Heroin(ヘロイン)の語源はアルファベットとカタカナの両表記でいくと、
- 古典ギリシャ語の「Heros(ヘーロース)」
- 英語いえば「Hero(ヒーロー)」
です。
ソース:heroin – ウィクショナリー日本語版 – 2019年11月29日(金)閲覧。
たとえば漫画「僕のヒーローアカデミア」には男女さまざまな「ヒーロー」が登場します。
よって「ヒーロー」を語源とする「ヘロイン」もまた中性的であり、新たな属性を付与する際にはヒーロー扱いをしようがヒロイン(ヒーローの女性形)扱いをしようが特に問題はありません。
さらにヘロインには、その薬効の強さから「薬物の王」、あるいは「薬物の女王」といった呼び名もありますが、この場合もどちらでもかまいません。
ちなみに本記事は下記の続編です。
【ブログ】麻薬大麻覚せい剤乱用しまくって感想記事書きたい
以下ではアンサーの補足と、より深く理解したい方向けの解説を行います。
では参りましょう。
ヘロインの語源(詳細版)
さて、Heroin(ヘロイン)の語源はすでにご説明したとおりですが、じつは省略した部分があります。
主にHeroin(ヘロイン)の語源が紹介される際には、
- 古典ギリシャ語の「Heros(ヘーロース)」
- ドイツ語の「Heroisch(ヒーロイッシュ)」
- 英語の「Hero(ヒーロー)」
以上三つの言語のうち、いずれかが引き合いに出されますが、本記事冒頭ではドイツ語を省きました。
理由は、本記事の想定読者が日本人だからです。
日本人からすると古典ギリシャ語の「Heros(ヘーロース)」だけでも見慣れないのに、同じく見慣れないドイツ語の「Heroisch(ヒーロイッシュ)」まで同時に持ちだしてしまうと、理解を妨げる、という判断です。
ゆえに当初、本記事冒頭では「Heros(ヘーロース)」さえも省略して、「Hero(ヒーロー)」だけで説明しようとしたぐらいです(実際、ヘロインの語源についてそのように説明しているケースは多々見受けられます)。
しかし、正確性を重視するのであればHero(ヒーロー)系の語源を遡り、古典ギリシャ語の「Heros(ヘーロース)」に行き着くのは必定です。
また、ヘロインを最初に販売した製薬会社の母国語に則るのであれば、ドイツ語の「Heroisch(ヒーロイッシュ)」は抑えておきたいところです。
それでも、一番わかりやすく伝わりやすい言語で説明したい場合は、英語の「Hero(ヒーロー)」をチョイスするのが妥当でしょう。
なお本記事のカタカナ表記ですが、「Hero」は「ヒーロー」で異論があったとしても無視できるとして、その他は有力な候補が複数あります。
たとえばギリシャとギリシア、ヘーロースとヘロス、「Heroisch」に至ってはもはや日本人の私にはついていけないので、「ヒーロイッシュ」などの表記は暫定的なものであることを申し添えておきます。
ヘロインは「王」が無難?
次に「ヘロイン」の性別についてですが、ヘロインは先述したとおり、
などと呼ばれることがあり、女性としての確固たる地位を築き上げています。
一例:麻薬界の女帝・ヘロインの本当にヤバすぎる快楽とは? 止められない理由と脳内作用を徹底解説! – エキサイトニュース – 2019年11月29日(金)閲覧。
と思ったらこのヘロイン、
としても名高く(一例:ピエール瀧逮捕! そもそも「コカイン」と「ヘロイン」「覚醒剤」はどう違う? – デイリー新潮による著・溝口敦「薬物とセックス」の引用 – 2019年11月29日(金)閲覧)、
と思った私はいっぱい(といっても本とか論文とかは面倒なのでGoogleで)調べたので、いまから結果を発表します!!
ずばり、ヘロインは、
……うん、まあ……知ってましたよね……?
だってこれ、本記事目次の前に発表済みですからね……。
私がそれぞれのワードでググったところ、海外サイトを含めて比較的使用量が多く、Heroin(ヘロイン)と強く関連づけられていたのは、「キング」系のワードでした。
よって強いていえば、ヘロインは「王」か「王女」かと問われれば、
であると答えておくのが無難かもしれません。
ちなみにソースは貼らないので(というか検索結果を網羅して全部貼るのは無理)、嘘だと思われる方はご自分でいっぱいググってみてください。
でもまあ、繰り返しになりますが、どっちでもいいです。
使用量が少ないとはいえ、すでに示しているとおり、そして示した一例以外にも、ヘロインを女性扱いしている記述は見つかります。
あなたは王者派?王女派?
たとえばWikipediaで「ヘロイン」のページを開くと、最新の版(2019年11月29日時点)には「王」だとか「王女」だとかは記載されていませんが、しかしWikipediaのページは過去の版が閲覧できます。
そこで私はWikipediaにおける「ヘロイン」の履歴を最初から漁ってみました。
すると「王」だとか「王女」だとかが記載されている時期があるではないですか!!
まず「king of drug(薬物の王者)」初登場時の様子がこちらです↓
現存するあらゆる薬物のなかで『快』の面でも『悪』の面でも最も高峰に位置するものとして、The king of drug(薬物の王者)との代名詞を持つ。
→ 2007年6月13日 (水) 15:16時点における版 – 利用者「人間学者」 – 2019年11月29日(金)閲覧。
なお太字は原文ママであり、「The king of drug(薬物の王者)」の出典はありません。
そして「The king of drug(薬物の王者)」は約一年半掲載されますが、突如として「王女」に追放されます↓
現存するあらゆる薬物の中で「快」の面でも「悪」の面でも最も高峰に位置するものとして、The くqueen of drug(薬物の女王)との代名詞を持つ。
→ 2008年10月20日 (月) 03:59時点における版 – 利用者「126.80.35.143」 – 2019年11月29日(金)閲覧。
なお「Queen」の前に「く」と入っているのは原文ママです。
きっと「クイーン」と入力しようとしてしまったか、してしまったあと消し忘れたんでしょうね。可愛い。
そして誤入力は約五時間後に別の利用者「118.108.145.204」によって修正されますが、もちろん「The queen of drug(薬物の女王)」にも出典はついていません。
それから半年以上が経過し、2009年7月26日 (日)、利用者「Yasu」によって「The queen of drug(薬物の女王)」は、
にマイナーチェンジを果たします。
そこからさらに約一年半年が経ち、今度はいきなり「王」の帰還↓
現存するあらゆる薬物の中で「快」の面でも「悪」の面でも最も高峰に位置するものとして、「薬物の王者」(The king of drug) の代名詞を持つ。
→ 2011年4月10日 (日) 01:36時点における版 – 利用者「59.128.37.252」 – 2019年11月29日(金)閲覧。
もちろん「The queen of drug(薬物の女王)」を討ち滅ぼしての帰還です。
そこから玉座は約五年半保たれましたが、2016年9月7日 (水) 13:11、利用者「タバコはマーダー」によって王はまたもや追放されます。
ちなみに追放理由はWikipediaのガイドライン、「大言壮語をしない」でした。
がその二日後、王は追放を打ち消して二度目の復活を果たします。
がその一日後、王は三度追放されます。
そして2019年11月29日現在、「王」も「王女」も日の目を見ていません。
……で、だからなんだといわれれば、「王」だろうが「王女」だろうがどっちでもいい、つーかどうでもいいということが心底理解していただければ幸いです。
まとめ
つまりヘロインはたしかに薬物のなかではドエレ――”COOOL”なので、キングだろうがクイーンだろうがどっちでもかまいませんし、語源的にもヒーローと呼ぼうがヒロインと呼ぼうがOKです。
しかし注意点として、現在日本語で「ヘロイン」の情報をまとめているサイトは、Wikipediaにおける「ヘロイン」のページから最新版では削除されている記述を引っ張ってきているものが散見されます。
まあその点は、トータルで十年近く掲載されていた情報なので仕方がないのかもしれません。
とはいえヘロインについて、
- king of drug(薬物の王者)
- The queen of drug(薬物の女王)
- オーガズムの数万倍の快感
- 常態の人間が一生のうちに体感し得る全ての「快感」の合計を上回る快感
- 約束された安堵
こんな感じのWikipedia由来っぽいキーワードで語られている説明文を見かけた際は、
- 要出典
- 独自研究
- 大言壮語をしない
などのガイドライン違反で指摘を受けた挙げ句、クソどうでもいい編集合戦を繰り広げた末にWikipediaからも抹消された文言である、ということは念頭に置いた上で楽しみましょう。
エンタメとして楽しむのであれば、ソースがないとか出典がないとかは些末な問題です。
じつは私も、この「約束された安堵」で結ばれる文章については表の世界から葬り去られる前に読んだことがあり、とても心打たれたものです。
というわけで次回は、そのへんを踏まえた私のヘロイン愛について綴ります。
綴りました↓
【約束された安堵】ヘロインは超危険!未使用でも中毒になる
THIS IS THE ANSWER.