負けるほうに賭ければ負けません。
リスクを分散させるバランスの取り方
- 自分の願望が計画通りに実現するルートA
- 自分の願望が計画通りに実現しないルートB
です。
このうち、
- ルートAに対応する策がプランA
- ルートBに対応する策がプランB
であることは前々回の記事でご説明したとおりです。
日本の東京2020オリンピックや新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策に関連して、最近よく見聞きするようになった言葉があります。Bread、あるいは葡萄パン「プランB」です。パンがなければお菓子を食べればい[…]
さて、しかしここでまた次の二択が出現します。
まずプランAとプランBを両方用意することは前提ですし、客観的には「必ずどちらもありえるし、必ずどちらかは外れる」と身構える必要もあります。
が、しかし自分の主観においては、
- プランAに賭けるルート
- プランBに賭けるルート
どちらを予見し、どちらにベットするのか……?
プランAとプランBを同時並行で進行させることが理想だとはいっても、物理的資源には限りがあり、精神的にも平等に負担を分散させることも現実的ではありません。
主観的には必ず、どちらかに偏りが生じるはずです。
つまり本項目冒頭のルート例でいえば、「自分の願望が計画通りに実現しないルートB」に対応する「プランB」に賭けましょう。
自分が本心から望むルート(この場合ルートA)と、表向き支持するプラン(この場合プランB)で、いわば本音と建て前を分けておきましょう、ということです。
すると次に実現するルートは、以下の二通りです。
- 自分の賭けなかったプランAが実行されるルートA
- 自分の賭けたプランBが実行されるルートB
少しややこしいので言い換えましょう。
つまり自分の願望と予想を分けて賭けておけば、以下の二通りのルート、
- 自分は賭けに失敗したが、本心では願ったり叶ったりのルートに突入したのでヨシ!
- 自分は願望こそ叶えられなかったが、賭けには勝利するルートに突入したのでヨシ!
こうして自分で「自分の望まないルート」に賭けた時点で、絶対に100%の敗北は回避され、自らの破滅を防ぐリスクヘッジが完成するというわけです。
東京五輪は失敗して中止になればいい
ではささやかながら、具体例を交えて詳説しましょう。
このとき、想定されるルートは大まかに分けて二択、
- ルートA「計画通り、2021年に開催される」
- ルートB「再延期、または中止が決定される」
です。
私は東京2020オリンピック(のために建設されたひしゃげたトイレットペーパーみたいな新国立競技場や、予算7000億円→3兆円オーバーなどのクソみたいな無駄遣いや利権)にはかなりイラついており、失敗してしまえばいい、そして東京五輪の招致や準備や運営に加担したすべての人間にざまあみろと叫びたい、そう心の底から願っているとします。
が、しかし私がその感情を、東京2020オリンピックの再延期、または中止が確定する前から叫び、
などと「ルートB」=「再延期、または中止」への賭けを表明したとしましょう。
で、
もしそんなことになったら、私は願望も叶えられず、予想も外して、純度100%の負け犬になるしかありません。
しかし私は前回、このような記事を投稿しています。
東京2020オリンピックは、新型コロナウイルスの影響で2020年3月24日に延期が決定されました。本記事を執筆しているのが2020年4月24日なので、ちょうど1ヶ月前のことになります。そして東京五輪は「東京2020オリンピ[…]
「東京五輪の中止はありえない」と題し、「2021年に必ず開催される」と主張した記事です。
でも繰り返しますが、東京2020オリンピックにおいて、
- ルートA「計画通り、2021年に開催される」
- ルートB「再延期、または中止が決定される」
私は「ルートB」=「再延期、または中止」の実現を切に願っています。
けど表向き賭けているのは、「ルートA」=「2021年に開催」です。
したがってここから先は以下のように分岐します。
~ルートAに突入した場合~
~ルートBに突入した場合~
悲観的で逆張り思考が得意なウザい人
またたとえば、新型コロナウイルス関連の例を続ければ、
などと謳い、注意喚起をされた方が大勢いました。
ソース1(2020.02.21):日本の新型コロナ、中国人が驚いたこと「1カ月前の武漢のよう……」マスク盗難に「中国なら10倍の値段」 – Yahoo!ニュース – 2020年4月29日(水)閲覧。※2020年6月1日(月)リンク切れ確認。
ソース2(2020.03.28):新型コロナ、いまの日本は「2週間前のニューヨーク」かもしれない – 現代ビジネス – 2020年4月29日(水)閲覧。
ソース3(2020.03.30):「日本も3週間後、地獄を見る」まるで戦争…欧州に住む日本人の警告 – 現代ビジネス – 2020年4月29日(水)閲覧。
ソース4(2020.04.05):「今の東京、2~3週前のNY」 現地の日本人医師が警告―新型コロナ – 時事ドットコム – 2020年4月29日(水)閲覧。
岡田晴恵や玉川徹は、一年経っても言い続けるんじゃないか?
ソース5(2020.04.14):2週間後にニューヨークにならなかった! – 小林よしのりオフィシャルwebサイト – 2020年4月29日(水)閲覧。
「ニューヨークになる!地獄になる!ニューヨークが先進国の先進都市なのよ!日本はニューヨークにまだ追いついてないだけ!2週間後にニューヨークになるのよ~~~!」
まあこんな感じです(その他類似のニュース記事、テレビのコメンテーターやYahoo!ニュースのコメント欄、匿名掲示板やツイッターなどでの反応を含む)。
そして小林よしのり氏のブログに書かれているとおり、「2週間後」、「3週間後」、「1ヶ月後の現在(2020年4月末)」、日本が武漢や欧州やニューヨークのようになっているのかといえば、少なくとも表面上はなっていません。
さて、上記のような「危険予知」と「結果」のズレに対して、どのような見解が可能でしょうか?
もちろん小林よしのり氏のように、警告を受けた側の視点で、
などと非難することも可能です。
しかし逆の視点で、警告を発する側の立場から、本記事のメソッドを当てはめて考えてみることも可能です。
つまり彼ら彼女たちのベットする「危険予知」と、「願望」がズラされているとしたら?
未来のルートは二通りです。
- 自分は予知を外して扇動者扱いを受ける、でも日本で感染爆発が起こらなかったのでヨシ!
- 残念ながら日本でも感染爆発が起きてしまった、でもまあ自分の予知は当たったのでヨシ!
ちなみにめちゃくちゃ不謹慎な例えになってしまいましたが(特に後者)、あくまで仮定の話です。
そして後者のルートにしても、
という最悪のルートに比べれば、やはりマシでしょう。
世の中には悲観的な考えを好む人や、逆張りばかりを繰り返す人がいて、結構ウザがられています。
しかし、このようなリスクヘッジの方策があります。
こうしてリスクの軽減が可能になることが周知されれば、彼ら彼女たちの行動原理も、少しは理解されるのではないでしょうか。
まとめ:無難こそが攻守最強の生き方
- 二択ではどっちに転んでも大怪我をしないようにベットする
- たとえば自分の失敗に賭ければ失敗しても賭けでは成功する
- だから悲観的に見える人間が本当に悲観主義者とは限らない
です。
補足として、もちろんいうまでもなく、大抵の場合リターンはリスクに比例します。
したがって大失敗がない選択肢ばかりを生きていると、大成功も掴めません。
まあそれは「難が無い」と書いて「無難」なわけですから、難がありすぎる状況下においては無難こそが攻守最強になります。
ちなみに現在「無難」の対極にあるといっていい東京2020オリンピックにおいて、
- 本当は開催してほしい
- 本当に中止してほしい
日本の東京2020オリンピックや新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策に関連して、最近よく見聞きするようになった言葉があります。Bread、あるいは葡萄パン「プランB」です。パンがなければお菓子を食べればい[…]
東京2020オリンピックは、新型コロナウイルスの影響で2020年3月24日に延期が決定されました。本記事を執筆しているのが2020年4月24日なので、ちょうど1ヶ月前のことになります。そして東京五輪は「東京2020オリンピ[…]
以上。
THIS IS THE ANSWER.