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【1000円】ストリートミュージシャンにリアル投げ銭をした話(序章)

投げ銭といえば、もはやYouTubeのスーパーチャットやTwitchのチアーを指す勢いの昨今、私はリアルでも投げ銭をしてしまった。

しかも1000円も。

すごくない???

このご時世に、たまたま外で居合わせた私に1000円札を出させたストリートミュージシャン、すごすぎる。

もちろん初対面だし、たった15分ぐらいのやりとりだった。

しかもなんなら私は、財布から1000円札を抜き取るときにチラ見えした5000円札のほうを出そうか一瞬迷った。

危なかった……。

と、いまなら思えるけど、あのとき5000円札しかなかったら普通に5000円札投げてたと思う。

怖すぎる。

詐欺師じゃん、ほとんど。

だってみんな、よく知らない無名のストリートミュージシャンとかに5000円札投げたことないでしょ?

まあ私もないけど。

でも大半の人は、1000円札もないんじゃないか?

私はある。

ってことは、これは書き残しておく価値があるし、私の気持ちも整理できるし書いておくことにする。

いやだって、いきなり財布から1000円札が抜かれていたら普通にショックでしょ?

しかも抜いたの自分だし。

いやでも、あのとき私の財布から私の1000円札を抜いた私の指は、私だったのか?

マジでごめん下書き。ちなみに(序章)ってついてるけど、出会いの前から思い起こして書いていたら5000文字ぐらい使って本題に入れないという大失態&大誤算を犯してしまって続きを書く時間がなくて普通に下書きで未完のまま投稿するしかなかっただけなのでこの1記事内で全部書く予定。(序)⇒(完)。

インターネット投げ銭

そもそも私は、Twitchとかではよくサブスクをしたりチアーを投げたりしているし、「投げ銭」自体には抵抗がないどころかむしろ慣れている。

でも、自分が支援するストリーマー(ライブ配信者)は結構慎重に吟味している。

たいていのリスナー(視聴者)がそうだと思う。

石油王でもない限り、YouTubeとかTwitchの「おすすめのチャンネル」欄に出てきたチャンネル先を適当に訪問して、初見でいきなり投げ銭とかしない。

それが1000円単位ならなおさらだ。

特に相手と縁がなく、「おすすめ」欄に出てくるまでろくに名前も知らなかったようなストリーマーだった場合、いきなり1000円も投げられるか?

答えはNOだ。

出会って3秒で投げ銭はできない。

3分でも無理だ。

相手が自分との相性抜群で、しかも普段よりも面白い企画をやっていたとしても、投げ銭まで30分はかかるんじゃないか?

ぶっちゃけ3時間でもかなり速いほうで、人によっては投げ銭まで3日かかるかもしれないし、30日かかるかもしれないし、3ヶ月かかってもおかしくはない。

実際、私が初めて1000円以上のチアーを投げたときには、相手のストリーマーをフォローして1ヶ月以上は経っていた。

それに、私がフォローして1年以上経っているのに、私からは1円も投げていないストリーマーもいる。

ということはなかには、3年以上その動画サイトを利用していて、投げ銭機能は一切利用していない人間もいるだろう。

もちろん、一生投げ銭をしない人間もいる。

それぐらい、お金を払うってことは重い。

ここまで長々とインターネット投げ銭について語ったのは、この前提が必要だからだ。

つまり、お金はそんなにも重くて投げにくいってことがわかっているなら、

どうして私は出会って15分の無名ストリートミュージシャンに、1000円なんていう大金を投げてしまったのか?????

ショックすぎないか?

まあショックすぎることはないけど、私は微妙にショックだった。

ではなにが起きたのか、出会いから記そう。

ストリートミュージシャン

私は京都の「鴨川カップル」とか「等間隔カップル」とかで有名な鴨川のあたりで待ち合わせをしていた。

鴨川周辺は、ストリートミュージシャンとかストリートパフォーマーとか、ストリート物乞いとかが比較的多く出没するスポットでもある(職業乞食も自称難民も詐病詐欺者も、ある意味ではストリートパフォーマーだ)。

それで私の横には、ギターケースを床に置いてギターを肩から提げた典型的なストリートミュージシャンがいた。

しかし演奏もしないでひとりで突っ立っていて、まるで私の待ち合わせ相手みたいだった(が、もちろん違う)。

そのストリートミュージシャンは、「いかにも」な見た目だった(特定されるとまずいかもしれないから、具体的な容姿や性別は伏せるけど)。

仕事に勤めているんだったら、髪やアクセサリーは自由な職場なんだろうなあ~、みたいな。

まあこのコロナ禍のご時世、テレワークで職場は自宅、服装髪型自由って可能性もあるけど。

でもこのコロナ禍のご時世、ストリートミュージシャンは通報対象だと思うんだけど、よくやるよなあ……でも通報対象なのはコロナ禍以前から同じか……と私は思いながら待ち合わせ相手を待っている間スマホをいじりたいけど、でもこういう通報に怯えていそうな人間を横目にスマホをいじると、通報したりTwitterに晒していたりするんじゃないかって疑われて空気がピリつくし、実際それで不良グループに絡まれたこともあるし、でもそうなったら本当に通報するだけだから絡んでくる不良ってアホなんだけどアホに絡まれるのってめんどくさいからスマホはいじらない。

それで私は静かに、青空でも夕焼けでもないなんの変哲もない午後の曇り空と灰色の景観を眺めながらストリートミュージシャンのことも盗み見していた。

するとストリートミュージシャンのほうも、私のことを盗み見している気配があった。

こっちの目線は外しているけど、視界の端から感じる視線がある。

それで私はストリートミュージシャンに話しかけられるのがわかっている。

いつものパターンだ。

私は京都をさまよっているタクシー運転手や日本人旅行客や外国人旅行客に道を尋ねられることがよくあって、でも私も地元で迷子になるレベルの方向音痴でスマホのGoogle MAPに生かされていることを教えてあげるぐらいしか役に立たないから、迷子っぽい人と居合わせると話しかけられないように視線を外して身体の向きまで変えてアイコンタクトガードを張るけど、大人の迷子は子どもの迷子より性質が悪いからママを見失った幼児みたいに必死な形相で泣く代わりに私の横顔に話しかけてくる。

で、案の定ストリートミュージシャンは、「あの、すみません、ここで演奏してもいいですか?」と、私に尋ねてきた。

口下手

私はいつもどおり、まるで話しかけられて初めてあなたの存在に気づきましたという演技をする予定だったけど、別の演技をしようか迷った。

でも自分が話しかけられたあと、うしろとかを振り返ってだれもいないのを確認して、

あれ、私に訊いてる?

みたいな演技をするのは映画とか漫画のなかでしか見たことがないし、現実でやるべきではないと判断してやめた。

だいたい川だし、私のうしろ。

でも私に話しかけたのか疑問だったのは事実だ。

だって「ここで演奏してもいい」かどうかなんて知ったことじゃない、ここは私の所有地じゃない。

それで私は、「さあ……?」とだけ答えた。

すると、「迷惑ですか?」と訊かれて、私はもう本当に迷惑だった。

「迷惑……?」(「迷惑」ってなに? だいたい「迷惑」って、人間はだれでも生きているだけで迷惑をかける生き物だし、じゃあ「迷惑です」と答えるのかというと、そういうことを訊いているんじゃないのはわかるけど、でも「迷惑じゃないです」っていうのも嘘になる、だって実際迷惑だもん、隣でギターとかかき鳴らされたら。でも私はその程度の迷惑は、だから人間が生きているだけで他人にかける迷惑と見なしていて許容範囲内だから迷惑だけど許せる。つまり答えは「迷惑です」じゃなくて、そう答えちゃうとストリートミュージシャンは「迷惑だからやめろ」と受け取っちゃうからダメで、私は「迷惑だけどやってもいいよ」と伝えなければならない。あなたが歌ったとして、それは保育園児のはしゃぎ声や幼稚園児の喚き声や迷子の泣き声と一緒で、迷惑だけど許されるべきなのだ。けど「迷惑だけどやってもいいよ」って一般常識的には意味不明だし、私には説明義務が生じるわけだけど、これ全部説明するのは本当にめんどくさいしやりたくない。それはマジで迷惑)

ってことを私が考えながら迷っていると、ストリートミュージシャンは自分で「迷惑」といった。

「まあ、歌うのは迷惑じゃないですか? コロナだし。でも歌わなかったら? ギターだけ……」

私が「別に歌ってもいいんじゃ?」と聞き返すと、ストリートミュージシャンは「えっ?」。

それまで優柔不断な態度を取っていた私が、急にすごい歌好きかはたまた過激派と化してしまってストリートミュージシャンは少しビックリしていた。

ちなみにこのときの私の判断基準は、国が東京オリンピックを開催するつもりで、しかも観客を入れるために調整しているっていうのに、一般市民が歌うことすら許されない世の中なんてありえないでしょ……というものだった。

私は友だちから、「遊びにいきたいんだけどね~」「旅行とかしたいんだけどね~」みたいな愚痴を聞くときもだいたいこの基準で返事をしているので、同じようにキッパリスラっと答えてしまった。

「歌っても……!? まあ歌わないですけど……」

ストリートミュージシャンは一瞬テンションが上がったように笑ったけど、すぐにヘタレた。

でもあとになって思いだすと、そもそもマイクがセッティングされていなかった気がするし、最初から歌わないと決めていたようだった。

ただストリートミュージシャンのテンションの上がり方からは、歌えるものなら歌いたいという感じはした。

もしもコロナ禍以降、「歌ってもいい」と言われ慣れていないなら、それは不幸なことだ(けど、他人にいわれなくても、それこそミュージシャンなら歌詞にして自分で歌えばいいと思うんだけど……客商売は難しい)。

「歌っていいなら、演奏したいんですけど」
「(うん)すれば?」
「いいんですか?」
「いや、私は知らないけど……」

だから私はこの土地の所有者じゃないんだって、京都市に訊け。と思って私はすごい勘違いをしていた可能性に気づいた。

もしかしてこのストリートミュージシャンは、「この土地で」演奏していいのか訊いているんじゃなくて、「私を観客にして」演奏していいのか訊いているの?

「あれ、私に訊いてる?」
「はい」
「私に向けて演奏していいのかってこと?」
「そうです」

なんということだ、このストリートミュージシャンは口が下手すぎる。

たとえば、「あなたのために1曲弾かせていただいてもよろしいですか?」といえば一発で伝わるのに。

でも冷静に考えると、こんなこというほうもいわれるほうも恥ずかしすぎて、私だったら速攻で断っていたかもしれない。(後編に続く)

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