犬にマジック(手品)を見せて不幸になった顔を共有して笑う人間の醜悪さ。
よくわからないコンテンツ、
- 外国人のコント
- メッセージ動画
- 外部SNSへの誘導
などはすべて、画面を長押しして、
連打で幸せになれます(ちなみに「ブロック」は普通に動画が流れてくるので意味がありません。Junya氏で検証しました)。
さてしかし、こうして動物王国を築いた私のTikTokにも、ひとつだけ不幸があります。
ソース:Doggos Feels Betrayed When Hooman Plays Trick On It – YouTube – 2021年10月31日閲覧。
こういうやつ。
もう犬の可哀想な顔を見れば、虐待だってことは一目瞭然じゃないですか?
でもそれでは感情論に終始してしまうため、本記事では論理的に考えて、いかにこのイカサマが犬を不幸にしているのかを解説します。
では以下目次です。
「シェル・ゲーム」を悪用した虐待マジック
さて、上記が動物虐待マジックの一例です。
カップではなく、両手でおやつを握って隠すパターンなどもありますが、いずれにしてもやっていることは同じです。
つまりこのシェル・ゲームは、ほかのマジック……、
- 単純におやつを消失させるだけのマジック
- 布の向こうにいた飼い主が消えるマジック
- 普通に人間に見せるような宴会芸マジック
などの知的好奇心をくすぐるマジックとは、一線を画すことがわかるでしょう。
私も、動物に対するマジックはすべて虐待だ、などという狭量な主張をするつもりはありません。
人間でいえば、
このぐらいのショックを与えるマジックは虐待だといっているんです。
この宝くじの比喩は、全然誇張ではありません。
なぜなら、
「不幸」とは「比較」から生まれるという例
ここからは、いかに「比較」が「不幸」をもたらすのか、ふたつの事例、
- TikTokの金持ち美男美女を見て病む若者
- 世界を知って不幸になったブータン国民
をご紹介します。
では①、「TikTokの金持ち美男美女を見て病む若者」から参りましょう。
TikTokの金持ち美男美女を見て病む若者
学生たちの青春はもちろん、大人たちのえげつないキラキラコンテンツも、
- 高級ブランドや、高級化粧品で着飾っているモデル級美女
- 高級外車や、高級スポーツカーに乗るアイドル級イケメン
- 高級ホテルでのプール遊びや、高級旅館の露天風呂や絶景
見たことあるでしょ?
で、このまばゆいばかりの光を見て思うわけですよね。
こうして「自分」と「他人」を比較することで、不幸が始まります。
ちなみに美容関連で一応いっておくと、TikTokの加工機能(修正機能)はマジック級なので、
です。
現実には、あんなにキリっとした小顔でパッチリしたお目々で整っている顔立ちの凜々しい色白や美形は、ほとんどいません(何人見たことがある? 現実で)。
それとお金関連でいっておくと、高級ファッションや札束とかも、レンタルすれば動画のなかではだれでもお金持ちになれます。
つっても、
世界を知って不幸になったブータン国民
2012年から毎年国連が発表している「世界幸福度ランキング」という調査がある。世界150以上の国と地域を対象とした大規模調査で、アンケートやGDP(国内総生産)、社会保障制度、人生の自由度や他者への寛容さなど、さまざまな項目を加味してジャッジされる。
(中略)
一方、南アジアにあるブータンは、発展途上国ながら2013年には北欧諸国に続いて世界8位となり、“世界一幸せな国”として広く知られるようになった。国民が皆一様に「雨風をしのげる家があり、食べるものがあり、家族がいるから幸せだ」と答える姿が報じられたのを覚えている人もいるだろう。しかし、ブータンは2019年度版で156か国中95位にとどまって以来、このランキングには登場していない。
「かつてブータンの幸福度が高かったのは、情報鎖国によって他国の情報が入ってこなかったからでしょう。情報が流入し、他国と比較できるようになったことで、隣の芝生が青く見えるようになり、順位が大きく下がったのです」(友野さん・以下同)
ソース:ブータン「世界一幸せな国」の幸福度ランキング急落 背景に何が? – Yahoo!ニュース – 2021年10月31日閲覧。
つまり、ブータンの幸福度が高かった頃の状況を一言でいえば、
ってやつでした。
大海を知らなければ、狭っ苦しい井戸で満足できていたんです。
でもブータンは、インターネットやスマホの普及で、
になってしまいました。
シェル・ゲームで騙された犬の状況に当てはめると、
ってことです。
そこで、「比較」が生まれますよね。
「虐待」とは?辞書「惨い扱いをすること」
幼児です。
つまり「比較」は理解できるけど、比較が生み出す「不幸」は自己解決できない知能です。
だから人間の2歳児~3歳児に、イカサマのシェル・ゲームを仕掛ければ虐待ですよね?
まあ……私の記憶力を総動員して幼児時代を再現してシミュレートすると、おそらくこうなるので虐待にはならないかもしれません。
人間の幼児は、犬みたいに厳しく躾けられていないため、顔をヨダレと食べカスでぐちゃぐちゃにしながら欲望の赴くままに食べ物を貪ります。
まったく、浅ましい生き物だ……。
犬は、大量のおやつがあったことを知ると、ただじっとなにかに耐えるような表情を見せて動きを止めます。
悲しみに打ちひしがれ、おやつも喉を通らなくなり、自分の選択にミスがあったと自分を責め立てるような反省の念を顔に滲ませます。
人間の幼児だったら、浅ましくも手を伸ばすか、それが禁止されれば駄々をこねて泣き喚く場面なのに。
犬はただ静かに、悲しみを噛みしめます。
私は恥ずかしい、こんなにも人間に忠実で忠誠を誓っている犬に、惨めな思いをさせる人間が恥ずかしい。
ぎゃく‐たい【虐待】 の解説
ソース:虐待(ぎゃくたい)の意味 – goo国語辞書 – 2021年10月31日閲覧。
[名](スル)むごい扱いをすること。「動物を―する」
ぎゃくたい【虐待】
ソース:岩波 国語辞典 第七版 新版 – 株式会社岩波書店
〘名・ス他〙むごい扱いをすること。「動物を―する」
と書かれていますが、この「むごい」は漢字で書けば「惨い」であり、「みじめ」⇒「惨め」と同じ字です。
まとめ:
- 犬にとって、食べ物の恨みや、食べ物の悲しみは計り知れない
- 人間にとっての、お金の恨みや、承認欲求の悲しみと似ている
- それなのに、食べ物を使った手品で犬を裏切るのは動物虐待だ
以上です。