誹謗中傷のレッテル貼りで批判を封殺できれば、自身の過失や責任への追求を免れながら迷惑行為や炎上商法などが行えます。
さて、上記のアンサーは、典型的な「藁人形論法」です。
これまでの言論の慣例に従えば、こうした実例や具体例が伴わない架空の人物(藁人形)をあげつらう低能は、恥とされてきました。
しかし昨今、特定の個人に対する誹謗中傷が強く曖昧に取り締まられる傾向にあり、
- 批判
- 誹謗中傷
の明確な線引きが示されない社会では、
さて私たちの社会は、特定の個人の利益を優先するあまり、不特定多数(藁人形)への不利益をばらまいてしまうのでしょうか?
私はワクワクしながら見守っています。
というわけで本記事では、この言論社会を見守るための要点、
- 「藁人形論法」とは、相手の主張を曲解したり、架空の人物を相手に反論する手法
- 「誹謗中傷」とは、法的には特定の相手に対する悪口で、有罪無罪の線引きは曖昧
- 「誹謗中傷」やスラップ訴訟を確実に回避する際、「藁人形論法」が正当化される
以上を解説します。
では以下目次です。
「藁人形論法」の意味は?想像上の存在と戦うお人形遊び
- 相手の主張を曲解し、自分が反論しやすい形に改変した上で、反論する
- 架空の主張や架空の人物を創作し、反論可能性を封じた上で、論破する
本記事で扱うのは②、「架空の主張や架空の人物を創作」パターンです。
架空の人物を創作してしまえば、その人物から反論が飛んでくることはないため、反論可能性を封じられますよね。
たとえば、
と私がいっても、この「Aさん」は私がいま3秒で考えた藁人形なので、「Aさん」が私に反論をする可能性はゼロです(小説家や漫画家がいうように、勝手にキャラクターが動かない限り)。
さらにこの藁人形を複数用意すれば、
などと、私はあたかも複数のサンプルがあるように見せかけ、「虚言癖は結婚で失敗する」説を提唱することができます。
さてしかし、ここで実名や芸名が出ていないことに疑問を感じた言論人は、こう訊ねるでしょう。
私は反論できません、なぜなら「虚言癖の有名人」は、私がさっき3秒で考えた藁人形である。名前はまだ無い。
ただし、
といって急いでググって該当する有名人を探し出して反論する……ということもあるかもしれませんが、そんなことをするぐらいなら最初から探しておいて名前を添えておけばいいのです。
最初から実例や具体例を提示しておけば、
の誹りを受けることは免れますし、不要なやりとりをカットできます。
だからこれまでの言論では、自身の主張と、自身の主張を裏付けるソースは予めセットで語るのが常識であり良識でした。
さてしかし、
「誹謗中傷」の意味は?法的には侮辱罪または名誉毀損罪
- 侮辱罪……公然と、個人や団体名を特定した上で、事実に基づかない過度な悪口を言い触らす
- 名誉毀損罪……公然と、個人や団体名を特定した上で、事実に基づいて他人の名誉を傷つける
で、
「死ね」といわれたのに、侮辱罪で争う以前に、争う相手を特定する段階で門前払いを受けているわけです。
この時点で、
- 「悪口」
- 「侮辱」
などを辞書で引く意味はないとわかりますよね。
その発言が合法的か違法的であるかは、
- 発言に至った経緯
- 発言の頻度や期間
- 受忍限度(社会通念上、常識的に考えて我慢できる範囲)を超えたか
など、多角的な要素で判断されます(じゃあその「社会通念」とか「常識」とかはどう判断するのって、明確な基準はありません。裁判官や裁判員次第でしょう)。
だから実際、一般的には「死ね」より傷つかない言葉(たとえば、ひらがなでふわふわ優しい印象の「しね」)でも、訴えが認められたケースもあります。
「批判」と「誹謗中傷」の違いも同様で、
ということは、明らかに異常な(1年以上毎日ストーカー的メッセージを発信し続けているような)ケースを除けば、自分の発信に対して裁判を起こされたとき、
まさにスラップ訴訟とは、そうした時間的・金銭的負担を嫌がらせに用いて、言論を封じる手法です。
となれば、金と時間が有り余っている一部の暇人以外は、スラップ訴訟を回避したいですよね。
しかし同時に私たちは人間であり、虫や植物みたいに黙ったり、AIみたいに綺麗事しか喋れなかったりするのも嫌でしょう。
つまり、Q&Aはこうです。
まとめ:スラップ訴訟対策として正当化される藁人形論法
- 「藁人形論法」とは、相手の主張を曲解したり、架空の人物を相手に反論する手法
- 「誹謗中傷」とは、法的には特定の相手に対する悪口で、有罪無罪の線引きは曖昧
- 「誹謗中傷」やスラップ訴訟を確実に回避する際、「藁人形論法」が正当化される
以上です。
こうして「特定の個人」に対する批判が封じられれば、批判対象である特定個人の代わりに、
でしょう。
たとえば、
といった集団の評判や名誉が身代わりになります。
現状における日本の法律では、これらの曖昧な集団は保護されていないため、
私があるテレビ番組を観ているとして、その番組は毒舌家として有名な芸能人がメインを張っていて、
私はこの誹謗中傷のシステム、
- 特定の個人を傷つけるのはアウト
- 不特定多数を傷つけるのはセーフ
って謎理論、
って思いますけど、残念ながら現状の法律や倫理観は、こうした価値観を採用していません。
むしろ、保護された個人から、保護されていない不特定多数への攻撃を推奨する傾向にあります。
であれば、昔なら「主語がデカい!」と怒られていたような言論も、
と反論されれば、怒るに怒れず、引き下がるしかない未来がやってくるかもしれません。
さあ、言論界の明日はどっちでしょう。
以上、ちなみに名指ししていなくても、状況証拠や情景描写で特定できれば「藁人形」にはならないので気をつけてくださいね(たとえば「answersong.comの管理者はバカ」といえば、該当者は私ひとりであり、名指ししているのと同じです。私を曖昧にバカにする場合は、「雑記ブロガーはバカ」とか、特定できない感じで表現しましょう)。