新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大を受けて、国民に外出や旅行や帰省の自粛を要請(相変わらず矛盾した頭の悪い日本語)をする日本政府に対し、
そのために安心安全な帰省を目指して努力していく
みたいな意趣返しをする帰省コピペが最近ネット上で流行っているようで、すげーおもしれーと思って眺めていたんですが、すべて元ネタのソースが添付されていませんでした(私が確認した5ch、Twitter、Yahoo!ニュースのコメント欄では)。
たしかにいまは東京オリンピック関係者の頭の悪さって、みんな記憶に新しいから出典を必要としませんが、
ソース1:財務省の文書改ざん問題 – 時事ドットコム – 2021年8月6日閲覧。
ソース2:菅首相の著書改訂「公文書重要」バッサリ削除 – 西日本新聞me – 2021年8月6日閲覧。
というわけで本記事では、上記コピペの元ネタ(の一例。なにせ、類似例が無数にあってすべてを網羅するのは不可能でした……恥ずかしくないの?)をまとめました。
それでは以下目次です。
菅首相&自民党議員「国民の誤解を招くという意味で真摯に反省している」
◆「誤解」の意味に言及せず
表明当日の14日夜、会食に参加したことの説明も煮え切らない。政府が4人以下の会食を呼び掛ける中、8人の大人数で会食したことについて、首相は16日、記者団に「国民の誤解を招くという意味で、真摯に反省している」と語った。テレビ番組では「あいさつして失礼しようと思ったが、結果的に40分ほど残った」と釈明したが、ネットなどで「誤解をした国民が悪いという言い方だ」と反発が拡大した。加藤勝信官房長官は17日の記者会見で、国民はどういう誤解をしたのかと問われたが「会食が適切だったのかという指摘を受けていることを踏まえ、『反省している』と申し上げている」と話すにとどめ、誤解の意味に言及しなかった。
ソース:「国民の誤解」って? 迷走する菅首相の説明 「反省」しながら会食は連日続き… – 東京新聞 TOKYO Web – 2021年8月6日閲覧。
- 安倍晋三(自民党所属、元首相、元東京五輪組織委員会最高顧問・議長)
- 森喜朗(元自民党所属、元首相、元東京五輪組織委員会会長)
- 麻生太郎(自民党所属、元首相、副総理大臣、財務大臣)
- 二階俊博(自民党所属、幹事長)
- 加藤勝信(自民党所属、内閣官房長官、元厚生労働大臣)
- 田村憲久(自民党所属、厚生労働大臣)
- 西村康稔(自民党所属、経済再生担当大臣、新型コロナウイルス感染症対策担当大臣)
- 河野太郎(自民党所属、行政改革担当大臣、新型コロナウイルスワクチン接種推進担当大臣)
- 武田良太(自民党所属、総務大臣)
- 稲田朋美(自民党所属、衆議院議員、元防衛大臣)
- 杉田水脈(自民党所属、衆議院議員)
氏などがそうです(主な肩書きは2021年8月時点のものや発言当時のもの)。
ソース1:安倍首相、老後資金報告書「大きな誤解生じた」 党首討論 – 産経ニュース – 2021年8月6日閲覧。
ソース2:森喜朗会長、「辞任しないのか?」質問に“キレ気味”に「誤解を生んだと思ったから、訂正すると言ったじゃないですか?」 – スポーツ報知 – 2021年8月6日閲覧。
ソース3:麻生財務相、問題発言に対して「誤解」連発、条件付き「謝罪と訂正」…国会発言削除の危険性 – Business Journal – 2021年8月6日閲覧。
ソース4:二階氏「言葉の誤解、首取るまで張り切らなくても」 – 朝日新聞デジタル – 2021年8月6日閲覧。
ソース5:加藤厚労相“PCR検査4日自宅待機ルールは保健所と国民の誤解”発言…現場から怒りの声 – Business Journal – 2021年8月6日閲覧。
ソース6:田村厚労相「誤解を招いた」と釈明 尾身氏提言自主的発言で – TBS NEWS(YouTube公式チャンネル) – 2021年8月6日閲覧。
ソース7:西村担当相がコロナ対策で呼びかけ「誤解がある。昼間も外出自粛を」 – 産経ニュース – 2021年8月6日閲覧。
ソース8:河野大臣 “児童生徒夏休みに接種”発言で陳謝「誤解与えた」 新型コロナ ワクチン(日本国内) – NHKニュース – 2021年8月6日閲覧。
ソース9:総務省幹部への発言指示を否定 武田大臣「誤解を与えたなら申し訳ない」【Nスタ】 – TBS NEWS(YouTube公式チャンネル) – 2021年8月6日閲覧。
ソース10:「自衛隊」発言を“誤解”と言い繕う稲田防衛相のごまかし – 毎日新聞「経済プレミア」 – 2021年8月6日閲覧。
ソース11:杉田水脈議員 LGBT「生産性ない」は「誤解招いた」と初釈明 – デイリースポーツ online – 2021年8月6日閲覧。
すべて5年以内(2021年8月時点)の発言でこれだけの人数と肩書きが揃います(なお私がめんどくさくなって切り上げただけで、もっと調べればもっと見つかります。もちろん、自民党以外の政党でも)。
日本の政治家たち、どんだけ「誤解」を与えたり招いたりするのが好きなのって話ですよね。
実際ここまで証言が揃うと、じつは政治家って本当に被害者なんじゃないかと思えてきます。
つまり、悪いのは毎回誤解をする愚かな日本国民のほうであって、
という疑問が湧いてきますよね。
私には、愚かな政治家が自分の失態を指摘されて、国民に責任転嫁しているようにしか見えませんが。
さて、そんな日本の政治家を痛烈に皮肉ったのが以下のやりとりです。
そう、目には目を、歯には歯を、責任転嫁には責任転嫁で応じればいいのです。
帰省とは、(故郷の)自宅に帰宅する行為で、決して自粛要請を無視しているわけではありません。
つまり、(故郷の実家に)ステイホームすることを目指す意味で、着実に自粛へと向かっています。
相手の誤解を責めずに、むしろ誤解された側なのに反省できるなんて、民度が高すぎる……!
これこそまさに、日本人の和の精神であります。
さあ、この美しき日本国首相たちの所作を、我々日本国民も見習うべきではありませんか?
菅首相&安倍首相「仮定のことは考えないですね」
「仮定の質問には答えない」
1月7日、首都圏一都三県に2度目となる緊急事態宣言を伝える記者会見で、記者から「現在のこの宣言を仮に延長する場合、今回と同様に1カ月程度の延長を想定しているのか」と問われた場面で、菅首相は、
「仮定のことについては私からは、答えは控えさせていただきたい。とにかく1カ月でなんとしても感染拡大防止をしたい、そういう思いで取り組んでいきたい、こういうふうに思います。」
と答えている。
記者会見だけでなく、たとえばその翌日、8日の報道ステーションに出演した場面でも、
「1カ月やってみて、結果が今一つ出なかったら対象拡大ですとか、延長した時にもうちょっと厳しくなっていくとか、そういうこともあるんですか?」と問われ、
「まああの、仮定のことは考えないですね。とにかくご協力をお願いしてますから、ご協力いただいたら必ず目的を達成できるようにありとあらゆる(言葉が不明瞭で聞き取れず)やっていきたい」
という具合に、仮定の質問に答えないという表現をよく使う。そしてこれは、官房長官時代から多用し続けている、いわば口癖だ。
ソース:菅首相が官房長官時代から使い続ける「悪い口癖」 – Yahoo!ニュース – 2021年8月6日閲覧。
さて、お次も菅首相の発言ですが、「仮定の質問には答えられない」は、安倍政権時代からの得意技です。
その証拠に、安倍首相自身も、
などと、「仮定の質問には答えない」答弁を基本姿勢としていました。
ソース:仮定の質問に答えないとする安倍総理の基本姿勢に関する質問主意書 – 衆議院 – 2021年8月6日閲覧。
「仮定の質問には答えない」とするなら、あらゆる未来についての言及は回避できますよね。
つまり、
です。
したがってそもそも、
- 外出する
- 外出しない
も、当日の実行時間までは仮定の話です。
つまり、
- 帰省する
- 帰省しない
も仮定の話だし、
- 自粛する
- 自粛しない
も、仮定の話です。
何者かが観測することによってその仮定が決定されるまで、
- 帰省する未来
- 自粛する未来
は重なり合って存在するってやつですね。
そして帰省したとわかったときには、もう帰省しているので、帰省するしかありません(猫が死んでいるとき、猫が死んでいる)。
同様に、ウイルスに感染するとわかったときには、もう感染しているので、感染するだけです(深遠を覗くとき、深遠を覗いている)。
それから「どうするのか」と訊かれれば、「どうしたか」が観測されることによって決定されるので、いまはまだ答えられません(仮定の話でありますから、仮定の話にはお答えしません)。
「仮定の質問には答えられない」とするならね。
菅首相&安倍首相&橋本会長「万全の体制を取って感染を抑えていきたい」
菅義偉首相は7日夜、専門家による分科会を8日に開催し、期間や対策を検討する考えを示した。東京は感染が増加傾向にあるとし、「万全の体制を取って感染を抑えていきたい」と話した。五輪・パラリンピックの観客数の上限については、政府の対応を踏まえた上で大会組織委員会などとの5者協議で決めると述べた。
ソース:東京に緊急事態宣言発令へ、五輪後の8月22日まで-報道 – Bloomberg – 2021年8月6日閲覧。
さて、お次もまたまた菅首相の発言ですが、安倍首相もまた同様の発言をしています。
安倍晋三首相は29日の記者会見で夏の東京五輪・パラリンピックの開催に関して「引き続き開催に向けて国際オリンピック委員会(IOC)や大会組織委員会、東京都との間で緊密に連携を取りながらアスリートや観客に安心の大会とできるよう万全の体制をとる」と語った。
ソース:新型コロナ: 首相「東京五輪へ万全の準備」 記者会見で – 日本経済新聞 – 2021年8月6日閲覧。
加えて、橋本聖子東京五輪組織委員会会長(女性差別発言で辞任した森喜朗氏の後任)も同様の発言しています。
ソース1:東京オリンピックは中止?延期?開催?五輪の日程・期間・最新情報 – Goal.com – 2021年8月6日閲覧。
ソース2:橋本聖子会長、緊急事態宣言下でも万全の体制図りGW中テストイベント実施 東京オリンピック2020 – 日刊スポーツ – 2021年8月6日閲覧。
「万全の体制」を整えれば、緊急事態宣言下でもオリンピックも聖火リレーもゴールデンウィークのイベントも行えるわけですから、帰省ぐらいどうってことないですよね。
つまり、
この答弁でなんの問題もありません。
「万全の体制ではない」と批判されれば「万全の体制ではないと誤解を招いたのなら申し訳ない」と真摯に反省すればいいし、「万全の体制ではなかったらどうするのか」と問われれば「仮定の話にはお答えしません」と答えればいいだけですからね。
現実を見ましょう。
菅首相&安倍首相「人類がウイルスに打ち勝った証」
<安倍晋三前首相>
「人類が新型コロナウイルス感染症に打ち勝った証しとして、完全な形で東京五輪・パラリンピックを開催する」(2020年3月24日、大会の1年延期を合意後、記者団に)
<菅義偉首相>
「人類がウイルスに打ち勝った証しとして、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を開催する」(10月26日、臨時国会の所信表明演説)
「世界中に希望と勇気をお届けできる大会を実現するとの決意の下、準備を進める」(21年1月18日、通常国会の施政方針演説)
「(緊急事態宣言の際には)無観客もあり得ると私から明言している。国民の安全・安心を最優先にする中で対応していく」(7月1日、記者団に)
ソース:五輪「コロナに打ち勝った証し」「安全最優先」首相語録 – 朝日新聞デジタル – 2021年8月6日閲覧。
さて、最後も安倍首相&菅首相の名コンビです。
そして、
だってまさかまさか、日本国首相がふたりも雁首揃えて嘘をつくなんて、そんなことありますか??
しかも安倍首相は、歴代首相のなかでも在職日数最長、日本国民にもっとも愛された愛国者の鑑です。
そんな日本国民が愛してやまない首相たちを疑うなんて、非国民と誹られても文句はいえませんよ。
おっと危ない、危うく私も反日思想に染まりかけてしまいました。
でも大丈夫、仮に安倍首相や菅首相が嘘つきだとしても、コロナに打ち勝った証でなくても、
これが現実。
この国のルールは、シンプルにふたつ。
- 言ったもん勝ち
- やったもん勝ち
さあ、負け犬になりたくなければ、嘘つきになることや失敗することを恐れてはいけません。
そのために安心安全な帰省を目指して努力していく
まとめ:政府「頼むからお盆の帰省は止めて下さい」
Q.なぜ自粛要請を聞かないのですか?
A.自粛していないと誤解を招いたのなら申し訳ないQ.外出してコロナに罹ったらどうするのですか?
A.仮定の質問には答えられないQ.あなたたちの行動で他人にコロナをうつすかもしれないのですが
A.そのようなことが起こらないように万全の体制を整えているQ.なぜ帰省するのですか?
ソース:菅総理「国民は原則帰省の中止を」 国民「中止の考えはない。強い警戒感を持って帰省に臨む。指摘には当たらない」 どうすんだよこれ… – 5ちゃんねる – 2021年8月6日閲覧。
A.コロナに打ち勝った証として帰省する
そのために安心安全な帰省を目指して努力していく
以上です(なお、本記事のタイトルに使用している「KOKYO2020」も、上記ソースから拝借しました)。
あなたの故郷への帰省、KOKYO2020への批判に対するあらゆる反論がここに詰まっています。
あるいは対話の放棄ですが、
しかしいずれにしても、日本国民が長年支持してきた政権与党をお手本にしたものであり、正当化への民意は得られています。
今回の東京オリンピック、「反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の開催に強く反対」とする姿勢を見習うなら、
ソース:民意を読まぬ安倍元首相のレッテル貼り 「反日的な人が五輪に反対」に批判殺到 – 東京新聞 TOKYO Web – 2021年8月6日閲覧。
あとほかに、こんなのも出回っているんですが……↓
政府「頼むから、お盆の帰省は止めて下さい」
国民1「中止の考えはない。強い警戒感を持って帰省に臨む」
ソース:政府「頼むから、お盆の帰省は止めて下さい」 – 5ちゃんねる – 2021年8月6日閲覧。
国民2「バブル方式で帰省する。感染拡大の恐れはないと認識している」
国民3「帰省を中止することは一番簡単なこと、楽なことだ。帰省に挑戦するのが国民の役割だ」
国民4「安心安全な帰省に向けて全力で取り組む」
国民5「コロナに打ち勝った証として帰省する」
国民6「(帰省は)今更やめられないという結論になった」
国民7「『帰省するな』ではなく、『どうやったら帰省できるか』を皆さんで考えて、どうにかできるようにしてほしいと思います」
国民8「もしこの状況で帰省がなくなってしまったら、大げさに言ったら死ぬかもしれない。それくらい喪失感が大きい。それだけ命かけて帰省する為に僕だけじゃなく帰省を目指す国民はやってきている」
国民9「家族に感動を与えたい。帰省はコロナ禍収束の希望の光」
国民10「我々は帰省の力を信じて今までやってきたた。別の地平から見てきた言葉をそのまま言ってもなかなか通じづらいのではないか」
国民11「(帰省中止要請は)自主的な研究の成果の発表ということだと思う。そういう形で受け止めさせていただく」
国民12「言葉が過ぎる。帰省中止を決める立場にない」
国民13「帰省が感染拡大につながったエビデンスはない。中止の選択肢はない」
国民14「(帰省について)政府は反発するだろうが、時間が経てば忘れるだろう」
国民15「帰省することで、緊急事態宣言下でも帰省できるということを世界に示したい」
国民16「帰省について限定的、統一的な定義は困難」
国民17「実家を訪問するという認識。帰省するという認識ではない」
さすがにこれ全部元ネタを調べて貼るのはめんどくさすぎるので、やりません(が、だいたい自民党関係者と小池百合子東京都知事と体操の内村航平選手の発言ですよね)。
最後に、TOKYO2020では、開催式で日本のゲーム楽曲が採用されて盛り上がったと聞きました。
そこで本記事もそれに倣い、日本を代表するゲーム「ストリートファイターII」から、あの名ゼリフを引用して閉会式とさせていただきます。
おまえにも かぞくがいるだろう・・・
以上、【KOKYO2020】あなたの帰省を正当化する政治家の発言まとめでした!