肯定である。
~大谷翔平1000億円契約~
ソース:ドジャース大谷翔平、スポーツ市場最高額の10年1015億円契約…トラウトやメッシ超え – 読売新聞 – 2023年12月15日閲覧。
元チームメイトで世界最高レベルのメジャーリーガー、トラウトを越える契約。
言わずと知れた世界最高レベルのサッカー選手、メッシを越える契約。
大谷翔平の契約は、有能な人間は強欲さを無限に発揮してもいいといっています。
そして無能な人間は、無欲に生きるしかないといっていますが、はたしてこんな区別許していいんでしょうか?
では以下目次です。
大谷翔平の収入は貧富や格差の象徴
~1000億円とは~
日本人は、民間人の4630万円持ち逃げには激怒してネットが大炎上します(阿武町の特別給付金4630万円誤振込事件。2022年)。
一方で、東京五輪(2021)や大阪万博(2025)で何千億円もの税金が浪費されても怒らないし、コロナ使途不明金が10兆円規模でも政権はノーダメージ。
おそらく、1億円ぐらいまでが平均的な日本人の計算能力の限界なのだと思いますが、
- 年俸……約100億円
- 月給……約8億3333万円
- 日給……約2777万円
- 時給……約115万円
- 分給……約1万9000円
- 秒給……約321円
大半の人間は、1年間働いても大谷翔平の1日分にも及びません。
同じ日本人で、同じ成人で、同じ男性でも。
真夏の野外で汗水垂らしながら腰が終わるまで働く土木作業員も、真冬の海で凍傷に晒されながら指が動かなくなるまで働く漁師も、どう考えてもボールを投げたり打ったりするだけの野球選手よりは命を削って私たちが生きるために必要な住居や食料を提供してくれているはずですが、
毎日毎日理不尽なノルマに追われて、上司には頭を殴られ客先には頭を下げてメンタルが崩壊するまで働く営業職の給料も、大谷翔平の足下にも及ばない。
平均的な頭脳と技術と体力で間違いなく日本のトップに君臨し、日々なによりも重いらしい人命を救っている外科医の給料も、大谷翔平の足下にも及ばない。
キモくてグロくて息が臭くて、金がなければだれにも相手にされないクソ客に抱かれているキャバ嬢や風俗嬢やパパ活女子の給料も、大谷翔平の足下にも及ばない。
「宝くじは夢を買う」というけど、7億ドル(約1000億円)の大谷翔平を見たあとでは夢がないね。
いや、正確には7億ドル(約1015億円)ですが、私も意識しなければ1000億以上は認識できません。
年末の宝くじで1等賞を2回当ててようやく手に入る奇跡の金額が、大谷翔平算ではどうでもいい端金に。
吉村知事は11日、報道陣の取材に、西村康稔経済産業相が国会で「国が補塡(ほてん)することはない」と答弁したことを念頭に「万博は国の事業で、国が(不足分を)負担しない中、府市が負担するわけがない」と説明。その上で、運営費の対応については、14日に開かれる日本国際博覧会協会(万博協会)の理事会で協議する意向を示した。横山市長も11日、報道陣に「府市で(赤字を)カバーする認識はありません」と述べた。
運営費は当初809億円と見積もられていたが、人件費の高騰などで1千億円超に膨らむ見通し。万博協会が14日の理事会で報告する方向で調整している。(野平悠一)
ソース:万博運営費の増額 「赤字でも大阪府市は負担せず」 吉村知事ら – 朝日新聞デジタル – 2023年12月15日閲覧。
国と大阪府が負担を押しつけ合うようなゴミイベントの巨額開催費&赤字も、大谷翔平一人分で補填可能。
1000億円までの税金泥棒なら、大谷翔平だけで完封可能。
その上で、残りの15億円でも孫の代まで一生遊んで暮らせる。
だから大谷翔平は、1000億円を手に入れます(まあ細かい契約や手取りは置いておくとして。副収入も併せれば手取り総額1000億円以上は稼ぐでしょう)。
そして私たちは、大谷翔平のチンカスみたいな賃金から生活費や税金を捻出しながら、一生国や都市の負担を押しつけられて死ぬ。
大阪万博の無駄金だって、国も大阪府も負担しないとかいって、結局大谷翔平の足下にも及ばない私たちみんなで負担することになるんだし、
たかが2000万円、だから大谷翔平なら1日で稼ぐ金額ですよ。
でもそんな端金を、私たちは人生の大半の時間を労働に使って、ようやく貯められるか貯められないかわからない感じの生活を送っている。
ねえ、みんな本当にそんなにギリギリでいつも生きていたいの?
大谷翔平の能力は努力ではなく幸運
~1000億円は努力の賜物か?~
老害か賢者か。~とある市の施策~安田尊@駅前を謳うブログ。駅前の家族向けの市営住宅から、契約満了の独居老人を転居させて、子育て世帯を入居させたい。安田尊@Questionを謳うブログ。それで誰が幸せになるんで[…]
↑どれぐらい知っているのかというと、「ストイック」の語源が元々は「ストア派の哲学者」で、この前セネカ(ストア派の代表的な哲学者)の著作を引用しながら老害をぶっ叩いて憂さ晴らしをしていたぐらい。
さてしかし、大谷翔平がストイックなのは、大谷翔平の功績なんでしょうか?
私は先日、障害者差別解消法改訂(事業者に対する障害者への合理的配慮の義務化。2024年4月施行)の研修も受けてきたんですが、
~障害者差別解消法~
一般に提供しているサービスは、障害者に対しても合理的配慮によって提供しなければならない。
障害を理由に、一般に提供されているサービスから、障害者を排除してはならない。
みたいな話を聞いたんですが、その機会の平等を私たちに当てはめると……、
- 身長193cm
- 体重95kg
私がどれだけ努力したところで、①②「大谷翔平の身体能力」は、その身体すら手に入れられなかったでしょう。
ストイックに頑張ったぐらいで身長が190cm↑に伸びるなら、それこそ世の中のチビは人権がなくなります。
だって努力で身長が伸びるのに身長が伸びていないってことは、そいつは努力していないナマケモノってことだし、
ソース:「お前らが身長ないのがアカン」「コメント欄ホビホビ」 「170cmない男は人権ない」炎上元プロゲーマー開き直り挑発 – J-CAST ニュース – 2023年12月15日閲覧。
↑たぬかな氏の人権剥奪宣言は、努力主義&能力主義において正当化されます。
でも現実には、たぬかな氏は炎上し、スポンサーの『レッドブル』などからも契約を解除されました。
- 身長170cmない……生まれつき
- 身長170cmある……生まれつき
- 身長190cm以上……生まれつき
①②③「身長」は、何cmだろうが生得的&遺伝子的な影響が大きいステータスです。
大谷翔平は恵体、恵まれた体ですよね。
恵まれた体を持って生まれた人間と、恵まれない体で生まれた人間……。
実際、私は大谷翔平に比べれば障害者みたいなものです。
私の身体能力は、大谷翔平より障害者に近い。
私の経済力も、大谷翔平より就労継続支援(A型作業所とかB型作業所とか)で働いている障害者に近い。
- チャンス
- メンタル
- 成功体験
大谷翔平が、その恵まれた身体機能で獲得してきた①②③「機会」と同等の機会が、私にも提供されて然るべきでは?
たとえば、②「健全なる精神は健全なる身体に宿る」なんて言葉もあるぐらいだし。
大谷翔平の身体があれば、その身体と同等の配慮があれば、私だって大谷翔平みたいにストイックに頑張れたかもしれない。
大谷翔平の富は再分配するべきか?
~平等が合理的ではない理由~
当然、自分のブログで読み書きができる私より、PCやスマホやネット代すら払えない貧困層への配慮が優先されるでしょう。
当然、お金があれば自力で読み書きできる貧乏人より、視覚障害者や指や腕が欠損している身体障害者への配慮が優先されるでしょう。
当然、補助があれば読み書きができる軽度障害者より、補助があっても読み書きができない重度障害者への配慮が優先されるでしょう。
悲劇のヒロイン決定戦、弱者マウント世界大戦が勃発すれば、世界は不幸のどん底に叩き落とされます。
少なくとも世界人口80億人分ぐらいの不幸自慢は見積もっておかなければなりません。
いや、じつは世界人口は80億4500万人ぐらいですが、
~WFP(国連世界食糧計画)の試算~
- ソース1:世界人口白書2023 – UNFPA Tokyo 国連人口基金 駐日事務所 – 2023年12月15日閲覧。
- ソース2:A one-time appeal to billionaires to help fight famine – UN World Food Programme (WFP) – 2023年12月15日閲覧。
ということは、全盛期の大谷翔平が90年分タダ働きで食糧支援をしても、まだ80億人分の食糧問題が手つかずのままです。
先進国やトップアスリートの恵まれた食事や栄養管理を基準にすれば、当然飢餓から救ったばかりの4200万人にもまだまだ「配慮」は必要でしょう。
しかも食糧問題に限ってこれなんだから、食料以外の医療や貧困や環境問題も含めればどうなるのか?
その不幸の救済を繰り返せば、たかが1000億円なんて一瞬で溶けます。
ビル・ゲイツとジェフ・ベゾスとイーロン・マスクの全財産(まあ50兆円ぐらい?)を投入しても、焼け石に水です。
もちろん、お金を出すだけでなんでも解決するわけじゃないんだから、
自分より少しでも配慮が必要な弱者がいれば、自分はその弱者の介護や補助に駆り出されるだけの人生。
だれも野球を観る暇なんかなくなるでしょうし、だれも球遊びを楽しむ余裕はなくなるでしょう。
なぜなら野球やスポーツは、人類の生存や生命維持には不要だし、
弱者たちを一人残らず平等に救済するためには、持てる者は持たざる者にすべてを捧げなければなりません。
捧げたいですか?
私は嫌です。
大谷翔平ほどではないけど、かなり恵まれてた……平等で公平な再分配が実現すれば、結局はいまより取り分が減る程度には。
私だけではなく、世界を平等にするか否かを決める能力を持った人間は、全員恵まれています。
そして恵まれた人間が、世界を平等にしないと決めているから、世界は不平等です。
そう思うなら、私たちは大谷翔平が1000億円をドブに捨てなくても文句をいうべきではないし……。
一番下には手が届かないと言い訳をするなら、一番上から手が差し伸べられないと文句を垂れるべきではない。
たしかに社会に格差は存在するし、差別も存在しますが、
まとめ:格差を肯定して生きていく
- 大谷翔平の10年で1000億円の契約は、単純計算で日給2777万円、1日分だけでいいから私の老後資金として提供してほしい
- 大谷翔平の莫大な収入は、しかし大谷翔平の努力100%の結晶ではないし、努力しても無駄な凡人に生まれた私への差別だ
- でも大谷翔平に富の再分配を要求するなら、私の富も再分配されるんだが、それは嫌なので格差社会を肯定して生きていく
以上です。
大谷翔平の身長と収入を見れば、いかに自分がちっぽけで無価値な人間なのかを思い知らされます。
そして悲劇の主人公を気取り、格差社会の歪みを叫び、革命を始めたくなる気持ちはわかります。
日本人は恵まれている、日本に生まれた時点で勝ち組だといわれる理由は、世界の最底辺を見ればわかります。
世界の最下位と自分を比べないなら、世界の最上位とも比べるべきではない。
以上、貧困国の惨状を無視するように大谷翔平を黙認して、心の平穏を保ちましょう。