馬は鹿ではないが、馬を鹿だというやつがいたら馬鹿である。
~これまでのあらすじ~
- 生者と死者
- 言葉と刃物
- デブとハゲ
本記事は、①②③「違うものは違う」という当たり前を当たり前にご紹介します。
では以下目次です。
死者と生者は同じ?死んだ人の気持ちを騙る馬鹿
~元芸能人インスタグラマー、木下優樹菜さんの例~
12日に更新されたインスタグラムのストーリーでは、「メディアの煽りや、何も知らないくせに、あたかもなコメントをコメンテーターとして発するあの人やあの人やあの方。誹謗中傷くらいまくった私は本当に気持ちがわかりすぎる」「535万人いた優樹菜のインスタ、引退するまで活動休止中全部誹謗中傷見てたよ。すごいんだから 地獄。何回もふと、消えた方が良いかなとか思ったけど、朝、目が覚めないママを見たときの娘たちの気持ち考えちゃって、無理だったし」と当時の壮絶な体験と想いを投稿した。
ソース:ryuchellさん訃報に便乗する木下優樹菜のSNS連投に《一緒にするな》とタピオカ騒動再燃 – Yahoo!ニュース – 2023年7月30日閲覧。
さて、今月のりゅうちぇるさん自殺報道を受けて、SNSやメディアや芸能界では誹謗中傷が原因だとするデマが飛び交いました。
現時点でりゅうちぇるさんの遺書などは確認されておらず、「誹謗中傷が原因」は事実ではありません(2023年7月30日)。
木下優樹菜さんもまた、そうしたデマに便乗したひとりですが、
~ネット民の声~
と、被害者アピールをぶっ叩かれています。
木下優樹菜さんといえば、実姉が働いていたタピオカ店の店主に、恫喝メッセージや嘲笑メッセージを送ったことが有名です。
木下姉とタピオカ店の間には給料の支払いを巡るトラブルがあり、そこに妹である優樹菜さんが参戦、
~木下優樹菜さんが行なった脅迫&侮辱の例~
などと攻撃。
一般人に「事務所総出でやりますね」と脅しをかけた結果、世間総出の反撃を受けて撃沈しました。
ソース:“タピオカ恫喝”木下優樹菜に司法判決《事務所総出》は「脅迫」《おばたん♡》は「原告を嘲笑」 木下側の“トンデモ主張”も – 文春オンライン – 2023年7月30日閲覧。
~2018年~
~2022年~
~世間の反応~
↑じつはりゅうちぇるさんも、世間のパパに説教を垂れた上で、言行不一致を行なっています。
そういう意味では、「ご自身の行いから」誹謗中傷を招いたという共通点はありますが、木下優樹菜さんのように裁判で負けるほどではありません。
なにより、木下優樹菜さんとりゅうちぇるさんには決定的な違いがあり、
~木下優樹菜さんの例~
~りゅうちぇるさんの例~
ソース:ryuchellさん死去「息子さんのお誕生日翌日なんて…」 ネット絶句、当日は姉2人の誕生日 – J-CAST ニュース – 2023年7月30日閲覧。
りゅうちぇるさんにも子どもはいたし、なんなら自殺の前日はその子の5歳の誕生日で、当日は姉の誕生日でした。
それを聞いて、「自分勝手だ」「最悪だ」という意見は当然出ますが、
日付を考える余裕がなかったにしろ、なんらかの理由であえてその日を選んだにしろ、「無理だった」人間とは違います。
仮に同じように誹謗中傷を受けていたとしても、生きることを選んだ人間と、選ばなかったりゅうちぇるさんは違います。
それなのに、
~木下優樹菜さんの例~
木下優樹菜さんの受けた苦痛は、生きられる程度のものなのに、なぜ生きられなかったりゅうちぇるさんの気持ちがわかるのか。
「消えた方が良いかなとか思った」だけの人間と、実際に行動に移した人間は違います。
「自殺を考えた」が馬鹿の決まり文句なのは、ただ「考えた」だけなのに、実際に自殺した人間と同等の同情や被害者ポジションを得ようとしているからであり、
言葉と刃物は同じ?ただの音や文字に傷つく馬鹿
~落語家コメンテーター、立川志らくさんの例~
落語家の立川志らくは「まだ、原因が誹謗中傷なのか分からないが、そうだとしたら、対策を考えないといけない。アカウントを凍結してもすぐ別のアカウントを作れるし…。誹謗中傷というのは言葉の暴力。刃物を持って飛びかかるのと一緒なんですよ」と声を荒らげて訴えた。
ソース:立川志らく ryuchellさん死去で誹謗中傷対策訴える「刃物を持って飛びかかるのと一緒」 – Yahoo!ニュース – 2023年7月30日閲覧。
さて、こちらもりゅうちぇるさんに関連するコメントですが、さすがは落語家さんです。
落語家さんは、俗に言う「言葉のプロ」ですよね。
だからもちろん、「誹謗中傷」が「刃物を持って飛びかかるのと一緒」は、一流のネタ発言です。
言葉は、それがネットの誹謗中傷なら、ただの文字です。
言葉は、それが直接吐かれた暴言でも、ただの音声です。
ただの音や文字が、刃物と一緒なわけないでしょう。
- 音声に刺される
- 文字に刺される
- 刃物に刺される
①②③「どれも同じ」だから、どれでも良い?
いいえ、生きたい人間は①②「音や文字」、死にたい人間は③「刃物」を選びませんか?
つまり、違いがありますよね。
~元アイドルYouTuber、翠衣すずさんの例~
「私も数年前誹謗中傷がかなり多かった時期に自殺を図ろうとしたことがあります。りゅうちぇるさんが亡くなった理由との直接の関係があると断言はできないですが、少なくともひとりひとりの言葉の刃で簡単に人は殺せます。亡くなったあとでも非難のツイートがあることに憤りを隠せません」
ソース:ryuchellさん死去後も「非難のツイートがあることに憤り隠せない」 女性YouTuber、自身と重ね「許せなくて悔しくて涙が止まりません」 – Yahoo!ニュース – 2023年7月30日閲覧。
言葉のプロだけではなく、素人の方も同様のコメントをされていますが……。
素人らしく、このコメントには矛盾がありますよね。
言い換えれば、
これは木下優樹菜さんと同じパターンですが、生きている人間が死んだ人間を騙るからこうなります。
もちろん答えは、誹謗中傷なんかで簡単に人は死にません。
実際、誹謗中傷被害を叫んでいる芸能界で、何人が誹謗中傷を苦に自殺したのかを調べればわかります。
デブとハゲは同じ?行動と遺伝を同じに語る馬鹿
~婚活アドバイザー、植草美幸氏の例~
■身体的特徴でも「体重」と「薄毛」には容赦ない
「最近は身体的特徴の中でも、女性から受け入れられないのは『体重』と『薄毛』ですね。体重はダイエットして改善できますから、太ったままの人は自己管理ができない人間と見られてしまいます。『出世もできないのでは?』『長生きしない』と判断する女性が多いです。薄毛も同じ。遺伝的にハゲてしまうことが問題なのではありません。今は医学の発達で植毛や増毛が可能なのにほったらかしている美意識に対して、拒絶反応があります。もちろんオシャレなスキンヘッドにしていれば問題ありません」(植草美幸氏)
ソース:「170cm以下は人権ない」発言は大炎上だが…結婚相談所では今も「身長」重視なのか? – 日刊ゲンダイDIGITAL – 2023年7月30日閲覧。
さて、元プロゲーマーのたぬかな氏「170cmない男は人権ない」発言に関連して、チビよりデブとハゲのほうがヤバいよ的な記事がありました。
たしかに、「女性から受け入れられない」という意味では、デブもハゲも同じ括りで問題ありません。
が、受け入れられない理由まで一緒くたに語っている点は問題です。
~デブの原因~
- 生活習慣の乱れ
- 食生活の乱れ
- 運動習慣のなさ
①②③「デブの生活」こそが、デブの原因です。
デブは、その姿と生活が密接に結びついています。
つまりデブを見れば、そのデブが普段どんな行動を取っているのかも大方の想像がつき、
~デブが嫌われる理由~
- 太ったままの人⇒自己管理ができない
- 自己管理ができない⇒出世もできない
- 自己管理ができない⇒長生きしない
①「デブの姿」から、②③「無能」「不健康」といった問題が論理的に導かれます。
そりゃあ自己管理ができない人間に部下の管理ができるのかって話だし、不規則な生活を送って生活習慣病にならないほうがおかしい。
ダイエットなんて、お金もかからなければ自分の身体ひとつでできるのに……と、女性に能力を疑われるのは当然の流れです。
~ハゲの原因~
- 規則正しい生活
- 健康的な食事
- 適度な運動
①②③「健康オタク生活」を送っていてデブる人間はいません(よっぽどの特殊体質や病気などは除く)。
が、ハゲるやつはハゲます。
つまりハゲを見ても、そのハゲがどんな生活を送っているのかは見当もつかず、
~ハゲが嫌われる理由~
ハゲの治療は、技術的には可能です。安田尊@ハゲを謳うブログ。こんにちは、前回たぬかな氏の「170cmない男は人権ない」発言を調べていたら、【事実】本当に人を傷つけたいなら?誹謗中傷をやめるべき理由!ハゲがとんでもねぇ巻き込み事[…]
↑「医学で可能」を基準にすれば、ハゲ以外のチビもデブもブスも眼鏡も改善可能だろって話は上記でまとめています。
たしかにデブもハゲも、「対処していない」という意味では同じですが……。
その主な原因は、「デブ」⇒「行動」、「ハゲ」⇒「遺伝」で全然違うし、
デブが食事制限や運動だけで痩せられるのに対して、ハゲは「医学の発達」に頼らなければ治療できない。
デブがお金をかけずに痩せられる、なんなら食費が浮くのに対して、ハゲの植毛や増毛には大金がかかる。
デブが美意識のほかに、無能疑惑や健康問題も抱えているのに対して、ハゲの問題は美意識だけである。
素直に「見た目が生理的に受け付けない」といえば同一視できるのに、下手に理由をつけようとするから失敗するんです。
見た目じゃないよ、中身を見てるんだよ……!
そう良い子ぶりたいがために、デブとハゲの中身を一緒くたにしてディスろうとした結果、
まとめ:違うものを同じだというのは馬鹿である
- 生者と死者は違う、生きることを選んだ人間に、死ぬことを選んだ人間の気持ちはわからない
- 言葉と刃物は違う、「言葉の暴力」「言葉の刃」と過大評価しても、殺傷能力は認められない
- デブとハゲは違う、デブは生活習慣を変えれば改善可能だが、ハゲは生活習慣を変えてもハゲ
以上です。
私たち人間の処理能力は低いので、しばしば違うものを同じに扱って誤魔化しています。
厳密に処理すれば、「生きている人間に死んだ人間の気持ちはわからない」以前に、
自分と他人は違うからです。
自分の人生と他人の人生は違うし、自分の体験と他人の体験は違うし、自分の気持ちと他人の気持ちも違います。
ある彼氏と彼女のカップルが、映画館でデートをして、ポップコーンのLサイズカップをひとつ買ってシェアして同じポップコーンを食べていると思っていても、
彼氏はポップコーンをひとつまみして胃に入れるといいます、「このポップコーン美味しいね」。
彼女もポップコーンをひとつまみして口に入れながらいいます、「うん、美味しいね!」。
でも冷静に考えて、彼氏のいう「このポップコーン」そのひとつまみの粒を彼女は食べていないのだから、彼女には「このポップコーン」の味はわからないはず。
しかし私たちの脳みそは性能が低いので、いちいちそんな違いに目くじらを立てながら生きてはいけません。
そこで「同じ容器に入っているなら、中身も同じである」と見なして生きています。
でも同じ国に住んでいるからといって、国民が全員同じ気持ちを共有しているわけもなく、
~「バカ」という言葉について~
ソース:「ブス」「ヤリマン」「肉便器」人妻ブロガーがSNSで受けた“悪口”が「誹謗中傷とはいえない」深いワケとは?《弁護士が明かす“SNSの黒いリアル”》 – 文春オンライン – 2023年7月30日閲覧。
いい歳をした大人なら、それぐらいの分別はつけてから議論に参加するべきです。
以上、同じものは同じであり、違うものを同じだというのは馬鹿だという記事でした!