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【国語】辞書は信頼できるソース?間違いなく正しいのか?

辞書の意味、そもそもわかってる?


goo国語辞書安田尊@goo国語辞書を謳うブログ。
こんにちは、この前goo国語辞書を引いていたら
誤表記安田尊@誤表記を謳うブログ。
誤表記を見つけた安田尊です

まあ「誤表記」といっても、表記揺れとか誤字脱字レベルの些細なミスですが……実際、混乱させられたので、ネタにします。

というわけで本記事では、辞書の正確性について。

結論は、すでに述べたとおり、


誤表記安田尊@誤表記を謳うブログ。
辞書には、間違いや誤りがあります
国語辞書安田尊@国語辞書を謳うブログ。
日本の国語辞書や国語辞典であれば、間違った日本語を記載していたり、誤った日本語の意味を解説していたりする場合があります
電子辞書安田尊@電子辞書を謳うブログ。
そもそも、「辞書」には「正しい」という意味がありません

したがって、議論をしたりレスバトルをしたり、ブログやレポートで自説や主張を補強したりする際、


咀嚼安田尊@咀嚼を謳うブログ。
辞書から引用した(引用された)言葉の意味でも、鵜呑みにはできない
ルールブック安田尊@ルールブックを謳うブログ。
が、辞書は(比較的)一定の信頼が置ける言葉のルールブックである

本記事では、以上の結論に至る理由を解説します。

では以下目次です。

小学館の辞書『デジタル大辞泉』で間違いを発見した実例


全能安田尊@全能を謳うブログ。
それは私が、【全能の矛盾】の記事で、「負けるが勝ち」を言い換えようとしていたときのこと。
うろ覚え安田尊@うろ覚えを謳うブログ。
そういえば、「無学者、議論に負けず」みたいな言葉があったな……?
電子辞書安田尊@電子辞書を謳うブログ。
と思った私は、辞書を引きました。

非学者(ひがくしゃ)論議(ぎろん)に負(ま)けず の解説
無学な者は、平気で暴論を振りまわすことで議論に負けない。
出典:デジタル大辞泉(小学館)

ソース:非学者論議に負けず(ひがくしゃろんぎにまけず)の意味 – goo国語辞書 – 2021年12月6日閲覧。

そうそう、これこれ。

正しくは、

  • 「無学者」⇒「非学者」
  • 「議論」⇒「論議」

だったんだね、ありがとう、goo国語辞書……!!

…………………………ん!?

ちょっと待って……?


goo国語辞書goo国語辞書のイメージ
非学者(ひがくしゃ)論議(ぎろん)に負(ま)けず の解説
論議(ぎろん)安田尊@論議(ぎろん)を謳うブログ。
「論議(ぎろん)」……!?

  • 「論」⇒「ろん」
  • 「議」⇒「ぎ」

では……?

つまり「論議」⇒「ろんぎ」では……?

あれ……?


論議安田尊@論議を謳うブログ。
「論議」って、「ぎろん」とも読むの……?

たしかに、

  1. 議論
  2. 論議

は同じ意味だろうし、どっちも「ぎろん」と読めるのか……?

私は元々うろ覚えだった語句が「議論に負けず」だったこともあり、大いに混乱しました。

こういう慣用句は、たまに例外的な読み方をする罠もあるはず……。

でもよく見たら、goo国語辞書の同じページに、


goo国語辞書goo国語辞書のイメージ
非学者論議に負けず(ひがくしゃろんぎにまけず)の意味
論議(ろんぎ)安田尊@論議(ろんぎ)を謳うブログ。
ろんぎ」って書いてある!!!!!

つまり、goo国語辞書の同じページ「非学者論議に負けず」に、

  1. 非学者論議に負けず(ひがくしゃろんぎにまけず)の意味
  2. 非学者(ひがくしゃ)論議(ぎろん)に負(ま)けず の解説

ふりがなの異なる表記が混在している……。

ブログなら、多角的な表現や理解のために、あえて表記揺れの同義語を乱用することはあるけど……(私が毎回やっている手)。

辞書でそれをやるか??


電子辞書安田尊@電子辞書を謳うブログ。
私は混乱したまま、別の辞書も参照しました。

ひがくしゃ【非学者】=論(ろん)[=論議(ろんぎ)]に負(ま)けず
無学な者は、筋道の通った論議にあっても、いっこうに屈することがない。
※虎明本狂言・宗論(室町末‐近世初)「ひがくしゃろんぎにまけず」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版

ソース:非学者論に負けずとは – コトバンク – 2021年12月6日閲覧。

うん……そうだよね。

OK、「論議」⇒「ろんぎ」だ。


コトバンク安田尊@コトバンクを謳うブログ。
で、ついでに見つけたんですが、コトバンクにはgoo国語辞書と同じ表記揺れをやらかしているページもありました。

非学者論議に負けず(読み)ヒガクシャロンギニマケズ
デジタル大辞泉「非学者論議に負けず」の解説
ひがくしゃぎろんにまけず
非学者論議に負けず
無学な者は、平気で暴論を振りまわすことで議論に負けない。
出典 小学館

ソース:非学者論議に負けずとは – コトバンク – 2021年12月6日閲覧。
  1. 非学者論議に負けず(読み)ヒガクシャロンギニマケズ
  2. ひがくしゃぎろんにまけず

フリガナは「ロンギ」なのに、ふりがなは「ぎろん」で、読み方が変わっている……。

そして出典を見れば、goo国語辞書と共通の「デジタル大辞泉」……つまり、


真実はいつもひとつ!安田尊@「真実はいつもひとつ!」を謳うブログ。
デジタル大辞泉(小学館)』がやらかしてるっぽい!!

まあでも、別に読み方を間違えても意味は変わらないし、どうでもいいといえばどうでもいいんですが。

ぶっちゃけ、「無学者、議論に負けず」でもいいと思うし(ちなみに、「”無学者議論に負けず”」でググったら、使用例は複数確認できました)。

ただ、


言葉の精度安田尊@言葉の精度を謳うブログ。
「正確性」を売りにするんだったら、表記は統一するべきだし、些細なミスも許されないよね。

辞書には「正しい言葉」や「正しい意味」が載っている?


Question安田尊@Questionを謳うブログ。
で、「辞書」って、「正確性」を売りにしているの……?
電子辞書安田尊@電子辞書を謳うブログ。
「辞書」を辞書で引いてみよう!!

じ‐しょ【辞書】 の解説
1 多数の語を集録し、一定の順序に配列して一つの集合体として、個々の語の意味・用法、またはその示す内容について記したもの。語のほかに接辞や連語・諺なども収める。また、語の表記単位である文字、特に漢字を登録したものも含めていう。辞書は辞典(ことばてん)・事典(ことてん)・字典(もじてん)に分類されるが、現実に刊行されている辞書の書名では、これらが明確に使い分けられているとはいえない。辞典。字書。字引 (じびき) 。
出典:デジタル大辞泉(小学館)

ソース:辞書(じしょ)の意味 – goo国語辞書 – 2021年12月6日閲覧。

こくご‐じてん【国語辞典】 の解説
日本語の単語や句を集め、一定の順序で並べて、それぞれの表記・語義・用法・用例・語源などを日本語で説明した書物。
出典:デジタル大辞泉(小学館)

ソース:国語辞典(こくごじてん)の意味 – goo国語辞書 – 2021年12月6日閲覧。

じ‐しょ【辞書】
〘名〙
① ことばや文字をある観点から整理して排列し、その読み方、意味などを記した書物。外国語辞書・漢和辞書・国語辞書などを含めていう。国語辞書の中には、普通のもの以外に、百科辞書や地名辞書・人名辞書、また、時代・ジャンル・作品などを限ったもの、各学問分野別に専門用語を中心に集めたもの、方言・隠語・外来語など語の性質別にまとめたもの、表現表記に関するものなど、内容上多くの種類がある。辞典。字引。字書。字典。〔和蘭字彙(1855‐58)〕
出典 精選版 日本国語大辞典

ソース:辞書とは – コトバンク – 2021年12月6日閲覧。

こくご‐じてん【国語辞典】
〘名〙
① 日本語を集めて一定の順序に並べ、その意味、用法、語源などを日本語で説明した書。用例を添えたり、関連する語を示したりするものもある。古語・現代語にわたり、専門語まで広く収めた大型のもの、現代語または古語どちらかを中心とした小型のものなどがあるが、時代別・作品別のものや特殊な語だけ集めたものを広く含めてもいう。国語辞書。
出典 精選版 日本国語大辞典

ソース:国語辞典とは – コトバンク – 2021年12月6日閲覧。

以上、ご覧のとおり、


正義安田尊@正義を謳うブログ。
「正しい」とか「正確」とか「正義」みたいな言葉は、ひとつも登場しません。
Question安田尊@Questionを謳うブログ。
つまり、「辞書」って……別に「正しさ」は売りにしていない?
Answer安田尊@Answerを謳うブログ。
うん

ウィトゲンシュタイン安田尊@ウィトゲンシュタインを謳うブログ。
そもそも「言語」は、人や時代や場所が変われば、意味も変わります(言語ゲーム

知恵蔵「言語ゲーム」の解説
言語ゲーム
言語哲学者ウィトゲンシュタインの用語。彼は言語を、「命令する」「演劇をする」「ジョークを作って話す」などの、もろもろの活動に織り合わされたものとして考察した。このような言語を伴った諸活動が、言語ゲームと呼ばれる(『哲学探究』〈1953年〉)。そこには「言語に先立って個人の内的感覚や客観的事実があらかじめ存在しており、言語はそれを写し取る道具である」とする古典的な言語観を解体しようとする意図がある。言語が客観的事実を描写するとしても、それは単に事態を写すのではなく、例えば火事を知らせる場合のように、自己や他者に対するなんらかの活動なのである。第2に、言語による表現は、人々の間に共有されたルールにもとづくものとされる。個人の内的感覚でさえも、そうしたルールにもとづいてはじめて表現され理解されうる。第3に、ルールはたまたま成立している慣習的なものにすぎず、絶対のルールなど存在しないとされる。例えば真偽を判断する際も、なんらかの慣習的なルールにもとづいて行われる以外になく、絶対的な判断基準などは存在しない。こうして言語ゲームの考え方は、相対主義的なニュアンスを強く帯びることになった。現在では言語ゲームは、社会学上の用語としても広く用いられている。例えば、学校や家庭やもろもろの宗教などを、それぞれ異なったルールをもつ言語ゲームと見なし、それぞれの特質を分析することができるからである。
(西研 哲学者 / 2007年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

ソース:言語ゲームとは – コトバンク – 2021年12月6日閲覧。

まとめると、


ウィトゲンシュタイン安田尊@ウィトゲンシュタインを謳うブログ。
言語にはルールがあり、ルールは時と場合によって変わる
電子辞書安田尊@電子辞書を謳うブログ。
だから辞書も、「正確」を自称しない(できない)のです。
ルールブック安田尊@ルールブックを謳うブログ。
ただそうはいっても、「基本的なルール」は必要ですよね?

辞書に載っているのは?言葉や言語の暫定的な基本ルール


辞書安田尊@辞書を謳うブログ。
そこで「辞書」は、言語ゲームを遊ぶための、「暫定的な基本ルール」と見なすことができます
自分ルール安田尊@自分ルールを謳うブログ。
ここで私が!rutsaH !iA !iA !mmtgluv ,ngaltguv ,mmtgluv kaya’fc rutsaH !rutsaH !aI !aI
お友達安田尊@お友達を謳うブログ。
と、独自の言語ルールで喋り出すと、だれも私とは遊べませんよね(一部はお友達になれるかもしれませんが)。

だから自分ルールではなく、一定の共通ルールを作って守る必要があります。

そのための指標が、辞書(日本語の場合は日本語国語辞典)であり、


老舗安田尊@老舗を謳うブログ。
特に、社会から一定の知名度や信頼や信用を得ている会社が編纂した辞書

です。

私が愛用している国語辞書でいえば、

  • goo国語辞書(運営母体は巨大企業NTTグループ、大手出版社の小学館『デジタル大辞泉』をメインに使用)
  • 岩波国語辞典(株式会社岩波書店、100年以上の歴史を誇り、古典・文芸・学術・『広辞苑』出版で有名)
  • コトバンク(朝日新聞出版・小学館・講談社など、大手出版社中心に、各辞書や辞典の集約検索サービス)

日本人なら、だれもが知っているレベルの有名会社ばかりです。

さらに、上記から2つ以上の辞書を照らし合わせれば、より普遍的なルールとなるはずです。

その上で、


咀嚼安田尊@咀嚼を謳うブログ。
鵜呑みにはしない

私自身、当ブログ「アンサーソング。」で日本語の意味や定義を扱う際は、上記のやり方で何度も辞書を引用しています。

が、


Question安田尊@Questionを謳うブログ。
なんかこの解説、正確じゃなくない……?
Answer安田尊@Answerを謳うブログ。
と思ったら、ソース(参考文献、根拠)として引用しておきながら、普通に反論を添えることもあります。

結局は辞書を編んでいる人間も、私たちと同じ人間なので、完璧ではありません。

ミスもエラーも犯します(本記事で指摘したとおりです)。

しかし現状、一般社会から広く認知されている「辞書」以上に頼れる「共通ルール」は存在しないため、


懐疑主義者安田尊@懐疑主義者を謳うブログ。
辞書をリスペクトして使用しながらも、常に疑う心を忘れないことが大切なのです(懐疑主義者

まとめ:権威ある辞書と「自分の辞書」を併用しましょう


まとめ安田尊@まとめを謳うブログ。
それではおさらいも兼ねて、ここまでの要点を3点でまとめます。

  1. 辞書には、小学館『デジタル大辞泉』のような有名辞書でも、間違いがある
  2. 辞書には、本質的に「正しさ」「確かさ」「正確さ」を保証する役割がない
  3. 辞書には、一定の信頼を寄せつつ、別の辞書や自分の言語感覚も併用すべき

以上です。

ナポレオン・ボナパルトという、いらすとやさんに2種類もイラストがあるレベルで有名なフランスの皇帝が、


ナポレオン安田尊@ナポレオンを謳うブログ。
予の辞書に不可能という言葉はない

という名言を残しています。

予の辞書に不可能という言葉はない
私にはできないことはない、ということ。また、世の中には不可能などということはない、ということ。

[使用例] ナポレオンは「余の辞書には不可能という言葉はない」と言いました。これは見方によってはずいぶん不遜な言葉のように思われます[松下幸之助*人生心得帖|1984]

[由来] フランスの皇帝、ナポレオンが、一八一三年九月七日、当時の副官であったルマロワ将軍にあてた手紙の一節から。「Ce n’est pas possible, m’écrivez-vous: cela n’est pas français.(『それは不可能です』と君は私に書いてよこした。しかし、そんなことばはフランス語にはない)」とあります。日本では、この「フランス語」が「予の辞書」に変化した形で定着しています。
出典 故事成語を知る辞典

ソース:予の辞書に不可能という言葉はないとは – コトバンク – 2021年12月6日閲覧。

漫画やアニメやドラマのキャラクターが真似しまくっているので、似たような言い回しを見聞きした方も多いでしょう。

最近の例では、ゲーム『ウマ娘 プリティダービー』のキングヘイローが、


キングヘイローキングヘイローのイメージ
キングの辞書に諦めの文字はないのよーッ(おーっほっほー!!!)

と、いっていました。

こうした表現が広く受け入れられているということは、つまり、


自分の辞書安田尊@自分の辞書を謳うブログ。
私たち一人ひとりが、「自分の辞書」を持っている証拠

たしかに私たちの個人的な辞書は、権威ある辞書よりは、信頼性で劣ります(「不可能」という文字がなかったり、「諦め」という文字がなかったり……)。

しかし、常日頃から「自分の辞書」を磨いておけば、いずれは権威ある辞書の間違いを発見するに至るかもしれません。

辞書は、あくまで補助装置。


自分の脳みそ安田尊@自分の脳みそを謳うブログ。
重要なのは、自分の脳みそを使うこと

以上、有名な辞書にも間違いがある実例と、それでも辞書を活用する理由と方法でした!

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