~ANSWER SONG アンサーソング。 | 答えを謳うブログ。~

【比較】僕らはナンバーワンにならなくてもいいのか?

ナンバーワンにならなくてはいけないか、ならなくてもいいのかでいえば、ならなくてもいい

しかし、僕たちはどうしようもなく比べたがりだ。

だからたとえば、『世界に一つだけの花』という曲について語るときも、


ヘッドホン女子
平成を代表する曲!
ヘッドホン男子
人生で一番の曲!
作曲系男子
槇原敬之バージョンのほうが好き!

などと、比べてしまう。

そんな僕たちに、『世界に一つだけの花』は、「もともと特別なオンリーワン」だと教えてくれる。

正しい。

間違ったことはいっていない、と思う。

なのに僕は納得できない。

なぜか?

それは、僕というオンリーワンが特別だと知っているのは、僕だけだからだ。

世界に一人だけの僕

こんな見出しをつけると、僕の孤独な人間オーラがやばいが、でもそういうことだ。

じつは、僕は世界にひとりしかいない。

ご存知のとおり、いまこの世界には七十億も八十億も人間がいて、なのにそのなかで、「」は僕ひとりしか存在しない。

ひとりぼっちだ。

なんて特別なんだ!

それは『世界に一つだけの花』でも歌われているとおり、特別なことだ。

でも待って欲しい。

だれがそれを知っている?

僕は、「僕」が世界にひとりしかいないってことを知っているけど、でも、ほかの人は、そのことを知ってくれているのか?

もっと噛み砕いていうなら、僕は「僕」という意識だとか魂だとかが、世界に七十億~八十億ある肉体のうち、ひとつとしか結びついていないし、だからその唯一の結びつきこそが僕なんだ、という自覚があるけど、でもそのことを知っているのって、僕だけじゃないか?

だって僕は、「僕以外の人」が何人いるのかなんて、知ったことじゃない。

もしかしたら、僕のお母さんは世界中の肉体と繋がっていて、七十億人ぐらいいるかもしれない、僕が知らないだけで。

やばい、ショックすぎる……。

さらにいえば、お母さんっていうか、僕の家族全員、僕以外は中の人が同じで、見ている物とか食べた物とか、五感とか感想とか、全部共有している可能性だってある。

やばい、ホラーすぎる……。


えー!
そして僕だけ仲間外れって、可哀想すぎる……。

しかし僕以外の人も僕と同じように感じているんだとしたら、その人だって僕がオンリーワンかどうかなんて、知ったことじゃないだろう。

僕がオンリーワンなのか七十億人なのかは、他人にはわからない。

「僕」のことをオンリーワンだと確信できるのは僕だけだろうし、僕が「オンリーワンだ」って確信できるのも「僕」についてだけで、他人については知らない。

だから僕にとって、「僕」というオンリーワンはもちろん特別だけど、でも、ほかの人については、何人だろうがオンリーワンだろうが、「その他大勢」でしかなくないか?

そして立場を入れ替えて、他人が僕を見れば、やはり僕も、「その他大勢」でしかなくないか?

つまり、自分にとって「自分」というオンリーワンは特別だけど、他人から見ると、そのオンリーワンって、別に特別でもなんでもないんじゃないか?

自分から見た「他人」って、幻想でしかなくないか?

他人から見た「自分」って、幻想でしかなくないか?

だから僕らは、他人に「特別なオンリーワン」だなんていわれても、それが正しくても、イマイチ腑に落ちないんじゃないか?

もっと納得のできる「特別」を目指して、「一番になりたがる」んじゃないか?

だって「自分」がオンリーワンだってことは自分にしかわからないけど、ナンバーワンは「自分以外の基準」から見ても一目瞭然だからだ。

だったらナンバーワンを目指すよね。「特別だ」って認められたいんだったら。

ナンバーワンにならなくてもいい

しかし、「だったらナンバーワンを目指すよね」とかいっておいてなんだけど、僕はナンバーワンとか目指していない。


「眠い」
向上心がない。

昔から一番より、三番手ぐらいのポジションが好きだった。
漫画でいうと、主人公でもなく、そのライバルでもなく、しかしだれもが認める強キャラ、みたいなポジション。

だから自分を「特別だ」って認めたい気持ちはあるし、他人に認められたい気持ちもある。
けど、だれがどう認知しようが、評価しようが、僕が特別なら特別なんだろうし、特別じゃないんなら特別じゃないんだろう、その現実は変わらない、あるいはどこまでいっても幻想なのかもしれないけど、どっちにしろ認知とか評価とか、どうでもいい、とも思う。

まあでも、どうでもいい路線だとここが終点になるので、やっぱり特別視はされたいって路線で話を続けよう。

でもそれにしても、ナンバーワンはどうでもいい。

だって上で書いたとおり、三番手ぐらいのポジションでも、否、それ以下の順位でも、十分特別になれるからだ。

たとえば漫画「ナルト」でいえば、僕が一番好きなキャラクターは、マイト・ガイ先生だ。

※以下から「ナルト」におけるガイ先生関連のネタバレが入ります。

マイト・ガイ

ガイ先生は、「ナルト」作中の強さランキング、読者の人気投票、ともに十位台前半ぐらいの実力だ。
ナンバーワンどころか、三番手どころか、TOP10にすら入っていない。

では、ガイ先生が特別じゃないという読者はいるだろうか?

いない(断言)。


ガイ先生のイメージ
ガイ先生は努力の人であり、忍者なのに忍術の才能も幻術の才能もないが、しかし体術をめちゃくちゃ頑張った結果、自分の命が確実に燃え尽きるという条件つきで短時間だけ体術最強になれる禁術を会得し、その体術で作中最強クラスの忍者に戦いを挑み、体術において「最強」と認めさせた上に、命を落とさなかったぐらいすごいキャラクターだ。

絶対絶命するはずの禁術を使って絶命しないとか、すごすぎる……。

しかもその頑張りは、


DJふぉい
ナンバーワンよりオンリーワン? いやナンバーワンかつオンリーワン(【レペゼン地球】43thシングル『レペゼン』)


と歌うDJ集団、レペゼン地球にも認められていて、【レペゼン地球】22thシングル『Earth』では、


DJ社長
情熱だけならマイト・ガイ


と歌詞に採用された実績もある。

ちなみに同曲では漫画「ブリーチ」の主人公、黒崎一護と、お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志も採用されている。
両者については説明不要だろう。

ガイ先生は、大人気漫画の主人公と、お笑い業界のトップスターと並び称されている。

どうだろう?

主人公でもない、主人公のライバルでもない、三番手ですらない、TOP10にも入っていない。

でも特別だ

ってことは、別にナンバーワンじゃなくても全然いいよね?

ただし、このことは僕らが「もともと特別」であることを保証してくれるわけではない。

大事なのは努力すること

そもそも『世界に一つだけの』だって、「一生懸命になればいい」と歌っているし、レペゼン地球だって64thシングル『鳥風月』にて「頑張った、クソ頑張った」って歌ってるし、ガイ先生だって、体術が開いたのは努力したからだ。

特別になりたいんだったら、「オンリーワン」なんかに甘えている場合じゃない

努力しよう。ナンバーワンにならなくてもいいから。

そうすれば、いつかだれかから、


ナンバーツー
がんばれカカロット……おまえがナンバーワンだ!!

って認めてもらえるかもしれない。図らずとも、人生ってそういうものだ。

THIS IS THE ANSWER.

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