もう、子どもが少ない男はしっかり反省して!!
~これまでのあらすじ~
上記発言は、自民党の上川陽子大臣(71歳)が支持者らの前で訴えた内容で、いろいろと問題視される結果を生みました。
そして上川大臣は発言を撤回したわけですが、自民党は忘れてしまったのでしょうか?
今月は、やはり自民党の笹川尭元総務会長(88歳)が支持者らの前で、
~自民党群馬県連大会、笹川尭元総務会長の発言~
ソース:「子どもの少ない人は反省を」 笹川尭元総務会長が自民会合で発言 – 朝日新聞デジタル – 2024年7月21日閲覧。
上記もまたジェンダー差別に当たるのは、上川陽子大臣の記事ですでに指摘したとおりです(目次⇒「ジェンダー差別の問題は?」)。
というわけで、また同じ指摘を繰り返すのも芸がないし、かといって男性差別だけ取り上げないのは男女平等に反するし、
- 女は産め
- 男は産ませろ
私は矛盾する思想は無価値だと思っていますが、①②「自民党の思想」は一貫しています。
たとえ敵対する思想であっても、一貫した思想には一定の敬意と理解が必要ですよね?(彼を知り己を知れば百戦あやうからず!)
では以下目次です。
日本の少子化はお金の問題?いや男性の問題
~自民党、笹川尭元総務会長の発言~
お金を出したら人口が増えると思ったら大間違いだ。そんなことはありえない。やっぱり男がしっかりしないといかん。あなたの子どもならぜひ産みたい。作りたい。(女性が)そういう気持ちになるような旦那が増えなきゃだめだ。みんな胸に手を当てて反省してください。子どもの少ない人は。
もちろん人間のことですから、子どもができない人もいる。しかし、その人はその人として働いて、世の中のために尽くしているからそれはそれでいいんだ。
やっぱり男がしっかりすれば、必ず女性は子どもをこしらえてくれる。頼まなくても、わが愛する主人のために子どもを産もうとなる。お金の問題ではない。(前橋市内での自民党群馬県連大会で)
ソース:「子どもの少ない人は反省を」 笹川尭元総務会長が自民会合で発言 – 朝日新聞デジタル – 2024年7月21日閲覧。
以上が確認できる限りの全文です。
笹川元会長は日本の少子高齢化問題をテーマに発言しており、少子化対策(人口増)にお金のバラマキは有効ではない、ありえないと仰っています。
たしかにそのとおりですよね、出会いや恋愛や結婚や出産や育児にお金は必要だと思われるかもしれませんが、
~厚労省『令和5年(2023)人口動態統計』&doda『平均年収ランキング2023』~
- ソース1:合計特殊出生率 2023年は1.20 出生数72万7277人 ともに過去最低 – NHK – 2024年7月21日閲覧。
- ソース2:【都道府県別】平均年収ランキングTOP3、「東京」「神奈川」あと1つは? – マイナビニュース – 2024年7月21日閲覧。
上記は一例ですが、人間は金持ちなのに子無しだったり、金無しなのに子持ちだったりする例はいくらでも見つかります。
東京都(年収1位・出生率47位)、神奈川県(年収2位・出生率42位)、千葉県(年収3位・出生率40位)……。
沖縄県(出生率1位・年収47位)、長崎県(出生率2位・年収38位)、宮崎県(出生率3位・年収40位)……。
笹川元会長にいわせれば、必要なのはお金ではなく、「しっかりした男」です。
しっかりした男なら、マッチングアプリや街コンや婚活で無駄にお金を浪費しなくても、勝手に女性がすり寄ってきて子作りをおねだりしてくる世界観です。
しっかりした夫と愛を誓った妻は、愛する夫をご主人様と認めて下僕となり、出産費用も育児の手間暇も惜しまず子だくさんを求めてくるエロゲ世界観です。
笹川発言からは、しっかりした「しっかりした男」像は読み取れません。
「安倍晋三(自民党元首相・子無し)」と突っ込まれるのを回避するためか、不妊への配慮の弁はしっかり述べられているのに……。
その他の男女は、「しっかりするべき男」と「しっかりした男に全力で欲情する女」しか登場しないのです。
しっかりした男とは?男らしいマッチョな男
~女性はマッチョの子どもを産みたい~
さて、女性視点において上記を満たすのが「しっかりした男」です。
「しっかり」は漢字で「確り」と書くように、一般的には確かな作りや確固たる意志、確実性や正確性を指します。
さらに「お金の問題ではない」ので、お金にしっかりしているだけの男、収入や貯金や資産の項目は除外されます。
たしかに私もそれは第一に考えました、イケメン高身長と繋がった女性は頭がフットーしそうになり、子作り以外は考えられなくなるのではないか?
白人系やジャニーズ系やK-POPアイドル系のイケメンを前にした女性は、ファックミー連呼しだすのではないか?
まあそういう現実は一部あるかもしれませんが、
と、我らが笹川元総務会長は仰っています。
ブサイクや低身長が「胸に手を当てて反省」したところで、イケメンや高身長に生まれ変わったりはしないので、ここで怒られているのはブサイクや低身長ではありません。
まあブサイクや低身長に生まれたこと自体を遺伝子レベルで反省しろと仰っている可能性はありますが、さすがに自民党といえどもそこまで鬼畜ではないと信じましょう。
しっかり【△確り・×聢り】
岩波 国語辞典 第七版 新版 – 株式会社岩波書店
〘副[と]〙
①堅固なさま。
㋐かたく。「―しばる」。じょうぶに。「―作る」
㋑人の性質・考え方が堅実で、あぶなげないさま。「―した人」「―者」
㋒〔取引〕市場(しじょう)に活気があり、相場に下落の傾向が見られないさま。
②確かであるさま。「身元が―している」
③確実に。気を引きしめて十分に。「―やれ」「気を―持て」「中まで―火を通す」
▷近年「―覚える」のように、「はっきり」との差を無視した使い方が現れているが、前者は忘れないように確実にの意、後者は他と紛れないように明瞭(めいりょう)にの意。
⇒強い
辞書を引くと、「しっかり」という言葉は「強い」と関連づけられていました。
さらに「堅固」「かたく」「じょうぶ」という意味もあります。
その他の意味は、別に堅実な男も身元がしっかりしている男も気を引き締めている男も、それだけで女性の情欲をかき立てたりはしないので無視して良いでしょう。
そうですよね、女性は弱くてなよなよしていて自分を守ってくれなさそうな頼りない男なんて嫌いだし、そんな男とは添い遂げたくありません。
女性が好きなのは、強くてオラオラしていてがっしり体型の、「堅固」「かたく」「じょうぶ」な男です。
つまり一言で言い換えれば、
笹川元会長の「しっかりした男」理論は、マッチョイズム(男らしい男主義)だった……!!
そう考えれば、「胸に手を当てて」と反省を促した理由も説明できます。
たとえば筋肉芸人のなかやまきんに君が、よく自分の筋肉に話しかけたり質問したりしているように、
といった意味で、胸に手を当てろと仰ったのです。
ちなみに少し気になって調べたら、なかやまきんに君(44歳)は現在独身で子どももいませんが、そこに触れると話がややこしくなるので触れません。
そしてもちろん、マッチョイズムが追い求める男らしさは、外見上の筋肉に限った話ではありません。
- 男らしい発言
- 男らしい行動
- 男らしいメンタル
①②③「男の中の男」、あるいは「漢の中の漢」を目指すのがマッチョイズムです。
男も惚れる男(まあ自民党は同性愛反対が目立ちますが)、これこそまさに自民党が提唱する「しっかりした男」の理想像でしょう。
では次の項目からは、「しっかりした男」になりきり、
子どもが少ない男はマッチョイズムを見習え
~結局カッコイイのは男らしい男~
俺がモテないのは親が悪い、親ガチャに失敗したからイケメンでもないし金持ちでもないんだ、だからモテないんだ……。
俺がモテないのは女が悪い、馬鹿女がイケメンや金持ちにしか優しくしないんだから、そりゃ男の女離れも進むだろ……。
俺がモテないのは社会が悪い、こんな格差社会で老害に搾取される日本じゃなかったら、俺も彼女ぐらい作れてたよ……。
それはモテませんよ、男なのに女々しいしひねくれているし、ジメジメしているのは女だけで十分です。
ジメジメ男がドラマや映画や小説の登場人物なら、モテ男か非モテか、どういうふうに描かれますか?
弱男ポルノと化した低俗な漫画やアニメやラノベでは、主人公で無双してハーレムを築いているのかもしれませんが、
いや負け犬じゃない、俺は会社を作ってビジネスを成功させて金もたんまり稼いだ、若い愛人だって何人もいるから……。
いや負け犬じゃない、俺はイケメンだし金持ちだし人脈もヤベーし、芸能人とかラウンジ嬢とかイイ女抱きまくった……。
いや負け犬じゃない、俺はショーペンハウアーを読んで孤独が幸せだと悟ったし、バカで気持ち悪いチー牛とは違う……。
子ども以外のなにを作ったところで、どれだけ起業に成功して大金を稼いだところで、自分の遺伝子や遺志や遺産を引き継いでくれる子どもはいないわけでしょう。
どれだけ女を食い散らかしたところで、それでひり出したのがうんこだけなら、うんこ製造機の人生です。
しかも、恋愛や結婚や出産育児ができるだけのお金や容姿や環境に恵まれながら、子どもを産んでいないなら、
自分が幸せに生きられたのは、親がこの社会に産んでくれたおかげなのに……。
自分がお金を稼げたのは、他人がお金を払ってくれるお客さんを産んでくれたおかげなのに……。
自分が女を抱けたのは、他人が抱かせてくれる娘を産んでくれたおかげなのに……。
無駄に社会のリソースを食い潰し、無駄に女体を食い散らかし、無駄に快楽に溺れているだけのバカは薬物中毒者と大差ありません。
食い逃げをしない分、まだ家に引きこもってティッシュに無駄撃ちしている童貞ニートのほうが無害です。
しかも、童貞は無駄にしたティッシュの枚数なんて数えませんが、女遊びしか能がない不能は無駄に経験人数を数えて自慢しているんだから滑稽です。
ああよかった、俺はぎりぎり結婚できたし子ども作ったからセーフ……と思った男も安心するのはまだ早いです。
たった1人産ませただけで成し遂げたみたいな顔をされてもリアクションに困るし、2人目や3人目を産ませるのに尻込みしているようでは男ではありません。
まさか、お金がないとか時間がないとか、国が子育て支援してくれないとか、
父親と母親で2人のリソースを割いて、子どもを1人しか産んでいなかったら人口は減るし、2人しか産んでいなかったら人口は増えません。
この少子化対策が課題の日本で、結婚出産に係る多大な恩恵を受けておきながら、人口増に貢献しないなんて無責任は許されません。
特に男は、自分の器や背中が大きいと自負するなら、恋愛や結婚すらできなかった負け犬や生産性ゼロの子無しの分まで背負って、
でもでも、子どもを3人以上産ませて育てるのはさすがに厳しいし、成人するまでにかかる生活費や教育費や医療費だってバカにならないし……。
教育支援や保険制度や大学の無償化だって十分じゃないんだし……。
年金だって十分じゃないんだから、こっちは老後資金を蓄えるために貯金もしなきゃだし……。
そんなに国や社会に不満があるなら、自分で変えればいいだけでしょう。
男なら、自分の望みぐらい自分で叶えろよ。
男なら、自分の欲しいものぐらい自分で勝ち取れよ。
でも最近の男は、自力でなんとかするという意志は皆無だし、革命なんかとは無縁です。
いい歳こいて、幼稚で無能で他力本願で、ただ口を開けながらぼーっと餌が運び込まれるのを待っているだけの毛も生え揃っていないようなガキんちょばかりです。
それじゃあ女性だって、発情も欲情も劣情も抱きようがありません。
精神的に自立していない男は、いますぐその腐った根性を叩き直して、立派に立ち上がらなければなりません。
この人は弱音を吐かない、この人は責任から逃げない、この人は国や家族のために戦ってくれる……。
そういう男にこそ女性は愛されたいし、守られたいし、また愛してあげたい守ってあげたい支えてあげたいと思うものです。
愛する男の遺伝子をこの世に残す、これが女性にしかできない、男への最大の愛情表現です。
逆の視点でいえば、男は女性に支えられなければ、子孫繁栄も国力増強も成し遂げられない。
だからこそ、男は女性を支え、女性に支え合いたいと思わせられる男でなければならないのに、
だから子無しなんです。
あるいは、せいぜい1人か2人ぐらいしか子どもを産んでもらえず、子孫繁栄も国力増強も成し遂げられないんです。
国や社会のお荷物なんです。
これが「しっかりした男」です。
子どもが5人もいれば、自分が歳を取って要介護になったとしても、自分が産み育てた子どもや孫たちがみんなで面倒を見てくれるでしょう。
子どもが少ない人は、1対1で負担を押しつけたり、他人が産んでくれた子どもにフリーライドしたりして押し潰すつもりなんですか?
まとめ:政治とジェンダーとマッチョイズム
- 自民党の笹川尭元総務会長によれば、少子化対策はお金の問題ではなく、男がしっかりするべき問題
- 「しっかりした男」を見れば、女性は勝手に子作りに励み、ぽんぽんぽんぽん子どもを産んでくれる
- 「しっかりした男」とはマッチョであり、子どもが少ない女の腐ったような男はしっかり反省しろ!
以上です。
私は本記事で書き連ねたようなマッチョイズムを全面的に支持するわけではありませんが、しかし一理はあると思うし、理解もできます。
なにより、自民党や笹川元会長にこのようなマッチョイズムの思想が流れているとして、
- 1代目……笹川良一(衆議院議員、国際勝共連合名誉会長など)
- 2代目……笹川尭(衆議院議員、自民党総務会長など)
- 3代目……笹川博義(衆議院議員、自民党環境副大臣など)
↑笹川家は3代続けて政治家の家系です(自民党系。国際勝共連合はアンチ共産党で自民党とは協力関係)。
そして88歳になっても引っ張り出されている笹川尭元会長が、自民党の大会で「しっかりした男」像を提唱されるなら、日本人としては全面的に否定するわけにはいかないでしょう。
以上、男は子どもを産ませろ、女は子どもを産め……そうしたジェンダー差別やマッチョイズムは、日本国民の思想なのです。
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