諦めましょう。
なぜ諦めるのか?
学校や会社にもよると思いますが、お盆休みが終わり、夏休みもそろそろ終わりですね。
しかし夏休み最終日も近いのに、
と大慌てのキッズも大勢いることでしょう。
あるいは、会社を経営しているものの、経営破綻寸前で借金まみれ、メインバンクからの融資も凍結され、納入業者からは取引を停止され、全従業員からはストライキを受け、夏休み最終日どころか、三ヶ月ぐらいぶっちぎった結果、なにもかも間に合わなくなっているサービスエリアなどもあるでしょう。
諦めましょう。
なぜなら、
とお思いの方もいらっしゃるでしょうが、考えてもみてください。
反論できますか?
できませんよね。
よって締め切りに間に合わせる方法はありません。
そんな魔法はないので、諦めることは確定です。
そこで、本記事では「夏休みの宿題」などを例に交え、諦めたあとの心のケアを主軸に、記事を書き進めていきたいと思います。
もちろん子どもだけではなく、その親御さんや、社会人の方にも応用可能な考え方になりますので、是非参考にしてみてください。
諦めることは合理的
さて、まずは「諦める」という行動を実行に移すためのロジックですが、真面目な子ども(まあ夏休みの宿題を手遅れになるまで放置する子どもが真面目かどうかは疑問ですが、それはさておき)はこう思うでしょう。
じつはアメリカ屈指の名門大学、デューク大学のハリス・クーパー教授という方が、
という研究結果を発表しています。
ソース:Duke Study: Homework Helps Students Succeed in School, As Long as There Isn’t Too Much – Duke Today – 2019年8月19日(月)閲覧。
この研究によってクーパー教授は、小学生からカウントして、学年×10分(小学四年生なら40分)でこなせる勉強量が宿題として最適であり、高校生でも二時間以上の宿題は学力アップに繋がらない、と結論づけています(ちなみにこの研究結果を基に、「子どもに宿題をさせると悪影響しかないことが明らかに(GIGAZINE)」といった記事もネット上にいくつか散見されますが、こちらは研究結果を曲解したフェイクニュースです)。
そしてこの研究結果を簡潔に言い換えれば、
ということです。
であれば、一日中宿題に費やしたところで間に合わない上に、宿題の効果もないとなれば、そんな無駄なことに時間を割いて貴重な夏休みを棒に振るのは合理的ではありません。
宿題に加えて時間まで犠牲にしたくなければ、学年×10分の宿題だけやって、あとは引き続き夏休みの思い出作りに勤しんだほうがマシです。
そしてこの考え方は、夏休みの宿題以外にも応用できます。
そして宿題のケースに話を戻しますが、宿題を途中で投げだして遊んでいたことがバレれば、きっと親や教師には叱られるでしょう。
が、しかし叱られることはもうとっくに、宿題が間に合わないことが確定したときに一緒に確定しているので、潔く諦めましょう。
人間は諦める生き物
とはいえいざ、
と一方的にこっぴどく叱責されれば、あまり気分がいいものではありませんし、人によってはひどく落ち込んでしまうでしょう。
しかし考えてみてください、人間は諦める生き物です。
あるいはそこで原稿ではなく、クオリティを落とせば、締め切りを諦めずに済んだかもしれませんが、結局のところ、クオリティは諦めることになります。
より一般化すれば、仕事に納期は付きものですが、納期至上主義を貫いた結果、品質を諦めることになり、その結果大損害を被る例もあります。
セブンイレブンの決済サービスであるセブンペイは、「セブン」にかけて2019年7月のサービス開始を計画し、無謀な日程を推し進めた結果、失敗した、という推察がなされていますが、なぜそんな憶測を呼んでいるのかといえば、サービス開始直後からずさんなセキュリティの脆弱性が発覚し、不正アクセスや不正利用といった犯罪の温床となり、ずさんな対応も批判を浴び、わずか一ヶ月後にはサービス終了が宣言されたからです。
推察のソース:セブンペイ「不正アクセス」が与えた深刻影響 – 東洋経済オンライン – 2019年8月19日(月)閲覧。
しかしこの2020年東京五輪は、当初「コンパクト五輪」を謳い、当時の東京都知事である猪瀬直樹氏などは、
などと発言し、費用を最小限に抑えることをセールスポイントとしておきながら、そんなのは大嘘で、国立競技場はデザイン案から予算から竣工予定日までなにもかもぶち壊し、五輪自体も当初の予算を大幅オーバーし、「コンパクト五輪」を諦めたことは周知のとおりです。
大人でさえ、大企業でさえ、大都市でさえこうなのです。
ちょっと子どもが夏休みの宿題を諦めたぐらいで、あるいは一般市民が締め切りを諦めたぐらいで、ギャーギャー喚くなという話ではありませんか?
諦めて開き直っていい
でもそこで、
というお叱りが飛んできそうですが、では本質の話をしましょう。
一般的に、なぜ宿題をするのかといえば、学力を向上させるためであり、なぜ学力を向上させるのかといえば、学歴を向上させるためであり、なぜ学歴を向上させるのかといえば、社会的評価を向上させるためであり、なぜ社会的評価を向上させるのかといえば、豊かで幸福な人生を送るためです。
でも夏休みに宿題もせず思いっきり遊び呆けている子どもは、もうその時点で豊かで幸福な人生を手に入れているんですよね。
少なくとも宿題なんかにかまけて、夏休みを百パーセント満喫できていない子どもよりは幸福な時間を過ごしたといえるでしょう。
たしかに将来のことを考えれば、夏休みの宿題をサボるような子どもは、夏休みにも勉強を続けた子どもに比べて、収入や社会的地位、幸福度を落とす可能性がありますが、とはいえ可能性の話をすれば、幸福になるために弛まぬ努力を続けていたところで、その結実を収穫する前に事故や難病、あるいは過労や心労で命を落としてしまう可能性だってあるわけです。
もちろん、遊び回っている子どもにしたって、道路に飛びだして車に轢かれたり、山で滑落事故を起こしたり、川や海で水難事故に遭ったりして、命を落としてしまう可能性があります。
きっと夏休み最終日には、
- 夏休みの宿題を諦めた自分
- 夏休みの宿題を修めた自分
- 夏休みに豪遊を極めた自分
- 夏休みに猛勉強をした自分
- 夏休みに初体験をした自分
- 夏休みに命を落とした自分
このように、いろいろな自分が平行世界に存在することでしょう。
なぜなら「もうひとりの自分」なんて幻想だからです。
「自分」以外の自分は幻想です。
それが現実を見るということであり、現実に存在する自分を肯定し、現実に幸せへの第一歩を踏みだす秘訣です。
あきらめたらそこで試合終了だよ
さて、では最後に。
ここまでいろいろと諦める技術についてお送りしてきましたが、ここにきて諦めないことの重要性を説きたいと思います。
ええ、まあ結局のところは、
などと謳うバスケ漫画「スラムダンク」や、
と訴えるお茶石鹸「茶のしずく」のCMが世間を席巻したように、世の人々は「諦めること」よりも「諦めないこと」を美徳として扱う傾向にあるので、現実を信奉する当ブログとしても、やはりその現実には従うほかありません。
というわけで、
以上。
THIS IS THE ANSWER.