書評、と一口にいっても、その書式は掲載媒体によりけりです。
それぞれ違いますよね。
本記事で扱うのは、
です。
ともすればブログ初心者は、いざ読書記録をブログに投稿する段になって、
みたいな疑問に悩まされることがありますよね(ソース:過去の私)。
結論から述べましょう。
です。
本記事では、私が上記の結論に至った理由を詳しく解説します。
では以下目次です。
「書評」とは?書物の内容を紹介しながら批評した文章
しょ‐ひょう〔‐ヒヤウ〕【書評】 の解説
ソース:書評(しょひょう)の意味 – goo国語辞書 – 2020年9月21日(月)閲覧。
書物について、その内容を紹介・批評した文章。
しょひょう【書評】
ソース:岩波 国語辞典 第七版 新版 – 株式会社岩波書店
新刊書などにつき、書物の内容を紹介しながら批評をした文章。「―欄」
▷新刊書の批評という意で「新刊書評」と呼んだのが起こり。
以上、2つの辞書で意味は共通しています(岩波国語辞典の語源を踏まえた解説は除く)。
すなわち「書評」とは、
です。
ではより噛み砕いて説明するため、「批評」の意味も併せて引いておきましょう。
「批評」とは?自分の評価および価値を決めること
ひ‐ひょう〔‐ヒヤウ〕【批評】 の解説
ソース:批評(ひひょう)の意味 – goo国語辞書 – 2020年9月21日(月)閲覧。
[名](スル)物事の是非・善悪・正邪などを指摘して、自分の評価を述べること。「論文を批評する」「印象批評」
ひひょう【批評】
ソース:岩波 国語辞典 第七版 新版 – 株式会社岩波書店
〘名・ス他〙よい点・悪い点などを指摘して、価値を決めること。「―を加える」「文芸―」
⇒評判
こちらは解説に少し違いがあります。
goo辞書の解説は、
と、最終的な基準が明確です。
一方で岩波国語辞典の解説は、最初から最後まで「だれが(なにに従って)」という主語が抜け落ちているため、goo辞書の解説よりはケースバイケースに対応している形です。
しかしいずれにしても、一般的なケースにおいて省略される主語は「自分」と考えていいでしょう。
したがって、「批評」の意味をまとめると、
です。
つまり先述した「書評」の意味を噛み砕くなら、
です。
では次に、「読書感想文」の意味をおさらいしましょう。
「読書感想文」とは?本の内容に対して心に生じた思考
どくしょ‐かんそうぶん〔‐カンサウブン〕【読書感想文】 の解説
ソース:読書感想文(どくしょかんそうぶん)の意味 – goo国語辞書 – 2020年9月21日(月)閲覧。
本を読み、その内容について感じたことを述べる文章。読後感想文。
かん‐そう〔‐サウ〕【感想】 の解説
ソース:感想(かんそう)の意味 – goo国語辞書 – 2020年9月21日(月)閲覧。
物事について、心に感じたことや思ったこと。所感。「感想を述べる」「読書感想文」
かんそう【感想】
ソース:岩波 国語辞典 第七版 新版 – 株式会社岩波書店
ある物事に対して心に生じた、まとまりのある感じや考え。所感。「読書―文」
なお私が愛用する岩波国語辞典には、「読書感想文」の項目がありませんでした。
しかし「感想」の項目に用例として掲載されていたため、こちらを引用しています(ついでにgoo辞書も)。
というわけで以上をまとめると、「読書感想文」とは、
です。
では「書評」と比較してみましょう。
「書評」と「読書感想文」はどう違う?「紹介」の有無
です。
こうして比較してみると、決定的な違いがひとつだけありますよね。
です。
しかし「紹介」を除けば、「自分の評価」や「価値」観を述べる行為は、「まとまりのある感じや考え、思ったこと」を述べる行為と同一であると見なせます。
いわば「読書感想文」に追加で条件を設けたものが、「書評」であるといえます。
あるいは「書評」の条件を緩めたものが、「読書感想文」なのかもしれませんが。
いずれにしても、両者を区別するためには、「紹介」の有無が鍵となるわけです。
くどいようですがこれで最後です、例によって辞書を参照しましょう。
「紹介」とは?内容を世間に広く教え知らせること
しょう‐かい〔セウ‐〕【紹介】 の解説
[名](スル)
1 未知の人どうしの間に入って引き合わせること。仲立ち。「知人の紹介で就職する」「友人を家族に紹介する」「自己紹介」ソース:紹介(しょうかい)の意味 – goo国語辞書 – 2020年9月21日(月)閲覧。
2 知られていない物事を世間に広く教え知らせること。「雑誌で紹介された店」「日本文化を海外に紹介する」「新刊紹介」
しょうかい【紹介】
ソース:岩波 国語辞典 第七版 新版 – 株式会社岩波書店
〘名・ス他〙人と人との間に立ってなかだちをすること。「友人に―する」「―の労をとる」(ある人を他の人にひきあわせること)「講師を御―申します」「―状」
⇒世話
書籍を「紹介」する場合の用法は、goo辞書の2番が適切でしょう。
上記の説明を踏まえて、「書評」における「紹介」を定義すると、
です。
したがって、「書評」と「読書感想文」の違いは、この「世間に広く教え知らせる」目的があるか否かだと考えられます。
たしかに小学校などで書かされる「読書感想文」は、「世間に広く教え知らせる」目的なんてありませんよね。
ところで、じゃあブログは……?
ブログの「読書感想文」は「書評」と同じ書き方になる
小学校などで書かされる「読書感想文」は、基本的には全世界に公開されたりはしません。
しかしブログは、基本的には全世界へと広く発信していくコンテンツです。
つまりブログを書くという行為自体が、イコールで、
と結ばれるわけです。
そして「書評」と「読書感想文」の唯一決定的な違いは、「紹介」の有無でした。
です。
ということは……?
- ブログ記事で特定の書籍を取り上げる場合、普通は「紹介」が含まれてしまいますよね。
- よっぽど本気で純粋なる「読書感想文」を志さない限り、内容に触れてしまうはずです。
- ブログ上で特定の書籍について言及し、その内容に触れたが最後、それは「紹介」です。
というのはいささか短絡的でしょうが、しかし少なくとも「書評寄り」の書き方にはなってしまいます。
たとえ感想のつもりで書いたとしても、
みたいな絶対に内容を教えてくれないマジモンの「読書感想文」以外、全部「書評寄り」です。
そしてこういうマジモンの「読書感想文」は、ブログでは滅多にお目にかかれません。
ツイッターは読んだ本のタイトルさえ教えてくれないこともままある魔境です。
一方でブログは、ツイッターや雑誌や紙面とは違い、字数制限すらありません。
自分で運営するブログであれば、何千文字、何万文字でも内容に触れ放題です。
となれば、
- 普通に「読書感想文」のつもりで書いても書評っぽくなって、
- 「書評」のつもりで書けばもちろん書評っぽくなるブログで、
- 「読書感想文」と「書評」は、どうやって区別すればいいの?
です。
だって実質同じでしょ?
それにたかだかブログです。
肩肘なんか張らずに、グレーゾーンはグレーゾーンのまま放っておきましょう。
区別が難しいなら、無理に区別する必要はないのです。
まとめ:「書評」の意味と「読書感想文」の意味と区別
- 「書評」と「読書感想文」を見分けるコツは、「紹介」の有無
- しかしブログ上に公開される記事は、基本的にすべて「紹介」
- 「紹介の有無」で区別できないなら、無理に分けなくてもいい
です。
以上の理由により、私は、
であると考えます。
したがって、自分の感覚に合ったほうを採用するか、気分やリズムで使い分けるとかしましょう。
ちなみに私個人の感覚でいえば、「書評」は無駄に仰々しくて嫌いです。
「読書感想文」は逆に幼稚すぎて嫌いです。
その結果、
という新ジャンルを開拓しかけましたが、冷静に考えて意味不明なのでやめました。
開拓したい方は、お譲りいたしますのでどうぞご自由にお持ち帰りください。
以上、ブログにおける「書評」と「読書感想文」の違いについての記事でした。
THIS IS THE ANSWER.