障がい者の「障」の意味知ってる?
~研修資料~
研修で渡された資料の文字が、すべて「障害」⇒「障がい」になっていました。
「障害者」も全部「障がい者」でした。
いや~~~~、「害」の字を嫌った配慮なんでしょうが、でも大人が読む真面目でお堅い資料なのに特定の単語だけ児童書みたいな漢字の開き方「害」⇒「がい」をして強調されると、
そもそも、「害」に悪い意味やイメージがあるからひらがなにしますっていうけど……。
じゃあ漢字のまま許されている「障」の字には良い意味がある…ってコト!?
では以下目次です。
「障」の意味とは?「障がい者」は「邪魔者」か?
~「障」の意味とは~
障の解説 – 小学館 デジタル大辞泉
ソース:「障」とは? 部首・画数・読み方・意味 – goo漢字辞典 – 2023年12月13日閲覧。
しょう【障】
[音]ショウ(シャウ)(呉)(漢) [訓]さわる
1 じゃまをする。じゃま。さしさわり。「障害/故障・罪障・支障・万障・魔障」
しょう〖*障〗
ソース:岩波 国語辞典 第七版 新版 – 株式会社岩波書店
ショウ(シヤウ) ソウ(サウ) さわる
①間に立ちふさがってじゃまになる、じゃまをする。ふさぐ。へだてる。さまたげをする。「障壁・障碍(しょうがい・しょうげ)・障害・罪障・五障・故障・万障」
↑ダメじゃん。
「障」単体でめちゃくちゃ印象悪いじゃん。
たしかに辞書で挙げられているように、「障」には「障害」以外にも「故障」や「支障」など嫌なイメージがつきまとっているし、
「霊障」はじつは国語辞書(goo辞書や岩波国語辞典)には載っていませんが、ホラー映画や心霊番組ではお馴染みの用語です。
そこで「霊害」といわずに「霊障」というところに、民間での「障」の扱いが垣間見えます。
私は老害が大嫌いで、定期的に発作を起こしてブログで叩きまくっているんですが、
老害か賢者か。~とある市の施策~安田尊@駅前を謳うブログ。駅前の家族向けの市営住宅から、契約満了の独居老人を転居させて、子育て世帯を入居させたい。安田尊@Questionを謳うブログ。それで誰が幸せになるんで[…]
「障」が「間に立ちふさがってじゃまになる、じゃまをする」だから……。
世代交代の前に立ち塞がり、若者の邪魔になっている老人は、まさしく老障でしょう。
と、老害叩きはさておき、「障」も「害」も置換可能なぐらい共通の悪い意味を持っているわけですが、
「害」はひらがな表記なのに「障」を残す理由は?
~「障害」が全部ひらがなにならない理由~
それこそ小学校低学年向けの児童書じゃあるまいし……。
一般的な大人向けの文章で、「しょうがい」や「しょうがい者」は可読性(読みやすさ)を損なう表現です。
でもそれをいうなら、
- 「障がい」
- 「障がい者」
↑このうち特に読みにくいのが、②「障がい者」です。
①「障がい」に関しては、私もブログではそういう漢字の開き方をすることはあります(「子供」⇒「子ども」とか「友達」⇒「友だち」とか)。
ひらがながおおすぎてやわらかいゆるふわかんをだされすぎてもよみにくいし、漢字変換出来る漢字全部漢字変換して漢字多過ぎ漢気演出されても読み難い、だから適度に漢字/ひらがなを織り交ぜるのは文章表現のテクニックですが、
単純に「害」の字を嫌って、可読性を損なってでも無理矢理ひらがなのまま置いているにすぎない。
たとえば「校長せん生」とか「野球せん手」とか「企業せん士」とか書くでしょうか?
ある属性+人間を表す熟語は、基本的には徹頭徹尾、セットで漢字に変換したほうが読みやすく、
通常は漢字のテスト以外で、こんな歯抜けでマヌケな表現はしません。
漢字のテストじゃないなら、最初から「障害者」と書くべきです。
「校長先生」、「野球選手」、「企業戦士」と書くべきであり、
「ガイガイ音頭」は「害」が含まれないから無害?
~ガイガイ音頭(作詞・作曲 ID:4uCtCabV0)~
ソース:ガイガイ音頭 – 新・なんJ用語集 Wiki* – 2023年12月13日閲覧。
ガイガイ音頭とは、なんJ民(匿名掲示板『5ch』⇒「なんでも実況板J」の住民)が創作したヒットチャートです(2016年)。
上記なんJ民は、
と、突然のガイジ祭り開催を宣言し、数分後には自らガイガイ音頭を作詞&連投する暴挙に出たことで人気を博しました。
彼(彼女)自身がガイジだったのか否かは、哲学や論理学の研究に任せるとして……。
「ガイジ祭り」や「ガイガイ音頭」の障害者を侮辱する意図は明白ですが、
もちろん「ガイジ」は「障害児」の略です。
「ガイジ祭り」は「障害児祭り」です。
さしずめ「ガイガイ音頭」は、「障害児の障害児による障害児のための音頭」ってところでしょうが、
どう考えても、「害」だろうが「がい」だろうが「ガイ」だろうが、バカにしているならバカにしているし……。
「漢字」だろうが「ひらがな」だろうが「カタカナ」だろうが、バカにしていないならバカにしていない。
つまり重要なのは、「害」の字が漢字かひらがなかなんていうクソどうでもいい表現の問題ではなく、
にもかかわらず、意味のない表記変更でやってる感を出されても困ります。
私は、研修の最初のほうの時間で進行を無視して資料を全部読んで、残りの時間は「がい」「がい」「がい」「がい」ウゼーなってずっと思っていました。
だって講師役の人間が資料を読み上げて、「障がい」と口にするたびに、
ってずっと思わされているんだし、「合理的」とか「建設的」とか「特別扱い」とかいう言葉の意味もふわふわしていて聞く価値があるとは思えませんでした。
講師は、「障がい者を特別扱いする必要はありません」といいます。
でもじゃあ、目の前の特別表記「障がい者」はなんなんだろう?
それって逆に差別じゃない?
だって必要でもないのに、通常の熟語ではまず見かけない、異常な表記を使用しているんだから。
異常な表記をもって、「障がい者」の異常性をアピールする文学的表現にして差別の手法にも見えるし、
もしも「害」の字を見るたびにツラくて悲しくて生きづらさを感じると訴える障害者がいても、それはそいつのメンタルが特別弱いだけで障害云々は関係ないし……(健常者だって特別弱いやつは「健常」を強いられるツラさに死にたくなっていますよ、ギリギリ健常「ギリ健」とか呼ばれて)。
そもそも「害」の字に配慮が必要なら、「障害者差別解消法」が「障がい者差別解消法」になっていないと矛盾します。
そして「障」にも配慮が必要になり、「しょうがい者差別解消法」になっていないと矛盾しますが、
だから「障害者差別解消法」は全部漢字です。
正式名称「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」でも「障害」は漢字です。
そこで「障がい」と特別表記するのが非合理的配慮で、必要でも義務でもないなら、
まとめ:マイナスイメージ隠してマイナス隠さず!
- 「障害者」を「障がい者」と表記するが、「障」は「邪魔」であり、「害」のマイナスイメージと大差ない
- 「障害者」を「しょうがい者」と表記しない理由は可読性の問題だが、それなら「障がい者」もやめるべき
- 「害」の漢字があれば有害で、「がい」「ガイ」の字なら無害なわけではないし、意味のない言葉遊びだよ
以上です。
地に足がついていない表記変更で「障害」を全部ひらがなに変えても意味は変わりません。
あるいは、別の言葉に置き換えて「障害」を消し去ったとしても、
それは「窃盗犯」が消えたところで、「万引き犯」が残っているならお金は減り続けるし。
「売春婦」が消えたところで、「パパ活女子」が残っているなら性病は増え続けるし。
マイナスイメージを消したところで、マイナスそのものが残っているなら障害は残り続けます。
- 障害者自身の持つ特性が障害である
- (その特性を持った人間の)社会進出を阻む人々や社会の仕組みが障害である
しかしいずれにしても、①②「障害」がなにを意味するかは、言葉ではなく現実の実態で決まります。
その人間が人生に支障を来している理由は、①「本人」にあるのか②「社会」にあるのか?
以上、私が受けた研修では「ケースバイケース」を連呼されましたが、そりゃケースバイケースでしょうよ(つまり実際の運用を見なきゃなにもわからないわけで、意味のない研修だよ)。