ラブ・アクチュアリー(原題『Love Actually』、2003年のイギリス・アメリカ合作映画、日本語字幕版)を観ました。
です。
『ラブ・アクチュアリー』は、私の友だちのAちゃん一押しのクリスマス映画で、
というやりとりを鑑みるに、『ホーム・アローン』の次ぐらいにオススメだといえそうです。
しかも『ラブ・アクチュアリー』は、【(30日間の無料体験あり)Amazonプライム会員】の特典で無料だったため、そのまま流れで鑑賞することになりました。
結果、たしかに『ホーム・アローン』の次ぐらいにオススメできる感じでしたが、注意点もあります。
ポイントは3つ、
- 映画『ラブ・アクチュアリー』は、地上波で見飽きていない作品
- 地上波で放送されない理由は、普遍的な「愛」を描いているから
- 浮気や不倫も「愛」だが、それが許されるのかも考えさせられる
です。
では以下、『ラブ・アクチュアリー』のあらすじも交えて、感想や解説を述べます。
映画『ラブ・アクチュアリー』の簡単なあらすじとネタバレ
- 再ブレイクを目論む元ロックスターの老人、ビリー・マック
- 渡米して「セックスの大魔神」を目指すアホな青年、コリン
- 恋人を弟に寝取られて別れるはめになった作家、ジェイミー
- 短期間雇用の家政婦として来英した異国の女性、オーレリア
- 妻を亡くし義理の息子と二人暮らしになった男性、ダニエル
- 同じ教室でアメリカ人の女の子に片思いをする小学生、サム
- 映画の濡れ場準備要員で知り合った男女、ジョンとジュディ
- 結婚式を挙げることになった男女、ピーターとジュリエット
- ピーターとは親友だがジュリエットには冷たい男性、マーク
- 仕事が忙しくて口下手で独身のイギリス首相、デイヴィッド
- イギリス首相公邸で働くグラマーな女性スタッフ、ナタリー
- デザイン会社の同僚カールに入社以来片思い中の女性、サラ
- 部下の美女ミアに誘惑されているデザイン会社社長、ハリー
- 兄がデイヴィッドで夫にハリーがいる子育て中の母、カレン
- Mr.ビーンっぽい雰囲気のふざけた宝飾店店員、ルーファス
たちのエピソードが、微妙にすれ違ったり交錯したりしてストーリーが展開されます。
そのため、主人公がなにを欲してなにを手に入れるのか、といった具体的なあらすじを記すことはできません。
わりと普通に生きる人たちが、自分の人生においては主役になるだけです。
なんの障害もなく夢を叶えし人間もいれば、どうしようもない障害に阻まれて恋が終わる人間もいます。
あるいは片思いを成就させる人間もいれば、最悪な形でパートナーの裏切りを知る人間もいます。
それらがなにを織りなしているのかといえば、「愛」です。
したがって、どんなにひどい仕打ちを受けようとも、作中の登場人物が復讐劇に走ることはありません。
と、本作冒頭で語られているとおりです。
「ラブ・アクチュアリー」の意味は?冒頭のポエムが鍵
なお本作の原題『love actually』は、ストレートに和訳すると「愛は実際」とかになります。
しかし上記で引用した『ラブ・アクチュアリー』冒頭のポエム、
と表記されます。
この「love actually」が、本作の原題『Love Actually』に対応しています。
つまり本作における『love actually』の意味は、
というニュアンスが正解です。
「愛」をテーマにした群像劇にふさわしいタイトルですよね。
『ホームアローン』とは違って地上波で見飽きていない作品
さて、それでは映画『ラブ・アクチュアリー』のオススメポイントその1、
です。
私は今回、初めて『ラブ・アクチュアリー』を鑑賞しました。
しかし『ラブ・アクチュアリー』は、クリスマス映画で、豪華俳優陣で、評価も上々です。
となれば、日本テレビの『金曜ロードショー』とかで放送されていそうなものですよね。
それこそクリスマスの定番映画『ホーム・アローン』と同じように、テレビで繰り返し放送されていいはずです。
しかし現実には、そうなっていません。
ググったところ、深夜帯では放送されていたこともあるようですが、ゴールデン帯に比べると視聴者数は激減、放送頻度もかなり少ないです。
ということは、私のような能動的に映画を観る習慣がない人間にとって、初見である可能性が高い映画です。
2003年の洋画ということも踏まえれば、2020年現在の日本の若者はほとんど観たことがないのでは?
『ホーム・アローン』は観たことがあっても、『ラブ・アクチュアリー』は観たことがないという人、大勢いるのでは?
私ももちろん、『ホーム・アローン』は大好きです。
だから何度も観ています。
しかしだからこそ、
という気分のとき、『ラブ・アクチュアリー』は候補として有力だといえるでしょう。
なぜ地上波で放送されないのか?少し過激でセクシーだから
映画『ラブ・アクチュアリー』のオススメポイントその2&注意ポイントその1は、
です。
前述したとおり、『ラブ・アクチュアリー』は地上波テレビ放送向きの映画ではないようです。
なぜなら、本記事の「あらすじ」の項目でも少し触れていますが、
- 渡米して「セックスの大魔神」を目指すアホな青年、コリン
- 映画の濡れ場準備要員で知り合った男女、ジョンとジュディ
などが登場するからです。
まあコリンについては、
的な発言だけが問題で、映像的にはまったく過激ではありません。
が、ジョンとジュディについては、
です。
スタンドインとは、本番で演じる俳優の代わりにリハーサル演技を行い、演技中の身体のパーツの位置を把握したり、カメラや照明の位置を調整したりする役目です。
ではそのスタンドインが、濡れ場シーンを担当しているということは?
そう、たとえばジョンとジュディの初登場シーンは、いきなりジョンがジュディに立ちバックで腰を振っているシーンから始まります。
まあそれは着衣状態なのでぎりぎりセーフなんですが、
という要請を受けて、あとで普通に脱ぎます。
ジュディ(女性)のおっぱいも乳首も丸出しで、丸見えになります。
しかもその状態で、性行為シーンがバッチリ複数回映ります。
さらにジョンとジュディ以外にも、ベッドシーンでおっぱい丸見えになる女性、サラがいます。
サラのベッドシーンは、セクシーというよりはコメディで、同じく乳首丸出しでパンツ一丁でヤる気満々のカールが不憫すぎて笑えます。
元ロックスター、ビリー・マックのセリフがアウト気味
またテレビといえば、作中で白熱しているクリスマス・ソングのナンバーワン争いについて、
と、宣言して有言実行するロックスター、ビリー・マックもいます。
ビリー・マックは、「何でも正直に言うよ」というキャラクターで、
と、ラジオでもテレビでも正直に述べます。
私はこのビリー・マックが、『ラブ・アクチュアリー』のなかで一番好きなキャラクターです。
が、「子供たち」にはふさわしくないキャラクターですよね。
そして『ラブ・アクチュアリー』には、こうした下ネタや過激なネタがちょくちょく挟まれるため、カットもしづらく、地上波のテレビ放送では流しづらいのだと考えられます。
普遍的な愛を語る上でセックスは欠かせない要素ですが、とはいえ時と場所は選ばざるをえません。
『ラブ・アクチュアリー』で学ぶ浮気や不倫が叩かれる理由
最後に映画『ラブ・アクチュアリー』のオススメポイントその3&注意ポイントその2は、
です。
私は毒にも薬にもならない創作はつまらない、と感じることが多いです。
その点、『ラブ・アクチュアリー』は毒にも薬にもなる作品でした。
特に一番苦いシーンは、注意ポイントといっても差し支えないレベルの苦さです。
それはコリンが渡米して、なんのオチもなく「セックスの大魔神」と成り上がったシーンの直後に差し込まれます。
ハリー家では、毎年のクリスマスに、夫ハリーが妻カレンにスカーフを贈る習慣がありました。
しかし今年はスカーフに加えて、「特別なプレゼント」があるとハリーはいいます。
その「特別なプレゼント」の正体を、じつはカレンは察していました。
クリスマスの1週間前、カレンはハリーのコートのポケットに、
があるのを見つけていました。
さらにリビングで飾りつけたクリスマスツリーの下には、金のネックレスが入っていた箱と同じサイズの箱と、
と書かれたハリーからのメッセージカードも添えられていました。
だからカレンは完璧に、自分への「特別なプレゼント」は金のネックレスだと考えていました。
しかし、クリスマスパーティ当日。
カレンが「特別なプレゼント」を手にハリーに感謝をしてキスをしてウッキウキで箱を開けるとそこには、
が入っていました。
ジョニ・ミッチェルの『Both Sides Now』です。
このときカレンはようやく、ハリーが自分以外の女に……具体的には、以前ハリーを誘惑していた若くて美しい女性部下、ミアに……金のネックレスを贈ったのだと気づきました。
しかし一方で、ハリーは自分の浮気が気づかれたことにも気づかず、
と、いってのけます。
カレンは、「そうね!」「うれしいわ!」「ありがとう!」と笑ってハリーや子どもたちの前で明るく気丈に振る舞うと、
しかし群像劇ならではの緩急の付け方で、私は面白いと感じました。
良薬口に苦しといいますが、これぐらい苦くしないと、なぜ浮気や不倫が許されないのかも理解できないアホばかりなのはみなさんご承知のとおりでしょう。
まとめ:『ウォーキング・デッド』のリックなど豪華俳優陣
- 映画『ラブ・アクチュアリー』は、地上波で見飽きていない作品
- テレビで放送されない理由は、普遍的な「愛」を描いているから
- 浮気や不倫も「愛」だが、それが許されるのかも考えさせられる
以上が『ラブ・アクチュアリー』の魅力です。
たとえばピーターの親友マークは、のちに海外ドラマ『ウォーキング・デッド』の主人公リック役を務める、アンドリュー・リンカーンです。
ピーターと結婚したジュリエットは、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズでメインヒロインのエリザベス・スワン役を務める、キーラ・ナイトレイです。
さらに口が悪すぎるロックスター、ビリー・マックも、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズで主人公の宿敵デイヴィ・ジョーンズ役を務める、ビル・ナイです。
ほかにも若かったり役のイメージが違ったりで、いわれないとなかなか気づけない有名スターが共演しているので、気づくとテンションが上がるかも知れません。
私は『ウォーキング・デッド』が好きで、やさぐれた髭もじゃリックに慣れていたため、綺麗なリックが見られてテンションが上がりました。
ちなみに本記事で「Mr.ビーンっぽい」と紹介しているのは、まさに『Mr.ビーン』のローワン・アトキンソンです。
というわけで総評!
評価: 5.0映画『ラブ・アクチュアリー』は、普遍的な愛、そして人生を描いた群像劇です。
「サーカスのような世界」
「それが人生なのか」
以上、映画『ラブ・アクチュアリー』の感想と解説でした。
THIS IS THE ANSWER.