若い時の苦労は買ってでもしろ、というのは嘘ではありません。
たしかに苦労は人を成長させます。
苦難を乗り越えた人間は、苦難を乗り越えていない人間より、知識や経験や根性といった武器で勝るでしょう。
でもいくら若いときに成長を重ねようが、そのあと怠けたり、武器のアップデートを怠ったりするなら、
です。
本記事ではこの、
について、以下の3点、
- 「若い時の苦労は買ってでもしろ」の本質的な意味
- 「若い時だけ苦労した人間」の「老害」という末路
- 「苦労」を売る老害は嫌われ、買う老人は好かれる
を解説します。
では以下目次です。
「若い時の苦労は買ってでもしろ」の本質的な意味
若(わか)い時(とき)の苦労(くろう)は買(か)ってもせよ の解説
ソース:若い時の苦労は買ってもせよ(わかいときのくろうはかってもせよ)の意味 – goo国語辞書 – 2021年4月26日閲覧。
若い時の苦労はその体験が将来役に立つから、自分から買って出ても苦労せよということ。
若い時の苦労は買ってでもせよ
ソース:若い時の苦労は買ってでもせよ – 故事ことわざ辞典 – 2021年4月26日閲覧。
【読み】わかいときのくろうはかってでもせよ
【意味】若い時の苦労は買ってでもせよとは、若い時にする苦労は必ず貴重な経験となって将来役立つものだから、求めてでもするほうがよいということ。
【若い時の苦労は買ってでもせよの解説】
【注釈】若い頃の苦労は自分を鍛え、必ず成長に繋がる。苦労を経験せず楽に立ちまわれば、将来自分のためにはならないという意味。
「苦労」は「辛労」「難儀」「辛抱」とも。
「若い時の苦労は買ってでもしろ」「若い時の苦労は買うて(こうて)でもせよ」ともいう。
以上が「若い時の苦労は買ってでもしろ」の意味です。
まとめると、
というわけです。
さらに本質的なメッセージに変換すれば、
といっているわけです。
もちろんここでいう「成長を買え」とは、
です。
具体的には、下積みや残業といった仕事に限らず、
- 受験勉強や資格勉強
- 部活動やクラブ活動
- 筋トレやダイエット
すべて「苦労」⇒「成長」という経験に投資して、自分の市場価値を上げる作業ですよね。
そこで本当に欲しいのは、「苦労」ではなく、「成長」やそれに伴う「高い価値」です。
したがって、
これこそが本質的なメッセージです。
ということは、
「若い時の苦労は買ってでもしろ」の注意点
- 目的……自分の市場価値を高めたい
- 手段……「苦労」を体験・経験する
ですよね。
つまり、
たとえば過労死を筆頭に、自分の身体や精神が壊れるような「苦労」は、自分の価値をどん底に落としています。
そのような死に体の「苦労」は頑張っても無駄死にで終わるだけであり、価値がありません。
ってやつです。
逆に目的が達成できるなら、ひとつの手段にこだわる意味もありません。
だからこそ、
的な、別の成功ルート(手段)を謳った言説もよく見かけますよね。
いずれにしても、その人がその人に合った価値の上げ方を選べばいい。
そこで自分の価値を上げない「苦労」を強要される場合は、
いま奴隷の立場に甘んじている人は、それこそ苦労してでも反抗して、自分の価値を勝ち取るべきだといえます。
私は、正当な理由があると考えられるすべての反乱を応援しています。
さて、「若い時の苦労は買ってでもしろ」の解説はこのへんにして……。
次に考えてほしいんですが、
「若い時だけ苦労した人間」の「老害」という末路
「若い時の苦労は買ってでもしろ」の本質的な教訓は、
でした。
この教訓に則るなら、自分の成長を止めたり、自分の市場価値を下げたりするような真似はいただけません。
自分の価値を上げるために「苦労」が必要なら、「苦労」は生涯現役で継続すべきです。
一度上げた価値が、生涯下がらないと思っているなら大間違いです。
自分の価値を保つ「現状維持」さえ、苦労したり努力したりしなければ成し遂げられないのが現実です。
ちなみに「老人」と「老害」は違います。
老人でも、苦労して新しい技術に挑戦したり、苦労して新しい知識を学んだり、努力を糧に新しい価値を生み続ける人間のことを老害とは呼びません。
「老害」とは、年老いて成長が止まり、古びた知識や技術や価値観を固持し、オンボロ武器のアップデートをする気もないのに戦場に居座っている無能を指します。
たとえば西暦2021年、令和3年の現代社会において、
と、思わされる老害ばかりです。
ちなみにその代表格は、2018年当時68歳で日本のサイバーセキュリティ戦略担当大臣に就任したものの、本人はPCもUSBも触ったことがないという事実が判明して(日本ごと)世界の笑いものになった桜田義孝議員などです。
ソース:日本のサイバー担当大臣は「コンピュータが使えない」 – Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン) – 2021年4月30日閲覧。
まとめ:「苦労」を売る側の人間が嫌われる理由!
- 「若い時の苦労は買ってでもしろ」の本質的な教訓は、「成長を買え」
- しかし、人間は成長を止めれば老害化し、現状維持もできないのが現実
- したがって、人間は老いても「苦労」するべきだし、「成長」するべき
以上です。
私は日本昔話『うばすて山』の記事でも書きましたが、老人が過去に築いた資産(知識や経験)で生きられる時代はもう終わりました。
自分が若い頃はもっと苦労した、もっと大変だった、もっと「モーレツ」に働いた……。
そんな売り文句はどうでもいい。
そんなヨボヨボの死体みたいに冷めきった、本当かどうかもわからない苦労話なんかを売り物にしているから、老害は嫌われる。
一方で、
だってそのほうがずっと面白いし、ボケた脳みそで過去の栄光を思いだすのに必死なジジイやバアアより、ずっとカッコイイのは明白ですよね。
私が尊敬している年配の方は、
- YouTubeなど、動画配信サイトへのコンテンツ投稿
- Zoomなど、Web会議やオンラインビデオ通話の導入
- Discord×BOT×ゲームなど、複数プログラムの連携
といったことを率先して行なっている方ばかりです。
そうして若者から見ても最新の環境を構築して、若者を導きながら一緒に遊んだり仕事をしたりしている年寄りは、若者からも慕われています。
この慕われている年寄りは、時には若者に説教をしたり、偉ぶったりもします。
でもそうするだけの手柄を現在進行形で見せているので、若者は納得しているし、邪険にも扱っていません。
自分が現在偉ぶれるだけのことをやっていないのに(ひどい場合は、そのことに気づいてさえいないのに)、
などと偉ぶっている老害とは大違いですね。
武勇伝は、現在進行形で示しましょう。
以上、ことわざ「若い時の苦労は買ってでもしろ」をアンチ老害風に解説した記事でした。