ハゲの治療は、技術的には可能です。
~これまでのあらすじ~
- 170cm以上の男……人権あり(恋愛強者)
- 170cm未満の男……人権なし(恋愛弱者)
↑たぬかな氏の発言は、①②「ゲーマーによる恋愛の話題」という言語ゲームにおいては、事実たりえることを確認しました。
その過程で、身長170cm未満の男性をおもっくそディスりましたが、捨てる神あれば拾う神あり。
低身長男性を擁護する専門家の意見を見つけました。
~婚活アドバイザーで「マリーミー」代表の植草美幸氏はこう言う~
ソース:「170cm以下は人権ない」発言は大炎上だが…結婚相談所では今も「身長」重視なのか? – 日刊ゲンダイDIGITAL – 2023年7月27日閲覧。
おお、なんかハードルが5cm高くなっている気がしますが、結局は身長なんてどうでもいいよと……。
でもその代わりに、ハゲがおもっくそディスられており、
みたいな調子なんですが、それってどうなん……?
というわけで本記事は、ハゲに学ぶ!「技術的には可能」でも、「現実的には不可能」な例!
では以下目次です。
ハゲは失礼!技術的には植毛も増毛も可能でしょ?
~婚活アドバイザーで「マリーミー」代表の植草美幸氏はこう言う~
■身体的特徴でも「体重」と「薄毛」には容赦ない
「最近は身体的特徴の中でも、女性から受け入れられないのは『体重』と『薄毛』ですね。体重はダイエットして改善できますから、太ったままの人は自己管理ができない人間と見られてしまいます。『出世もできないのでは?』『長生きしない』と判断する女性が多いです。
ソース:「170cm以下は人権ない」発言は大炎上だが…結婚相談所では今も「身長」重視なのか? – 日刊ゲンダイDIGITAL – 2023年7月27日閲覧。
さて、本記事で取り上げる婚活アドバイザーさんの意見ですが、前半はわりとまともなことをいっています。
要は、デブとハゲは婚活女性から嫌われる。
デブは自己管理ができない、だから仕事もできない、糖尿病や生活習慣病にも悩まされる。
実際は仕事とダイエットは違うし、肥満体型でも長生きしている人はいますが、標準体型と比較すれば分は悪い。
だからデブの人には申し訳ありませんが、デブ擁護はこれぐらいで終わりにしておきます。
問題は後半、ハゲのほうです。
~婚活女性がハゲ男を嫌う理由~
薄毛も同じ。遺伝的にハゲてしまうことが問題なのではありません。今は医学の発達で植毛や増毛が可能なのにほったらかしている美意識に対して、拒絶反応があります。もちろんオシャレなスキンヘッドにしていれば問題ありません」(植草美幸氏)
ソース:「170cm以下は人権ない」発言は大炎上だが…結婚相談所では今も「身長」重視なのか? – 日刊ゲンダイDIGITAL – 2023年7月27日閲覧。
- 「体重」
- 「薄毛」
↑いや、①②「体重」「薄毛」って、いうほど同じか……?
対処法も、①「自分の身ひとつでできるダイエット」から、②「医学で可能」と一気にハードルが上がっていますが……。
嗚呼、いますぐエンジニアでハゲている人に訊いてみたい、
- 技術的に可能
- 現実的に可能
でも、①「技術的には可能だ」と、②「現実的に可能か」は別問題です。
①「やれるかどうか」と、②「やる価値があるか」も別問題です。
①「可能性」と、②「実現性」は別問題であり、
なぜ技術的には可能なのに現実的には不可能なのか
~なぜ現実を理論値で考えてはいけないのか?~
- 医学的には可能
- 技術的には可能
- 理論的には可能
婚活アドバイザーさんはいいます、①②③「今は医学の発達で植毛や増毛が可能なのに」。
しかし、そんなアドバイスで髪の毛が復活するなら、世の中のハゲは悩んでいません。
ハゲが禿げ上がるほど悩んでいる理由は、美意識の問題だけではなく、お金や継続的なケアの問題も含まれます。
~有名サッカー選手、ルーニーの場合~
ルーニーは2011年6月にロンドンの『HARLEY STREET HAIR CLINIC』という有名クリニックで植毛治療を受けて、自身のツイッターで、「25歳でハゲるつもりはなかったから」とつぶやいたことで大きな話題をさらった。
その時に掛かった治療費は3万ポンド(約435万円)とも言われているが、サン紙は「3万ポンドを費やしたにもかかわらず、彼は再び髪を失っているようだ」と辛辣に書き綴った。
ソース:400万円の植毛効果が薄れた? ルーニーの頭皮状態が話題に – サッカーダイジェストWeb – 2023年7月27日閲覧。
ウェイン・ルーニーは元サッカーイングランド代表で、「ハゲのサッカー選手だけで歴代最強チームを作ろうぜ!」といえば真っ先に名前が挙がるひとりです。
そんな世界一流のサッカー選手が、一流のハゲ治療クリニックを訪れて植毛を受けたのに、台無しになる。
それでも年収数十億円のルーニーなら、400万円なんて失っても痛くない金額かもしれませんが、
じゃあ安いクリニックを選べばいいじゃんって、高級クリニックでさえ金をドブに捨てる可能性があるのに、格安クリニックなんて安物買いの銭失いになるのがオチでしょう。
たとえば女性が整形をするとして、格安クリニックで整形したいですか?
必死で優良格安クリニックを探し出したところで、どうせ「もっと自然に可愛くなれたよね……」みたいに不満を抱いて、結局は高級クリニックで「お直し」をするはめになると思いませんか?
それで最初から高級クリニックを選んでも、今度は治療費が高すぎてハゲるし、1度整形をした人が一生整形を繰り返すようにハゲ治療を繰り返す人生……。
婚活女性のみなさん、これがハゲタカビジネスの実態です。
その上で、夫にお小遣い制を敷くつもりのみなさんや、子どものために節約や貯金を頑張りたいみなさんには是非考えてほしいんですが、
それがルーニーのように失敗に終われば、2回目の追加費用400万円、計800万円を許可していただけますか?
さらにルーニーのように育毛剤や増毛スプレーも含めれば、生涯で1000万円は余裕で使いますが、大丈夫ですか?
私だったらこう思います、おまえとルーニーの共通点はハゲだけで、稼ぎとサッカーの技術はルーニーの足下にも及ばないんだから、
もちろん、植毛や増毛だけがハゲ対策ではないし、開き直ってスキンヘッドにする選択肢もあります。
おお、スキンヘッドなら無料でできるし、むしろ散髪代が浮いて家計は大助かりじゃないか!
婚活アドバイザーさんもいっていましたよね、
~婚活アドバイザーで「マリーミー」代表の植草美幸氏はこう言う~
「オシャレなスキンヘッド」なんて、それこそ本人の努力では改善不可能な身体的特徴です。
日本人の多くは、後頭部に丸みがなく、断崖絶壁みたいに垂直な「絶壁頭」です(遺伝や赤ちゃんのときの寝る姿勢で決定)。
さらに頭はデカいし顔は平たい、目は細いし鼻は低い、おまけに後頭部までぺちゃんことなれば、
市川海老蔵は奇跡です、奇跡の造形を一般化してはいけません。
私たちは市川海老蔵ではないし、ルーニーではないし、ブルース・ウィリスやジェイソン・ステイサムでもありません。
ハゲ治療もスキンヘッドも、「技術的には可能」でも、現実的には無理またはやる意味がないし、
チビもデブもブスも眼鏡も技術的には改善可能です
~婚活女性がチビを嫌う理由?~
ソース1:800万円で背を伸ばす手術。「15センチ高くなる」に予約殺到 – Forbes JAPAN – 2023年7月27日閲覧。
ソース2:【整形美男】骨延長で158cmから170cmになったホスト “ガチ陰キャ”から“高橋一生似”の変貌を通して見つけたさらなる“野望” – ORICON NEWS – 2023年7月27日閲覧。
さて、世の中には身長を15cmも伸ばす手術があり、予約も殺到しています。
つまりチビの治療も「技術的には可能」であり、「婚活女性がハゲを嫌う理由」はチビにもそのまんま当てはまり、
では美意識がないのは、ハゲとチビだけでしょうか?
たとえばデブは、遺伝的に太りやすい体質や、ダイエットが続けられない三日坊主な性格が考えられます。
が、医学的には胃の一部切除や、脂肪吸引手術があるんだし、
では美意識がないのは、ハゲとチビとデブだけでしょうか?
「美」といえば美容であり、美容といえば美容整形手術があります。
したがって、遺伝や生まれつきの容姿は言い訳にならないし、
では美意識がないのは、ハゲとチビとデブとブスだけでしょうか?
容姿に関しては、眼鏡は陰キャやチー牛やダサい人間のアイテムとされており、マイナス要素です。
視力が悪いなら、医学的にはレーシック手術があるんだし、
- ハゲ……美意識がない
- チビ……美意識がない
- デブ……美意識がない
- ブス……美意識がない
- 眼鏡……美意識がない
↑「技術的に可能」を基準にすれば、世の中は①②③④⑤「美意識のないブサイク」だらけになります。
でも実際には、いろいろな懐事情やリスクがあるから、ブサイクをやっているだけかもしれないし。
対策や改善方法に実現性がないから、ブサイクをやっているだけかもしれないんだから、
それなのに、どうしてハゲだけが、「植毛可能」とか「増毛可能」とかいわれなきゃいけないんでしょうか?
どうしてハゲだけが、「可能」なことをやらなければ、怠け者扱いされなきゃいけないんでしょうか?
「技術的に可能」という話をすれば、相手がハゲだろうがチビだろうがデブだろうがブスだろうが眼鏡だろうが全部乗せだろうが、
まとめ:現実にはコストとやる価値を無視できない
- ハゲが女性に嫌われる理由は、医学で改善可能なハゲを放置している美意識の欠如だとされる
- が、ハゲがハゲを放置せざるを得ない理由には、高額な治療費や継続的なケアの難しさがある
- 「技術的には可能」は技術の問題をクリアしたにすぎず、コストの問題があれば実現は不可能
以上です。
技術者の間では、「技術的には可能」はよくネタにされています。
同じように、物理学でもネタにされている問題があり、
~物理学の問題文あるある~
- 摩擦
- 空気抵抗
①②「計算が複雑すぎて無視したい問題」は、ここでは無視できますよという粋な計らいです。
が、①②「無視できる」のは問題文の上だけであり、現実には①②「無視できない」。
本記事で例にしたハゲの問題でも同じです。
~婚活アドバイザーで「マリーミー」代表の植草美幸氏はこう言う~
- お金
- 時間
医学的・技術的には①②「無視できる」。
が、現実には①②「無視できない」。
そして、婚活におけるハゲは現実の問題であり、ただでさえハゲ散らかしている頭を机上の空論でぶん殴るのはもうやめてあげて!!
私は考えました、なぜハゲにだけ風当たりが強いのか?(ただでさえ涼しい頭をしているのに?)
まずこれは残念な事実ですが、女性はチビもデブもハゲも嫌いです(チビの例は前回の記事参照)。
理由は素直に「キモいから」ですが、しかし素直に「キモい」と表現すると、自分が見た目だけで男を判断しているクソ女に見えかねません。
- チビが嫌いな理由……女性を守れなさそう
- デブが嫌いな理由……無能で不健康でしょ
- ハゲが嫌いな理由……えーっと……
こうして、①②「チビ」「デブ」に関しては、それらしい理由がぱぱっと思いつきましたが……。
嗚呼困りました、③「ハゲ」に関しては、ハゲでも高身長で筋骨隆々で有能で健康なハゲがむさ苦しいほどいます。
でもなんとかして、なんとかして見た目以外でハゲを攻撃せねば……そうだ!
こうしてハゲだけが、理不尽な机上の空論でぶん殴られることになりました。
しかし裏を返せば、ハゲの人はチビやデブに比べて、見た目以外の欠点がないともいえます。
その見た目だって、別に医学の力に頼らなくても、チビやデブより簡単に誤魔化せます。
もしも今回の婚活アドバイザーさんが、上記のようにハゲを批判していれば、私も同意したでしょう。
まあでも結婚生活となると、被り物じゃ誤魔化しが利かないからやる価値が薄いのかな(薄毛なだけに)と思いつつ、この話は別件なのでこのへんで終わります。
以上、「技術的には可能」を言い換えれば、「コストとやる価値を無視すれば可能(つまり現実的には不可能)」という話でした!