失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!(著:大野正人)を読みました。
を子ども向けに、コメディタッチな文章と漫画風のイラストで提供している良書です。
ちなみに私は大人ですが、大人の私から見ても良書だと評価できます。
私が『失敗図鑑』を評価する理由は主に3つです。
- 歴史上の偉人を、栄華と失敗の両面から簡潔に知ることができるから
- 失敗紹介にとどまらず、失敗から導きだされる成功哲学も学べるから
- 挿絵だけではなく、カラーの効果が素晴らしく、飽きずに読めるから
たとえば①「歴史上の偉人を、栄華と失敗の両面から簡潔に知ることができるから」ですが、
されています。
大人ならだれもが名前を知っていて当然レベルの偉人ばかりです。
しかし、ではそれらすべての偉人にまつわる成功談と失敗談を網羅できている大人は、いったいどれだけいるのでしょうか?
したがって、『失敗図鑑』は、大人でも未知の偉人を知ったり、既知の偉人でも惚れ直したりするきっかけになる一冊だといえます。
さて、ではそんな『失敗図鑑』にはどのような偉人が収録されているのでしょうか?
また私が一番興味を惹かれた偉人について、簡単に内容紹介と感想を述べます。
では以下目次です。
『失敗図鑑』の内容紹介と収録偉人の一覧!
- エジソン(発明家)
- ライト兄弟(飛行機の発明者、飛行機パイロット)
- 二宮尊徳(またの名を二宮金次郎)(経世家、農政家、思想家)
- ココ・シャネル(ファッションデザイナー、有名ブランド「シャネル」創業者)
- ダリ(画家)
- ベーブ・ルース(プロ野球選手、メジャーリーガー)
- 夏目漱石(小説家、英文学者)
- フロイト(精神医学者)
- 与謝野晶子(歌人、作家)
- ベートーヴェン(音楽家、作曲家、ピアニスト)
- スティーブ・ジョブズ(実業家、有名ブランド「アップル」創業者)
- 手塚治虫(漫画家、有名アニメ制作会社「手塚プロダクション」創業者)
- アインシュタイン(物理学者)
- オードリー・ヘプバーン(ハリウッド女優)
- 孔子(思想家、哲学者)
- ノーベル(科学者、実業家、ダイナマイトの発明者、世界的権威「ノーベル賞」創設者)
- ドストエフスキー(小説家)
- ピカソ(画家)
- 野口英世(医師、細菌学者)
- 黒澤明(映画監督)
- ダーウィン(自然科学者)
- マッカーサー(軍人、アメリカ陸軍元帥)
- ウォルト・ディズニー(アニメーター、映画監督、有名ブランド「ディズニー」創業者)
- カーネル・サンダース(実業家、有名ブランド「ケンタッキーフライドチキン」創業者)
- お父さん・お母さん(私たちの生みの親)
以上です。
ですね。
しかしこれだけ収録されていれば、ほとんど名前ぐらいしか知らない偉人も何名か発見できるのではないでしょうか。
それは大人でもそうでしょうし、子どもならなおさらそのはずです。
つまり大人でも子どもでも、
『失敗図鑑』は楽しめるはずです。
ちなみに上記の偉人について、完璧に把握しているという偉人博士であっても、心配には及びません。
『失敗図鑑』には偉人による失敗以外にも、
- プチ失敗図鑑
- 失敗相談室その1
- 失敗相談室その2
- デカすぎる失敗
といったサブコンテンツも収録されています。
ということは、偉人博士であっても楽しむ余地がある安心設計だということです。
ちなみに「失敗相談室その1」はAmazonの商品ページに見本が載っています。
大人こそ学ぶべき?偉人の失敗と成功哲学!
そこで『失敗図鑑』における偉人紹介の基本的な構成を解説しておきましょう。
だいたい簡単3ステップで、
- 偉人の功績を紹介(偉人本人になりきった一人称で紹介されていることも)
- 【アチャ~~】(←失敗をしたときに発せられる嘆息)偉人の失敗談の紹介
- 偉人が失敗をどう乗り越えたか、失敗談から得られる教訓や成功哲学の紹介
以上の流れです。
なお紹介される成功哲学は、かなり初歩的で簡素な内容が中心になります。
試しに『失敗図鑑』で解説されている成功哲学のなかでも、特に初歩的なものを3つ挙げましょう。
- 失敗とは成功までの経験値稼ぎであり、失敗できればラッキーだ
- 成功体験は、みんなと分かち合ったほうが結局は自分も得をする
- 逃げるしかないときは、逃げるしかないのだから逃げるしかない
どうでしょう、上記3つは常識でしょうか?
現実社会を見渡せばわかりますよね。
- 失敗を恐れるあまり、なんにもチャレンジできなくなっている人
- 自分の手柄も他人の手柄も独り占めする、ジャイアンみたいな人
- 逃げちゃダメだ、という自分の思い込みに追い詰められている人
など、いくらでもいます。
そんな大人はもちろん、そんな大人になりたくない子どもから大人まで、『失敗図鑑』で学ぶ成功哲学は有益だといえるでしょう。
漫画風の挿絵で読書が苦手でも読みやすい!
最後に③「挿絵だけではなく、カラーの効果が素晴らしく、飽きずに読める」ですが、
というわけでAmazonの商品ページにある見本や試し読みをご覧ください。
といっても見本や試し読みで確認できる範囲はちょっと微妙ですが。
それでもドロップキャップや、特徴的な色使いは確認できます。
ちなみにドロップキャップとは、上記のように先頭文字を大きくするデザインのことです。
当ブログ『アンサーソング。』でも基本的に記事の一文字目はドロップキャップで飾っています。
そしてこれだけはいっておきますが、私は漫画以外の読書習慣がない人間で、今年は8月に入るまで1冊も漫画以外の本を読んでいませんでした。
今年は『失敗図鑑』で2冊目です。
それぐらい読書が苦手で、苦手な理由は読むのが遅い上に眠くなるからという私が保証しますが、
です。
あっという間に読めました。
それはとりもなおさず、漫画風のイラストやページデザインに工夫が凝らしてあるからです。
ただし、少しデザインが懲りすぎて読みにくくなっている部分もありましたが、『失敗図鑑』というからにはそれぐらいの失敗はご愛嬌でしょう。
是非実際に『失敗図鑑』を開いてその目で確かめてみてください。
まとめ:私の推しはカーネル・サンダース!
というわけでまとめますが、
- 歴史上の偉人を、栄華と失敗の両面から簡潔に知ることができる
- 失敗紹介にとどまらず、失敗から導きだされる成功哲学も学べる
- 挿絵だけではなく、カラーの効果が素晴らしく、飽きずに読める
です。
最後に私が一番興味を持った偉人ですが、
です。
みなさんご存知、KFC(ケンタッキーフライドチキン)の創業者です。
もちろん私もカーネル・サンダースのことは知っていました。
遅咲きの成功者で、還暦を過ぎてからKFCを成功させたことも知っていました。
あと(真偽は確かめていませんが)成功直前は生活保護を受けていたとか、フライドチキンを1000店舗以上に売り込んだといった伝説も知っていました。
『失敗図鑑』においては生活保護の記述はなく、フライドチキンの売り込みは1500回以上断られたエピソードが紹介されています。
でもそんなことはどうでもいいんです。
私が『失敗図鑑』のカーネル・サンダースに興味を引かれたのは、
がめちゃくちゃ多いからです。
ほかの偉人は【アチャ~~】が1個ずつなのに対して、カーネル・サンダースだけ10個ぐらいあります。
そんなに波瀾万丈な人生を送っているとは思っていませんでした。
というわけで、私はカーネル・サンダースのドキュメンタリーに興味を持ち始めています。
このように、『失敗図鑑』は既知の偉人に対しても魅力の再発見がある良書です。
偉人を発見したい方、再発見したい方、そしてなにより、「失敗」を克服したい方は是非一読してみてはいかがでしょうか。
以上、THIS IS THE ANSWER.