチだ
- 博士課程も修了していない負け御玉杓士が、どうして高学歴気取りなの?
以上、解説していきましょう(ちなみにもちろん、以下の使用例は私の主張や思想とは区別されるものです)。
結婚や出産や育児や一人暮らしも未経験の「負け御玉杓子」
解説。
まず日本には、
実際、「子供部屋おじさん」や「子供部屋おばさん」が嘲笑されるのは、その幼稚性でしょう。
つまり、「負け犬っぽさ」+「幼稚さ」=「負け御玉杓子」となります。
失敗を認めないから成長する見込みもない「負け御玉杓子」
解説。
まず、
とは、トーマス・エジソンの名言とも宮武外骨の言葉ともいわれますが、類例も含めて有名な成功哲学です。
しかし、近年こうした成功哲学が広まった結果、反省も改善もなしに悪びれもせず失敗を重ねるだけの無能が目立つようになってきました。
はっきりいって、失敗が許されるのは反省や改善がセットになる場合だけです。
周囲から温かく見守ってもらえるか、冷たく無視されて放置されて放流されるかの違いは、「成長の意志があるか否か」です。
成長の見込みがない、失敗を成功のための経験値に変換できない真の失敗者はまさに、
という冷たい対応を受けます(もちろん、上記の「優しく」は、オタマジャクシを南極に放流するかのような冷たい皮肉表現です)。
つまり、オタマジャクシのなかのオタマジャクシ、「負け御玉杓子」だといえるでしょう。
大学を卒業しただけで高学歴だと主張する「負け御玉杓士」
解説。
まず日本には、
があります。
しかし実際には、4年制大学を卒業して得られる学位は「学士」。
高等教育で得られる主な学位は、アカデミックな評価順に、
- 博士
- 修士
- 学士
- 短期大学士
と、学士は下位カテゴリーです(実際、「修士、学士は低学歴」と言い切る過激派博士もいます)。
早々に大学からリタイヤする「学士」なんて、学業的には「御玉杓士」もいいところなのに、その自覚すら持てないなら「負け御玉杓士」と揶揄されても仕方がありません。
なお余談ですが、
まとめ:「論理破綻王」ひろゆきチルドレンの活躍に乞うご期待
- 「負け御玉杓子」の意味は、負け犬や「井戸の中の蛙」にもなれない敗北者のこと
- 「負け御玉杓子」の由来は、F爺こと小島剛一氏が、ひろゆき氏とのレスバで使用
- 「負けオタマジャクシ」のほうが読みやすく、相手の幼稚性を強調する用法が良好
以上です。
最後に、「負け御玉杓子」が普及するパターンをひとつ考えて終わりにします。
匿名掲示板「2ちゃんねる」開設者で「ニコニコ動画」の元管理人として知られる“ひろゆき”こと西村博之氏。YouTubeでは、スパチャ(投げ銭システム)で寄せられた視聴者の悩みに回答していくスタイルで視聴者を増やしている。『ABEMA Prime』(AbemaTV)などの討論番組に出演した際に相手を次々と論破していくことから、「論破王」としても人気を博している。
その一方で厄介なことに、ひろゆき氏の論破スタイルに憧れて“間違った方向”にかぶれてしまい、「相手のマウントを取る」ことに喜びを見出す痛い学生たちも増えているという。
ソース:大学ゼミの討論で「はい論破!」を繰り返す痛い学生たちが増殖中 – Yahoo!ニュース – 2021年7月31日閲覧。
つまり今後、「負け御玉杓子」が普及するためには、「ひろゆきチルドレン」的なオタマジャクシの活躍にかかっているといえそうです。
ただし、
先述の「F爺氏が正解なら」ルートはあくまで一例であり、まだ(2021年7月時点で)両者のレスバトルは続行中です。
そしていずれにしても、私は「ひろゆきチルドレン」的な負けオタマジャクシの群れが、ネット上で大発生する姿を見るのは結構好きです。
なにより、この令和の時代にあって、
などという、ありそうでなかった新しい組み合わせが発表されて、(ダメな方向に)進化し続ける日本語も大好きです。
ソース1:負け御玉杓子の遠吠え – F爺・小島剛一のブログ – 2021年7月31日閲覧。
ソース2:負け御玉杓子の遠吠え(修正版) – F爺・小島剛一のブログ – 2021年7月31日閲覧。
よく「レスバトルは不毛」いわれますが、こうして新しい日本語が生み出される例を見るに、むしろある種の創作活動であるといえなくもないのかもしれません。
以上、日本語習得途上者のための「負け御玉杓子」解説でした!