ツイッター界隈を飛び回っていると、たまにbio(自己紹介欄)に、
といった趣旨の注意書きを載せているアカウントがあります。
で、まあそれって、
といっているようなもので、矛盾していますし、都合が良すぎます。
とはいえ実態として、たとえば「いいね」や「リツイート」をメモ代わりに使用しているケースなどは散見されます。
という折衷案と「いいね」と「リツイート」のおさらいを以下に記します。
では目次です。
「いいね」は賛同や肯定的なアクション
さて、まずは手始めに「いいね」のおさらいですが、
漢字にすると「良いね」であり、ひらがなに戻すと「よき」と認めるボタンです。
また英語にすると「Like」であり、この場合の「Like」は、
- 好き!
- 良いね!
- 気に入った!
の意です。
ちなみに旧ツイッターにおける「いいね」は、
だったため、現在でも「ファボ」と呼ばれていたりしますが、大意は同じです。
現在ではハートマークで表される「いいね」ボタンを押すということは、
- 同意であり、
- 賛成であり、
- 賛同であり、
いずれにしても肯定的な意思表示です。
にもかかわらず、
ちなみにツイッターにおける「いいね」は、「いいね」を押された側のツイート主以外にも通知されます。
「いいね」を押した側のフォロワーが見ているTL(タイムライン)に、その「いいね」が表示される仕組み……つまり、
とお知らせする機能があるからです。
また対象アカウントの「いいね」欄から、そのアカウントが「いいね」を押したツイートをだれでも自由に閲覧できます。
したがってツイッターにおける「いいね」は、ブラウザの「お気に入り」や「ブックマーク」とは違って、全世界に公開で共有されるということです。
「リツイート」ほどではありませんが、「いいね」にも拡散機能があること、他人から見られることは自覚しておきましょう。
「リツイート」は「自分の意見」と同等
私は前回の記事で、アンチの誹謗中傷に対して法的措置を準備している有名人のまとめ記事をアップしています。
リアリティ番組「テラスハウス」の出演者だった木村花さんが、2020年5月23日、自ら命を絶つ衝撃的な事件がありました。事件発生の主な要因として挙げられているのは、以下の3つです。番組側のヤラセ的な編集演出共演者側の意図的な[…]
そしてまとめた有名人のなかで、リツイートに対しても警告している人を複数名確認しています。
以下に引用しましょう。
リツイートしても罪になるとのことなので、「イケハヤに関する中傷やデマをリツイートしてる人」も保存してます。
開示請求手続きが簡素化されたら、一気に動けますね!
心当たりある人は……早急に消したら、たぶん見逃します。
自主的、自発的に反省して「嫌がらせ、名誉毀損、侮辱を意図した投稿」は削除してください。通知は最後にします。
ご覧のとおり、まず誹謗中傷の被害を訴えている側の人間が、リツイートも被害であると主張しています。
また過去の裁判例でも、リツイートに対して責任を問う判決が下されています。
「リツイートは“主体的な表現行為”である。つまり、小説を書いたり絵を描いたりすることと同じ表現だとされています。リツイートは個人の見解や感想などを一切掲載せず、単に転載して再発信するという行為ですから、元々の投稿の内容をそのまま『発信』する表現行為と捉えられ得る。一方で、元の投稿に対し、自分の感想や意見を添えた上でアップするのであれば、それは、元の投稿そのものを『発信』する表現行為ではない、とも解釈できます」
ソース:橋下徹氏も勝訴!「リツイート」しただけでも損害賠償リスクはある – ダイヤモンド・オンライン – 2020年6月3日(水)閲覧。
また上記ソースには、常磐自動車道における煽り運転事件のデマ拡散被害者の声も掲載されています。
犯人一味(いわゆる「ガラケー女」)であるとして、無関係の女性がネットに晒され、拡散されるという二次被害が起きた事件です。
身に覚えのないデマで個人情報が拡散され、不特定多数から誹謗中傷を受けた被害女性は代理人弁護士と会見を開き、デマ情報をツイート・リツイートした人間に対して法的措置を取る構えであることを表明。被害女性は「SNSで手軽に発信できる時代だが、責任を取れるのか考えてほしい」と訴えた。
ソース:橋下徹氏も勝訴!「リツイート」しただけでも損害賠償リスクはある – ダイヤモンド・オンライン – 2020年6月3日(水)閲覧。
先に引用したイケダハヤト氏や藤田孝典氏と同様のスタンスです。
以上のことからおわかりのとおり、
であると考えられます。
なのにそこで、
「引用リツイート」で意思表示を明確に
みんながみんな、肯定的な意思に基づいて利用しているわけではありません。
否定的な意思で、バカなツイートを晒し上げる行為としての「いいね」や「リツイート」もあるでしょう。
あるいは中立的な立場で、非通知の間接的な返信や引用のための「いいね」や「リツイート」をすることもあるでしょう。
特にツイッターを情報収集の場として捉えたとき、現実的に考えて、すべてのツイートの真偽や違法性をチェックしながら「いいね」や「リツイート」をするのは手間がかかりすぎます。
しかし「いいね」や「リツイート」をメモ代わりにするのはリスクがあります。
鍵アカウントも悪くはありませんが、鍵アカ=覗き魔=見かけ次第ブロック、という方針を採っているアカウントに対して無力です。
そこで相手をフォローせず、鍵アカ+非公開リストで覗くのもありですが、相手が鍵アカになったときに弾かれます。
それに鍵アカをサブで運用する場合、アカウントの切り替えなどが地味に面倒です。
したがって今回は、公開かつメインアカウントの運用が前提で、とりあえず3つ考えました。
- 「メモ帳」系アプリを使い、ネット上では共有されないようにする。
- 「いいね」機能だけを使い、高リスクの「リツイート」は封印する。
- 「引用リツイート」を使い、「同意ではなくメモ」などと付記する。
①の説明、たとえばパソコンやスマホの「メモ帳」系のアプリを非共有設定で使用するのが一番安全です。
②の説明、「いいね」は「リツイート」とは違って「自分の意見」とは区別されるため、比較的安全です。
③の説明、「引用リツイート」も「自分の意見」とは区別される上、「いいね」せずに済む優れものです。
①の「メモ帳」系アプリは鉄壁ですが、少々不便です
②の「いいね」ボタンはお手軽ですが、脇が甘いです。
③の「引用リツイート」はお手軽簡単、ガードも固い!
つまり、bioに「リツイートは賛同の意ではない」と記した上で、完璧に100%すべてのリツイートが同意でないなら問題ないでしょうが、ほとんどの人がそんな運用はしていないはずです。
ゆえに曖昧に、
- 同意のリツイート
- 同意ではないリツイート
が入り乱れているはずです。
そして最初は同意のつもりで「リツイート」していたとしても、都合が悪くなれば、
などと言い逃れをするのは、誤解を招くのが大好きな日本の政治家などを見ていれば火を見るより明らかです。
卑怯な真似はやめましょう。
同意ではない(あるいは肯定的であると受け取られたら困る)なら、最初から引用リツイートで「同意ではない」と個別に特定して明記するべきです。
灰色の態度と白黒はっきりした態度、どちらが誠実かはいうまでもありませんよね。
まとめ:自分の発信は責任転嫁できない
- 「いいね」は文字通り「いいね」という意味です。
- 「リツイート」は「自分の意見」と見なされます。
- その他の意思表示は「引用リツイート」でどうぞ。
以上が原則です。
自分が「いいね」したツイートが問題視されれば、自分も問題視される可能性があります。
自分が「リツイート」したツイートが罪に問われれば、自分も同罪となる可能性があります。
- 他人を誹謗中傷するツイートに「いいね」を押したら、
- 根も葉もないデマやフェイクを「リツイート」したら、
どちらも共有されますし、拡散されますし、共犯者であると見なされる可能性があります。
SNS上の「いいね」や「リツイート」は立派な発信行為です。
そのことが理解できない人間や、発信者の自覚が持てない人間は、ツイッターを触るべきではありません。
別にこれは厳しい意見でもなんでもなく、当たり前の前提です。
とはいえ、本記事を執筆している2020年6月時点では、取り締まるほうが厳しいでしょうが。
それでも、だれもが発信者になれるこの時代、自分の発信には自分で責任を負う覚悟を持ちましょう。
以上、初歩的なツイッターの使用方法でした。
THIS IS THE ANSWER.