忘れてもいい。
木村花さんがいる世界と、いない世界
系の発言を今月確実に10回は(通りがかりで)見かけているし全然忘れられない。
私はテラスハウス民ですらないのに……。
でも世の中には、テラスハウスを視聴していたくせに忘れている人間も当然いる。
あるいは、テラスハウスの出演者を中傷していたくせに忘れている人間も当然いる。
私は志村けんさんの訃報があってから、
- 「志村けん」がいる世界と、
- いない世界
について述べている。
まあそもそもついてゆかなくてもいいんだろうけどね。志村けんの訃報を1週間遅れで知った友人の話安田尊@Aちゃんを謳うブログ。私の友だちにAちゃん(仮名)という子がいて、安田尊@カエルを謳うブログ。Aちゃんは[…]
そして世界はまた、
- 「木村花」がいる世界と、
- いない世界
に分断されている。
そこで必ずしも「木村花さんがいる世界」に留まる必要はない。
けど「木村花さんがいる世界」から離れて「木村花さんがいない世界」にもついていけていない人間が、
といわれてしまうのだ。
そういわれたくなければ、
- 絶えず意識して「木村花さんがいる世界」に留まり続けるか、
- 学習能力を発揮して「木村花さんがいない世界」についていく
しかない。
木村花さんがいる世界に留まれるか?
木村花さんについて思いだしておくと、木村花さんは2020年5月23日に自ら命を絶っている。
誹謗中傷を苦にしての絶望だったといわれている。
その根拠として、木村花さんは死の直前、
傷付いたのは否定できなかったから。
死ね、気持ち悪い、消えろ、今までずっと私が1番私に思ってました。
お母さん産んでくれてありがとう。
愛されたかった人生でした。
側で支えてくれたみんなありがとう。
大好きです。
弱い私でごめんなさい。
とツイートしており、(運営に削除されるレベルの)尋常じゃないリストカット画像も4枚添付していた。
また木村花さんが最期にツイッターで「いいね」を押していたのは、
お前が早くいなくなれば
みんな幸せなのにな。
まじで早く消えてくれよ。
という自身への攻撃だった(ツイート主は木村花さんの死後、アカウントを削除して逃亡済み)。
だからほかの要因があったとしても、木村花さんの死因として「誹謗中傷」がカウントされることは間違いない。
そしてこうした木村花さんにまつわる一連の事件から得られる教訓は、
だ。
木村花さんを忘れない限り、「木村花さんがいる世界」に住んでいる限り、この教訓もセットで忘れずに済む。
たとえそれが国民的スターの死であっても、志村けんさんがCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)で亡くなったことさえ人々は忘れて、ウイルスの脅威もセットで忘れて遊び歩いてしまう。
そこで「忘れない」努力をすることもできるけど、少なくとも赤の他人が継続することは難しい。
国民的スターだろうが、法改正が叫ばれるレベルの悲劇だろうが、人は忘れる。
みんな次第に、「志村けんさんや木村花さんがいない世界」へと移行して、慣れていく。
だからこそ、上っ面の意識に頼るのではなく、学習と習慣によって無意識に銘じておく必要がある。
木村花さんがいない世界で活きる意識
といわれてしまう人間は、大抵の場合において行き過ぎた暴言や罵詈雑言を吐いている。
少なくとも私がその場に通りかかって観察した(私の基準で判断した)十数回において、例外はひとつもなかった。
つまり「もう木村花さんを忘れたの?」とは、
と確認しているのだ。
が、冷静に考えれば、木村花さんに重責を背負わせすぎだ。
まるでそれは、
と冷笑しているようでさえある。
しかし事ある毎に木村花さんの名前を使ってその効力を確認する行為は筋が悪い。
だから誹謗中傷問題に関して、木村花さんのことを覚えているか否かはさほど重要なテーマではない。
木村花さんのことを忘れていることと、誹謗中傷を抑止することは矛盾しない。
木村花さんのことを忘れていても、誹謗中傷さえ抑止できれば問題はなくなる。
ということは、重要なのは木村花さんのことをずっと忘れないでいることではない。
木村花さんの一件はあくまで一件でしかなく、肝に銘じるには少々力不足だ。
だから木村花さんの死を無駄にしたくなければ、その一件に飽き足らず、次の一件でも二件でも三件でも、多段的に多角的に学習して刻むべきなのだ。
無意識に。
そうして、
という精神と一体化することができれば、「木村花さんがいない世界」についていくことができる。
人間なら絶対に忘れてはいけないこと
絶対に忘れる。
どれだけ重要でも忘れる。
絶対に忘れてはいけないことを絶対に忘れてはいけない場面で絶対に忘れる。
なんて嘘だ。
人間の表層上の記憶や意識なんてものは脆弱で欠陥だらけだ。
でもそれは、学習しなくていいという意味ではない。
これはマジだ。
木村花さんは最期、
と言い遺している。
逆なのだ。
私は彼女の見ていた「人間」が、人間としての体を成していたとは思わない。
THIS IS THE ANSWER.