長髪の男性を見て、
「男のくせに髪を伸ばしているのか、不潔だな……」と思う人間もいれば、
「男で髪を切っていないのか、清潔だな……」と思う人間もいます。
あなたはどっち?
そもそも、「髪を伸ばしている」と、「髪を切っていない」の違いがわかるでしょうか?
- 髪を伸ばしている……目的はなに?
- 髪を切っていない……目的はなに?
日本では一般的に、ロン毛の男性は清潔感がないと考えられるそうですが、浅はかですよね。
たとえば現在渦中の人、小室圭氏(2021年10月5日現在、秋篠宮家の長女、眞子内親王と婚約中)の髪の長さを見て、不潔だと決めつけていたような人たちのことです。
というわけで本記事では、ロン毛の男性を肯定するというよりは、
情報リテラシー
思考が浅い人間と、思考が深い人間の違い
について記します。
私たちがいま、どのような時代に生きているのかを考えましょう。
では以下目次です。
髪が長い男は不潔?ダサい?チャラい?ネタ?ギャグ?
小室圭氏がロン毛を束ねたポニーテール姿でメディアに登場すると、
眞子さまのご婚約相手が、こんな不潔な見た目……!?
男なのに髪を伸ばしているのはみっともないし、ダサい
だらしない、変なロン毛、謎ヘア、チャラくなってる!
といったジェンダー・ハラスメント(もちろん、人の髪の長さを性別で規定するのは性差別でしょう)や、ルッキズム(もちろん、髪型で人を評価するのは外見至上主義に含まれるでしょう)全開のコメントがネット上であふれました(上記コメントは、私が5chやTwitterやYahoo!ニュースのコメント欄などを参考に編集したものです)。
女優でタレントの遠野なぎこ氏などは、
小室さん、なんで、こんなにポロポロいろいろなものが出てくるのかなってすごく思う。この髪形だって、笑かしにきてるみたいな感じしません? なんかのネタなのか、ギャグなのかみたいな
と、テレビ番組で平然と、お笑い芸人でもない他人の外見を笑いものにしました。
ソース1:疑問の声が相次いだ小室圭さんの長髪姿 国民の不信を招いたか – ライブドアニュース – 2021年10月5日閲覧。
ソース2:小室さん”ロン毛”帰国に遠野なぎこ疑問「笑かしにきてるのかな」「なんかのネタなのか」 – Yahoo!ニュース – 2021年10月5日閲覧。
「いまの時代」に生きる人間であれば、こうした前時代的なジェンハラやルッキズムに対する批判は簡単ですよね。
ただ本記事で扱うのは、ジェンダーやルッキズムではないため、これらの問題は一旦脇に置いておきましょう。
じつは私も、人は人を見た目で判断する生き物だし、人は人に見た目で判断される生き物だと思っています(現実にそうだから)。
だからこそ現実に、日本のサラリーマンの多くは、個性を塗り潰したような黒髪で短髪だし、
カリスマ性を売りにしている人間は、個性を塗りたくるように髪をレッドやブルーに染めています(たとえば美容サロン『オーシャントーキョー』の高木琢也社長や、DJ集団『Repezen Foxx』リーダーのDJ社長など)。
ただ、じゃあ小室圭氏を見た目で判断するとして、
小室圭氏のロン毛って、不潔どころか、むしろ清潔まであるよね?
あれ?現代ってどういう時代でどういう価値観だっけ?
じつは私たちの生きる現代社会(2021年)には、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)という、非常に感染力の高いウイルスが流行しています。
特にCOVID-19は、人と人との接触や接近や接客が多い場所において、強い感染力を発揮します。
たとえばクラスター(集団感染)は、飲食店やライブ会場やスポーツジム、そして、
美容室や理容室でも多発しています。
さて問題。あなたがCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)を極力予防したいと考えるなら、そんなクラスターが多発している床屋さんに、とことこと出かけていくでしょうか?
普通は自粛しますよね。
真面目に感染予防を徹底するなら、不特定多数の人間が出入りする屋内で、他人と接触しながら髪を切ってもらうわけにはいきません。
感染症に対して安心安全に髪を切るなら、自分で切るしかないのです。
さてしかし、セルフカットもヘアスタイルに対しては危険行為ですが……できますか?
まあできるかできないかでいえば、できるでしょう。
が、プロの美容師さんに切ってもらったみたいに、できますか?
普通は無理ですよね。
つまり前髪はガタガタになり、サイドはアンバランスになり、後頭部は円形脱毛症みたいになるのがオチですよね。
美容室もダメ、セルフカットもダメ、ではどうするか……?
髪を切らなければいいんです。
「髪を伸ばしている」と「髪を切っていない」の違い!
別に髪を切らなかったところで、死ぬどころか、健康上のリスクは(特別な事情がない限り)自他ともにありません。
一方で床屋さんにとことこ出向けば、自分や他人の心臓や肺や嗅覚や味覚を、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)という名の重大リスクに晒します。
じゃあ(自分で切れないなら)、髪は切らないほうがいいよね。
これは「髪を伸ばしている」んじゃなくて、「髪を切っていない」んです。
より正確にいえば、「髪を切(りにい)っていない」んです。
結果としては同じ「ロン毛」をもたらすとしても、
- 髪を伸ばしている……目的はなに?
- 髪を切っていない……目的はなに?
目的が違えば、結果に至るまでの過程も違います。
髪を伸ばせば感染症対策になるというのなら、頭に育毛剤でも振りかけていればいい。
でも頭に育毛剤を振りかけて髪を伸ばしても、感染症対策にはなりません。
ここで感染症対策として有効かつ価値を生むのは、②「髪を切(りにい)っていない」という過程を持つ「ロン毛」だけです。
したがって、「感染症対策」という目的を果たしているロン毛は、「髪を伸ばしている」よりも、
髪を切っていない
が正確な表現になります。
で、もしも小室圭氏のロン毛ポニーテールが、「髪を切っていない」だとしたら……、
感染症対策としては、ものすごく「清潔」
ですよね。
くだらない見た目や清潔「感」なんかを気にして、とことん床屋さんに通い詰めている人間よりは、よっぽど「清潔」です。
それなのに、いまだにロン毛⇒不潔だと決めつける人間がいるとは、いったいどういうことでしょうか?
私とは別次元の、パンデミックが起きていない世界の住人なのでしょうか?
ある意味、そうかもしれません。
同じコロナが流行する世界に住んでいても、正しい情報収集や情報処理や情報のアップデートに失敗すれば、
コロナは茶番!
などと主張するはめになります。
現代は、情報リテラシーに欠ける人間に対してはどんどん厳しくなっているため、
こうした根拠に乏しい思考を感情的に繰り返している方は、早めにアップデートすることをオススメします。
まとめ:見た目で人を判断しないための情報リテラシー
それではおさらいも兼ねて、ここまでの要点を3点でまとめます。
- 「ロン毛」は不潔だとされているが、目的や過程によっては、むしろ清潔だといえる
- 「ロン毛」を不潔だと決めつける人間は、思い込みや偏見や先入観に支配されている
- 「ロン毛」は清潔かもと疑うには、見た目(結果)に隠された本質を探る能力が必要
以上です。
なお、2021年10月5日時点で、小室圭氏がロン毛スタイルになった理由は判明していません。
でもそもそも、そこの真偽はどうでもいいことです。
小室圭氏のことは一例として引き合いに出しただけで、ここで重要なのは、
ロン毛⇒不潔だとは限らないし、場合によっては髪を切っている人間よりも「清潔」だとさえいえる
ってことです。
そしてこうした深い思考(まあぶっちゃけ今回の例は深くともなんともありませんが、比較的)をするためには、以下の3点が重要です。
- 表面的に観測可能な結果だけではなく、観測不可能な過程も想像する
- 想像力の範囲を広げるために、この現実の多種多様な情報を収集する
- 情報から「小室圭は不良」といった先入観は排除し、一から推理する
これが情報リテラシー(の一部)です。
こうして情報を集めて、想像力を働かせて人々のヘアスタイルを観察していると、
バーコードハゲより、ハゲのほうが嫌なのだろうか?
あの子供連れの母親が、髪を赤く染めている理由は?
金正恩は、なぜあんな髪型をしているんだろう……?
考えてみれば、たかだか髪型如きで、清潔か不潔かなんて(ましてや人格がどうかなんて)まったくわからないことがわかります。
だいたい、毛のことで「清潔」or「不潔」を判断するなら、
秋篠宮家の現当主、秋篠宮文仁親王の口髭だって、普通に不潔だよね(不敬罪)
人を見た目で判断するのはかまいませんが、判断力に乏しければ、大火傷をすることになりそうです。
自信がない方は、やめておいたほうがいいでしょう。
以上、日本のサラリーマンで口髭を生やしたい人は、秋篠宮家と三笠宮家(ヒゲの殿下)の威光を振りかざせばいいと思う安田尊でした!