ショックを受けている。
~2023年10月~
漫画『進撃の巨人』は、2021年に完結しています。
でも私は、女型の巨人が出てきたあたりで「あ、これ面白すぎて連載追ってたら絶対疲れるやつだ」と判断して読むのをやめて以降、今年まで読んでいませんでした。
つまりネタバレ防止のために『仕事の流儀』は見られないし、盛り上がっているみんなを全員無視しなければならないし、このままでは作者の完結後インタビューだってなんだって全部避け続ける人生……。
と重い腕を上げて3日で25巻ぐらいまで読み進めたのが10月半ばで、12月末現在29巻でストップしています(全34巻)。
え、なんで……これ今年中に読み切れない感じ……?
では以下目次です。
漫画を一気読みすると罪悪感が生まれる
~漫画を一気読みする罪悪感について~
私が『進撃の巨人』25巻までを3日で読み進められたのは、たしか土日祝日のいずれか(または複数)を全部犠牲にしたりした結果です(この時点では記録するつもりがなかったので詳しい日取りは覚えていません)。
ただ、このとき感じた罪の意識は強く覚えています。
私は第26巻を読もうとして、ページを開いたときにふと思いました、
私は3日で25巻まで読み進めている……そのことをここで認識しました。
そして25巻まで描くとなると、だいたい10年ぐらいかと考えました(実際はコミックス第1巻~第25巻までで約8年。ただし連載前の構想や準備を含むと……? いずれにしても、ちゃんと調べたりはしませんでしたが)。
作者はここまで10年費やしている、私はここまで3日しか費やしていない……と考えると、
ここで私の『進撃の巨人』一気読みはストップしました。
私は第26巻冒頭のページを何度も開いては閉じ、開いては閉じるを繰り返し、その第103話「強襲」の最初のページでファルコが死にかけている顔を数日間見続けました。
そうしてファルコの陰気な顔を見ながら考えていたのは、どう見ても物語は終盤であり、この顔はもうすぐ終わる顔ですが、
なお実際は残り8巻もありますが、このときの私はちゃんと確認していませんでした(それに8巻は、1日で読み終えられる量でもあります)。
そして、上記のような自問自答を繰り返し、第26巻を開いたり閉じたりの繰り返し。
私はその罪悪感と葛藤を、半ば意識的に、半ば無意識的に繰り返した結果、
ドラマもゲームも完結前にストップする
~なぜ漫画にだけ罪悪感を抱くのか?~
と、私は過去の経験を思いだしました。
ただ今回の漫画は、半分意識的にストップをかけた気がするのに対して、過去の連ドラやゲームは完全に無意識だった気がします。
この違いは、現在の私と過去の私の成熟度(自意識の度合いや自覚の有無)が違うのか、
- 漫画
- 連ドラ
- ゲーム
①「漫画」のストップ現象と、②③「連ドラ&ゲーム」のストップ現象は、同じ理由で説明できるでしょうか?
仮に①②③「漫画&連ドラ&ゲーム」のストップ現象が同じ理由で発生するとして、理由はやっぱり罪悪感?
でも②③「連ドラ&ゲーム」に関しては、製作者や開発者の方には申し訳ありませんが、漫画ほど制作費や制作期間を意識しません(特に大手製作会社や大手ゲーム会社の作品は)。
もちろん漫画にも編集者やアシスタントはいますが、でも最悪いなくても、漫画は漫画家ひとりだけでも十分完成度が高い作品を描けます。
一方でドラマやゲームは、脚本家ひとりだけとか主演ひとりだけとかクリエイターひとりだけだと、かなり厳しいものがあります。
そういう意味で、漫画を読むときだけ、作者の才能や労力や負担を意識する瞬間が多くなり、
となると、罪悪感が理由で進行がストップしてしまうのは漫画だけですが……。
ではドラマやゲームは、なぜ完結手前で見なくなったりプレイしなくなったりするのでしょうか?
「完結手前」という共通点から考えてみると、
一区切り?オチが読めた?悲しいから?
~一区切りついたから?~
そして第23巻からは、少し時間が飛んで、別視点で物語がスタート。
読み進めると、なんだか成長してやさぐれた元主人公みたいなやつが出てきて、嗚呼……と思います。
これがエレンだとすれば、もうあの熱血少年エレンはいないのか……?
と、勢いが削がれた感は否めません。
つまらなくなったわけではないし、話も地続きですが、これまで読んできた『進撃の巨人』ではなくなった。
そして成長してやさぐれた元主人公みたいなやつは実際エレンだったし、っていうかとんでもねぇテロリストになっているし、
~オチが読めたから?~
実際私はどういうエンディングを迎えるのかはまだ知りませんが、仮にバッドエンドだとしてもバッドエンド自体は問題ではありません。
『進撃の巨人』は最初からバッド続きの漫画だったし、私はなんでもかんでもハッピーエンドにすればいいとも思っていません。
が、そのエンディングに至るまでの過程、理屈がなんとなく読めた気がして、
気分はまるで、悲しいエンディングを見届けたあとみたいです。
それは推理ドラマで、次々と容疑者たちの潔白が証明されて、じゃあもうあとは残ったこいつを追い詰めるだけじゃん……と、すでに真犯人を逮捕した気分に陥るみたいに。
それはRPGで、ラストダンジョンの奥にデカい扉とセーブポイントを見つけて、じゃあもうこの先ラスボスじゃん……と、すでにゲームクリアした気分に襲われるみたいに。
~悲しいから?~
まだ終わっていないけど、実際に予想通りのエンディングを迎えるかはわからないけど。
でも、その終わりの予感だけで、もう悲しい。
それは娘が生まれたばかりのお父さんだって、いずれは娘が反抗期を迎えたり、どこの馬の骨ともわからないしょうもない男に奪われたりするのを予感して泣く。
その漫画やドラマやゲームが面白ければ面白いほど、いつまでも読んでいたいし見ていたいしプレイしていたい。
でも漫画は完結まで読み終われば、ドラマは最終話まで見終われば、ゲームはラスボスを倒せば終わる。
つまり逆にいえば、漫画は完結まで読まなければ終わらないしドラマは最終話まで見なければ終わらないしゲームはラスボスを倒さなければ終わらないんだから、
漫画を読む意欲や関心や感性の劣化は?
~漫画を読む能力は劣化していないか?~
それでとりあえず、ちょうどいい巻数で目についた漫画『ワールドトリガー』を最新26巻まで一気読みしました。
完結していないからか、なんのためらいもなく26巻の壁を突破できました。
『進撃の巨人』と同じ巻数なのに、『ワールドトリガー』は膨大な人数の模擬戦だの選抜試験だのを延々やっていて、全然ストーリーが前に進みませんでした。
いや『ワールドトリガー』をディスっているわけではなく、意外な人物がヒロインポジションに躍り出たりと、楽しく読ませていただきました。
そもそも面白くなければ26巻も一気読みできません(しかも半分ぐらい2周目だし)。
それで読むものがなくなった(なお『進撃の巨人』はないものとする)と虚無感に襲われた私は、
ワンパンマン(英語『ONE PUNCH-MAN』、原作:ONE、漫画:村田雄介)を読みました。~漫画『ワンパンマン』の簡単なあらすじ~安田尊@『ワンパンマン』を謳うブログ。主人公のサイタマ(ヒーロー名:ハゲマント)は、どんな[…]
『ワンパンマン』は、大ゴマや見開き連発の頭空っぽで読めるアクション漫画です。
とはいえ、『ワールドトリガー』と併せてこれで証明終了でしょう。
私の漫画を読む能力は、まだまだ少年のように若々しい(でも『週刊少年ジャンプ』はもう読んでいないけど。だって『HUNTER×HUNTER』どんだけ休載してるんだよ? ハンタ読めないジャンプなんてワンパンできないワンパンマンじゃん!)。
一気に読めなくてショックを受けている
~2023年12月現在~
もう12月も半ばを過ぎたというのに、まだ漫画『進撃の巨人』第29巻の途中で止まっています。
3日で25巻まで読み進めたときは、このままでは1週間、遅くとも10日あれば読み終えそうで罪悪感を覚えていたのに。
それが2ヶ月以上経ってもまだ読み終えていないって、
美味しい料理ならすぐに完食するし、マズい料理なら残してしまう、そういう失礼さを感じます。
まあ中国とかでは、「食べきれない量のご馳走をありがとう」的な意味で残すマナーもあるそうだけど。
そういう意味では、私も『進撃の巨人』にはこう伝えたい、
『進撃の巨人』は、文句なしに面白いです。
まず間違いなく、ストーリーを忘れた頃に、2周目3周目と読み続ける漫画になるはずです。
が、すでにストーリーを半分忘れている気がするし、
これが一気読みの弊害です、1話1話を何度もじっくりと読むことをしないから、記憶に定着しない。
それは「記憶を消してもう1度読みたい」場合には有効なテクニックになりうるけど……。
完結まで一気読みしたい場合には、途中で記憶や興味が薄れていたらお話にならない。
私は漫画『ワールドトリガー』や『ワンパンマン』以外にも、映画やドラマやゲームなどにも浮気しています
時間がないわけではありません。
なぜ料理が冷めないうちに、さっさと読んでしまわないんだ?
最初は罪悪感から始まったかもしれないけど、いまのところ自覚できる範囲内では、悲しさや寂しさを表す言葉が一番正確な言語化だと思う。
それでも少しずつ読み進めて、いまこれを書いている時点で31巻まで進みました。
やっぱり面白いので、ちゃんと読み始めれば一気に読めます。
さすがに今日は忙しいので漫画は読めないし、これ今年中に読み切れない感じだ……。
エレンの『プロフェッショナル 仕事の流儀』もお預けだ……。
いつになったら『進撃の巨人』とお別れできるのかわからないけど、読み終えたら追記するかもしれない。