京都は陰湿、大阪は民度がお笑い、福岡は修羅の国、まだ東京で消耗してるの? などなど……みなさんも見聞きしたことがあるのではないでしょうか。
京都、大阪、福岡、東京に限らず、大抵の出身地に偏見は付きものです。
そして今回ご紹介する対処法も、京都編から東京編まで、四つ併せれば、大抵の偏見には対応可能な考え方になります。
ちなみになぜ京都が一番手なのかというと、筆者が京都出身だからです。
京都
じつのところ、筆者が現実に出身地を訊ねられて、
みたいなやりとりが発生したことは、一度もありません。
まあ当たり前なんですが、面と向かってそんな喧嘩を売るような発言をしてくる人がいたら怖すぎなんですが、それゆえ京都が陰湿といわれても、イマイチ実感がありません。
ってことは、「京都は陰湿」って、テレビやネットで見かける陰口でしかなくて、
って感じなんですが、まあ陰口を叩いているほうにも言い分はあるんでしょう。
他所から京都に移り住んだ経験があり、自分が生まれ育った土地と比べて陰湿に感じた、そういう実感があった、などですね。
感じ方なんて文化の違いによる誤解かもしれませんし、「陰湿」の定義は? みたいな突っ込みどころもあるにはあるんですが、そういうのもスルーして話を進めるとしましょう。
でも京都って、2019年時点で人口約260万人いるんですよね……。
京都府で約260万人、京都市で約150万人です。
京都といえば(別に京都に限った話じゃないと思うんですが)、地域カーストがあり、市外と市内、さらに市内のなかでも選ばれし地域があると話題ですが、その選ばれし地域に限っても、何十万人といるわけです。
これで反論終了ですよね。
それでも相手の視界が広がらないようであれば、こちらもそんな相手は視界に入れないようにして、アウトオブ眼中に徹するだけです。
大阪
大阪といえば吉本興業の本拠地であり、「漫才」発祥の地でもあり、日本中に日夜お笑いを発信してくれています。
しかし一方で、乱暴なイメージも付きまといます。
たとえば伝統的な上方漫才、「ボケとツッコミ」、この「ボケ」という呼称がすでになかなか乱暴です。
さらに「ツッコミ」は「ボケ」を口汚く罵ったり、頭を叩いたり、心も身体も打ちのめして笑いを取るのが定番です。
京都府民が遠回しに毒づいたかと思えば、大阪府民は最短距離でど突いてくるイメージです。
そして犯罪発生率を見ても、大阪は突出しているという現実があります。
そうして広い視野で大阪を見渡すと、なるほど、大阪の民度はお笑いといえそうです。
が、目の前にいる大阪の人がそうであるという保証はありません。
その土地の民度が低いことと、その土地に住む一個人が低劣かどうかは別です。
これで反論終了です。
それでも相手が森を見て、木を見ない人間なら、きっと森が好きすぎて森閑とした空気を求めている方なので、口を閉ざしてあげましょう。
福岡
福岡について、
と思ったのは、先ほど「大阪」の項目を書いているとき、警察庁の犯罪統計を見たからです。
警察庁の犯罪統計を基にして、週刊朝日が2013年から2017年の五年間をまとめたランキングがあります。
ソース:殺人1位、すり2位…全国ワーストは大阪 「犯罪の県民性」 – AERA dot. – 2019年6月2日(日)閲覧。
主な犯罪の人口十万人あたり認知件数(2013~2017年の五年間平均)で、福岡は、
- 侵入盗で三位
- 自動車盗で十位圏外
- 強盗で七位
- 殺人で四位
- 強制わいせつで二位
- 放火で五位
- ひったくりで八位
- すりで四位
です。
最新、2018年のランキングでは、同じく警察庁のデータを基に、警備会社のアルソックが作成したものがあり、それによると福岡は、
- 刑法犯の発生件数で八位
- 刑法犯の発生率で八位
- 窃盗犯の発生件数で八位
- 窃盗犯の発生率で八位
- 侵入盗の発生件数で七位
- 侵入盗の発生率で六位
です。
ソース:全国治安ワーストランキング2018 – ALSOK – 2019年6月2日(日)閲覧。
拍子抜けじゃないですか?
一位が一個もないって。
たしかに都道府県が四十七あることを踏まえれば、犯罪率はかなり高いほうです。
が、最新の治安ランキングでワースト8に入るのがやっとの地域に、「修羅の国」などという、漫画「北斗の拳」の世界観、世紀末を持ちだすほどかというと、微妙です。
五年以上昔はどうだったか知りませんが、ヤクザの抗争とか、手榴弾が発見されるとか、その他住民が被害に遭う凄惨な事件や猟奇的な事件なんて、過去を振り返れば日本中で起きていますからね。
反論終了です。
それでも相手が昭和や平成からアップデートできないゾンビなら、振り返らず、一目散にバイバイしたほうが賢明でしょう。
東京
というフレーズはブロガー界の有名人、イケダハヤト氏の代表作です。
筆者は特にイケハヤ氏のファンではありませんが、ブログを始めるならだれでも知ることになるよね、というだけで、よく知らない人なんですが、「まだ東京で消耗してるの?」に関してはめちゃくちゃ使い勝手がいいので気に入っています。
このフレーズに関してはだれもが認める天才的なフレーズでしょう。
それと個人的に、ブログを始めた頃、イケハヤ氏のツイッターを覗くとTweetDeckというアプリを使用されていたので、彼(もしくは彼のチーム)が使用しているなら便利なんだろう、ということで自分も導入した、という思い出があるんですが……。
そこなんですよね。
別に有名人や天才が使用しているからって、便利なアプリとは限りませんよね。
そんなのは人それぞれですし。
それは「まだ東京で消耗してるの?」といった言説にも同じことがいえます。
東京には消耗している人もいるでしょうし、消耗していない人もいます。
そんなことは当たり前で、イケハヤ氏だって百も承知でしょう。
刺さる人に刺さればいいだけの話です。
しかし、彼のような有名人が「東京は消耗する場所である」と断定し、前提として語ったとき、
と、過剰に信じ込んでしまう人がいます。
反論終了。
それでも相手が「気づき」を得てくれない場合は、その人の存在にこちらも気づかなかったことにして、やり過ごしましょう。
まとめ
ここまで京都、大阪、福岡、東京を例に対処法を紹介しましたが、どこでも応用可能です。
たとえば海外編、
という偏見があったとして、
こうして再考を促せば、伝聞でそう思い込んでいるだけの人や、ちょっと囓ったことがある程度の相手であれば、対処できるでしょう。
対話が無理そうなら、極力見ないようにして、会話も必要最小限で済ませ、ゾンビが近くにいるときみたいに、静かにやり過ごしましょう。
根強い偏見とやりあって、それこそ無駄に消耗する必要はありません。
ただし、こちらも相手の意見を偏見だと思い込んでいないかどうか、相手の意見が事実に基づいていないかどうかは、慎重に判断したほうがよさそうです。
でなければ、この記事に登場した対処法を、そっくりそのままやり返される可能性があるので、ご注意を。
THIS IS THE ANSWER.