事故そのものというより、事故のニュースに関連する意見についての私見です。
ツイッターで見かけた意見などを参考に、私の考えを述べます。
簡単な事故概要
2019年5月8日午前、大津市で直進車と右折車の車二台が衝突しました。
直進車はコントロールを失い、信号待ちをしていた保育園児の列に突入。
園児たちは保育士の引率の元、朝の散歩中だったそうです。
この事故により、児童二名が亡くなり、一時意識不明の重体となった児童や、骨折などの重軽傷を負った保育士、児童が多数病院へ搬送されました。
車を運転していたのは、直進車が62歳女性(無職)、右折車が52歳女性(無職)。
ふたりとも現行犯逮捕されましたが、直進車の女性は事故当日の夜に釈放されました。
また、事故当日の夜には保育園側が会見を開き、マスコミの対応に追われました。
なぜ園児の列に?
まずは今回の事故について、最初に気になった意見。
という、園児の列に突っ込んだのは故意である、といわんばかりのツイートが散見されましたが、故意ではなく事故なので、「わざわざ」とか「わざと」とか「あえて」ではないと思われます。
ではなぜそんな表現をしてしまうのか。
私は不注意だと思います。
あるいはニュースをよく読んでいない、理解していない、早とちりからくる勘違いです。
被害が被害なので、感情的になるのはわかります。
しかし、それでは交通事故を起こすような注意散漫なドライバーと同じです。
冷静になったほうがいいと思います。
人間は事故を起こす
次に、今回の事故を受けて、
と表明する人も少なくありませんでした。
個人的には一番目を引くツイートでした。
私が思ったのは、
ということです。
事故のニュースを見て気を引き締めたんだとしたら、その前は……?
気を引き締めていなかった?
車の事故は何十年もずっと継続的に起きていて、最近に限ってもゴールデンウィーク前後には痛ましい事故が連続していました。
なのに、
という感想です。
本来は免許を取得した瞬間、またはそれよりも前、初めて運転席に座った瞬間から必要な心構えではないのでしょうか。
私は「気を引き締めよう」という人を責めようというわけではありません。
気を引き締めないよりは引き締めたほうがいいのは確かです。
ただ、その意志は維持できないんだろうな、とも思います。
だから毎回、事故のニュースを見て気を引き締めることになるんでしょうし、気づいたときには手遅れで、事故が起きているんだと思います。
「気を引き締めよう」ではなく、「運転をやめよう」にならない限り。
もちろん、現実には運転をやめられない事情があるのでしょう。
技能の鈍った高齢者が、しかし免許を返納しない理由と同じです。
そして、事故が避けられないのも現実です。
社会が車を利用する限り、事故は目に見えないリスクではなく、目に見えた危険です。
安全運転なんて存在しないことは、道路を見ていればわかります。
- 法定速度は守られていますか?
- 車間距離は守られていますか?
- 駐車場所は守られていますか?
- 一時停止は守られていますか?
現実には、守られていません。
信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況全国調査 2018年
信号機が設置されていない横断歩道を通過する車両を対象(11,019台)に行ったところ、歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止した車はわずか948台(8.6%)という結果となりました。これは、前年の調査時と比べて0.1ポイントの増加に留まり、依然として9割以上のクルマが止まらない結果となりました。
→ JAF|信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況全国調査 – 2019年5月9日(木)閲覧。
安全のために制定された道路交通法よりも、自分たちの都合を優先する車が九割です。
一台でも道路交通法を蔑ろにしたり、ミスをしたりすれば、事故が起きる可能性はあるのに、九割が自分のルールで走っています。
特に一時停止無視は、歩行者を蔑ろにしているのと同じです。
日本では九割のドライバーが、こう宣言しているわけです。
ゆえに、事故は必ず起きます。
歴史が証明済みです。
残酷な言い方をすれば、失われる人命は必要コストです。
でも現実です。
車社会の恩恵に与る限り、すべての人はそのコストを支払うことに同意している状態です。
向き合うべきは、事故を起こした運転手や、これから車を運転する個人の問題だけではないと思います。
上級国民
さて次に、
こちらの意見もチラホラ紛れていました。
2019年4月19日、池袋で87歳男性(無職)が車で暴走、事故を起こし、母子が犠牲になるなどの被害をもたらしました。
この87歳男性が現行犯逮捕されておらず、男性の経歴から、
といった憶測を呼んでいます。
その後、今回のような事故で運転手が現行犯逮捕されるたびに、
と蒸し返されている状況です。
これに関しては、今回の大津の事故とは無関係なので、あまり深くは掘り下げません。
が、日頃から警察の対応や法律の運用に不公平感があり、不信感が噴出しているのだと思います。
批判される側は自業自得なので、甘んじて受けるしかないでしょう。
保育園側の会見
次は保育園側が受ける必要のない質問攻めを受けた件です。
なぜ事故の被害者である保育園側がマスコミの質問攻めに遭い、謝罪させられたのか、ということですね。
正直、私は会見を見ていないので知りません。
保育園側に落ち度がないのは明白なので、見る必要性を感じませんでした。
見る必要がなく、見ていられないものは見なければいい、というのが私の考えです。
見る人がいれば、見せる人もいます。
最後に
最後になりましたが、当記事で取り上げた事故の被害者、並びにご遺族の方には心よりお悔やみ申し上げます。
THIS IS THE ANSWER.