世間に向かって石を投げれば、世間に石を投げ返されるのは当たり前である。
～これまでのあらすじ～
さて、なにかと世間の話題になりやすい芸能人やインフルエンサーですが、当たり前です。
彼らの仕事は、世間に話題を提供することだから。
そして、世間を相手にするなかで、「批判を受ける失敗」とか「誹謗中傷を招く失言」とかがあって、
彼らは時に、自らを「成功者」などと称しますが、たしかに成功しています。より多くの人間に石を投げるという意味では。
しかしその代償は、反響の大きさに比例して、反感も反論も反撃も多い。
では以下目次です。
有名人は世間を攻撃するのに世間の反撃はダメなの？
～太田光さんの意見～
ＭＣの太田光はＳＮＳでの誹謗中傷に「ここまで匿名で人に悪意をぶつけるっていう…俺は、常々思っているんだけど人類はここまで落ちたっていうか、今が一番人間が卑怯になったと思っているんです」と指摘した。
ソース：太田光、「サンジャポ」でＳＮＳ上の誹謗中傷問題に見解…「匿名で人に悪意をぶつける…今が一番人間が卑怯になった」 – Yahoo!ニュース – 2023年7月24日閲覧。
お笑いコンビ『爆笑問題』の太田光さんは、テレビ番組『サンデー・ジャポン』において、上記のように述べました。
りゅうちぇるさんの死に関連して、誹謗中傷に一因があると見なし、ネットの中傷を断罪する論調ですが……。
う～ん、これって、
- 「人類はここまで落ちた」
- 「今が一番人間が卑怯」
一応おさらいをしておくと、「誹謗中傷」とは「根拠のない悪口」です。
①②「太田光さんの発言」に、根拠はあるでしょうか？
いいえ、太田光さんは「常々思っているんだけど」とか「思っているんです」とか繰り返しているように、ただ自分の思っていることを好き勝手喋っているだけです。
たとえ民間放送であっても、電波は国民の共有財産であり、公共に対して発信されるテレビ番組には公共性があります。
日曜・午前9時54分放送の『サンデー・ジャポン』などは特に耳目を集めますよね。
さらに、発言を書き起こしたニュース記事、ネットやSNSでの共有も含めれば、
つまり一言でいえば、「世間」といっていいレベルの人数です。
その「世間」には、私も含まれるし、あなたも含まれます。
そして「人類」には私も含まれるし、「人間」にはあなたも含まれるし、
～太田光さんの意見～
なにを根拠にそんなことを……って、根拠はないんだった。
老害の「最近の若者は～」と同じレベルの意見ですよね。
え、じゃあ太田光さんの発言って、私への誹謗中傷だし、
批判は数の問題か？それだけの数を攻撃した責任は？
- SNS
- 動画サイト
- 匿名掲示板
いや、私だけじゃなく、①②③「世間」から、石を投げ返されていることでしょう。
そのなかには、正当な批判から過激な誹謗中傷まで、多様なご意見ご感想が含まれているはずです。
仮に正当な批判だけが寄せられていたとしても、その数は膨大であり、合計すれば正当性は失われるかもしれません。
～清水陽平弁護士の意見～
「自由が前提ではありますが、倫理の問題として考えた場合、多数対一人の状況で一人を徹底的に傷つけていいということになるのか。有名人だから何でも意見を言っていいということになるのか。自分が逆の立場なら耐えられるでしょうか。子どもの時に学校などで、人を傷つけることを言っちゃダメだと教わった人はたくさんいると思いますが、ネット社会では、いい大人が『これは意見だ』と主張して誰かを傷つけることが常態化しているのが現実です」
ソース：ryuchellさんの訃報にも中傷、コメント欄は本当に必要？ 木村花さん裁判の弁護士に聞いた – Yahoo!ニュース – 2023年7月24日閲覧。
↑（最近捏造画像で無関係の一家を訴えて反訴を食らっていますが）誹謗中傷裁判の第一人者、清水弁護士はこう仰っています。
ここでいう「有名人だから何でも意見を言っていいということになるのか」は、正確には「有名人（相手）だから何でも意見を言っていいということになるのか」ですよね。
でもそれをいえば、
有名人は、テレビやメディアの強力な発信力を使って、自由に意見を発信できます。
一方で、私たち一般人には、対等な発信力を使った反論の機会は設けられていない。
自分が逆の立場なら耐えられるでしょうか？
清水弁護士の意見は、そっくりそのまんま、有名人やお笑い芸人やテレビ番組にも当てはめることができます。
「倫理の問題として考えた場合、多数対一人の状況で一人を徹底的に傷つけていいということになるのか」は、なりません。
が、一人対多数の状況で、多数を無差別に傷つけてもいいということにもならないし、
- 「人類はここまで落ちた」
- 「今が一番人間が卑怯」
そして今回、太田光さんは①②「私たち世間」に石を投げました。
因果の問題として考えた場合、①②「私たちひとりひとり」に、石を投げ返す機会が与えられて当然ではないですか？
人類の歴史を振り返れば、「この時代の人間が一番卑怯だ」といえそうな時代はいくらでもあり、
リメンバー・パールハーバー！（アメリカ人大歓喜）
あるいはその後の、アメリカに核兵器をぶち込まれて負け犬になり、核廃絶を訴えながらアメリカの「核の傘」に守られるという謎の矛盾を抱えたクッソ卑怯な日本人の態度を指摘してもかまいませんが。
それら原爆が落ちた時代に比べれば、何年かに1度芸能人が死ぬ程度のネットの中傷なんかで「人類はここまで落ちた」とか騒いでるの、どんだけ平和ボケなん？
と、自分が石を投げた分だけ、石を投げ返されても文句はいえないでしょう。
いや、太田光さんなら、またもや公共の電波を飛ばして文句をいうことはできますが……。
その文句に対しても、またもや大量の文句が返ってくるだけであり、
石を投げ返されたくなければ？石を投げなければ良い
その範囲攻撃を受けて、人知れず傷ついている人間は大勢いるだろうし、人知れず死を選んだ人間もいるでしょう。
ここで証明はできませんが、りゅうちぇるさんの死因に誹謗中傷を挙げる程度の推理力があるなら、同じように推理すればいいだけです。
一応、何個か範囲攻撃の実例を挙げておきますが↓
～世間に石を投げた有名な例～
- ソース1：成田悠輔氏、物議醸す「高齢者は集団自決」発言は持論だった メタファーと説明も…「老害化」社会防ぐ「最強のクールジャパン政策」と直言 – J-CAST ニュース – 2023年7月24日閲覧。
- ソース2：専業主婦は「地雷」「まじメリットない」 「170cmない男は人権ない」炎上元プロゲーマー持論に賛否 – J-CAST ニュース – 2023年7月24日閲覧。
- ソース3：「偉大なジャニー氏の慰霊に対する冒涜、日本の恥」 デヴィ夫人、性加害問題で持論…東山紀之には怒り「非礼極まる」 – J-CAST ニュース – 2023年7月24日閲覧。
まさか、「言葉の暴力」を問題視しているくせに、世間に向けられたこれらの暴力を問題視しない人間はいないでしょう。
嗚呼、この時代は人間が一番卑怯で高齢者は集団自決するべきで身長170cm以下の男には人権がなくて専業主婦とパート女は地雷で児童への性的虐待を繰り返したジャニー喜多川氏を批判したい自分は日本の恥なのか……と、落ち込んで死んでしまった名も無き一般人のことを想像できない人間がいるでしょうか？
世の中、誹謗中傷で死ぬ人間が少ないのは、りゅうちぇるさんの件で引き合いに出される名前が木村花さんぐらいなのを見てもわかります。
そして人間、死なない程度の攻撃を受ければ、反撃するものです。
では、芸能人やインフルエンサーからの範囲攻撃を生き抜いた大多数の一般人が、
と主張したときに、有効な反論はありません。
まあせいぜい、投げ返された石のなかから、大きすぎる石（過度な誹謗中傷）を槍玉に挙げて大騒ぎするぐらいでしょう。
多すぎる石（数の暴力）については、
石を投げ返されたくなければ、石を投げなければ良い。
ひっそり静かに暮らしていて、世間から炎上させられたり誹謗中傷されたりすることは滅多にありません。
いま現在、自分は生きているくせに、りゅうちぇるさんに便乗して自分も傷ついたアピールに必死な人たちは、
まとめ：匿名反対？やべーやつは実名でもやるけど？
- 太田光「人類はここまで落ちた」「今が一番人間が卑怯」のように、有名人は世間に石を投げる
- 有名人に石を投げられた一般人が、ひとりひとり石を投げ返すのは、正当だし当然の反撃である
- 正当な意見が大量に殺到する量の問題はあるが、そもそもそれだけの量の石を投げなければ良い
以上です。
この手の話題では、よく匿名性が問題視されますよね。
では実名なら、人間は卑怯にはならず、正々堂々と礼儀正しい立ち居振る舞いをするのでしょうか？
～太田光さんのエピソード～
お笑いコンビ「とんねるず」石橋貴明とのスペシャル対談。そこで脚本家・三谷幸喜氏の話題になると、太田は「俺はアイツのこと大っ嫌いなんですよ!」と吠え始める。
約40年前に日本大学に入学した太田、学内で関わることはなかったというが、大学の先輩である三谷氏が主宰した「東京サンシャインボーイズ」が話題になっていたという。太田は「とにかくそういう小劇団のことを嫌っていて。自分はまだなにもできないくせに、なにかやっている。しかもちょっとした内輪で人気になっていて、悦に入っている気がしたんです」と振り返る。
知人に頼まれて舞台を見に行ったというが「“なんでこんなくだらない芝居を観ないといけないんだ”って。だから観に行っちゃ文句言って、客席でヤジ飛ばして芝居を台無しにしたりして。アイツだけは絶対に許さないって」とぶっちゃけていた。
ソース：太田光「絶対に許さない」という大物を実名告白 約40年間にわたる“恨み”をぶちまけた！ – Yahoo!ニュース – 2023年7月24日閲覧。
↑えーっと、太田光さん、実名でとんでもねぇバケモンエピソードを披露されていますが……。
面識のない相手に、一方的に嫌悪感を抱いて、自分勝手に攻撃……。
相手の舞台を台無しにするなど、実害を出しながら、まるでそれを武勇伝みたいに語る。
また、自身が司会を務めたフジテレビ「スタ☆メン」（05年～07年放送）で初めて対談する機会があったというが「“許してないからな!”って言ったら（三谷氏は）“え?どういうこと?”って。
ソース：太田光「絶対に許さない」という大物を実名告白 約40年間にわたる“恨み”をぶちまけた！ – Yahoo!ニュース – 2023年7月24日閲覧。
あの～……普通に誹謗中傷をしているネット民より有害じゃないですか？ この人……。
どのツラ下げて「人類はここまで落ちた」とか「今が一番人間が卑怯」とかいっていたんだろう……。
って、顔も名前も公開していたんだった。
だからやべーやつに限って、名前と顔を晒しながら、「おまえも名前と顔を晒せ！」と要求してくるんですよね。
そんなに石を投げられたくないなら、自分が名前と顔を隠して、世間に石を投げるのをやめればいいだけなのに。
以上、世間に石を投げるとき、世間もまたこちらに石を投げるのだ。
