サマータイムレンダ(2022年の日本アニメ、全25話)を観ました。
私は予備知識なしで視聴して、なんだかのんびりしているなあ……と思っていたら突然面白すぎる終わり方をして引き込まれたので、そういう感覚が好きな方はいきなり視聴することをオススメします。
以下からは、内容に触れていくためご注意ください。
では以下目次です。
アニメ『サマータイムレンダ』の簡単なあらすじ
~アニメ『サマータイムレンダ』のあらすじ~
- サマータイム……夏の時間
- レンダリング……描写
舞台は、和歌山県の離島・日都ヶ島(ひとがしま)で、網代慎平の出身地でもあります。
網代慎平は、中学卒業後、島を離れて東京で料理修業をしていました。
しかし、小舟潮の死去・葬儀の知らせを受け、フェリーで日都ヶ島に帰郷していました。
~2018年7月22日の朝~
それから島に到着し、潮の妹・澪(みお)や、幼馴染みの菱形窓(ひしがた・そう)などと再会。
小舟潮の葬儀では、小舟潮の死因が事故死であると聞かされます。
小舟潮は、海で溺れた女の子・小早川しおりを助けた際に身代わりとなったのでした……が、
しかし、現場に居合わせた菱形窓によれば、怪しい人物はいませんでした。
警察も、現場の状況から事故死として処理しています。
その日の夜、網代慎平は小舟潮の形見を受け取り、涙します。
~2018年7月23日の朝~
小舟澪によれば、小早川しおりは最近、ドッペルゲンガー的な分身……自分とそっくりの女の子を目撃していました。
そして小舟潮も、事故死の3日前、自分の分身を見ていました。
小舟潮の分身は、妹の澪も一緒に目撃しています。
地元の猟師、根津さんによれば、それは日都ヶ島の風土病「影の病」だといいます。
「影の病」にかかった者は、「影」を見るようになり、「影」に殺される。
その後、「影」は本人になりすまし、一家をまるごと殺してしまう……。
「ヒルコ様」は、日都神社で祀られている神様であり、日都神社の愛称でもあります。
網代慎平と小舟澪は、日都神社で話を聞くため移動。
近くの森で小早川しおりの「影」らしき人影を見かけ、あとを追いかけると銃声が鳴り、
それは7月22日の朝、網代慎平がフェリーで乗り合わせ、その胸に飛び込んだ巨乳女性でした。
巨乳女性は、網代慎平になにかを伝えようとしますが、
~2018年7月22日の朝(2周目)~
網代慎平には、限定的なタイムリープ(時空を過去に遡る)能力がありました。
自身(自分の肉体)の死をトリガーに、自分の意識を、過去の自身へと飛ばす能力です。
本作は、このタイプリープ能力によって、完璧な夏の時間を描写していく物語だったのでした……。
サマータイムレンダの意味は?サマータイム連打
~サマータイム連打~
タイムリープ能力によって、同じ夏の時間を繰り返す⇒連打する。
そして、元々あった「バッドエンド」というデータをいじり、「ハッピーエンド」という新しいデータにレンダリング(描写)し直す。
本作における「レンダリング」を日本語訳で理解する場合、
- 「描画」
- 「変換」
- 「再生成」
- 「再構築」
↑その他、理解の助けになる意訳一覧。
実例としては、じつはこのページ自体、Webブラウザ(Google ChromeやSafariなど)がレンダリングして表示しています。
~「レンダリング」の簡単な説明~
- <balloon__img-left>……左側に吹き出し
- <src=”画像URL”>……指定の画像を表示
本作においては、主人公たちはタイムリープ能力によって、過去をいじって未来の描写を変えられます。
その過去をいじる能力を、①②「<データ>」をいじる能力に見立てています。
見立てているだけなので、実際にプログラミング言語やソースコードを使用したりはしませんが、
~1周目の世界~
~2周目の世界~
- 1周目……画像が左側にある世界
- 2周目……画像が右側にある世界
レンダリングのイメージとしてはこんな感じです。
そして過去をいじると、並行世界の生成が行われ、①「1周目の世界」と②「2周目の世界」は別々に並行して存在します。
その後タイムリープ能力者(観測者)だけが、①②「複数の世界」を観測し、最終的に確定させたレンダリング(最終的に観測した世界線の描写)のみが「事実」として残ります。
私は第1話の終わりまで、オカルト系のミステリかなにかだと思っていました。
ああ陸の孤島ね、そして謎の風土病ときて、よくある感じの見立て殺人が起きちゃってるのね……みたいな。
あと序盤から、ヒロインは謎に水着だし、巨乳女性のおっぱいとか小舟澪のパンツ丸出しとか、
まあ実際、サービスシーンで男性視聴者を釣る意図はあったのでしょうが、クソアニメではありませんでした。
第1話の終わりで、主人公が巨乳女性のおっぱいに顔を突っ込んだシーンはとてもよかったです。
気が早い人は、小舟澪のパンツ丸出しあたりで切ってしまったかもしれませんが、
タイムリープとタイムトラベルの違い!本作は?
~タイムトラベルとタイムリープの違い~
- タイムトラベル……肉体と意識が時空を越える
- タイムリープ……意識が時空を越える
①「タイムトラベル」は、ドラえもんとのび太くんがよくやっている、タイムマシンによる移動です。
一方で②「タイムリープ」が、本作『サマータイムレンダ』の基本的な時間操作です。
①「タイムトラベル」と②「タイムリープ」の最大の違いは、
- タイムトラベル……存在する
- タイムリープ……存在しない
私はどちらかといえば、①「タイムトラベル」が好きです。
特に好きなシチュエーションとしては、現在の自分視点で謎の現象に巻き込まれているとします。
でもその謎の現象は、じつは未来からタイムトラベルしてきた自分が引き起こしており、
そして現在の自分も、謎の現象のことを知っていながら、結局は「未来の自分」となって謎の現象を引き起こしてしまう。
「未来の自分」に巻き込まれた自分が、今度は「過去の自分」を巻き込んでしまうという、抗えない運命……。
こうしたシチュエーションが上手くハマっていると、感動して涙すら出ます。
~『サマータイムレンダ』第1話(1周目の7月23日)~
~『サマータイムレンダ』第3話(3周目の7月23日)~
↑そして本作は②「タイムリープ」なのに、①「タイムトラベル」かと錯覚するシチュエーションがあります。
①「タイムトラベル」であれば、「未来の自分」が過去に移動⇒過去の世界で「未来の自分」が巨乳の女を捜す⇒その情報が「過去の自分」に伝わる⇒「過去の自分」には意味不明⇒しかし結局、「過去の自分」もまた、時間が進めば「未来の自分」⇒「過去に移動」⇒「巨乳の女を捜す」……という展開です。
でも本作は②「タイムリープ」なので、上記のケースではなにが起きているのかというと、
1周目では、影の引き起こした情報がオリジナルの網代慎平に伝わり、謎の現象となっていました。
さらに3周目の世界では、タイムリープによって、「オリジナルの網代慎平が巨乳の女を捜す」という展開に変更されています。
本作の特徴は、この「影」が「もうひとりの自分」問題を引き起こしている点にあり、
時間といえば、最近タイパ(タイムパフォーマンス)を重視して、倍速でアニメを視聴するのが流行っています。
でも本作で倍速視聴をすると、理解が追いつかないかもしれません。
まあストーリー展開自体はそんなに複雑なことはやっていませんが、
みたいな哲学的問いについて考えながら見るなら、倍速視聴では無理です。
というか、速度を半分に落としても無理かもしれませんが。
そして、タイムトラベルにはないタイムリープ最大の強みは、自分の肉体が死んでも意識だけを別の世界に飛ばせる点です。
↑このリセット技は、タイムトラベルでは使えません。
しかし本作のタイムリープも無敵ではなく、「タイムリープ後のスタート地点がうしろの時刻にズレていく」という制約があり、「スタート前の世界は事実として確定」してしまいます。
また、基本的にはタイムリープしかできませんが、「影」絡みでは例外的な時空操作もあり、
まとめ:時間SF!オカルト!哲学!欲張りセット
- アニメ『サマータイムレンダ』は、時間系SF+オカルト、つまり哲学がテーマ
- アニメ『サマータイムレンダ』は、夏の時間を連打して、描写をやり直す物語
- アニメ『サマータイムレンダ』は、タイムリープ派の時間系オタクにオススメ
以上です。
以下総評!
評価: 5.0アニメ『サマータイムレンダ』は、時間系SF要素+オカルト要素を絡めた哲学アニメです。
・運命を変える
・結末を変える
以上、アニメ『サマータイムレンダ』の感想でした!