老害が若者へのマウンティングに使いがちなワードとして、
というセリフがあります。
人間、「目上」でマウントを取るようになったら老害の初期症状です。
自分が老害になることを予防したければ、若者へのマウンティング目的での、
というワードは封印しましょう。
また、すでに使ってしまっている老害の方も、早期のうちに老害仕草を自覚して改善できれば老害と呼ばれなくなるかもしれません。
というわけで本記事では、現実とフィクションの両面から、
だからと傲慢に振る舞う老害と、その末路を反面教師にします。
では以下目次です。
吉本興業のほんこん氏「目上の方にそんな物言いは?」が炎上
落ち着いてると思うがそれより目上の方にそんな物言いは?→グレタさんトランプ氏に「落ち着けドナルド」 同じ表現でお返し(朝日新聞デジタル) https://news.yahoo.co.jp/articles/b2fe481f0d5af0f806b096295f25f617549a65dc
さて、まずは現実の老害表現からご紹介しましょう。
ツイート主は吉本興業所属のお笑い芸人、ほんこん氏(57歳)です。
ほんこん氏が引用しているニュースを解説すると、ツイートが投稿された当時(2020年11月6日)は、
でした。
そして、
- 当時現職だった共和党のドナルド・トランプ氏(74歳)が劣勢で、
- 民主党のジョー・バイデン氏が優勢
でした。
そこでドナルド・トランプ氏は、自身のTwitter上で、
と叫んだり、不正選挙を主張したりするなど、顔真っ赤な様子を見せていました。
そのトランプ氏の狼狽に反応したのが、世界的な環境活動家、日本では「環境少女」と呼ばれているグレタ・トゥーンベリ氏(17歳)です。
しかし上記のツイートは、ほんこん氏が引用している記事のタイトルでも本文でも説明されているように、グレタ氏の意趣返しであり鸚鵡返しです。
気候危機を訴えるグレタさんにとって、気候変動に懐疑的で米国をパリ協定から脱退させたトランプ氏は因縁の相手。グレタさんが昨年12月、米誌タイムの「今年の人」に選ばれた際、トランプ氏はツイッターに「とてもばかげている。グレタは怒りのコントロールに取り組み、友達と古い名作映画を見に行かなければならない。落ち着けグレタ、落ち着け!」と投稿していた。今回はそれをそっくりそのままお返しした形だ。(ロンドン=下司佳代子)
ソース:グレタさんトランプ氏に「落ち着け」 同じ表現でお返し – アメリカ大統領選挙2020 – 朝日新聞デジタル – 2020年11月30日(月)閲覧。
さてしかし、そんなブーメラン現象に反応したのがほんこん氏です。
落ち着いてると思うがそれより目上の方にそんな物言いは?→グレタさんトランプ氏に「落ち着けドナルド」 同じ表現でお返し(朝日新聞デジタル) https://news.yahoo.co.jp/articles/b2fe481f0d5af0f806b096295f25f617549a65dc
ほんこん氏は論点を2つ示し、さらに優先順位も明らかにしています。
- 論点その1……「トランプ大統領は落ち着いてると思う」
- 論点その2……「それより目上の方にそんな物言いは?」
「それより」と、①のトランプ氏の態度よりも、②のグレタ氏の態度を問うています。
しかし繰り返しますが、グレタ氏のツイートはトランプ氏のツイートをそっくりそのままお返ししただけです。
並べてみると、名前の部分以外はすべて同じ文面であることがわかります。
それなのに、グレタ氏だけ「物言い」を注意されるとはいったいどうしたことでしょうか?
どうしてグレタ氏だけ批難されなければならないのでしょう?
その理由は、ほんこん氏が教えてくれています。
これが答えです。
まったく同じセリフでも2パターンあり、
- 目上の人間が目下の人間にいうのは許されて、
- 目下の人間が目上の人間にいうのは許されない
というわけです。
まあその考えは一理あるでしょう。
たとえばトランプ氏とグレタ氏が親子関係にあるとか、上司と部下の関係にあるとか、兄貴と舎弟の関係にあるとかすれば、明確な主従関係に基づいて「物言い」に差がつくケースは当然考えられます。
しかし今回の場合、
です。
親子でもなければ上司と部下でもない、住んでいる国も違えばスウェーデンがアメリカの属国だったりもしない、赤の他人です。
でもなんとか上記の属性から「主従関係」を見いだそうとするなら、
つまり、
- 年齢
- 性別
ということになります。
とする風習は日本人にありがちですよね。
昭和までは。
ですよね。
ですから令和になった現代において、ほんこん氏のツイート(およびツイートを取り上げたネット記事)は炎上してトレンド入りし、
- 西村博之氏(43歳男性、「2ちゃんねる」開設者)
- 岩田健太郎氏(49歳男性、神戸大学院感染症内科教授)
- ラサール石井氏(65歳男性、お笑いタレント)
らに引用されてボロクソいわれてしまうのでした。
「目上」なら未成年に対して失礼な物言いが許されるという文化は、アメリカにも日本にもないかと。https://news.yahoo.co.jp/articles/7220d0a1259c17093ba752b48d589dba2d7d448c
https://twitter.com/hiroyuki_ni/status/1324819830957027328
グレタさんが一字一句変えないからジョークが成立してるんだけどな。
にしてもちょっと伸びたヒゲ面キープしてるけど気に入ってるんかな。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7220d0a1259c17093ba752b48d589dba2d7d448c
漫画『ザ・ファブル』で表現される老害のモラハラとパワハラ
ところで、ほんこん氏関連のやりとりを見届けた段階では本記事を作成する気はありませんでした。
ではなぜ本記事を作成するに至ったのかというと、
です。
さすがに2例続けて老害仕草を目撃してしまうと、まとめておこうと思ってしまいます。
というわけでまずは漫画『ザ・ファブル』を軽く紹介しますが、
です。
2021年2月には、岡田准一主演で実写映画化2作目、『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』の公開も予定されている人気作です。
さて、この漫画『ザ・ファブル』には、
が登場します。
小島は、
- 暴力団「真黒組」若頭である海老原の弟分
- 殺人罪で15年間服役してからのムショ帰り
- 出所後は”恐ろしい警告者”になるのが目標
という経歴の武闘派ヤクザです。
しかし同時に、15年間のブランクで時代遅れになった老害でもあります。
小島は刑務所から出所後、真黒組の新人である高橋と顔合わせを済ませるやいなや、
などとパワーハラスメントとモラルハラスメントを繰り返しながら、「目上」「若いモンは」と老害ワードも連発します。
さてしかし、ほんこん氏の項で解説したように、親と子や上司と部下や兄貴と舎弟など、明確な主従関係があれば態度や物言いに格差が生じるのは当然です。
したがって、
- 小島は真黒組若頭である海老原の弟分で、
- 高橋は入団2年目の新人である
という関係性を踏まえれば、小島の態度は必ずしも老害とはいえないのかもしれません。
「目上」の者に対する礼儀や礼節の教育は、年長者の義務であるともいえます。
いわんや暴力団に身を置くなら、文字通り暴力や暴言があることは高橋も承知しているでしょう。
ということは、小島が高橋に暴力的なパワハラや「教育」を行なったとしても、
という話で、カタギ(一般人)の基準で「老害」と断ずることはできません。
「目上」セリフは死ぬべきクズの要素として描かれている
上記は小島がムショ帰りのあと、「目上」である砂川にアイサツをしたときのセリフです。
自分が盃を交わす兄貴分、海老原以外のアニキにもちゃんとアイサツができて偉いですよね。
しかし直後、砂川に「下っぱからやり直す」ことに言及された小島は、
と、「目上」の人間に対してありえない物言いを連発します。
しかもこのあと、小島は砂川のシノギ(商売)であるデリヘル事業を仕切っている社長を射殺します。
そうして小島は砂川のデリヘルを休業に追い込み、自分がデリヘル事業に食い込もうとします。
もちろん同じ組織内でシノギがダブるのは御法度です。
ですから小島は、自分が盃を交わす兄貴分、真黒組の若頭である海老原にも、
とわざわざ言質を取られ、念入りに約束させられます。
にもかかわらず、小島は約束をした次のページで約束を破ります。
「極道は義理人情が第一」
とはなんだったのか……(まあ私が勝手なイメージで述べただけですが)。
こうして古い任侠映画のイメージとは違い、小島は次々にアニキたちを裏切ります。
自分より「目下」の高橋などには、目上である自分に従うように強要するのに。
自分は「目上」である砂川や海老原のことを無視し、好き勝手に動き回ります。
そんな小島の最期は、砂川やファブルたちとドンパチやり合ったあと、海老原に粛清されて幕を閉じます。
『ザ・ファブル』は、だいたいクズは死亡するという特徴を持った漫画です。
その『ザ・ファブル』において、死ぬべきクズとして描かれた小島が、
などと中身のない年功序列で粋がることしかできないセリフを吐いていたことの意味を考えると、決してフィクションだからと無視はできない世界観が読み取れるのではないでしょうか。
まとめ:老害予防はどうすれば?率直な物言いを許容すること
- 「目上」マウントは古臭い価値観の老害サインになるため要注意
- 「目上」の根拠が年齢だったり性別だったりする場合は特に老害
- 「目上」セリフは漫画でもクズキャラ要素として描写されている
以上です。
もちろん事の本質は「目上という言葉を使わないこと」ではなく、
です。
要忖度を要介護だと思っていないのは老害だけです。
そして要介護にならないための秘訣は、本記事中程で引用した岩田健太郎教授のツイートとその続きが参考になります。
https://twitter.com/hiroyuki_ni/status/1324819830957027328
逆にいえば、自分が老害と対峙したときにもっとも有効で残酷な手段もわかりますよね。
生き恥を晒し続けてもらいたい老害には、放置が一番だということです。
自分がそんな仕打ちを受けて、だれにも己の老害を指摘してもらえずますます老害をこじらせる悪循環にハマりたくなければ、答えはすでに記したとおりです。
以上、老害対策の記事でした。THIS IS THE ANSWER.