ギャオる、という言葉の使用量が現在(2019年8月)、5ちゃんねる(嫌儲)など一部ネット上で増加中です。
まだ流行には至っていませんが、だれか(アフィサイトやインセルなど?)が流行らせようとしている感じがするので、流行ったときのためにいち早く解説しておきます。
まず簡潔にいえば、「ギャオる」とは、
を意味します。
ではより詳しい意味や語源、元ネタ動画の全文書き起こし、使用例などをご紹介していきます。
お知らせ:新項目「結局どっちが悪いの?」を追加しました(目次から飛べます)。
「ギャオる」の意味と語源
まず冒頭でも述べましたが、「ギャオる」は、女性のヒステリーや発狂を指す言葉です。
元ネタはYouTubeにアップロードされた夫婦喧嘩の動画(削除済み)であり、ニコニコ動画に転載された動画が残っています。
ソース:【ブチギレ】『きまぐれオレンジロード』のOPテーマで夫婦ゲンカ勃発! – ニコニコ動画 – 2019年8月28日(水)閲覧。
動画タイトルからはわかりませんが、夫婦喧嘩の現場は自家用車のなかであり、車内に流れたBGMを巡って口論が勃発しています。
そして上記の動画において、夫と口論中の妻が、
と聞こえる叫び声を二度ほど発するシーン(上記動画の5分5秒~5分25秒)があり、この咆哮がネット民に面白がられて、
などと強調され、女性のヒステリー関連のネタで使用されるようになりました。
この「ギャオオオオン!」というセリフや夫婦喧嘩の動画自体は、転載動画のアップロード日をご覧いただければおわかりのとおり、2014年にはすでに注目されており、長らく細々とネタにされてきた経緯があります。
そして2019年7月末~8月にかけて、「ギャオオオオン!」の動詞化、「ギャオる」が共有され始め、5ちゃんねるのニュー速(嫌儲)などを中心に使用者が増加している模様です(「ギャオる」の使用例自体はそれ以前からありますが、本格的に共有され始めたのは2019年8月頃だと考えられます。ソースはGoogleとYahoo!における「”ギャオる”」の検索結果です)。
では次に、「ギャオる」をより深く理解するため、元ネタの全文書き起こしを実施したいと思います。
「ギャオる」の元ネタ全文書き起こし
「ギャオる」の元となった動画は、高速道路のサービスエリアから夫が車を発進させるシーンから始まり、車内では夫が「袋をどけてくれ」と頼んだり、妻が応じたり、なのに妻が「こんなところにコインランドリーがある」と発言してもだれも反応せず、娘が寒さを訴えるなど、不穏な空気を漂わせながら幕を開けます。
※車内には夫婦と娘ふたりが乗っていますが、娘ふたりの区別が正確にできないため(かつ主役は夫婦であるため)、娘ふたりは「娘」で統一します。
では夫が車内のBGMに反応するところから、書き起こしスタートです。
※シャコタン=車高短。車体を地面すれすれまで下げる改造。DQNに人気。
以上が全文書き起こしとなります。
結局どっちが悪いの?
では書き起こしを踏まえて状況を整理しますが、前提は、
です。
しかしあえて状況を分析して、どっちがより悪かったのかを検証してみましょう。
まず夫婦喧嘩の発端は、車内に流れたBGMが「きまぐれオレンジロード」の主題歌であるか否か、です。
両者の言い分は、
でした。
そして結論をいえば、車内に流れたBGMは「鏡の中のアクトレス」であり、「きまぐれオレンジロード」の主題歌でした。
よって夫の言い分が正しく、妻が間違っています。
が、これだけなら別に、真偽をはっきりさせたのち、妻が非を認めて軽く謝罪すれば済む話です。
とても大喧嘩に発展するようなネタではありません。
ではなぜこじれたのか?
こじれたポイントは、
と、夫が妻に(おそらくスマホによる)検索を指示し、
と妻が応じたこの場面です。
ここが問題です。
この妻の発言、どう解釈しますか?
- 妻は検索ワードを口にした
- 妻は検索結果を口にした
夫の解釈は一番、「妻は検索ワードを口にした」です。
よって夫は、
と、「きまぐれオレンジロード、主題歌」ではなく、「鏡の中のアクトレス」での検索を催促します。
しかし、夫の催促に対する妻の言い分は、
であり、妻は「鏡の中のアクトレス」で検索したと主張します。
ここで先ほどの選択肢でいえば二番、「妻は検索結果を口にした」という可能性が浮上します。
妻は「鏡の中のアクトレス」で検索し、「きまぐれオレンジロード、主題歌」という結果がでたので読み上げた、という見方です。
しかし夫の解釈では、「妻は検索ワードを口にした」なので、
と突っかかります。
対する妻は、
と、若干しどろもどろになりながら答えます。
この答弁は、夫の指摘「きまぐれオレンジロードを検索したやんけぇ!」を否定しておらず、むしろ肯定した上で、「鏡の中のアクトレス」で検索し直した、と言い訳するものです(ただし、妻のしどろもどろな状態を考慮すると、焦って不正確なことを口走ってしまった可能性は否めません……が、少なくとも夫には「きまぐれオレンジロード」での検索が事実として伝わり、夫視点ではここで解釈の合意が形成されたと考えられます)。
つまり運転中の夫は妻のスマホ画面が覗けないので、妻の検索ワードを知る術は口頭のみという前提があり(夫はこの前提についても、妻に暗黙の了解を求めていたことが動画からうかがえます)、そうした状況で妻の口から、
と耳にし、この発言を検索ワードであると解釈した夫は、その解釈で会話を進め、妻との会話が成立した(合意が形成された)。
この時点で夫は、先ほど「妻は検索ワードを口にした」という理解について、確信を得ていたはずです。
ですから夫の視点では、
- 妻は「きまぐれオレンジロード、主題歌」で検索した
- なぜ運転中の夫が妻の検索ワード「きまぐれオレンジロード」を把握しているのかといえば、妻が口にしたから
- 妻もそのことを了解しているので、夫が検索ワード「きまぐれオレンジロード」に基づいて非難しても肯定した
- よって妻が口にした「きまぐれオレンジロード、主題歌」は検索ワードであり、疑いの余地はない
- その後、妻は「鏡の中のアクトレス」で検索し直した
という流れが確定しました。
が、おそらく妻の視点では違う流れが見えています。
妻視点ではこの発言……「妻は検索結果を口にした」です。
つまり妻視点での流れ(しどろもどろな答弁も採用)は、
- 無言で「きまぐれオレンジロード」を検索した
- 無言で「鏡の中のアクトレス」を検索し直した
- 検索結果「きまぐれオレンジロード、主題歌」を口にした
もしくは、しどろもどろな答弁を採用しないのであれば、
- 無言で「鏡の中のアクトレス」を検索した
- 検索結果「きまぐれオレンジロード、主題歌」を口にした
です。
いずれにしても、妻視点では夫が検索ワード「きまぐれオレンジロード」を把握している(もしくは検索ワードを勘違いしている)ことについては疑問を挟むことなく、流してしまっている形です。
ここで夫と妻の致命的な認識のズレが発生しています。
妻は夫に「鏡の中のアクトレス」の検索結果が「きまぐれオレンジロード、主題歌」であったことをすでに伝えた(つもり)。
しかし現実には伝わっていなかった。
結果、夫は追求を続け、追求された妻は「きまぐれオレンジロード、主題歌」という情報は既出であると思っているので、それ以外の情報、
を読み上げ、「きまぐれオレンジロード、主題歌」という答えを求めている夫は、欲しい情報だけがピンポイントで抜け落ちた答えにイラつき、
まるでゴミみたいなキュレーションサイトを訪れたネットユーザーの如く、ブチギレていきます。
そして口論はエスカレートし、言った言っていないの騒動に発展し、
地獄の幕開けです。
で、どっちが悪いかなんですが……当記事の解釈では、ぶっちゃけ妻が悪いです。
自身の発言に誤りがあり、それを自覚した時点で相手にきちんと伝え、きっちり謝っておけば、こんな修羅場にはならなかったはずです。
それだけの話です。
しかし、それだけの話ができなかったからこそ、こんな恥を全世界に晒すはめになり、「ギャオる」なんていう一部の人からすれば迷惑極まりないワードまで誕生してしまいました。
ただし、犬も食わない夫婦喧嘩の動画をネットに晒し上げたのはほかでもない、当の夫であり、その夫が常識人かといわれると(動画のアップ自体は夫婦喧嘩とは無関係ですが、夫婦喧嘩の要因として積もり積もった鬱憤も挙げられるので、夫婦双方が常識を弁えているかどうかは重要です)……妻や娘とのやりとりを見ても……。
うん、だからまあ、どっちも悪いよね……それが答えです。
「ギャオる」の使用例
さて、ここまで解説した「ギャオる」の意味や語源、元ネタ動画や元ネタの書き起こし文をご覧いただければおわかりでしょうが、「ギャオる」は女性の感情が(特に正論や理詰めで言い負かされたり、間違いを認めず謝罪しなかったりした際に)爆発するとき、使用条件を満たします。
よって、
- 娘が非行を咎められて発狂
- 妻が不倫を暴かれて逆ギレ
- 嫁姑問題でついに戦争勃発
といった事態が予想されたり、実際に起きてしまったとき、
などと使用することができます。
「ギャオる」を使いこなしたい方は是非参考に、いろいろと応用してみてください。
まとめ
というわけで、「ギャオる」についての解説をお送りいたしましたが、最後にまとめておきましょう。
- 「ギャオる」の意味は女性が逆上し叫ぶ様子
- 「ギャオる」の語源は夫婦喧嘩を収めた動画
- 「ギャオる」の使用対象は基本的に女性のみ
以上の三点がまとめです。
そして当ページでは無論、「ギャオる」という言葉について、客観的に意味や語源、使用例を述べたまでであり、女性を侮蔑する意図はございません。
もちろん男性でも「ギャオる」例はあるでしょう。
しかし、「ギャオる」という言葉の成り立ちを鑑みるに、「ギャオる」を男性に使用すると違和感が生じます。
よって、「ギャオる」を使用する際は相手の性別を考慮し、主に女性か、女の腐ったような相手に対してのみ用いるようにしましょう。
そこで男女差別だとかなんとか、当記事に対してギャオるのはご勘弁くださいね。
以上。
THIS IS THE ANSWER.